フラムについて
PLの典型的ミッドテーブルチームのひとつ。にも関わらず、アーセナルは昨シーズン彼らにホーム・アウェイで勝てなかった。
そして今シーズン。なんと彼らは絶好調で、14試合終えた時点で6位の好位置につけている。ヨーロッパすら狙える。テーブルでもこのあたりは団子状態で(6位フラムから13位マンUまで3ポインツ差のなか)、毎試合の結果で順位が大きく入れ替わるとはいえ、これはけっこうすごい。
たしかちょっと前に、選手投資とポインツリターンのランキングで彼らはトップだった。それだけうまくやっている。
夏には、 João Palhinhaを手放したものの、Joachim AndersenやSander Bergeといった北欧の選手、それにもちろんアーセナルからESRやネルソンを加え、チーム力は上がっている。
元ガナーたちのリヴェンジ?
いまフラムのチームにいる元アーセナルの選手は、イウォビ、ESR、ネルソン(※ローン)、そしてレノの4人。ネルソンはケガをしているようだが、親クラブとの試合なのでいずれにせよプレイ資格なしのはず。
こういってはなんだが、彼らはアーセナルで認められずにクラブを去っていった選手。そんな彼らが今シーズンはフラムで活躍していることは、なんだかいろいろ考えさせられる。
もう28才になったイウォビは、PLでG5 A3とここまで彼らのPOTS級のパフォーマンスという評判。ESRもとくにシーズン序盤の活躍はよく伝えられていた。彼はここまでG3 A2で、ケガもせずほとんどの試合でスタートしコンスタントにプレイ機会を得ている。ラムズデイルが来るまでアーセナルのNo.1だったレノも、ここまでシティと並ぶ失点19に貢献、マネジャーからの信頼もあつい。そしてネルソンですら、最近はスターティング11のポジションを確保するようになっている。
レノを除く3人はもちろんヘイルエンド育ちで、とくにアーセナルへの思い入れは深い選手たち。彼らは、元クラブにいまの自分の価値を証明するモチヴェイションは十分だろう。そういう意味ではやっかいである。
彼らの攻撃では、キーマンとなるイウォビに気をつける必要があるが、われわれがとくに注目すべきは、やはりESRだろうか。Marco Silvaに「キミが中心のチームをつくる」とまで云わせた漢。彼がアーセナルを相手にどのようなプレイをするかは、単純に興味深い。もちろん彼にとっては、初めてのアーセナル戦。ついこないだまでチームメイトだった選手たちが、いまは敵という。
彼がフラムでうまくやっているのはうれしい反面、それがアーセナルでなかったことが悲しくもあり。ファンとしては複雑な心境。どんな試合になっても、彼がベンチに下がるときは、アウェイファンからも温かい拍手がありそうである。
フォーム
PLの直近6試合は、W3 D2 L1。
おとといは、ブライトンにホームで勝っている。彼らはアーセナルのマンU戦の翌日にその試合で、この試合の準備時間は一日少ない。
ホームとアウェイではホームのほうが成績はいいが、ホームで敗けた2試合(ヴィラ、ウォルヴズ)は、それぞれ3、4失点している。
リーグカップは、アーセナルがアウェイで3-0勝利したプレストンに敗退している。
チームニュース
Harrison Reed、Joachim Andersen、Reiss Nelsonがアウト。
Tom Cairneyがレッドカードのサスペンション。
Head to head
PLの直近6試合で、フラムはアーセナルにW1 D2 L3。
去年この場所でアーセナルは彼らに敗けているが、それ以前にアーセナルがホーム・アウェイあわせてフラムに敗けたのは2012年が最後だった。つまりアレは11年ぶりの敗け。
Marco Silvaの試合前コメント「こういう挑戦が好きだ」
MS:PLで、誰かが誰かを驚かすことはもうない。ミケルとアーセナルのチームが、このコンペティションでいかに全員をリスペクトしているか知っている。彼らはこのレヴェルで試合に勝つことがいかにタフかをわかっているのだ。
そしておそらく、今回の彼らはより注意しているだろう。なぜなら、昨シーズンのこの2試合では、エミレーツではドロウ、そしてもちろんCraven Cottageでは、われわれが3ポインツだったのだから。
しかし、わたしがとても思うのは、今回はより難しくなるということ。まず、われわれはゆうべプレイしたばかりで、間隔がとても短い。そして、彼らには間違いなく素晴らしい勢いがある。
彼らは、おそらくわれわれの強みについても、より気づいている。それもわれわれにはタフになるだろう。しかし、わたしはこの手の挑戦が好きだよ。
われわれは、自分たちに挑戦することが好きだ。そして、それを歓迎しなければいけない。自信満々でプレイし去年と同じことを再現する。
追記3:フラムの戦術について by エイドリアン・クラーク
AC:フラムは、とてもオールラウンドのチームだ。プレスし、中央をパスで突破し、可能ならばいつでも攻撃を仕掛けてくる。14試合を消化し、彼らはアーセナルよりもショッツがひとつ多い。そのスタットが示すのは、彼らがいかに前掛かりにプレイしたがっているかということ。
コーナーを含め彼らのクロス成功はリーグベストで、オープンプレイに限定しても(52)でリーグベストである。
Andreas Pereiraのコーナーとフリーキックは素晴らしく、レフトバックのAntonee Robinsonのワイドからの配球もある。このUS代表とブカヨ・サカのデュエルはみどころになるだろう。どちらも、相手を後ろに下げようとするはず。
スミス・ロウは、4-2-3-1のNo.10ロールで素晴らしい活躍を見せている。彼はボールを持ったときに素晴らしいクオリティをもたらし、頻繁にボックスに侵入してくる。彼は、ここまでPLでは3ゴールを決めている。
もし彼に弱点があるとしたら、それは彼らにナチュラルなDMがいないことだ。実際は彼らの守備スタッツはそれでも力強く、そのことは足かせにはなっていないが、そうはいってもカギとなるCBのAndersenをケガで欠くことは打撃だ。