タケヒロ・トミヤスの試合前コメント「(VARのことは)あまり語らないほうがよさそう」
今回のプレス会見には、最近のファンからの愛されっぷりがただごとでないトミヤスが同席していた。その映像も公開されていて、10分くらいの尺がある。オフィシャルサイトの書き起こしはほんの一部しかなく、ぼくもトミーの英語に興味津々なので、聞くついでに全訳でお届けしよう!
(ゴールが認められなかった土曜の試合のリアクション?……)
トミヤス:ゴールについては、多くは語ることはないね。なぜなら、決断はされてしまったのだし、それもフットボール。それについてはすでにミケルが述べているし、ぼくが云うことはあんまりない。
(ドレッシングルームのムードは? それが今回のさらなるモチヴェイションになる?……)
イエス。もちろん、ぼくらは試合には敗けたのだから、そこは最高の雰囲気ではなかった。あなたが云ったように、ゴールがその……、ていうか……、ぼくに云えるのは受け入れがたい決断ということ。だから感情的にもなるし、がっかりもする。試合に敗けたときはいつだって最高のフィーリングにはならない。こんなふうに。
(そのあとすぐに試合があるのはいいこと?……)
そう思う。ぼくらは明日の試合に完璧に集中しているし、土曜の試合からバウンスバックする必要がある。
(明日つぎのステイジに進めるかもしれない。あなたにはアーセナルで初めてのCL……)
つぎのステイジへ進むためにも、ぼくらにはとても大きな機会。大きな試合になる。だから3ポインツを取れるようトライする。
(ミドウィークにCLがありPLに集中するのはどれほど難しい?……)
もちろん、CLとPLでプレイするのは簡単ではない。ほかのカップ試合もある。でも昨シーズンよりもデプスがあるし、ぼくらとしてはできるだけフィットし起用できる状態でいること。もうすでに何人か選手を失っているから。ぼく自身もできるだけフィットして準備できている必要がある。
(TOTCHEを観てもVARチェックにますます時間がかかるようになっている。選手の立場としてはその進歩を感じる?……)
(笑いながら)正直わからない。でも多くは語らないほうがよさそう……。(笑)ぼくは選手だし、皆さんの前で話すのは仕事じゃないから。ぼくの仕事はプレイしてピッチ上でパフォームすること。ほかのことは……(※訳注:ここで司会がつぎの質問をうながす)
(両足使いや守備についてキミの成長にはどのような教育を受けたか……)
正直、ぼくは両足を使おうとしてきたわけじゃなくて、子どものころに右足にボールがあったら右足でプレイしていて、左足にボールがあったら左足でやってただけで、だから両足になろうとがんばったんじゃない。……説明ができないな(笑)。でも、そういうこと。
(キミはRB、LB、CBでプレイしているけど、それはそんなに簡単にできるもの? まわりの選手たちとの関係性は……)
もちろん簡単ではない。試合ごとにぼくの役割は変わるし。でもいちばん重要なことはピッチでどう振る舞うか。どれほど試合に勝ちたいか、相手に勝ちたいか。そこは変わらない。だから、ぼくの仕事はピッチで100%でプレイすることで、どのポジショニングでプレイするかは問題じゃない。
(子どものころにバルセロナスクールにいたことのインパクト……)
日本でね。そんなおおごとだったのかどうかはわからないけど……(笑)。10才くらいから2年くらい? たった2年だから。でもそのときたくさん学んだのはたしか。バルセロナスクールだけじゃなく。アビスパアカデミーでも。
(ジョルジーニョのビッグゲイムでの経験は若い選手にどれほど重要……)
もちろん彼には豊富な経験があるし、チームにたくさんのものをもたらしてくれる。ピッチの中だけでなく外でも。彼はチームにおけるベストな模範のひとりであり、ぼくも彼からたくさん学んでいる。
(キミにとってのCLとは? 憧れのCLで実際プレイしてみてどう?……)
CLでプレイすることはぼくの夢のひとつだった。だからプレイできてうれしい。できるだけたくさんプレイしたいね。
(アーセナルのPOTMおめでとう。チームはいまケガに苦しまされてるけど、キミはもう克服できている?……)
ぼくもそう願う(笑)。調子はすごくいいよ。ぼくもケガには苦しんできて、とくに昨シーズン。あれはぼくのキャリアでももっともタフなシーズンだったと云える。でも、やっぱりその難しい期間は学びになった。誰にでも困難なときはあるもの。だから……
(キミは違うポジションでプレイするのはチャレンジだと云ったけど、アーセナル加入時にアルテタはキミになんと説明したのか気になる。いろいろな役割を期待すると?……)
(きっぱり)ノー(笑)。
(なんと云われた? ライトバック?……)
そう、ライトバック。いや、バック? ぼくがここに移籍してきたとき、 たしかマーケットの最終日で、それまでアーセナルとは話もしていなかった。
(日本人フットボーラーがPLで活躍するようになった。ブライトンのミトマ、リヴァプールのエンドー。日本のタレントがイングランドでプレイすることについて……)
たぶんここは世界でベストのリーグだと思うし、すべての日本の選手がPLでプレイしたいと思っている。そしていまはミトマとエンドーがいる。でも、日本人はジャーマニーでもたくさんプレイしているし、ヨーロッパでもそう。彼らもPLに来てプレイしたい。それは日本の選手にとっていいことだし、NTにも。いまぼくらは6試合連勝中で、だからすごくいいこと。
(これまでにミケルに誰か日本人選手を推薦したことはある?……)
(笑)ないなあ。
昨シーズンか、ファーストシーズン? (ちょっと考えて)…………誰とは云いたくない(笑)。
これおもしろいな!
彼のアーセナル加入時にアルテタからの説明ほぼなしが判明。彼のしゃべってる感じからすると、アルテタともほとんど接触してなかったのでは。
そして、アルテタに日本人選手の推薦。。動画見てもらうとわかるけど、「それはない」と答えたあと、若干考え直した様子で、これは実際に誰かを推薦した顔をしている。あきらかに誰かの顔を思い浮かべた。うそのつけないいい人。
一昨年の夏に、トミヤスがアーセナルに日本人を推薦したとすると誰だろう? すごく気になる。
今回の彼の会見については、redditなどの反応を観るに、トミヤスの英語の上達っぷりに感心しているひとが多い。しかも、英語もしゃべれてるだけじゃなく、イタリア語や(ベルギーにいたので)もしかしたらフランス語も使えるんじゃないかと思われている。マルチリンガル。日本語を完璧にマスターしているのも評価高い。
英語学習者としては、日本人選手の話す英語はいつも興味深いが、トミヤスはあんまり「自分は話せる」という雰囲気を押し出さない感じがとても好感がもてる。そういうのは、けっこう相手にも伝わるんじゃないか。人となりが伝わって、トミヤスはますます人気者になっていると思う。