It’s a match day today!
アーセナルのPL3試合めは、エミレーツにフルハムを迎える。ロンドンのライヴァルながら、これまでの実績でもアーセナルには悪くない相手。
昨日のアルテタのプリマッチプレス会見では、今日のこの試合に向けガブリエル・ジェイズースの準備も整っていると伝えられ、試合前からアーセナル世界はポジティヴな雰囲気がある。3連勝に向けてムードはいい。
いっぽうで、昨日は移籍関連でも大きな動きがあった。もちろん、フロ・バロガンのモナコ移籍と、KTのレアル・ソシエダへのローン。どちらもいろいろ思うところはあるが、それはいずれ。アーセナルとしては、ハードに取り組んでいただろう大きなふたつの案件が片付いた。
来週のウィンドウクローズに向けて、ぺぺを始めとした残りの案件もなんとかしたい。それともちろん、できればティンバーの代替獲得も。エドゥと仲間たちには、本格的に忙しくなりそうな一週間がすでに始まっている。成功を祈りたい。
今晩の試合をプレヴューしてゆこう。
アルテタの試合前コメント「ジェズースは準備ができている」
試合前日である昨日行われたアルテタの試合前プレスコンファレンス。今回は前回と打って変わってだいぶ試合までの間隔が短い。AFCオフィシャルサイトより。
(ガブリエル・ジェイズースがトレイニングに戻っている……)
アルテタ:われわれもとてもうれしい。もちろん、プリシーズンのあとにさらなる手術をしなければならなかったのは、彼にとっては非常に打撃だった。しかし、彼はもうとてもシャープに観えるし、今週はずっととてもいい感じでトレインしていた。彼は行ける準備ができているよ。
(ジェズースはフラム戦に含まれるので?……)
彼は行けるね。
(スタートすらできるかも?……)
どうかな! でもとてもいいニュースだ。
(退団可能性ある選手たちについて……)
いくつかの動きが起きている。もちろん、先週はとてもとても多忙だった。だが、現時点でアナウンスできることはなにもない。
(フォラリン・バロガンの将来?……)
何も云えない。いくらかの動きはあるが、個人についての話はできない。まだなにもコンクリートなことはないから。
(キーラン・ティアニーとレアル・ソシエダとのリンク?……)
繰り返すように、まだ解決できていない件がいくつかある。それがマターになったときには、お知らせしよう。
(定着したスクワッドを持つことの重要性について……)
それはとても重要。とくに自分たちの役割をはっきりさせたい選手やみんなにとって。彼らがどこでプレイすることになるのか、もちろん彼らの家族にだって問題だ。われわれは、数多く抱えている件で透明性が必要であるが、ウィンドウが閉じるまでは…… もうすでにコンペティションが始まっているのに、まだウィンドウが開いているというのはちょっと変な感じだ。だが、われわれはそれに対処しないと。もう長いあいだそうなっているのだし、それに慣れてきている。
(ガブリエル周辺の移籍の憶測について……)
ガビははチームにとって非常に重要な選手で、いまはなにもない。
(フラムについて……)
Marcoとコーチングスタッフがやっていることは際立っていると思う。昨シーズン、彼らがPLでどこでフィニッシュしたか。とくにそのやりかた。あれはすごかった。
彼は常々わたしが尊敬するコーチだ。なぜならチームはとてもよくオーガナイズされていて、自分たちのやりたいことにとても明快なアイディアがある。彼のチームは、彼がチームに求めているものそのもの。明日はタフな試合になる。
(Luis Rubialesの去就がスペインのワールドカップ成功に影を落としている?……)
