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【マッチレビュー】24/25 EPL アーセナル vs ボーンマス(3/May/2025)想定外の逆転敗けでPSGに最悪の準備

試合の論点

アーセナル vs ボーンマスのトーキングポインツ。

PSGのビッグマッチへ向けて絶望的な気分にさせられる試合。中途半端な試合アプローチの代償

CLとPLの両方を競うことはできない。前にも書いたように、これがいまのアーセナルの現実だろう。ケガで多くのキープレイヤーを失い、週3で毎試合に勝つための選手が足りないのだ。

だから、どちらかをある程度犠牲にして一方に集中するしかない。いまはもちろん唯一のトロフィのチャンスが残されたCLが優先で、PLは省エネでやるしかない。しかし、PLはミッドテーブルチームとの試合でさえ、省エネで勝てるほど甘くない。そこに難しさがある。

この試合はそういう現実があるうえで、やはりチームのこの試合にかける心構えとして、ちょっと中途半端になってしまったように思える。

クラブ/チームとしてCLを優先しているのは誰の目にもあきらかな状況で、最重要のCL試合を直後に控えたタイミングでPL試合にほぼレギュラーチームを出した。選手はすこし混乱したんじゃないか。

ここまでのCLに近いPL試合では、アルテタはチームを大胆にロテイトし、スターリングやワネーリ、ジンチェンコやKTだってスタートした。今回もそれでよかった。彼らがプレイしたってそこまで競争力が落ちないとアルテタからの信頼があるから、彼らもそういう試合でスタートしているのだろうし。アルテタが云う、目標達成のために全員が必要、というのはそういうことだろう。

いや、選手も頭のなかではわかっていたとは思う。PLでもポインツを落としまくってこれ以上は敗けられなくなったし、ボーンマスは強い。だから、レギュラーチームでプレイするのだと。脳みそでは理解はできる。だが、ハートが追いつかないみたいな。そういう中途半端さが、どこかチームのなかに残りながらのプレイだったんじゃないかね。

後半に追いつかれて、3ポインツというこの試合の目標達成が遠のいたとき、彼らは意気消沈しこの試合にどう向き合うべきかがわからなくなったように見えた。さらにリードされたあと、サカやネリが下がったこともある。試合が終わるまであと数分でゴールが必要なのに?? どうしても勝たなきゃならない試合ではやらないサブだ。結局これはどういう試合だったのか?

とあるアーセナル系ライターは、この日のアーセナルのアプローチを“casual attitude”と表現していた。まさに。

まあ、前半のリードを守ってすんなり勝っていればお仕事完了というだけの試合であり、こんなことは考えもしなかったろうから、完全に後知恵だけど。ぼくは、なんだかこの試合はアルテタというかチームとしての方針が最初から中途半端だったように思えてならない。今シーズン最大のビッグマッチを前に万全な準備が必要だったのだから、本来はあってはいけないことだ。

理想的には、アーセナルはどんなチームセレクションであれこの試合で快勝し、つぎのPSGには自信と勢いをつけていたかった。つぎはただでさえタフな試合なのだから、この満身創痍なチームにとって精神的充足はかなり必要だった。

しかし、それはかなわず。むしろ、平常時よりももっと悪くしてしまっただろう。ボーンマスのスタイルがPSGに似ていたこともある。最低の予行演習。これよりもっともっと強い相手に勝たねばならない。しかもアウェイで。

悪いパフォーマンスのあとに、バウンスバック(ここはレモンターダと云うべきか)することはこの世界でもめずらしくないので、ファンとして望みをまったく捨てているわけでもない。しかし、この試合はほんとうにまったくうれしくない内容と結果だった。なんてタイミングでこんな試合をやるのか。まったくひどい仕打ちである。

セットピース守備があらたな問題に?

今シーズンのアーセナルは、ゴールをコーナーやフリーキックに頼りすぎで「セットピースFC」などと揶揄されてきたが、どうも攻撃と違い守備のほうはだいぶ悪いらしい。今回は、スローインとコーナーから2失点した。あんなふうにイージーに。

今シーズンここまでの総失点におけるセットピース失点(※ペナルティ含む)の割合では、アーセナルは48%でなんとリーグワースト。リーグ平均は26%というので、だいぶ高い。失点のほぼ半分がセットピースがらみということになる。これはちょっと信じがたい。

いままでこのことはアーセナル界隈でもほとんど注目されていなかったと思う。前回のPSGとの対戦では、試合前に彼らこそセットピース守備が脆弱だなどと云われていて、アーセナルのそれについて言及しているのをまるで見かけなかった。

ただ、この数字%には若干ミスリードを感じるのは、アーセナルは失点ではここまでリーグ最少(31)だから、セットピース失点もその割合が高いというだけで数自体が最多ではないこと。ちなみに、ワースト2位のウォルヴズの失点は62とアーセナルのちょうど2倍。したがって、セットピース失点もわれらの2倍近いことになる。

まあ、それでも褒められたことではないが。

ちょっと調べてないから定かではないのだけど、もしかしてビッグガビの不在も関係あるんだろうか。ボックス守備は、彼がいない影響はかなりありそうに思える。セットピース守備というのは、要するに放り込み対応だから、高さや強さといったフィジカリティが重要になる。もし彼が離脱したあとにそれが増えているのなら、そういうことなんだろう。トミーがいたらなあ。

これについては、もちろんチームのなかでも問題意識が高まるだろうし、今後どうなっていくか見ていくよりない。

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