こんにちは。
ボルトンとのカラバオカップが終わって中二日、アーセナルにまたPLがやってきた。極東のわれら的には中一日しかないスケジュール感。こりゃあ忙しい。
今回のアーセナルの対戦相手はレスター。彼らは、今年のPL昇格チームのひとつで、昨シーズンはチャンピオンシップ(※英2部リーグ)のタイトルを取った。彼らは、この10年でPLタイトルを取ったり降格したりまたタイトルを取って昇格したり、ジェットコースターみたいなチームである。
そしてアーセナルとしては、もちろんPLではこの2試合とも10人でのプレイを強いられており、まともな試合ができていなかった。そんな、かなりファンの鬱憤はたまっているなかでのホーム試合ということで、レスターといえども圧倒的な勝利とケチャどばを要求したいところである。
今日の試合をプレビューしてゆこう。
アルテタの試合前コメント「批判を受けるのも仕事の一部」
昨日行われた試合前記者会見。 AFC公式サイトより。
(ラヤがこの試合でプレイするチャンス?……)
アルテタ:大丈夫かそうでないか、24時間待つ必要がある。
(火曜のPSGを前にリスクをかける?……)
リスクがどうこうではない。選手がフィットしているかどうか。レスター戦でそれがはっきりさせることが、いま重要なことだ。明日決断する。
(ジュリアン・ティンバーとベン・ホワイトは起用できる?……)
ジュリアンは今日のトレイニングに参加できていたことはよいニュースだ。彼は起用できるだろう。ベンもそうできればよい。
(ミケル・メリーノの進捗……)
明日は早すぎる。来週どうなるか。彼は今日部分的なトレイニングをしている。とてもハードワークしているし、調子は良さそうに見える。あとは骨の回復次第で、接触プレイができるほどか。
(先週の試合のあとグアルディオラとの関係は?……)
わたしは彼が大好きだよ。彼をリスペクトしているし、尊敬している。彼のチームも彼がやっていることすべても。
これはスポーツだ。ひとつはこれがわれわれの仕事ということであり、もうひとつはわれわれの個人的な人間関係。もしこの関係にヒビが入らねばならないというのなら、それはわれわれがお互いに対戦しているということだ。引き分けたり、勝ったり、あるいはわれわれが敗けてきた回数の量がある。だったら、わたしはもう彼とは話さないよ。
だから、これはわたしたちの人間関係ではないのだ。とくに、わたしが考えるお互いにある関係では。スポーツが人間関係の邪魔をすることは決してない。
(試合がこんなにもアツいとそれを維持するのは大変では?……)
場合による。もしそうした告発に影響されるのなら、そのときはそうなのかもしれない。もしそうじゃないなら、そこで誠実さを示し、自分が正しいと信じることを行う。それは、自分たちの意見である必要はない。
意見が気に入らないというのなら、わたしがいまいるここに座る資格はない。だから、わたしの考えはとても単純。個人的なことと受け取らず、仕事の一部だとすること。
自分がいちばん気にかけていること、必ずそれを正しく行うこと。その関係は、わたしがとても気にすることだ。それは、彼らのスタッフや選手などほかの多くの人たちとも同じ。わたしの人生で、とても重要な時期をともに過ごした。
(マンシティにいたおかげでよけいにキツい?……)
ノー。だから楽なのだと思う。なぜなら、わたしはいろいろな状況で彼らと知り合っているし、いい会いかただろうが悪い会いかただろうが、ものごとがうまく行こうか行かなかろうが、その人たちと知り合ったとき、彼らのリアクションがよりよくわかった。
わたしにとってそれは驚きでもないし、そのことはとても心地よく感じている。
(マーティン・オーデガード不在でのパフォーマンスについて……)