間違いなく、そして願わくば、あれは起きないほうがよかった。なぜなら、わたしは彼女たちがやったことをほんとうに誇りに思っているから。国全体がそうだと思う。だが、悪いが、わたしも隅々まで知っているわけではないんだ。今日のことは、わたしはコメントできない。しかし、みんなが祝福しているときに、みんながすごく誇らしいときに、そうしたことが起きたのは悲しい。
(あなたはこれまでフラムに敗けたことがない。その理由は?……)
そのスタットは知らない。初めて聞いた。できれば明日もそれを継続して試合に勝ちたい。しかしすでに云ったように、彼らはとてもチャレンジと困難をもたらすチームだ。去年も、われわれがアウェイやホームで彼らとプレイしたときはタフだった。
ホームでのわれわれは最後の最後に勝ったのだし、アウェイではとてもいいファーストハーフがあったのに、セカンドハーフはよくなかった。だから、わたしは明日も似たようなものになると考えている。
(今シーズンのフラムをどう観ている?……)
グループの大部分はもうしばらくそこにいて、コアグループととてもよくやっている。Mitrovicが彼らに違う次元を与えていたのは事実だが、Raul Jimenezもこのリーグではとても実績あるゴールスコアラーだ。ウォルヴズではかなりうまくやっていた。
彼らにはリソースもあるし、相手を傷つけるキャパシティもある。明日はまたそれを観ることになるに違いない。
(あたらしいケガの問題は?……)
ない。ニュースもない。
(昨シーズンのVARについてマイク・ディーンの最近のコメント……)
レフェリーに関しては、わたしはあまりコメントしないほうがいい。そこからは距離を置く。映像から読み取れることははっきりしていると思うので、わたしはそれについてはコメントしない。
(パレスでの勝利はどれほどよかった?……)
10人というああした状況で30分以上プレイしなければならなかったが、われわれはやり遂げたし、チームはあの難しい時間に抗して、勝利へのすごいハンガーとレジリエンスを見せた。あれこそがわれわれが望むものだ。なにか違うことを学べたという点で、とてもいい試合だった。
(かつてはずっとソフトだとみなされてきたなか、いまのチームはとてもフィジカルが強いように観える……)
それが、毎日欠かさず証明しなければならないことだ。なぜなら、もしそうじゃないときがあるのなら、このリーグではさらされてしまうから。それ(soft)は、おおくのひとが敗けや引き分けの説明に使う形容詞で、いつもそう単純なわけではないが、わたしはそのようなことばを自分たちのチームに使うのは好きじゃない。それはたしかだ。
(そこは変えなければならないとあなたが考えていたところ?……)
それ以上のことだ。感じかたや、チームの行い、伝達、感じ、競争するやりかた。それはそうした単語からは程遠いもの。
(パーティ、ライス、オーデガードをMFトリオとして観ている?……)
それはもうチェックボックスにチェックを入れたと思うよ。われわれは、マンチェスター・シティ相手だってそれでプレイした。
(それはリーグでもそうなる?……)
このリーグでだって? CLやカラバオカップはどうなる? リーグでもそういうふうにプレイしなきゃならない? ホームでもアウェイでも?! 間違いなく、それもあると思う。
(新しいタッチラインルールについて……)
わたしはもうそれに慣れた。一週間で完了! 生まれ変わったよ。タッチラインでとても落ち着いているわたしが観られるだろう。わたしはラインから動かない準備はできてる(笑い)。
真面目な話、わたしもベストを尽くすよ。わたしはスタンドにいて、移動するときもある。明日は、わたしがいかにいい振る舞いをするか観られるはずさ!
