ブカヨ・サカが止められない。MØ効果?
この試合でも74分間のプレイで、G1 A2を記録。とくにアシストは、今シーズンすでに10に到達した。今シーズンのこの時点で10アシスト到達は5大リーグで最初であり、PL史上でもファブレガス、エジル、Kaneしかいないという。ワールドクラス。
Bukayo Saka has 10 assists in 13 games this season🤩
Only Cesc Fabregas in 2014-15 (12), Mesut Ozil in 2015-16 (12), & Harry Kane in 2020-21 (11) have reached 10 assists in fewer games to start the season 😳 pic.twitter.com/NhrSnVo7xd
— BBC Sport (@BBCSport) November 30, 2024
毎試合で大活躍しているこの安定感。もちろんこれまでも彼はずっとすごかったが、そんななかでもいまが最高潮なんじゃないだろか。彼が右サイド深くでボールを持てば、つねに何かが起こりそうな緊張感が走るのも見慣れた光景になってきた。いま、もう誰も彼を止められないという感じのスーパーファインフォーム。
本人もそれを感じているのだろう。彼もますます自信を得て、パフォーマンスが向上し、それがまた自信になって、という好循環にいる。これだけ活躍して、毎試合で進歩しているようにすら見える。
今回は単独突破からペナルティも得た。完全なる個人スキル。チームのペナルティテイカーのファーストチョイスだろう彼が、ふたつのうちひとつをオーデガードに譲ったのは、余裕のあらわれかもしれない。充実。
彼は、オーデガードが戻ってからの3試合で、3試合ともゴールとアシストを同時に記録(3試合で計G3 A4)。さらに攻撃プレイが効果的になっていることがうかがえる。右サイドの彼との相乗効果は、観てわかるくらいはっきりしていて、オーデガードが彼のさらなる才能をアンロックしていると云える。
このふたりがフィットしていることは、アーセナルのチームプレイのクオリティに直結している。最近のアルテタは、ようやくサブをうまく使うようになったというような指摘もあり、今後のシーズンで彼らをいい状態のままプレイさせられるよう、適切なマネジメントを行うことがカギになりそうだ。ふたりのどちらでも欠けたとき、同じチームでいられないだろうから。
ところで、サカのアシストは今シーズン記録をつくるかもしれない。
Bukayo Saka in the Premier League this season:
◉ Most chances created (36)
◉ Most big chances created (16)
◉ Most assists (10)Can he beat Thierry Henry and KDB’s joint-record for the most assists in a single PL campaign (20)? 🤔#WHUARS | @bet365 | #Ad pic.twitter.com/7cyrD4y2ze
— Squawka (@Squawka) November 30, 2024
これまでのPLのアシスト記録はティエリ・アンリとKDB(20)だそうで、これは試合平均で0.52アシスト。
いっぽうサカの13試合で10アシストは、試合平均で0.76アシストになる。シーズン38試合では、なんと29アシストになる計算という。いまのペイスで彼がアシストをつづけると、今年のベスト記録だけでなく、リーグ記録を大幅に更新する可能性がある。
ぜひこれからも健やかにプレイをつづけてほしいですね。
やはりセットピース。進化と変化をやめない
ニコ・ヨヴァーにボーナスを。必要かもしれない。
CLスポルティングにつづき、今回もビッグガビがコーナーからゴール。ヘッダー。2連続。わかっていてもやられる。あれはもはや不可避なのか。死・税金・ビッグガビ。サカのニアサイドへのボールもよかった。
今回コーナーキックを観ていて気付いたのは、アーセナルが最近のセットピースルーティーンをすこし調整してきたこと。
これまでのルーティーンでビッグガビは、蹴る直前にファーポストからニアポストへ移動する大男の集団のなかには含まれず、ひとりゴールの正面のすこし離れた位置からゴール前に走り込むやりかたをつづけていた。あの単独の動きがアクセントになっていた。
が、今回はその大男集団のなかにビッグガビも含まれていて、やりかたがはっきり違っていた。
あの10分のゴールシーン、ガブリエルは、大男集団のなかのカラフィオーリが相手のマークを引き連れてニアポストへ移動していく、ちょうどふたりの後ろに隠れるようにしてこっそりと重要なエリアに侵入。そこで決めたヘッダーのゴールだった。あんな大きな身体で周囲に気づかれないみたいだった。
カラフィオーリのマークはいたのに、ビッグガビのマークがなかったということは、いつもと違うやりかたをハムが想定してなかったのかも。してやったり。
この変更に感心してしまうのは、これまでのやりかたでも十分うまくいっていたから。相手マーカーがひとりついていたくらいでは、ビッグガビは全然つかまえられないし、それでスポルティングでも成功したばかりだった。とくにPLのチームだと、このやりかたはすでに十分に研究と対策をされている可能性が高いが、それでも有効だった。ビッグガビは、あのやりかたでどの相手でも必ずフリーになる。
にも関わらず、この変更。そしてまたそれでも成功。これが“セットピースキング”ニコの空恐ろしさ。つねに相手の考えの上を行く戦術。策士。スペシャリスト。
ガブリエルは今回もゴール数を伸ばして、アーセナルでデビュー以来、DFとしてリーグでダントツのゴール。
Since his Arsenal debut in September 2020, Gabriel Magalhães has scored at least six more goals than any other defender in the Premier League.#WHUARS pic.twitter.com/tOAQ9uXbID
— Opta Analyst (@OptaAnalyst) November 30, 2024
一時はアーセナルが彼の売却を検討していたなんて、いまではちょっと信じがたい。
ニコ・ヨヴァーとガブリエルのセットピース脅威も、今シーズンのアーセナルが成功するかどうかのカギを握っている。ひきつづき、武器でありつづけてもらおう。
この試合については以上