このカレンダー、フィクスチャ、このケガの量で3つのアウェイ試合、それに対応し、なんとかやり抜けねばならない。もしわれわれが、シーズン開始前にこのシナリオを強いられていたらと考えると、わたしはとてもとても満足している。
マーティンだけじゃない。間違いなく彼はチームのベストプレイヤーで、いろいろなやりかたでチームに影響を与えられる選手だが、ほかにも多くの選手がいて、チームは極めてうまく対応してきた。なぜなら、彼らは際立つグループだからだ。
多くの選手が、このチームのなかでのリーダーシップ、重要性で、さまざまな役割を担ってきた。彼らは挑戦を歓迎している。わたしは、そのことがほんとうにうれしいのだ。
(レスターではもうちょっとボールを持てたらうれしい?……)
われわれが毎試合ボールを持ってプレイするかって? われわれはいつも同じことをやるよ! できれば、チームに勢いをつけたいとは思っている。
(エティハドでのアーセナルの戦術をめぐる議論……)
わたしは正しいと信じることをしたまで。試合に勝つためにできるかぎり競争力を持つこと。
(Roy KeaneやGraeme Sounessのコメンツに云うことはある?……)
ノー。
(ラヤは明日ダウト?……)
イエス。
(夏にネトを取ることに決めた理由は?……)
アーロンの退団にすぐに対応せねばならなかった。そして、彼はすでにもう何年もわれわれのリストに入っていた。彼は、いろいろな国で最高レヴェルでプレイしてきたし、いろいろな役割も担ってきた。彼はそれを正しくやってきた。
わたしは、彼が正しい選手だと信じている。PLにいた経験もあるし、どんな状況でも起用できる選手だと。
(チームを守備的にまとめるためのカギは?……)
選手のメンタリティだ。基本的には、自分たちにポゼッションがないとき、いかにある特定のことをやる気があるか。それをどう感じるか。
もしそれがチームのための犠牲だとして、それはふさわしくないことばだが、それがチームになにか特別なものを加えるのなら、貢献するのなら、それをやるチームは愛せる。
そして、それが結果として特別なものになり、それが大きな違いになる。もちろん、コーチたちや選手個人の多くのワークもある。そうした関係をよくしていく。そしてそれが、チームとスクワッドのなかに信頼を築くということなのだ。
ハイプレスだとか深く守るとかの多くのフェイズがあり、あるいは試合中に直面する多くの状況があり。チームはそれを喜んでやる。
(ガブリエルとサリバのパートナーシップ……)
ケミストリーに関しては初日からあった。それは、やろうとしてできるものではない。それがほしくて協力しようと思っても、あるいは強制しようと思ってもできない。それはとても有機的で、とても自然で、それこそが素晴らしい部分だ。
そして、彼らにはお互いをとてもよく補完できるクオリティがあるという事実。われわれは、それを正しく使わねばならない。全員が、自分の役割をとてもはっきりわかっている。彼らが喜んでそれを認識できるのなら、ものごとはずっと楽になるとわたしは思う。
(レスターにはどれほど注意深くなる必要がある?……)
間違いなく。彼らにはそのたくさんの能力がある。彼(Steve Cooper)が以前のチームでやってきたこと、彼がやろうとしていたこと。わたしは今シーズンも3-4試合は観ているし、彼らには大いに脅威がある。彼はフォレストにいたときにはわれわれにも勝っているので、彼にはその方程式もある。
この試合は、われわれもかなり真剣に捉えている。とてもタフな相手だから。
(チームのスクワッドデプスにある強さ……)
とくに今シーズンの序盤、われわれがそれにどう対処してきたかに関しては、イエス。それをシーズンの終盤にも証明せねばならない。
その質問にもっとはっきり答えるためにも、われわれはシーズンの終わりまで待つ必要がある。だが、ここまではいい兆しがある!
