試合について
ファースト11
SofaScoreより。
4-3-3
トロサール、エンケティア、ネルソン
ハヴァーツ、ジョルジーニョ、ヴィエラ
ジンチェンコ、ガブリエル、キヴィオール、ホワイト
ラムズデイル
サブは、トミヤス(57 ジンチェンコ)、ライス(57 ジョルジーニョ)、サカ(66 ネルソン)、マルティネリ(66 トロサール)、オーデガード(80 エンケティア)
試合前にESRのケガによる欠場が発表されていた。信じられない。
思い切った手術から全快、フィットネス100%の状態でありながら長らく使ってもらえず。いざプレイさせてもらえるようになってきたら、またケガ。ヒザだから、彼が以前に長期で患っていた鼠径部とは別のエリアである。
ほんとうに信じがたいよ。本人の心情を思うと、やりきれないものがある。
数週間のアウトが、実際どれほどの期間になるのかわからないが、彼のような立場の選手なら、復帰しても、またちょっと前のなかなか試合に使ってもらえない状況に逆戻りだろうか。
パーティもそうだが、あまりにもケガがちな選手は、クオリティがどうこう以前にチームの一員としてカウントできなくなってしまう。
このケガはタイミング的にもショッキングで、彼のアーセナルでの将来を悲観するには十分という気がする。彼は試合で酷使されていたわけでもなく、これからアーセナルでのキャリアをリスタートしていくというタイミング。彼の活躍をずっと楽しみにしていたわしでさえも、さすがにちょっと自信がなくなってきたなあ。
ということで、このスタートの11人は、ESRがフィットしていたらまた違ったものになっていたかもしれない。ジェズース不在のいま、ESRがいたらやっぱりエンケティアを温存したんじゃないか。
温存といえばトミヤスも、ニューカッスルのために温存した可能性が高いように思える。彼はその試合には絶対必要な選手。
あと、ちょっと気になったのは3CBでキウイがCCBだったこと。アルテタはやっぱりビッグガビのCCBはイヤなんだなあと思ったりした。
サブについては、追いかける立場で、やむを得ずレギュラーを入れるみたいな感じで、非常に悪い流れだったように思える。もっとも、今回ベンチはレギュラーばかりだったけれど。でもセドリックやエルネニーをつかえるくらいの余裕が理想だった。最初のサブ、ライスとトミヤスが入った直後に3-0になってしまった。
それでも、そのあとサカとネリを入れたときは、まさかここからの怒涛の追い上げが!?と一瞬だけ期待したが、それはすぐにしぼんだ。
まあ、オーデガード含め、レギュラーメンたちには週末のPLニューカッスルに向けていいウォームアップになったと思っておくかね。キャプテンはいちおうゴールも決めたし、最近休んでいた彼がここで短時間でもプレイしたことは、土曜に向けては悪くなかった。
WHUのチームのほうもすこし触れておくと、彼らはBowenやPaquetaみたいなキープレイヤーがスターティングに含まれていて、思ったより全然本気だった。
それと、ぼくが完璧に忘れていたのはディノスこと元ガナーのマヴロパノス。彼はWHUに買われていたのだった。彼につけていたセルオンでこの夏はアーセナルにも少し収入をもたらしてくれたナイスガイ。スタートした。
あと、Mohammed Kudusのこともすっかり失念。イングランドに来るまえは、アーセナルともリンクされていたアタッカーで、彼はWHUに移籍していたのだった。以前はアーセナル界隈でよく話題になりつつも「フットボールIQに問題あり」みたいなことも云われていたけど、今回は彼の個人スキルによるゴールもあり、われらのDFにはやっかいなひとりだっただろう。
全体的に、WHUのチームセレクションからしても、この試合への本気度はアーセナルとは違っていたと感じる。
マッチスタッツ
『BBC Sport』より。
アウェイのアーセナルが7割ボールを持った。だがこの結果。
前半だけ観るならアーセナルはけして悪くはなかった。いまいちというだけで。パッとしないというだけで。ライスがいたら違うかも?と思っただけで。前半のWHUのショッツはゼロ。前半のホームチームは、ほとんど何もできなかった。ショッツはゼロだが、オウンゴールで1点という状況。
アーセナルはあれだけ試合を支配して、前半のSoTが1(ショッツ8)。それもなあ。WHUの「ピッチ中央をとにかく使わせない」という固く締める守備がうまくいっていたという。
そして、後半が始まってすぐWHUが突然プッシュ。アーセナルは急にデュエルでボールを奪われるようになった。あの急激な変化はなんだったんだ。前半のお互いの情勢なんてまるでなかったみたいに。
彼らに45分にいきなり最初のチャンスが訪れると(ラムのセイヴ。試合を通して彼らの最初のショットである)、49分に2本めのショットでゴールで2-0。そして59分にディフレクションでまたゴールで3-0。ショッツ3で、ゴール3という効率のよさ。
ホームで3-0なら、もうほとんど試合を殺したようなもので、その後の彼らは余裕しゃくしゃくだった。なんだよあのパケターの。削られろ。
