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【マッチレビュー】24/25 EPL アーセナル vs レスター・シティ(28/Sep/2024)予想外に苦しみながらの土壇場勝利

試合の論点

アーセナル vs レスターのトーキングポインツ。

苦しみながらも快勝。見せたレジリエンスとメンタリティ

ホームチームが、あれだけ支配的にプレイした前半。ああいうふうに相手を極端に押し込めると逆にゴールが決まりにくくなるものだが、なんだかんだアーセナルはよき時間帯にゴールが決まった。

アーセナルの1点めは、ひさしぶりのマルティネリ。彼は今年3月以来のゴールだったというので(17試合ぶり)、アタッカーとしてはここまでだいぶ苦しんだ。そのゴールを御膳立てしたのはこの日もRBでスタートし、攻守に違いを見せたティンバーのクロスボールだった。20分。さほど鋭いクロスボールには観えなかったが、スルスルとネリまで届いてダイレクトでズドン。

あのクロスは、アーセナル的にはもうワンタッチ触ったり、もっと奥まで進めてカットバックみたいな、いかにもこねくりまわしたくなりそうな場面だったが、ティンバーの早めのあっさりクロスが功を奏した。

そして2点めは、45+1分のトロサール。ゴールを決めるには、とてもよき時間。今度はマルティネリのアシストだった。彼はG1 A1と活躍したので、この試合を自信回復に使えることができて、それもまた有益だった。

このふたつのゴールの共通点は、その直前にやや混乱があったことだろう。膠着して変化が生まれなさそうな状況のなかで、ああいう混乱からゴールは生まれやすい。

まず1点めは、アーセナルのハーフでのヴァーディとサリバのボールの奪い合いで、ヴァーディがファウルを受けたとするアピールをレフがスルーしたところが起点になった。ゴールが決まったあとも、あれはファウルだったと主張しヴァーディはカード。

そして、2点めはその直前にカラフィオーリがボックス内で倒れ、一瞬ペナルティ事案にも観えたが、それもレフはスルー。彼が倒れ込むなかでプレイは進み、結果あのゴールにつながった。

先日のエティハドでのシティで、アーセナルは試合のほぼ半分をゴール前の守備に費やしたが、ああいうとき一方的な試合展開でもむしろゴールはなかなか決まらないもので、今回のレスターもそういう雰囲気はあった。今回のレスターのように、一方的にやられている側のGKがたくさんショッツを防いでいるうちに覚醒してしまうようなこともよく観る光景。

そういったところにいざイレギュラーなことが起きると、守ることに集中していても一瞬のスキが生まれやすいのだろう。ああいう混乱の直後にゴールが生まれることは、けっこうよくある。

そんなことで終わった前半。後半もホームチームがゴールを重ねることが期待されるような楽観的な雰囲気だったが、アーセナルは後半始まってすぐに失点し、空気はがらりと変わる。

レスターの最初のゴールはハヴァーツの不運なディフレクションだった。47分。もし相手のショットがハヴァーツの肩に当たらなければ、ラヤの正面だったかもしれない。まったく不運。

そして、2点めは1点めと同じ選手のスーパーゴール。あのショットのxGは0.02らしいが、100回打って2回も入らないくらいのチャンスだろう。あれは、9月のGoal of the Monthくらいになってもおかしくないゴラッソ。まったくもって不運。

前半はほとんど完璧におさえたレスターに、後半が始まってからは反撃はされているわけで、アーセナルの過失0%とは云わないまでも、数少ないチャンスを決められたのはやはりわれらの不運だった。

ただ、失点が不運だったからこそ気持ちがめげなかったのだろうし、残り30分、当然そこであきらめることはなかった。試合後のアルテタが称賛しているように、サポーターも最後まで勝利を信じた。