(若い選手たちの期待をどう対処する?……)
われわれは、彼らをファーストチームの選手のように扱う。なぜなら、彼らはそこにいるにふさわしいから。彼らの成長はマネジする必要があることには意識的でいなければならないし、そのステップはまだ遠い。
しかし同時に、彼らについては、われわれもフェアであるべきだ。もし彼らがわれわれに正しい兆しを見せるなら、もっとプレイできる理由を与えるなら、われわれはそれをしなければならない。
(メリーノの回復までの道……)
われわれは、彼をケイジに入れておくようにしている。なぜなら、彼はみんなを急かすから。フィジオもドクターもみんなだ! 彼はもう準備ができていて、とても戻りたがっている。
これから彼を接触させ始めることについては、わたしも大丈夫だと考えているし、彼はトレイニングでもよくやっているように見える。
(彼が戻ったらMFに何をもたらせる?……)
彼がまずもたらすのはフットボール脳。彼は非常に賢く、決断、スペイスの支配、ポジショニング、それはなかなか観ないものだ。
そして、どのフェイズでもとても才能があるということ。守備でも攻撃でも彼はもたらせるし、いまあるMFのクオリティともとてもよく補完できる。
フィジカリーにももちろん。彼は大きな脅威だ。彼が相手のボックスに入るとき、大きな大きな脅威だということがわかるはず。
(オーデガードがいないときのボールを持っているときのプレイについて……)
われわれは、それに対処する必要がある。もちろん攻撃フェイズにおけるマーティンのチームへの影響はヤバい。そこは疑いの余地はない。
すべてのメトリック、われわれの試合への計画、彼が相手にとりとても危険になれるスペイスにいれること、そこがカギだ。基本的に、いつでも彼が関係していた。
そして、われわれにそれがないので、プレイのやりかたを適応させねばならない。効率的になれるようなやりかたを見つけねばならない。それは同じではない。それは違うものになる。だが、できればそれもまた効率的であってほしい。
(選手たちにはこの試合もほかの試合と同様に大きいと説明している……)
わたしは昨日彼らに質問した。今回の難しさや挑戦とはなにか? 彼らはそれについてとてもはっきりしていた。彼らはつぎの試合がわかっているし、このリーグの強さもわかっている。明日彼らに勝つためには、トップレヴェルでいる必要があると彼らはわかっている。
(レスターがリーグを勝ったとき、あのとき彼らを止めるために戦術的になにか違うことができた?……)
(ふきだして)そんなところまで行く前にわたしには戦術的な課題がたっぷりあるよ!
あれは美しい物語で、彼らは完全にそれに値した。彼らがやったことはまったく素晴らしかったし、あれもPLの歴史の一部。だからグレイトだった。
(アーセナルは結果を得ているのにチームは批判を受けている……)
知らないね。でも正直、それはわれわれの仕事の一部だ。わたしは、おろかなことをやってYouTubeには出たくないよ。わたしは、YouTubeには5月に正しいことをやって出たい。掲げたいものを掲げ、達成したいものを達成したとき。
それをやるためには、われわれは自分たちのやることにとても効率的でなければならない。
わたしは、56分間10人でプレイすることは想定していなかったし、それをしなければならなかった。試合ではときどき、あることを行うことについては相手のほうが優れていると受け入れる必要があることもある。
それは相手のほうがよいという意味ではないが、相手が試合のなかである特定のことをうまくやっているということ。われわれが興味があるのは、試合に勝つためにできるすべてのことをすることだ。
(トミヤスは起用できる?……)
彼は、今日部分的にトレイニングをしていた。良さそうだった。彼はとてもよく回復していて、ミケル(メリーノ)のちょっと後ろくらいだ。だが、トミーについてはまだわからない。彼もまた毎日急かしているひとりだから。いまの彼はよい場所にいるとは思う。
(カラフィオーリがいかに英国フットボールに適応している……)
とてもよい。彼は戻ってきて、ちょっとだけ観察して、そのあと代表へ行きケガをした。だから、われわれはあらためて彼をマネジする必要があった。
そして、われわれは彼をPLの初スタートとしてマンシティに出し、彼はスーパーブだったと思う。とてもよかった。
彼はグループにもとてもよく溶け込んでいるし、彼の理解は際立っている。彼がかなり勇敢に、パーソナリティを持ってプレイしていたかは観たことだろう。だから、彼はきっとチームにたくさんのものをもたらす。
(リカルドのPL初スタートがマンシティだった件……)
ほかの選手だったら、おそらくわたしはやらなかった。だが、わたしは彼がどう対処するか知っていたし、わたしが彼に説明をしたとき、彼はとてもそれを望んでいた。わたしはそれをやることに決めた。彼はもう準備ができていることを示した。
(マイルズ・ルイス・スケリーのフィットネス……)
彼は大丈夫。彼は足をつっていたが、問題はない。
(アーセナルに対するアジェンダがある?……)
わたしは、たくさんのポジティヴなことも聞いている。ネガティヴな批判か、ポジティヴな批判か。グレイト。もしわれわれが、自分たちのことや試合のなかでやってきたことについてネガティヴな批判を受けるなら、それはつまり期待があるということだろう。だから、レヴェルを上げていかねばならない。それだけさ。
(レスターに勝てば批判を黙らせられる?……)
そうしたい。わたしはいいプレイをしたいし、3ポインツを取って勝つにふさわしいものでありたい。誰かを黙らせることではなく。われわれの人たちを誇らしくさせるために。以上。
会見の後半。
サマリー。
- Written words on Leicester station the dressing room
- different styles? It is a war you cannot win – so don’t get involved
- I want to win in our way and always understand context
- i want to wear flip flops but silly in this weather – YouTube?!
