コメント集にひきつづき、19-20EPLニューカッスル(H)のマッチスタッツと論点を。
試合について
アーセナルのファースト11
Sky Sportsより。
4-2-3-1
エンケティア
オバメヤン、エジル、ぺぺ
ジャカ、セバーヨス
サカ、ルイス、ムスタフィ、ベレリン
レノ
驚きのティング。
ついにラカゼットがスタートから外れた。彼に変わって入ったのはエディ・エンケティア。彼はPLで初スタートだ。
それにジャカのパートナーにはトレイラでもゲンドゥージでもなく、ダニ・セバーヨス。冬のウィンドウで退団希望が囁かれていた彼について「彼もポジションを争うべき」と、アルテタからやや厳しいことばが聞かれたのはつい最近のことだ。
そして、ムスタフィにサカ。各所で興味深いセレクションとなった。
またベンチにはゲンドゥージがいなかったことも、だいぶ話題になった。それについては後述。
サブは、トレイラ(82 セバーヨス)、ラカゼット(85 エンケティア)、ウィロック(91 エジル)。
3人とも下がるときにはスタンドから大きなスタンディグオヴェイションが。とくに終了間際のエジルの交替は、ファンがどう感じているかを本人に直接感じさせたいというボスの思いやりのようにも思えた。
マッチスタッツ
BBC Sportsより。
試合開始当初は極端にシットディープした相手に対しまったくチャンスをつくれず(ぼくのメモでは最初のシュートは21分のサカ)、ホームなのにのっけから悪い時間がつづいたことにはだいぶ心配になったものだが、終わってみれば90分でシュート15本、うちSoTが7本はまずますの立派な数字だろう。一方NUFCのシュートは10本あるがSoTは2。この数字の対比で攻撃のクオリティで圧倒したことがわかる。
アーセナルが4得点するのはほぼ1年ぶり。ポゼッションやシュートにも改善が見られるが、この試合のトピックになるスタッツはやはり「パス」だ。試合後には多くのメディアがアーセナルのパスゲイムの進歩を指摘していた。
この試合アーセナルの90分の総パスは643。19-20シーズンここまでの試合平均の総パスが437。およそ1.5倍と大きく上回っている。パスアキュラシーもチーム全体で91%と高水準。パスで試合をコントロールした試合だと云える。
試合コントロールのカギになったMFたちのパッシングアキュラシー。
パスゲイムを象徴するシーンはエジルの得点となった3点め。
35 – There were 35 passes in the build-up for Mesut Özil’s goal vs Newcastle, making it 10 passes longer than any goal scored in the Premier League this season, with all 11 @Arsenal players involved at least once. Mikel. pic.twitter.com/9p2I09HMJP
— OptaJoe (@OptaJoe) February 16, 2020
シュートまで35本のパスをつないだのは今シーズンのPL記録で、ゴールに至ったパスのなかではほかよりも10本も多いということ。アーセナルの選手11人全員がボールに触っているというのだから驚く。
べつにパスがいくら多くても結果に直結するわけではないし、かつてのアーセナルではときにそういったパスゲイムの実利のなさが批判されたものだが、いまアーセナルはアルテタの下であきらかにパスゲイムを志向するチームになろうとしているのだから、そういったプレイイングフィロソフィを現場で表現しはじめているという意味で、パスの向上はわれらにとりとてもポジティヴなスタッツだと云えそうだ。
UnderStatによるxGは、3.09 v 0.85。
ニューカッスルのxGも云うほど低いものではない。最大のチャンスは63分のサン・マキシマン(0.39)。単独突破してクロスっぽいシュートを放った。75分には同じくサン・マキシマンのシュートがポストを叩いている。試合前オバメヤンも警戒すべき選手と名前を挙げていたサン・マキシマン。さすがサン・マキシマン。
アーセナルの勝利と得点はまあ妥当なものだろうが、クリンシートはややラッキーだったかもしれない。
ペペのゴールの際にゴール裏のカメラが捉えたセバーヨスの喜びようが最高だった。
やっぱり彼は、絶対にいいやつ。
試合後にこちらのブログを読ませてもらうとゆうのがあたしのルーティンです。いつもありがとうございますm(__)m
語り尽くせないほどの待望の勝利でしたね、しかも4-0。セバジョスほんとよかったし、エジルも存在感ヤバかった。若手たちも素晴らしく、いよいよ反撃開始ですよね。プレミアもカップ戦も全部大事な試合なんで、今回出てないガビやネルソン、新加入のマリたちもバンバン活躍してほしいですね。
順調に戦術もモチベーションも回復しているわれわれに必要だったのは結果で、それが最高な得点の形で、かつクリーンシートでできたことがおおいに自信につながると思います。本当に良かった。ELには、マルティネス、左からコラシナツ、マリ、ソクラティス、ベレリン、中にトレイラとゲンドゥージ、ガブにウィロック、AMNにラカとかですかね。あー、もう毎試合楽しみで仕方がない。COYG
デカ盛りエントリ、大変ご馳走さまでした (^人^ )
ご指摘の通り、予想だにしないスターティンでしたが裏を返せばそれだけチョイスの幅が広がっているということで、チームセレクションが楽しみになりますね!