トロサールのゴールが決まったのが追加タイムの4分めだったので、まるまる30分は3ポインツをあきらめずにレスターを攻めつづけることになった。後半は当然疲労もあり、ふつう30分集中を保たせるのは、なかなか難しい。だが、成功するまでやりきったところに、アーセナルのチームの強靭なレジリエンス、それに勝者のメンタリティを感じる。芽生え始めた。タイトルを取るようなチームは、こういうときも土壇場でなんとかしてしまうものだ。

近年のリヴァプールやシティには、つねにそうした勝負強さが備わっていたし、インヴィンシブル時代のアーセナルもそうだった。強いチームは敗けないし、勝つ。それが当然になる。

思いのほか苦しい試合にはなったものの、チームの勢いをつけるという意味では、むしろよい試合だったかもしれない。楽に勝っていればルーティーンだった試合も、この苦しさを乗り越えたことで、チームがいろいろな部分でステップアップした感はある。

退場を免れたカラフィオーリはラッキーだったか?

カラフィオーリは、今回もまたInverted LBとして、攻守にハイスタンダードなパフォーマンスだった。とくに左サイドで攻撃での貢献は顕著だっただろう。マルティネリがようやく結果を出したのも、彼がいた効果というファンの声もある。

空中戦は、数(8)も率(87%)も彼がチームトップ。ヘッダーでの惜しいショッツもふたつほどあった(xGは0.48)。そのほか、気の利いたパスやインターセプションなども。彼がPLのルーキーであるだけでなく、レギュラーとしてはチーム最年少ということが信じられないほどの堂々としたピッチ上での振る舞い。チームでますます存在感を増しており、RBのティンバー同様、アルテタは彼をレギュラーから外しにくくなっているかもしれない。

そんなリッキーは、今回2枚めのカードが出ずにラッキーだったのではと云われている。

最初のカードは48分。ボールの競り合いで相手に少しだけ前に入られてしまったのでしかたなし。そして、2枚めカード疑惑の事案は69分のファウルだった。相手のカウンターを止めようとして足を出し、相手選手を倒してしまった。ボールに触れなかったので印象は悪い。一瞬スタンドもざわついた。

しかし、このプレイにレフのSamuel Barrottはカードを出さず。むしろカードを出せと要求した相手選手にカードを提示した。

もしこのとき、カラフィオーリに2枚めカードが出ていれば、アーセナルはこの試合でも退場者を出し、PLの直近4試合で3試合を10人でプレイするところだった。勝つためにどうしてもあと1点を決めねばならない状況で、そんなことになれば窮地に立たされたに違いない。いくらエミレーツでのレスターといえども、10人でゴールが奪えるほどイージーではない。

だから、この判定にチームは救われることになった。

実際、その判定が正しいものだったかどうかということでは、個人的には正直カードが出てもまったくおかしくないシーンだとは思った。ライスやトロサールの2枚めカードにくらべれば、もっと可能性が高かったと思えるほど。だが、レフのSamuel Barrottはカードを出さず(Samuel Barrottの名前はおぼえておこうか)。

しかし、ここで強く思うのはこっちのほうがふつうだということ。

一般的に、2枚めカードというのはレフを躊躇わせるものだ。確実に試合を壊すのだから。ほかの多くの「なぜか」2枚めカードが出なかった事例だって、そういう心理が働いていることが大半だろう。それが、どういうわけかアーセナルだとまったく容赦がない一部のレフリーがいる。

この試合だって、レスターの選手にリスタートの妨害で2枚めカードが出なかった場面もあったという(わしはどこか気づかなかった。Ndidi?)。ライス以降で、彼のアレよりあからさまだったリスタート妨害など、枚挙にいとまがない。

それに、試合が始まってすぐネリにひどいタックルがあってもカードすら出なかった。これはレフによってはレッドカードですぞ。

だから、この試合のカラフィオーリに2枚めカードが出なかったことをもって、不正だなんだと文句を云うアンチアーセナルのバカチンどもには、ばーかばーかと云っておこう。

とはいえ、この日もそういう危険が間近に迫っていたというのは事実であり、カードをもらうようなプレイには今後もかなり気をつけねばならんでしょうな。これも教訓にしなければ。

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