- process of Neto signing – Edu was very sharp
- enjoy fact now have rivalry with City – prefer it to a pat on back
- can’t control other peoples emotions
- Risk losing Pep friendship? i don’t think so
- need nasty streak to win title? have to be best in world at almost everything
- stronger physically?
- Tierney have a role? first he has to get fit and then we will see
- Trossard in buckets a punishment? not by me!
- Player strikes? we always try to support players – they have to be heard
- best way to beat a low block? there are solutions on paper but games not played on paper
以上。
今回も、先週のシティのあとからずっとつづいているアーセナルのプレイへの批判に関するやりとりばかり。しつこいね。
世界はミケルに嫉妬している
ところでこのアーセナル(アルテタ)批判の件で、先日なるほどと思ったのは、それはミケル・アルテタが同業者からかなり「嫉妬」されている状況があるんじゃないかということ。だからおかしな批判をされている。
最近のアーセナル批判も含めて、ここに渦巻いている批判の中心には、いわゆる識者によるメディアでの批判があり、一般人がそれをソーシャルメディアで増幅しているという構図があるが、ミケルはその識者からいわれのない、心無い批判を受けているという感じは非常にある。
そもそも試合中に1人減ったチームが守りに集中するのは、いたってふつうのことだ。ましてやエティハドで、あの状況で違うことをやったチームがこの世にどれだけあるのかって話である。時間の許すかぎりギリギリを狙って時間稼ぎするなんて、批判しているひとたちはそれを初めて観たんだろうか。
だが、少なくない識者があの日のアーセナルの戦略に批判的であり。今回会見でも名前が出ているRoy KeaneやGraeme Sounessはその直近の事例で、彼らもアルテタにまったく容赦がなかった。
そんな彼らのネガティヴ心理の裏側には、嫉妬心が隠れているんじゃないか。それが批判の原動力。
メディアで活動している元選手や選手だったコーチなどが多くいるなかで、現在彼ほどの成功者はほとんどいないので、彼らがアルテタの成功を羨んで、それで批判的になっているのではないかということ。とくに、同世代か近い世代。
アーセナル世界でも、コーチで成功しなかった元選手として、ぼくはすぐにティエリ・アンリのことを思い出してしまうが、彼ほどの選手もいざコーチ業ではまったくパッとしなかった。ベルカンプもヴィエラもアルテタほどは成功していないし、そんな例はほかのクラブも含めれば数え切れない。たとえば、この夏オリンピックチームを率いたアンリがアルテタのことを考えるときの気持ちは、なんとなく想像できるように思うのだ。
いわゆるTVパンディット(評論家)は、云うまでもなくこの世界で最高の仕事じゃない。間違いなくこの世界の最高の仕事はトップ選手でありトップコーチである。彼らが主役。ギャリー・ネヴィルだって、本来はパンディットで喰っていくよりコーチで成功したかったはずだ。そうした夢をアルテタは叶えている。
アーセナルのファン以外、アーセナルには絶対成功してほしくない。それがこの世界の総意だとして、その原動力はやっぱり嫉妬だろう。とくにタイトルを争っている直接のライバルクラブでもなければ、本来他人がどうなろうと関係ないのだから。シティの成功はもうあきらめをもって眺めるしかない。だが、アーセナルがあたらしく新時代の成功者になっていく姿は絶対観たくない。
まあ、気持ちはわかるけどね。
これについては、アルテタ本人に訊いてみたいものだ。同業者からのねたみやそねみを感じますかって。きっと、本人がいちばん感じていることだと思う。
ということなので、いまあるすべてのアーセナル/アルテタへの批判は、しょうもない嫉妬心からくるものだと思って、笑って受け流そう。