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【マッチレビュー】24/25 EPL アーセナル vs サウサンプトン(5/Oct/2024)サカ、ハヴァーツ輝く逆転勝利

試合の論点

アーセナル vs サウサンプトンのトーキングポインツ。

ホームで逆転勝利。アーセナルの適応力の進歩

前半、ホームチームは勝って当然の相手(サウサンプトンには失礼だけど事実だからしょうがない)に攻めあぐね。そして、あの流れで後半まさかのリードを奪われるという予想外の展開。前半で楽勝かと思われながら後半にやられるのは、つい先日レスターでも観た光景であり、完成度がこれほど高まっていると感じるアーセナルにおいても、HT後に隙を見せる部分はどうにかしたほうがよいかもしれない。

が、今回はそのサウサンプトンのゴールが試合の流れを変えるきっかけになったかのようだった。

ハヴァーツの同点のゴールが失点のわずか3分後。アウェイチームのリードは、たった3分だけ。ウルトラマンもびっくり(※倉敷さんが云いそう)。あれだけ攻めつづけてそれがようやく実を結んだのは、やはりきっかけがあったからだと感じる。結局そのあとサウサンプトンは2失点しているので、反撃をくらうきっかけになるくらいならゴールは決めずに、0-0のまま膠着した状態を維持したほうがマシだったかもしれない。彼らがあの調子で最後まで無失点をキープできる可能性も低かったので、もちろん結果論だが。

レスターもサウサンプトンも、試合の展開自体はアーセナルではさして珍しくないが、その逆境を跳ね返すレジリエンスや、アルテタが繰り返し指摘している状況への対応(adapt = 適応)は、いまのチームがどんどん進歩させている部分だととても感じる。それがあるから試合に敗けないし、勝てるし、強い。最近のマンUやToTが試合のなかで大いにスリップしているのとは逆。

アーセナルは、今回の試合でシーズンの序盤を乗り切った感があるが、この期間はほんとうにこの適応力が試されたし、そのテストに合格した。キープレイヤーたちのケガ、不運な退場者、シーズンでもっともキツい試合が序盤に組まれたこと。

このような逆境を見事に乗り切ったことの最大のご褒美は、チームが自信をどしどしつけていることだろう。選手たちは、どんなに強い相手でも、どんな状況になっても勝てると信じ始めている。それがよくわかる最近のパフォーマンス。もちろん、この試合でもそのことをよく見せた。

半年くらい前のアーセナル界隈では、“Availability is the best ability.”なんてことを云っていたわけだが、それがいまは“Adaptability is the best ability.”になった。

ここ数年のアーセナルは、そもそも複数ポジションでプレイできる、選手のヴァーサティリティをかなり意識した戦略的補強をやってきたので、それがこうして報われているということでもある。単一ポジションでしかプレイしない選手ばかりのチームなら、こうはならなかった。素晴らしいことだ。

絶好調のサカと意識の変化を見せるハヴァーツ

この試合のMOTMは文句なしでサカ。Star boy. この試合でG1 A2でGA記録を量産している。

今シーズンここまでの10試合(すべてのコンペティション)で、彼がゴールもアシストもしなかった試合は3試合しかない。PL7試合では1試合(レスター)だけ。なんという生産性。

アシスト(7)は、現在PLでリーグトップ。

トップ5リーグでもトップ。

PLの過去10シーズンで、単試合でG/A3以上、BC4以上を同時に記録した選手はふたりしかいない。

サカは、今回のG/A3でG/Aの記録が90を越え、ウィンガーとしてPL史上トップ5に入ったという。彼がまだ23才ということを考えると、1位のクリスチャーノ(118)を越える日もそう遠くないかもしれない。

オープンプレイからチャンスクリエイションが2位なのは、要するにセットプレイからのチャンスが多いということなんだろう。それにしても。

今シーズンのサカは、PLシティ、レスター、CL PSGの3試合でキャプテンも務めており、ますますチームの中心選手になりつつある。

先日も「今年はアーセナルの年」と宣言したサカ。タイトルを取るチームには、彼のようなトップクオリティがふさわしい。

 

もうひとりチームで絶好調といえば、ハヴァーツ。ホーム7連発は、オバメヤンの記録を抜いてRVPの記録に並んだ。こっちもパない。

ハヴァーツは今回の1ゴールで、PLの20試合で20のG/Aを記録したということで、プレイした82分ごとにゴールかアシストを決めているという。これはシティのロボよりも優秀な数字らしい。そういえばやつはアルテタにStay humbleと暴言を吐いたあとひとつもゴールしていないとか。ウケる。

そしてチェルシーにいた頃の2倍以上のペイスでG/Aを量産しているというのも、なんとも痛快。チェルシーでのハヴァーツを見れば大金をかけるには不安もあっただろうに、エドゥやアルテタは選手のクオリティを見抜いていた。最高。

ハヴァーツについては、最近アルテタが彼の意識の変化について言及しているのがとても興味深かった。自信をつけたし、ゴールへの意識も変わったと。

おそらくアーセナルのファンのあいだでも、彼が来た当初のゴールへの消極性には不満を持っていたひとが多いんじゃないかと思う。彼がL8でプレイしていた昨シーズンの前半、G/Aの結果を出すことに苦しんでいた彼は、まるでシュートやゴールがあまり好きではないようにすら観えたものだった。

23-24シーズンのMD7まで

ちなみにボーンマスでのG1は、ぼくの記憶が正しければペナルティである。テイカーを彼に譲って、チームみんなで彼に自信をつけさせようとしたやつ。

24/25シーズン。G4 A1。このほかリーグカップとCLでもゴールを決めている

今回の彼のゴールも、ゴールへの積極性は感じた。

もともと技術はかなり高いのでシュートも上手だし、疲れ知らずのスタミナがあり、泥臭い仕事を厭わないワークエシックもある。

試合後、ファンのあいだで93分の彼の非常にアグレッシヴなプレイの様子がシェアされていた。3-1で勝っているのに、それでもまだボールに喰らいついていく姿勢。ファンに愛されるはずである。加入当初はあれだけ嫌われたのが、いまやファンフェイヴァリットのひとり。グラニト・ジャカに匹敵するレデンプション。

9として彼に足りない唯一のものがゴールへの執着心や積極性だったとすると、急速にそれを身に着け始めている彼は、いまアルテタのチームにとってより完成された選手に近づいているのかもしれない。

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One Commnet on “【マッチレビュー】24/25 EPL アーセナル vs サウサンプトン(5/Oct/2024)サカ、ハヴァーツ輝く逆転勝利

  1. 去年のマン・ユナイテッド戦ホームでの3点目、ジェズスがスライディングを待ってましたとばかりに誘発し、軽く流し込んだ、あのゴール。
    ああいうのが、まさに意思決定がスムーズにいってるようなゴールだと思い浮かびました。ジェズスには、あのときのキラー感(殺し屋感)を取り戻していただきたい。

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