オーデガード完全復活?
G2 A1。各所でこの試合のMOTM。やっとキャプテンが帰ってきたとパフォーマンスが称賛されている。
たしかに、PSVのテンポに乗るかたちでアーセナルも久しぶりに速い/いいテンポでプレイできていて(flow)、オーデガードやトロサールなんかはとくにやりやすそうに見えた試合だった。
ただ、キャプテンは「完全復活」とまで云っていいのかどうかは正直まだ疑問があると個人的には思っており。
試合後のr/Gunnersでオーデガードの議論では、称賛コメントのなかdown voteで隠れたコメントを見ると、とくに前半の彼に疑問を呈しているコメントが低評価を受けていたのだけど、じつはぼくもそっちの意見に同意できたりした。
まだ云うほど、完璧なパフォーマンスというわけでもなかっただろうし、全盛期のなにをやっても成功する全能感というか<マジカル>な彼ではなかったかなと。最後のカラフィオーリのアシストなんて、いかにも彼らしいし、あれだけでご飯が何杯でも食べられるけども。そのほか全体的にどうか。
いや、この試合の彼がすごくよかったという意見にもまったく異論はないんだが、彼にはまだまだこの上があるという意味で完全復活という説には100%同意しかねるという。
Martin Ødegaard vs PSV:
37/43 passes completed
3 key passes
1 big chance created
1 successful dribble
4 ball recoveries
2 ground duels won
2 shots on target
2 goals
1 assist
9.44 WS ratingAt the heart of it all. 🔑 pic.twitter.com/WD5UtO9AGJ
— WhoScored.com (@WhoScored) March 4, 2025
スタッツでいうと、たとえばパスの37/43。86%の成功率は彼の高いスタンダードからすれば最高ではない。また、地上デュエル2/6。彼がいいときは、デュエルがものすごく粘っこく、わちゃわちゃやっているなかでも結局ボールを奪ってしまうみたいなことも多いが、そういう部分はまだ少々物足りないと思う。簡単にボールを奪われたり。イージーなパスミスをしたり。
ただ、もちろん今回のキャプテンのパフォーマンスはポジティヴ以外の何者でもなく、彼がこれで少しでも自信と勢いをつけてくれたのなら、それは彼だけでなくチームにとっても大きな恩恵があるはず。
シリアスなケガ、重い責任、赤ちゃん。彼はまだ足首の痛みを我慢しながらプレイしている説もある。そんな状態でもこうしていい試合をして、つぎもいいパフォーマンスを継続して、一歩づつでも前進してもらって、近いうちにまたトップな彼を観られることを期待しよう。100%まであともうちょっと。
2枚めカード回避はラッキー。MLSにまた痛い教訓
24分に相手FWのランを手で止めてイエローカード。そのわずか2分後、今度はLBとして1 v 1守備で縦に突破しようとした相手にレイトタックル。2枚めカードか!?と騒ぐスタンド。
正直、あれはカード対象のファウルでしょうな。タックルが全然ボールに届いていないし、彼のタックルで残った足が相手を後ろから蹴ってしまっているように見えたのも印象が悪い。ニュートラルな視点なら、2枚めカードでレッドカード&退場が妥当な判定だったと思う。
ただ、今回のレフリーJesus Gil Manzanoはそれを出さず。PLのレフリーなら待ってましたとばかりに喜んで出すところで、さすがヨーロッパスタンダードのレフリーはPLとは違うなあと思う。
仮に、あのプレイがまだカードが出ていないときのファウルならカードが出た可能性が高いだろうし、あるいは1枚めともうちょっと時間が空いていれば、もしかしたら出たかもしれない。連続でイエローカードは出しにくそうではある。
しかし、とにかく彼に2枚めカードは出なかった。MLSはそうとうラッキーだし、チームとしても助かったとしか云えない。あのときすでに2-0でリードしていたとはいえ、また試合の半分以上を10人でプレイするところだった。そうなれば何が起きていたかわからない。アルテタの前半で彼を下げる決断もよくわかる。
MLSは、PLウォルヴズでストレイトレッド(※後に撤回)、PLウェストハムでもストレイトレッドをやっている。そして今回も限りなくレッドカードに近づいていた。たった5試合のなかで3回め。すこし守備で粗が目立ちすぎているところはある。
もちろん、彼にはほかの誰にもないような独特のターンでボールキープや、デュエルやタックルでの粘り強さもあり(今回も最初のJTのゴールの起点になった)で、基本的には守備的なプレイにおいても類稀な才能があるように見えるのだが、決定的なやらかしをしてしまうのは、まだトップレヴェルへの適応中だからかもしれない。決定的な場面で瞬時の判断を間違う。
いっぽうで、年齢以外で彼を擁護することもできる。彼はそもそもMFであり、このチームではDF(LB)としてアルテタに抜擢されているという事情も忘れるべきじゃない。どんなチームでもポジションがコンヴァートされれば、選手がそれに慣れるには時間がかかるものだ。むしろ、彼のここまでの適応力のほうを驚くべきかもしれない。18才にしてDFになり、PLでもCLでもスタートできるほどのクオリティ。しかもアーセナルのようなトップレベルである。
せっかくこのような試合で前半だけで替えられてしまい本人にはショックだったかもしれないが、今回のことも彼にはいい教訓になっただろう。行くときと行かないときの判断。つぎに活かすべし。
スターリングが燃え尽きて灰に……
Ashes to Ashes, Dust to Dust. ラヒーム・スターリング。
試合前のエントリで彼の燃え尽きの話をちょこっと書いたが、彼はもう灰になる寸前かも。そんなふうに見えた。
彼がピッチに入ってすぐ、最初の1 v 1(71分あたり)、つぎの1 v 1(80分あたり)。ぼくのメモでは彼は2回1 v 1をやって、どちらのチャレンジも失敗。やっぱりというか。あまりにも予想どおりに何もできないので、ちょっと笑ってしまったほどである。
彼は20分ほどプレイしてタッチ6、パス3/3。なんという空気。ライスとかオーデガードとか、中央でボールを持ったときに右サイドをみないようにしてるのかと思った。あんなではとても安心してパスが出せない。あれなら、ベンチにいたIsmeal Kabia(19)を使ったほうがマシだったかもしれない。彼はほかもまったくいいところなく試合を終えた。
彼は、今後はますます出番が減るんじゃないかと思う。あれはもう自信を取り戻すとか云ってる段階じゃないだろう。
このあとの3試合、そのあとのIBを終えればネリ・サカも戻って来るはず。それまでなんとか。
この試合については以上
レフトバックはスケリーよりカラフィオーリスタートのが良いかなと
スケリーはまだ17なんで未熟な所が多いし、それを上手く育てないと
いつも楽しみに読ませてもらってます。
ウデゴーがこのペースでどんどん復調してほしいところです。キャプテンのパス成功率の話ですが、チャレンジングなパスの数増えると下がると思うので、むしろ良い兆候なのでは?と思ってます。
ユナイテッドのブルーノなんかも成功率はそれほど高くなかったような…。