試合の論点
アーセナル vs リヴァプールのトーキングポインツ。
A battling display at Emirates Stadium ⚔️
All the key moments from today’s 2-2 draw with Liverpool 👇 pic.twitter.com/Fh9WrSWXo7
— Arsenal (@Arsenal) October 27, 2024
リヴァプールにドロウは喜べる結果か?
まずは、この試合結果をどう評価するか。それによっては、今後に前向きにもなれるし、後ろ向きにもなれるという気がしている。
客観的な状況としては、アーセナルはオーデガードやサリバといった超レギュラーのキープレイヤーがいなかったし、DFに離脱者が続出して、さらに試合中にはよりによってふたりのDFがケガで交代を余儀なくされるという異常事態であった。
なので、少なくとも試合に敗けなかったことはポジティヴに受け取ってよいとは思う。試合前の下馬評という意味では、このブログのプレビューでも触れたように、ホームといえど現在絶好調のリヴァプールに対しアーセナルの勝ちを予想するものは少数派だったのだから。守勢になって当前と思われていたなか、タイトル候補のひとつとして意地を見せた。今シーズン8試合でたった3失点しかしていないチームに2点をぶっこんでもいる。
試合前、元ガナーのポール・マーソンが、アーセナルはこの試合に敗けるとタイトル争いから脱落するとまで云っていたのは苦笑を禁じ得なかったわけだが(だってまだシーズンの1/4すら消化していない)、いっぽうで、直接のライバルにもしそうなれば、この時期であってもそれを挽回するために必要なエナジーはそうとうに増えたはずで、たしかにタフではあった。
だから、ゼロポインツを免れたと考えれば十分受け入れられる。
今シーズンはエティハドのマンシティに同じように悔しい思いをさせられたが、ビッグ6チーム相手に無敗フォームをつづけられたこともまったく悪くない。ビッグ6との13試合で敗けなし。
The last time Arsenal lost a Premier League game against a ‘big six’ side was April 2023.
550 days and 13 consecutive games undefeated ⚔ pic.twitter.com/Ncpqv5cET8
— Football on TNT Sports (@footballontnt) October 27, 2024
ボーンマスに敗けてしまったことで、今シーズンのPL無敗がなくなったことは、チームの勢いにそれなりに水を差しただろうし、無敗のような記録を継続する意味はある。
しかし、同時にこれは個人的に感じたことだが、リヴァプールのクオリティは絶好調とはいえ、全盛期の彼らに遠く及ばないという感じもあり、ここで勝てなかったことはとても悔やまれる。残り10分のような時間に追いつかれたのも非常にショックだった。
アーセナルのインテンシティが落ちた後半はたしかにだいぶプッシュされたものの、HTの時点では「リヴァプール恐るるに足らず」と感じたものだった。もしわれらが万全のスクワッドであれば、違う結果になっていたと信じられる。
したがって、大局的に観て、このドロウでトップに5ポインツ差を維持したことは前向きに捉えるべきであるし、アルテタが云うように勝てなかった悔しさをつぎの試合に使うようにすればよい。リヴァプールのようなビッグチームに勝てなかったことを悔しがれるという事実を、このチームは自信にすべきなのである。
リヴァプール視点では、エミレーツで勝って、シーズンここまでの好調はイージーなフィクスチャのせいだという説をここで覆したかったろうが、この悪い状態のアーセナルに苦戦していたら説得力がない。今後のタイトル争いのことを考えると、これからのタフな試合で彼らが少なくないポインツを落とすことを祈りたい。それも当然ありうるだろう。
ケガが止まらない今シーズンのアーセナル。ビッグガビとティンバーが負傷交代
なんと、この試合でビッグガビとティンバーがケガで交代を余儀なくされるというアクシデンツ発生。ただでさえ危機的なDFでさらなる離脱危機という大惨事。
泣きっ面に蜂とはまさにこのこと。
後半始まってすぐに不調を訴えたガブリエルは、左ヒザの上あたりを気にしていた。アルテタは不確かながら足首かもと云っていたが、映像では問題がありそうなのはヒザだった。
Gabriel Magalhães went off in Arsenal vs. Liverpool with a knee injury. He tried to play on, but couldn’t.
Physio was seen performing a bunch of tests, with the valgus stress test being the most aggravating. This likely indicates an injury to the MCL. He was also seen palpating… pic.twitter.com/K5LUwMU0hH
— Physio Scout | Football Injury Analysis (@physioscout) October 27, 2024
Physio Scoutというアカウントによれば、カラフィオーリと同じMCL(内側側副靭帯)の損傷と観られ、grade 1なら1-2週間、grade 2なら2-3週間。grade 3の可能性は低そうだという。歩いてたし。
つぎの試合ではサリバが戻って来るとはいえ、こう次から次へと問題が発生するのはどうしたことか。
ティンバーについては、シリアスなケガなのかどうかは不明。足がつっただけとかならいいのだが。
ただ、たしかなことは彼は100%フィットネスではなかっただろうこと。後半になって、前半あれだけ静かだったMo Salahに突然にボールが集まるようになったのは、ティンバーのフィットネスと無縁じゃないような気がする。マークができなくなったとか?
サカも後半は、前半と打って変わってとんと存在感がなくなってしまい、試合前はダウトだったこのふたりはもともとフィットネス不良で、アルテタがリスクを承知で起用したと考えざるを得ない。アルテタにしてはちょっとめずらしいことのように思えるが、この試合の重要性を考えればそれだけの価値はあった。
しかし、もしこのふたりがいなかったら、こういう試合になっていなかっただろうし、おそらく前半のあの勢いもなかったんじゃないかと思える。あの目の覚めるようなゴールを奪ったサカはもちろん素晴らしかったし、Salahをマークしていたティンバーの貢献もかなり大きかった。右足の彼は左サイドは本来のポジションではないはずなのに、クオリティがやばい。
この試合では、メリーノもしばらくケガをしていた肩を痛めるシーンがあった。結局大丈夫そうで安心した。
これで、DFの離脱者はガブリエル、カラフィオーリ、(ティンバー)、トミヤス、KT。呪われてる。誰かにカエルの黒魔術とかやられてるかも。
ところで、こんな状況でもジンチェンコの現状がよくわからない。彼はとっくにベンチには戻っているのに、試合で使われそうな気配がない。CMでも使わない彼をLBでも使わないなら、もう使いどころがない。このようなどでかい試合でも18才のMLSが優先されているという事実をどう理解すべきか。
それにしても、ヴァーサタイルなDFばかりじゃなければ、もうアーセナルのバックラインは終わってた。これでもまだ、ぎりぎりでなんとかやりくりできそうではある。
こんななかでパーティがひきつづきフィットしているというのが、地味にありがてえですね。彼は、前半のMOTMというくらいの活躍だった。
⚠️ | QUICK STAT
Thomas Partey in the first half of #ARSLIV:
• Most touches (54)
• Most tackles made (5)
• Joint-most clearances (3)
• Most defensive actions (9)
• Most fouls suffered (4)
• Most ground duels won (9)
• Second-most aerial duels won (2)
• Most total duels… pic.twitter.com/XqmZ93YgR4— Sofascore Football (@SofascoreINT) October 27, 2024
これも大きくはアルテタのターンオーバー不足が招いたことかなぁとも思います。
主力を絶対的な主力として、控えは絶対的な控えとして扱っていたら、それはこうなりますって!って感じます…
守備はよく頑張ってますがマルティネッリがイマイチかなと思います。左のクォリティが上がれば怖いチームになれそうですが右のサカがスゴすぎるのを割り引いても左は少し弱いです