おそらく、ドゥバイであの手この手を仕込んできているはず…
アルテタ恐るべし!
次のエバートンはさておき、残りのPL12試合はまあまあキツい相手が残ってる訳ですが、昨シーズンの尻窄みでは無く、尻上がりに完成度を高めて行けるなら来シーズンは大いに期待できそうです!
もう今シーズンは5位フィニッシュでいいです。
行こうCL!!!
COYG
お勉強しながら観てたのですが、時々目が覚めるようなパスが出るとエジルなのが嬉しかったです。ゲンちゃんはケンカして大きくなれ!
しかし、スタメンは全く監督の権限なんですねえ。
アルテタさんは前の方より哲学がありそうだ。
更新ご苦労様です。
最高の結果ですね。チームを操るべき選手が操り得点を決めるべき選手が決めればこうなることは必然なのでしょう。
攻撃面に関しては改めて一つの回答が示されましたね。エジルを起用する際は彼をゴールに近い位置でプレーさせる事がやはり最大の鍵だということ。それさえできれば攻撃陣は今後も期待できそうだということ。しかしながら逆を言うならそれをさせてくれない相手に対してはエジル中心の攻撃では機能しないだろうということ。です。
そう考えれば少なくても今季の攻撃面でのアルテタの仕事はいかに改善した守備のバランスを崩さずにエジルをゴールに近い位置で気持ちよくプレーさせるかの答えを見つけることだと私は思えます。ホームで引いた相手にはセバージョスの起用という新しい答えを見せてくれました。ではアウェーでは?強豪との試合では?90分の一貫性は?どう解決するのか楽しみで仕方ありません。課題に対して失望ではなく希望を感じる・・・久しくなかった感覚です。
ムスタフィの起用は私も驚きました。彼は移籍市場が開く度に放出を試みたけど出来なかったとまで言われた選手です。アルテタ招聘前は正しく戦力外だった選手です。その彼が・・・気付けばあのチェルシー戦以降全試合で先発ですよ!!
ただ・・・この起用が本物の信頼なのか消去法なのかはパブロ・マリがフィットした後にはっきりします。仮に前者ならジャカと並んで週刊ジャンプの世界です。前監督の下でどうにもならなかった選手を2名も復活したわけですから。
いつも楽しいブログをありがとう!
読み応えがあるので、長文に対する不快感は一切なし。
英語が不得手な人たちにとっては、海の向こうのサイトとかデータはホント貴重。
サンマキシマン連呼と、ムスティに対する分析がほぼ同じで笑いました。
あんまりエメリ時代は振り返るもんじゃあないんでしょうけど、セインツ戦でゴール決めたあと靴ひも気にしてたときとどえらい違いだなあと(笑) ラカ、ありがとう。
あんまり期待しすぎてもとは思うんだけど、期待せざるを得ないなあ….!でもまだ夢を見させてほしい。COYG
更新お疲れ様です。質問です。
文中に
オバメヤンが試合後に語っていたように、後半の調整でサカにスペイスを開けるために後ろ(ミドル)に下がった
とありますがin the middleとは内に絞るではなく後ろ(ミドル)に下がるというニュアンスなのでしょうか?
