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ジュリアン・ティンバーがPL初戦で深刻なケガ。ACLでシーズン絶望の可能性も

先日の23/24シーズンのPL初戦、ホームでノッティンガム・フォレストにはいちおう勝利したものの、ファンからの大きな期待に反して、アーセナルとしてはあきらかに最高のスタートではなかった。

その試合、アーセナルのネガティヴポインツがいくつかあるなかでも、最大のものはジュリアン・ティンバーのケガだったろう。彼はヒザをひどく痛めた様子で、後半開始早々に途中交代を余儀なくされた。

その後の各所でのリポートによれば、「数ヶ月」単位での離脱は免れないようだ。あるいはもっと。

ティンバーは、この夏のプリシーズンでもっとも輝いた選手のひとりであり、あの試合がPLデビューだったのだから、なんという不運。もちろん、シーズン初戦で重要な選手を失ったアーセナルにも大打撃。

今回は、彼のケガについて。



ジュリアン・ティンバーのケガ状況と復帰予想

ぼくも、今回の彼のケガをあらためて試合の動画で確認してみた。

まず、前半。アディショナルタイムに入って2分を経過したところ、彼が相手選手に対しボールを奪おうとタックルしてイエローカード。ティンバーは立ち上がれない。このとき、相手選手の足とぶつかったのは左足に観えたが、痛がっていたのは右足(ヒザ)だった。

チームのフィジオがピッチに入り、試合は一時中断。カメラに抜かれたタッチラインのアルテタは、指をくるくる回して交代の準備を指示していたが、結局ティンバーはそのあとピッチに戻り、前半最後までプレイした。

試合後の会見で、なぜティンバーをHTで下げなかったのか問われたアルテタは、ドクターも本人も問題ないと云っていたからと述べた。

The doctors looked at him and they were happy for him to continue, he was as well. Straight away in the first action of the second half he made a movement and it was a bit funny.

ドクターたちが彼を診て、つづけても大丈夫だと。本人もそう。セカンドハーフの最初のアクションは大丈夫だったので、あれはちょっとおかしかった。

(※訳注:当ブログの試合レヴューの訳に誤訳があったので修正した)

そして後半、そのままピッチに出てくると、47:38に自損事故的にピッチに崩れ落ちて、そのまま交代。よく見るとあれは彼の後半のファーストタッチでもなくて、時間差でああなるのは、たしかにちょっと変ではあった。

昨日、AFCから彼のケガについて、右ヒザの負傷であると公式にお知らせがあった。

Update on Jurrien Timber’s injury

これによれば、クラブはこの数日内に彼の足のさらなる検査とコンサルティングを実施、ケガの度合いを診ていくということ。あまり楽観的になれない調子の経過報告となっている。

グーナードクターの予想

アーセナル選手のケガについてのご意見番といえば、もちろんこのひと、Dr. Raj。先生には、いつもお世話になっております。

Dr. Raj:ジュリアン・ティンバーは、どうもACL(靭帯)の部分断裂をやっているように思えてきた。(ジェイムズ・ベンジによれば)チームは半月板損傷についても検査をしている。

ジュリアンの復帰タイムラインにとってカギになるのは、ACL損傷の度合い。もしACLの手術が必要なければ、今シーズン中に戻れる可能性はある。

それがACLの部分断裂だったとき。手術を行うかどうかはいくつかの要素がある。

断裂の範囲(通常「グレイド2」とは靭帯の 25-75% の広い範囲の断裂を指す)、機能性(不安定性の兆候がある場合)、およびその他の損傷の有無(MCL、半月板)。

彼は、r/Gunnersでも追加のコメント。他ユーザとのやりとりも。

さっき3CB Performanceとしてtweetsもしたんだけど、追加したくて。

彼は、最初あの前半のチャンレジのときに負傷したようで、彼のヒザは典型的なACL損傷メカニズム(足を外旋させたときにヒザが前方/内側に落ちる)に陥った。初めてちゃんとしたアングルであのシーンを見たんだ。

そのあと後半、彼は通常のステップを踏み出したとき、ヒザが素早く動くのが観える。あれは通常は完全な断裂を示している。

わたしの意見(完全な推測だが):起きた一連のことからすると、最初、彼は部分的に断裂をやったんじゃないかと思う。そして、彼はとても筋力があり強かったため、(HTに)ハンズオンや動きの検査をしても偽陰性になったのかもしれない。そして検査完了となった。

そうは云っても、このような無害な動きですらヒザが動くということは、高レベルの断裂が発生していて、手術が必要だった可能性がある。

キーノート。ひとつ気になるのは、クラブがデューデリジェンスをしているのでなければ、なぜ査定にこれほど時間がかかるのか。クラブがリリースしたニュースでは、なんのヒントにもならない。

(つまりどういうことだってばよ先生。はっきり云うと?)

