これは、ホームサポーターが意気消沈してもおかしくない内容だったな。
正直、ぼくもけっこう衝撃を受けた。なんだか、自分たちが相手より強いという信念が揺らぐ。
このPSGは今シーズン、アーセナルが対戦したどの相手よりもタフに思えた。時間帯によっては、チームとしても個人としても、アーセナルがなんだか格下チームのようにさえ見えた。ここ数年、これまでいくら相手にポゼッションを譲っても、観ていてそういう気分になることはあまりなかったと思うのだが。
試合に敗けたとはいってもまだ1-0に過ぎない。2レグスのまだ前半が終わっただけというのはたしかにそのとおりではあるが、有利なホームでこのありさまで果たしてアウェイで勝てるのか。ファイナル進出には、大いに疑問を残したファーストレグになってしまった。
じつを云うと、ぼくはRMみたいな試合展開すらほんのり期待していたので、試合後はその落差がすごい。
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アルテタの試合後コメント「まだハーフタイム。パリには勝ちに行く」
試合直後のアルテタのインタヴュー。AFC公式サイトより。
アルテタ:まだハーフタイムに過ぎない。ホームでレアル・マドリッドを3-0で倒したあと、わたしは同じことを云った。われわれは、パリには勝ちに行く。そして、われわれにはそれができると完全に信じている。
結果には失望している。実際よりももっといい結果を得られると思っていたから。早くに彼らが、とてもいいコンビネイションからゴールした難しいスタートのあと、彼らにはオープンに開くクオリティがあった。だが、その後は、われわれもどんどんよくなっていったと思う。
差はとても小さい。われわれにはガビとレオにふたつとても大きなチャンスがあったし、もしかしたらこの試合のベストチャンスだったかもしれない。キーパーと1 v 1になった。そして、彼はなんとかセイヴして、こちらの認められなかったゴールもある。それが差であり、残念ながらわれわれはゴールできなかった。
(タフな場所でも勝つこと)それこそがやらねばならないことだ。もしCLで勝ちたいのなら、ファイナルに行きたいのなら、トーナメントのどこかの時点で際立つことをやらねばならない。それこそ、いまわれわれが数日後のパリに向けて計画すること。
相手はトップチームだということはわかっている。われわれも多くのいいプレイをしたが、残念ながら結果にならなかった。
これはハーフタイム。差は見えている。ふたつのチームのレヴェルも観えているはず。われわれはチャンスをつかみに行くし、それがあるときとてもクリニカルにならねばならない。
試合後の記者会見。AFC公式サイトより。
(今夜のパフォーマンスについて……)
アルテタ:われわれは、まだハーフタイムにいる。そして、わたしのメッセージはホームでRMに3-0で勝ったあとと同じ。パリに行って試合に勝つ。
わたしには、チームにはそれが可能だと思っている。なぜなら、ふたつのとてもいいチームがあり、差はとても小さいから。彼らはゴール前で効率的だったし、キーパーが違いをつくった。
(チームは何かを失っていた?……)
たしかに、失点をしたらそうしなければならない。だが、われわれもたくさんのいいこともした。前半にはいくつかのフェイズがあった。
まず最初の15-20分。素晴らしいコンビネイションから早くに失点して、とても小さな差でプレイしていた。フィニッシングは信じられなかった。
そしてそのあと、15-20分後には修正されたひとつの問題があり、そして残り時間はそれを維持した。わたしはそれが試合を変えたと考えている。
CLファイナルで勝ちたいのなら、特別なことをしなければならないし、そこへ行くためにパリで特別なことをするつもりだ。
(その修正した問題というのは?……)
それは云いたくない。
(PSGのパフォーマンスについてどう思った?……)
もしわれわれがあれを修正しなければ、ボールを持ったときの問題になった。あるとても具体的な時間で、そうなればチャンスはない。そして、もしチャンスがなく、相手がすべてのMFを下げ始めたら、苦しむことになったはずだ。なぜなら、それこそが相手のやりたいことだったのだから。
(最初の15分は何がまずかった?……)