英語が苦手なので教えて頂けると嬉しいです。
エジルにしろペペにしろ、「後ろが押し上げてくれればやれる!」と確信できたのは大きいと思う。変な停滞感が吹き飛んだような気がする。
ただあえて言うなら、ここまでドン引きするチームはPLには少ない。より前からくる相手に対しては、このやり方は穴も大きいと思う。ペジェリンとセバージョスが上がるとムスタフィが右に開かざるを得ず、逆サイドはサカ1人になってしまう。ゴール前のサカのあの軽い対応(ルイスがギリギリで弾いたアレ)を見てると、戦術的に幅のあるチームなら当然「ペジェリンが上がった裏→ファーサイドへのクロス」を狙うと思う。
右SBやDMFが上がるオプションができたのは嬉しいが、上がるなら状況を考えて抜け目なくフィニッシュで終わらないと痛い目を見るかも。
ラカの先発外れは、前節あそこまで引っ張ったのがある意味一定のチャンスは与えたというプロセスの一環にも思えました。
セバージョスの選択も嬉しかったです。色んな意味で今後の幅の広さに期待します。
セバージョスはピッチ上の監督になれる選手だと思います。(前も言ったっけ)
守備もスピードは厳しいけど、強度自体は以前より上がった印象だが、数字は良くないのか…
ムスタフィはパス精度もそうですが、CBにプレスをかけてこない相手に対して自分からドリブルで持ち上がって相手を引きつけるプレイをするのがソクラテスと比べてポジティブな面だと思います。
ペペのポジショニング改善については個人的にはベジュリンが上がったから中央に行ったという印象ではなく、中央を使う意識が出たように思う。アルテタが指摘していた部分の改善。
そもそもベジュリンが上がることってベジュリンの復帰戦とかでもあったけど、
ペペはそれでもサイドの端の位置を変えずに中央には行かなかった。
こういうのもあってペペのポジショニングについては色々指摘されてきたと思う。(自分も)
逆に言うとベジュリンが上がらなくてもこれからは中央を使うことも増えるんじゃないかという期待も持たせられた。
エジルについても明らかにPA内に入る、高い位置を取る意識が見られた。
それとボールの受け方・寄せられたときのキープ力も改善したのではという期待を持たせる。
もちろん他の人も指摘しているように、ハイプレスをかけてくる相手、エジルにマークをつける相手だとどうなるかは今後の注目ポイントになると思います。
これがプレスをかけられて全体的に下がった位置からビルドアップになった場合に、
エジルが下りてきたりすると、そこから高い位置に移動するまでの間に攻撃が終わることもあるし、
エジルの走行距離が伸びて今回の試合のようなポジショニングに入れないことが出ることも考えられる。
(これはエジル以外の選手も起こりうる)
理想はエジル(トップ下の選手)の下りてくる頻度は少い方がいいのかなと。
ただこの辺りも、オーバ、ペペ、エンケティア、ラカ辺りがトップ下近くの位置に入る(使う)頻度増加によってエジルのフォローにもなっていたし違った状況を見られるかもという期待も抱かせます。
色々書いてますが主さんの言う事に毎度大抵同意、なるほどです。
大勝利にぼくも喜びが爆発です。
しかも、フロント4のゴールでもう絶頂。
やはりアルテタ素晴らしいですね。
ぼくが気になることがエジルの走量です。
どうしてもどなたかに共有したくなったのでこの場で失礼します。
アルテタ体制になってから、エジルの走力は
格段にレベルアップして各メディアでも騒がれてますが、これはウーナイの良い影響があるからだと思いました。
ウーナイはエジルのフィットネスについて口うるさく言ってましたが、これにエジルに火をつけ、今のエジルのレベルアップに結果として表れたんだと感じました。
ウーナイはやはりただ恨めないなと。
以上です。
今回のエントリもとても楽しかったです。
これからもお世話になります。
おやすみなさい。