xGは、アーセナルが彼らの倍以上ある。
West Ham (0.45) 3-1 (1.03) Arsenal
— The xG Philosophy (@xGPhilosophy) November 1, 2023
最初のオウンゴールもそうだし、ああいう失点のしかたでなければ、アーセナルが低空飛行でもアウェイでしぶとく結果を出すみたいな、そういう結果もありえたかもしれない。
試合の論点
WHU vs アーセナルのトーキングポインツ。
あてくしの雑感
あんまり書きたいことがないので、雑に感じたことだけ。
まず、ジンチェンコだなあ。
彼は大丈夫だろうか。なんだかもう35才くらいのピークを過ぎたヴェテランみたいに見えてしまった。パスのスピードは遅いし(あらためてライスのそれはすごく速いと思った)、最近の彼らしく配球はやや正確性にも欠ける。1 v 1守備はいつもどおり怖い。ぼくは彼のスタイルはわかっているつもりだから、そこはあんまり気にならないけど、彼のおかげでチームプレイのテンポが停滞するという見方もあるみたいだ。ボールを持つといつも一回ためるしな。わからないでもない。最近の低フォームは、今後に向けてかなり心配。
あと、ネルソンは前半けっこうよかったのではないか。シュートにも積極的だったし、ボックスでの個人技やドリブル、ランなど目立つプレイがいくつか。スタートしたフロント3のなかでは、シュートもタッチも彼がもっとも多かった。際立っていた活躍とまでは云わないが、あのチームのなかではわりとよかったと思う。6.5。ヴィエラも6.5でもいいかも。
試合後にちらりと見た、エンケティアは今シーズンのアウェイゴールがまだないという説はマジだろうか。調べてないけど。アーセナルのこの試合最大のチャンスは、37分のトロサールからボックスに侵入するジンチェンコに渡ったアレだが、彼は外してしまった。
それと、ハヴァーツ。試合後ダレン・ベントが「アーセナルは彼に£65mも支払って、15試合も経過してチームになにかもたらしたところをいまだに一度も観ていないんだが!?」みたいなことをtwしていたのが目に入った。まあそれが一般的な印象かもしれない。
この試合だって、彼がこれまで称賛されてきた、おとりになってスペイスをつくるプレイや、長身を活かしたプレイはしていたけど、そういう玄人好み以外の誰にもわかりやすい結果がない。こういうプレッシャーのあまりかからない試合こそ、それをやるにふさわしかったはずなのに。いまだ自信マンマンにプレイしているように見えず。いくつか見せ場もあったんだけど。
ハヴァーツが冴えず、ESRもケガをしてしまったこともあり、試合後は「タイトルを競うはずのチームがジャカ(L8)の代替をまともにできてない」みたいなことを云っているひともいた。去年のジャカの生産性。たしかになあ。ライスの加入はあきらかに進歩した部分ながら、去年のジャカ・オーデガード・パーティの超優秀なMFトリオがアップグレイドされているかどうかは議論の余地がある。シーズンに決定的影響を与えかねない重要なところだ。
さいごラムズデイル。失点はどれも彼のせいにしたら気の毒なものだとは思う。が、この試合の全体的にラヤからNo.1を奪い返すほどのパフォーマンスだったかは疑わしい。彼もまた自信を失っているひとりかもしれぬ。FAカップが始まるまで、またベンチの日々に戻ってしまいそう。
書きたいことがないと云いながら、ずるずる書いちゃったよ。
この試合については以上だ!
昨日、この試合以外のカラバオカップ結果は、ほとんど順当にみえるなかで、ひとつマンUがOTでニューカッスルに3-0で敗けるという波乱があった。もはや波乱でもないか。マンUが、2試合連続OTで3点差以上で敗けるのは61年ぶりの記録だそうで。
最近は、ETHの解任もますます近づいているような雰囲気がある。彼はマンUで選手補強にすでに£400m以上をつかっているということで、そういう意味でも責任を果たせていない。だが、マンUはいまETHを解任すると£15mくらいかかるらしい。たいへんだなあ。
さて、そしてニューカッスルである。
彼らはカラバオカップでシティ(H)につづいてユナイテッド(A)も撃破してしまった。今年の彼らは、攻撃力があって(※ゴールはリーグトップタイ)勢いも本物という気がする。撃破ということばが似合う。PLのすべてのチームが恐れていた、彼らのビッグチーム化にますます近づいてきているように思えるほど。
彼らはこのミドウィークで勢いをつけ、いっぽうのわれらは逆に意気消沈。週末は、アウェイでプレイするアーセナルには悪いタイミングになってしまいそうだ。
もっとも、このがっかりを引きずるかどうかは自分たち次第。ミケルも「痛みを利用せよ」と云っている。実際、間違いなくわれらの今シーズンここまでの最大の勝利だったPLマンシティ(H)は、CLでランス(A)に敗けたあとのものだった。
われらにとって今シーズン最大級にタフになるだろう、土曜のビッグマッチ。そいつを再現しないと。楽しみだ。
ではまたプレヴューで。
COYG