(それはあなたには行うのが難しいルールなので?……)
イエス。とてもむずかしい。だが、わたしはベストを尽くす。そこは約束できる。
(PLにとってサウジプロリーグはどれほど大きな脅威?……)
また別のコンペティターであり、選手やマネジャー、この業界で働くひとにすべての機会をもたらす。
結局、われわれは決断する自由があるということ。クラブや選手、あるいは誰でもなにかに合意をしなければならないし、そこへ行く意図がなければならない。合意に達しなければならない。それが契約になる。
もし誰かがそこへ行くことに合意しても、われわれが売ることに合意しない。だから、ふたつかみっつくらいのやりかたになることがある。
(サウジプロリーグのクラブが使っている金額について……)
選手は移籍の意志がなければならないし、クラブも売却の意志が必要。だから、いまでも選択肢はある。でしょ? 契約上では、とくにこの国では、とても保護されている。
最終的に、わたしはすべて彼らの責任だとは思っていない。彼らにもわれわれのようなリソースがある。ほかの国々がPLを観てこう云う。「もしPLが来たら、自分たちは死んだも同然」。だが、それでもたくさんのことが起きている。彼らがさらなるコンペティターだということは、間違いない。
(サウジプロリーグには移籍ウィンドウが終わってからあと2週間の期間があるのはフェア?……)
いいえ。なぜなら、それが競争だから。それがわたしの意見。
(タケヒロ・トミヤスのふたつのイエローカードはアピールが許されるべき?……)
イエス。それに関しては、わたしは過去にさかのぼってのアプローチも観てみたい。しかし、われわれはそれが起きないこともわかっている。
(2週間のあいだにサウジプロリーグからの自分たちの選手にオファーがあっても、リプレイスはできないのでお断り?……)
原則的にはそうなるだろうが、わたしはクラブを代表して決断できない。そのプロセスには関与するたくさんの人間がいる。それは、ほかのオファーと同様にテーブルに置かれるだろうし、それをわれわれは観るだろう。しかし、それが理想的ではないのは、いまや彼らはコンペティターだから。
(ジュリアン・ティンバーのケガは、夏に行ってきた守備の取り組みにどれほど影響を与える?……)
人数についての考えがあるのだろうが、もちろんケガのように多くのコントロールできないことがある。その場所に多くの選手を抱えているのは事実であり、それは近年ではなかったものだ。われわれは、ときによってバックラインにいろいろな選手を使ってきた。
われわれがコントロールできないもうひとつのことは、いつ選手が去る決断をするかだ。だから、われわれはそれに適応しないと。
以上。
今回はサウジリーグの質問が多い。たしかに今年の夏は、イングランドでもほんとうに彼らが移籍市場を席巻しているという感じがある。彼らの無鉄砲な振る舞いを観ていると、別世界の勢力が突然あらわれたみたいで(ヨーロッパと地理的・文化的な隔たりが中国ほどないのがやっかい)、お金の価値というものをほんとうに考えさせられる。
会見のなかで、気になったポインツをいくつか。
スペインの女子ワールドカップ優勝に水を差すFAプレジデントの愚行
ワールドカップ優勝を祝うためにスペインFAのプレジデントが、あろうことか女子選手の口にキスをしたとして追求されている件。股間を握ってガッツポーズも。その後も彼は辞任を拒んでいるということで、スペイン人の恥と云われている。。
ぼくはこの事案のことは最近まで知らなかったのだけど、写真を観たらけっこうショッキングだった。観てないひとは簡単にみつかるだろうけど、探さないほうがいいです。
被害者本人から。
Official Announcement. August 25th,2023. pic.twitter.com/lQb18IGsk2
— Jenn1 Hermos0 (@Jennihermoso) August 25, 2023
『Reuters』が、本人をはじめたくさん批判の声をまとめていたなかで、ヘクター・ベレリン(ベティス)も怒りのコメントをしていたのは、アーセナル界隈でも話題になっていた。「ナルシシストは自分が間違いを犯したとは決して信じません。他人に対する権力を維持するために、嘘をつき、真実を操作し、被害者を有罪にすることができます」
どうもこのLuis Rubialesは、公衆の面前で下品な行いを平然とやってのけただけでなく、その後もかなり不誠実な対応をしているようで、そちらも火に油を注いでいる。スペインFAのチーフというかなり重要な立場にありながら、まったく尊敬できない人物らしい。森喜朗よりも酷いと想像したら、泡を吹いて後ろ向きにぶっ倒れそうである。
まあ、でもこういう大きな組織の上のほうに、クズがいるというのはどこの世界でも同じなんでしょうな。
この件に関してはもちろん同郷のミケルも否定的見解を持っているはずながら、問題を起こしたのがスペインFAのトップということは、彼にとってもまったく関係ない世界の話ではなく。立場的にものが云いにくいというのはわからないでもない。
