ああいう展開だったのでモニタの向こうで起きたことをなかなか受け入れられず。ひどく敗けたときはいつもそうなんだけど、感情に対処するのが難しくて、昨日はまったく空虚な1日を過ごしてしまった。まあ受け取り方はファンそれぞれだろうが、ぼかあいつもそんな感じだ。
昨日は「悪い夢じゃなかったのか……」という一晩たって目が覚めただろう現地人のtweetを見かけた。当地の彼らは1日の終わりだったかもしれないが、われら極東のファンはそれが1日の始まりだったのだからよけいにキツいっすよね。
Arsenal 1-2 Olympiakos (Agg: 2-2 AET): Gunners knocked out by last-gasp away goal
われらはいったいどこで間違ったのか。
試合内容で分析できることもいろいろあるだろう。だが、いまはそれを振り返るよりもこれからのことを考えてしまう。
今回は試合レヴューはやめて、この敗退がこのあとクラブとチームにどういう影響を与えるか徒然に書いてみたい。
絶望CL
まず来シーズンのCL出場がこれで絶望的になったこと。
CLというのは今シーズンのわれわれの最大の目標だったし、ここ3シーズン続けてずっと最大の目標でもあった。今年もまたそれが達成できないということがどれだけキツいか。しかもこの早すぎるタイミングで、もう来シーズンのことで頭を抱えているというみじめさ。
今年はPLの現在順位からすれば、CLどころかELすら危ういのだから目も当てられない。前へ進むどころか大きな大きな後退だ。われらはACミランか?
まあたしかに可能性が完全になくなったわけではない。しかし、現状では5位フィニッシュはいまのわれらにはかなり困難といっていいだろう。
残り11試合で現在9位。4・5位争いはそうとうな混戦で5位のマンUまで4ポインツ差と、うまくいけば捕まえられそうな差であることはたしか。だが、今回のような試合を落としている時点で、そんなふうにできるなんて楽観論にはなんの説得力もない。後ろも僅差で、むしろ現状維持ができるかすら危うい。
PLは去年と同じく上位チームがスリップしがちで、しかも1チームがバン。今年こそ去年以上にCL出場の権利を得るには絶好のチャンスだったというのに。
選手流出危機
来シーズンのCL(EL)がないということは、各所にシリアスな影響を及ぼす。だからこそ悲願だった。
そのひとつは選手契約だ。
いまアーセナルにはCLがないとイヤですと云っている選手が複数いると云われている。CLが絶望となったいま、彼らをとどめて置くのはより難しくなっただろう。
オバメヤンはその筆頭で、彼は今回キャプテンとしてもストライカーとしても責任を感じているとはいえ、クラブに残るかどうかは別問題。
だが彼が移籍を望んだとして、いったい誰が彼を責められよう。彼の最後のシュートミス同様、ファンは誰も彼を責めないに違いない。だって彼はもう十分すぎるほどこのクラブに貢献している。
もちろんいまCLの可能性がなくなったわけではないし、このあとオバメヤンがCLなしでもクラブに残る決断を絶対しないとは限らない(そうするなら年齢的にキャリアをここで終わらせるつもりということ。銅像ものである)。ただ、状況として彼の慰留は限りなく難しいものになったことは間違いない。
アルテタがむしろチームのほうが彼にふさわしいものになるべきだと主張していたくらいの選手だ。コンスタントにシーズン20-30ゴールするような選手を失えば、当然チームの弱体化は免れない。
それと、ラカゼット、トレイラ、ゲンドゥージ、サカらも、その去就においてはCLの占めるウェイトが大きいと云われる選手たち。
より深刻なのはゲンドゥージやサカのような選手だと思う。彼らは夏にクラブが契約更新をしたがっている選手で、オバメヤンのことはすでに諦めているファンも多いかもしれないが、もし若い彼らが移籍を決めるならオバメヤン以上のショックになる。
いま彼らを失うことがなぜショックかといえば、オバメヤンを失う以上に「未来を失う」ことになるからだ。
今シーズンが台無しになったみたいないま、もう未来にしか希望のないファンにとってそれすらも奪われる。そんな残酷なことってある? むごい。むごすぎる。
クラブ財政に大打撃
このELラウンド32で敗退という衝撃的な事案のちょうど翌日、アーセナルFCが2018-19の決算発表をしていた。偶然だろうが、すごいタイミングだ。
詳細は発表を確認してもらいたいが、この年度のアーセナルの税引前利益は「£32.2Mのマイナス」。前年度は£70.2Mのプラスだったということは、つまり前年比で大幅赤字。マイナス決算は2002年以来だとか。あの健全経営のAFCが。もちろん2年連続となったELの影響が大きい。こういう決算になることは事前に予想されていたことだが、それでもオフィシャルに発表され改めてそれがわかると感慨深いものがある。
『GOAL』(Charles Watts)が、フットボールファイナンスの解説でおなじみのSwiss Ramble Senseiのリポートを引用しつつ、アーセナルがヨーロッパのコンペティションを失うことでの来シーズン以降の財政的な損失についてわかりやすく解説している。
What missing out on European football could cost Arsenal next season | Goal.com
CLだけじゃない。ELがなくなるとどうなるか。もう収益でToTに追い抜かれたとかそういうことを気にしている状況ではない。
われわれはこれまでCLがないことを嘆いてきたというのに、今度はELを逃すかもしれないことに怯えている(※去年のプライズマニーはファイナルまでで£34M)。ELを逃すかもしれない状況になってはじめて、ELの賞金だって貴重だったと思い知るという。