多くはない。とても具体的なものだけ伝えるが、とても重要なものだ。とくにわれわれのプレイにとっては。われわれはそれを修正し、コンスタントに修正するのは簡単ではないが、それをやって、もっとよくなるようにした。
そして最後には、われわれのフロントの選手のうちふたりがDonnarummaと1 v 1になった。もし彼らがゴールを決めていれば試合は変わっていた。彼は、リヴァプールやヴィラでやっていたようなセイヴをし、そこがCLでは違いになる。差がとても小さいから。
われわれには認められなかったゴールもあり、ふたつの大きなチャンスもあったが、残念ながらこちらの思うようにはいかなかった。
(まだ勝負は50/50?……)
パーセンテイジはわからないが、終盤にはわれわれも多くのチャンスがあった。何度も云うように、そこで特別なことをせねばならない。とくにこのコンペティションでは。ファイナルへ行く権利を得るために。パリがそれをやるときだ。
(今夜のいくつかのレフリーの判定……)
はっきりしている。わたしの考えを明かすつもりはない。
(試合があまりにも中断しすぎだった?……)
ノー。不満はない。彼らは彼らでできるだけ自分たちの仕事をしようとここに来た。間違いなくそれをやろうとしていた。ときどき、われわれがある状況について違う意見を持つこともあるが、今回はそうじゃない。
(PSGではすべての時間でコントロールが必要……)
それは不可能。相手はベストのひとつだ。すべての英国チームに勝った。この国のベストチームをだ。あのチームを95分間支配できない。それは忘れていい。
理解する必要があるのは、彼らを支配するというのはどういう意味か。そしてピッチのどのエリアか。われわれはとてもはっきりさせねばならない。試合に勝てないのなら、われわれにはしなければならないことがある。そのことをよく認識して、つぎの試合にのぞむ。
(セカンドレグは極めて困難になった?……)
ノー。わたしは差はとてもわずかだと考えている。だから、そうは思わない。しかし、極めてよいプレイをするなら、結果も極めて違ったものになってもらいたい。
以上。試合後会見の短さにミケルのフラストレイションが見える気がする。
このアルテタコメントのなかで、「修正した問題」についてのやりとりがある。アルテタは具体的に言及を避けているが、これはいったいなんだろう。とても気になる。
ぼくが試合中気付いたのは、後半からラヤからのロングボールが増えてダイレクトプレイをするようになったこと。前半バックからのプレイは、彼らのハイプレスにさらされてけっこう危なかったから、あれはHT以降の意図的な修正に思えた。あとは、これはずっとそうだったかもしれないが、メリーノのVitinhaマンマーク。後半それに気づいた。彼らの自由自在なポゼッションでは、彼を自由にさせすぎた感はある。
ミケル・メリーノの試合後コメント「パリに行くのが待ち切れない」
幻ゴール。MFメリーノの試合後インタビュー。AFC公式サイト。
MM:タフな試合だった。一瞬も気が抜けなくて、最初の15-20分はぼくたちのいつもレヴェルでパフォームしてなかったかもしれない。でも、あのゴールからチームはとてもよく回復したと思うよ。たくさんのキャラクターとパーソナリティを示した。その後の試合はほとんど支配した。
ぼくらにはとてもいいチームがあるとわかっている。パワフルなチーム。セカンドレグでは勝つ自信もかなりある。みんな楽観的だ。今日ぼくらが見せたものは、ほんとのぼくらのさわりに過ぎない。セカンドレグに向けてはとても自信があるし、フルパワーで行くつもりだ。
ぼくらが学んでいるのは、ぼくらがどんなチーム、どんな場所でも支配できるということ。これはボールがつねにほしいチームで、相手をボックスにとどめておきたいチーム。今日ぼくらはどんな相手ともプレイできると証明したし、ピッチ上のメインチームになれることも証明した。パリに行くのが待ち切れない。
(認められなかったゴール)あれはタフだった。でもあれこそが、こうした類の試合でマネジする必要のある差なんだ。
これぞエリートフットボール。数センチメーターで未来が決まる。だから、セカンドレグではあと10センチぼくらのほうに来てもらいたいね。
前向き。
これが決勝でなくてよかったと言わずにはいられない。ただ幸運なことにあと90分もあるわけで、そこでひっくり返すのみ。
おれらのladsを信じてます!
チェンさんもいつもありがとうございます。