引退してもマイク・ディーン。VARで爆弾発言
今回はもうひとつスキャンダラスなニュースがあった。マイク・ディーン。イングリッシュフットボールの阿部四郎。彼は今年から一線を退いているが、去年のVARレフを担当したときのコメントが物議を醸している。
去年のチェルシー vs ToTで起きた「ククレヤ髪ひっぱり事件」。あれがVARでレヴューもされずにスルーされたということで、世界中のチェルシーファンが激怒したという件(ペナルティ事案でもあったため、スコアラインから彼らはそのせいでポインツを落とした可能性が高い)。おれもなんとなくおぼえてる。よりによってあんなはっきりしたファウルを、VARレフがメインレフのアンソニー・テイラーにVARチェックの進言をしなかった。
あの事案について、ディーンがまさかの衝撃発言。しかもいまさら。
マイク・ディーン:あれはミスだった。わたしの立場からもとても後悔している。もう一度ああいうことがあったら、今度はどうするか? アンソニー・テイラーをVARスクリーンに送るよ。
わたしがあのときそうしなかったのは、彼がわたしの友人(mate)だったから。レフェリーとしても。あの試合ですでにそうなっていたのだから、あれ以上彼に問題(grief)を起こさせたくなかったんだ。
これ信じられる? つまり、彼は試合の結果とかレフェリーとしての判定の公平さ・正しさよりも、友情を優先したのだと告白している。しかも、こんなことを平然と口走ってしまうのだからあんまりその重大さに気づいてないというか。
これでは、PGMOLが一所懸命にVARの存在価値や意義を説いたところで無駄ではないか。システムや技術をいかに発達させても、それを担当する者の私情や一存が判定に影響を及ぼせてしまうのだから。よりによって、あんなに目立つ重大事案でそれが証明されてしまった。現在のVAR運用に、ほとんど致命的な欠陥が露呈した瞬間である。というか、VAR以前の、プロスポーツのレフェリングにおける職業倫理の問題。
PGMOLもこの件には反応している。それをチャールズ・ワッツが皮肉まじりにばっさり。
“We strongly refute any suggestion that VARs do not intervene, for whatever reason, when they have identified a clear and obvious error.”
Interesting response, given a very high profile (former) VAR has just admitted to doing it 😂 https://t.co/g8vVhuKjjS
— Charles Watts (@charles_watts) August 25, 2023
ワッツ:「わたしたちは、VARが明確で明白なエラーを発見した場合、いかなる理由があろうとも介入しないという意見に強く反論する」
興味深い反応。渦中のVAR担当(元)が、それをやったと認めたばかりなんだけど😂
それにしてもマイク・ディーンという人物は、現役時代にもレフェリーでありながら、まるで自分が試合の主役のようにふるまってピッチ上の注目を集めようとしているフシがあったが、引退してまでこの調子である。そのうち暴露本でも出すんじゃないか。
かつて、ヴェンゲルさんがディーンを「貴殿は不誠実である」と厳しく批難して罰金を受けたりしている。こうなると、彼はふつうに批難に値する人物というほうが正しいのではないか。フェアネスの敵。フットボールの敵。
ひどい話。
選手たちのインタヴューズ
今回はこの試合までに多くの選手たちがインタヴューを受けていて、すべて訳す気力はないので、リストアップだけ。
レオ・トロサール。
Trossard on new recruits and life at London Colney
ベニー・ブランコ。
White looks ahead to London derby with Fulham
ブカヨ・サカ。The Guardianエクスクルーシヴ。
Bukayo Saka: ‘Nothing worth having is easy. It’s about how much you want it’
エディ・エンケティア。こちらはThe Telegraphエクスクルーシヴ。
Eddie Nketiah interview: ‘I always train like a beast at Arsenal – I’ll never moan and complain’
エディのインタヴューについては、ファンのあいだでなぜ彼がミケルにあんなに愛されているかわかるという声もあった。
エディ「試合に出られない。ならケモノのようにトレインする!」。それに対してバロガン「試合に出られない。なら移籍する!」。
ボスはどちらのタイプが好きか。考えるまでもない。