もし彼に手術が必要なら、通常は(復帰まで)7-9ヶ月かかる。だから、シーズン絶望ということはない。問題は、そのあとシーズン終盤のハイインテンシティな試合に彼を使いたいかという。

(こういうケガだとどれくらいで復帰が見込めるの? 彼はふつうの状態に戻れる? あるいは彼のスピードや動きに著しい影響を及ぼす?)

100%でいい感じに戻ることができる。時間はかかるだろうが、死を宣告されたわけじゃない。

(ACLはアメフトやバスケだと「2年ケガ」とされることが多い。ケガの回復に一年、その後アスリートとしてケガ以前の状態に戻るのに一年かかる)

わたしがこれまで観てきたものからすると、フルパフォーマンスに戻るまで18ヶ月という感じかな(信ぴょう性はともかく)。

ケガの度合いは、実際に選手の足の状態を診ているクラブからの発表を待つ必要があるものの、やはりかなりシリアスな状態のように思える。「(靭帯が断裂して)ヒザが動いちゃってる」なんて。

そして、このケガ特有の復帰までの長期間のタイムフレイム。つまり、彼のケガがACLのシリアスなやつだったとして、それが癒えてからケガ以前のトップフォームに戻るまで、楽観的に考えても今シーズン以内というのは難しいのかもしれない。なんてこった。

ちなみにチェルシーのNkunkuもシーズン開始直前に数ヶ月離脱の大ケガをやったということだが、彼のほうはMCLだそうで、ACLをやるよりは軽度らしい。

こんな不運があっていいのか。

アーセナルのメディカルチームの責任?

「フォレストに2-0で勝っていて、なぜリスクをおかしたのか?」と、HTのチームとしての所見が一部のファンに追求されているようだが、個人的にはあまり責められないんじゃないかと思う。

彼は後半はじまってからもふつうに動いているし、一度はボールを蹴ってすらいるわけで、HTに異常を見抜けなかったとしても、まあしょうがないかもしれない。本人も大丈夫だと云ったという。

彼が前半にやったような、選手がフィジカルコンタクトで痛がるなんていうのは、フットボールのなかでは日常茶飯事なのだから、もともと心配な場所だったということでもなければ、たしかにいちいち交代はしていられない。

ただ、興味深いのは以前にもこのブログでもお知らせしたように、今年アーセナルはメディカルチームのトップが転職していて、もっとも豊富な経験を持つだろうスタッフがいなくなっているのだよね。

それと今回のことが関係あるかどうかはわからないが。

 

PL試合でベンチにも入れなかったKTは移籍しそうで、ジンチェンコはただでさえケガがちで、トミヤスとキヴィオールはInverted FBとしてアルテタのスタンダードを満たしているかはやや疑問があり。

LBは大丈夫なのか??

 

おわり



※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

3 Comments on “ジュリアン・ティンバーがPL初戦で深刻なケガ。ACLでシーズン絶望の可能性も

  1. 交代で出てきた冨安のパフォーマンスを見ると、アーセナルのサイドバックに求められた役割を広範囲に深い理解を持ってこなせる一番は彼なんだと思います。逆にいえば少しトロサールと似て、スタメンから出るというよりは足りないところをベンチから補える人として重宝されてしまうのかなという気もします。一方でティンバーはフィジカルと足元の技術が異常に高いものの、与えられた役割に慣れていないようで、戦術的な選手というよりは感性の選手、完全なフィットには時間がかかるように見えました。だからこそ序盤で慣れていってほしかった。。はやい回復を祈るばかりです。

  2. 誤訳じゃないのでは?元の方がよかったと思いますけど。

    funny はいわゆるha-ha funny ではなくて、strange(haha 要素なし)って意味で使われてるけど、感覚がおかしいって時に割と使う表現だよね。

    I hate eggplant cause it feels funny when I chew it.

    アルテタが一連の流れが funny (おかしい)と言ったのでななく、ティンバー が異変(嫌な痛み)を感じたってことじゃないかしら。

    ま、アルテタ君もそこまでエーゴがペラペラってわけでもないからどういう意味で言ったかはわからんけどね。

    1. 自分が誤訳したのは“funny”じゃなくて、「最初のアクションでは大丈夫だったのに」のほうです

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