近年でもレスターやチェルシーの例があるし、たしかに1シーズンヨーロッパの戦いがないことはPLを競ううえではメリットになりうる。だが、だからといって自らそれを手放そうというクラブもないのは、CLほどではないにせよ少なくないプライズマニーがあるからだし、ELといえど選手リクルートに影響するヨーロッパの舞台でプレイするチャンスを選手に与えられるからだろう。もちろんアーセナルのような微妙なクラブにとってはCLへの重要な道でもある。
今回はさらに、ELをこのラウンドで敗退したことで、シーズンチケットホルダーに少なくとも計£4.5M分のリファンドが発生するかもしれないという話も。
踏んだり蹴ったりとはこのこと。
死体蹴りはもうひとつあって、メスト・エジルのエイジェントのコメントが伝えられたこのニュース。
Exclusive: Ozil’s Arsenal transfer future revealed in interview with agent
「メストが退団するかって? ノーチャンスだね。彼は最後まで契約を全うする」
や、まあそれは半分諦めていたからいいのだけど、何もあんな低パフォーマンスを見せたこのタイミングで公表しなくてもいいじゃないかと。小一時間。
今年はELのこの先のプライズマニーがなくなり、来年のCL、あるいはELのプライズマニーがまるごとなくなり。おそらくはクラブが思い描いていた、これからの収益見込はガラガラと音を立てて崩れていった。まさに絵に描いた餅だった。
これではむしろ積極的にオバメヤンを売らざるを得ないのでは? いやマジで。
いまのアーセナルのスクワッドはあきらかにCLクラブのそれだ。フロント3だけで£200M近くを費やしているし、サラリーももちろんスター選手なみ。3シーズンのEL、その後(来シーズン)はELすらなくなりそうとあっては、もうCLクラブレヴェルのスクワッドを維持することも難しいだろう。
今後はどうするのだアーセナル?
これから何が起きるかは誰にもわからない。もちろんPLがすごくうまくいって5位以内に入るかもしれない。そうなれば、今回のELの大惨事もきっと忘れられる。
神のみぞ知る。
だが決して楽観的にはなれない。オリンピアコスにホームで敗けたことで、われらは現実に引き戻されたのだ。
一見再生しつつあったこのチームの根底にある弱さ。もろさ。それは長年をかけて醸成されてきたもので、一朝一夕では取れない鍋底にこびりついたなにか。外側とか見てくれではない、チームの本質に近いもの。そんな気がしてならない。
アルテタが来てからなにかとポジティヴな面ばかりに目が向いていたが、残念ながら現時点でわれわれの本質的なチームとしてのクオリティは喜んでいたほど進歩しておらず、ましてやCLクラブのレヴェルにないということ。そこで戦う準備はまだできていない。
この試合に関しては、アルテタに文句を云いたいこともまったくないわけではない。チームセレクションやサブスティチューションなど「どうして??」と云いたくなるような、疑わしい判断はあったと思う(ぼくはスタート予想を珍しく当てたけれど)。
だが、過失の度合いでいえばやはり選手の責任が重いだろう。アルテタは選手を信じようとすることにおいては、態度は終始一貫していた。ぼくはそのことは責められないように感じる。そうすることで実際に何人かの選手たちは彼の下でレデンプションしてきたのだから。その信頼に応えなかったのは選手のほうだ。彼らはパフォーマンスで信頼に応えねばならなかった。
ともあれ。
幸いいまのチームには若い選手に逸材が集中しており、数年後にはうまくいけばみんな揃ってプライムイヤーズに突入できる。アーセナルではビッグタレントが出てきてもいつも散発的で、それがなかなかチームの総合力に結びつかなかったのだし、タレントが一時期に集中することがクラブの成功にとってどれだけ重要なことかは、フットボールの歴史が証明している。
マルティネリ、サカ、ESR、エンケティア、ウィロック、ネルソン、ゲンドゥージ、サリバ、AMNにディノス……、来シーズンはファーストチームに上がってきそうだというバロガンやスミスも。KTやベレリン、セバーヨス、ホールディング、ペペだってまだまだ若い。これからだ。
彼らが今後中心勢力になっていくようなことがあれば、いまのチームの「こびりついたなにか」を払拭できるような期待感はある。
今回レッスンと云うには払った代償は大きすぎるが、この経験を無駄にせず、糧にして今後に生かさなければ。
アーセナルFCのスポーツ部門を統括するラウル・サンレヒとエドゥ、そしてジョッシュ・クロンキはオーナーサイドから、どうして今回のようなことが起きたのかを分析して、このチームが進歩する道を探さなければならない。
全員がハッピーになるにはスポーツで成功するよりないのだから。あらゆる手段を講じてアルテタと彼のチームをバックアップする必要がある。
あんな顔したオーバがこのチームでの終着点なんてことは、あってはいけないと思った。もしオーバ本人に会う期間があったら、僕の拙い英語でそう言いたい。あとどれだけ在籍するとかはどうでもいい。契約の延長もしなくていい。でもこれから何かを取り返さずにこのチームを去るなんてことはあり得ない。って思った。
他の選手にも、監督にも、フロントやスタッフ全員にもそう言いたい。この日程の中で120分戦うこと自体が(計算外だったはず)想像を絶するくらいキツかっただろう。それで負ければ激しく傷ついて当然だ。しかし。君らそんな顔したままこのチームを去るつもりか?ここに見てる人間がいて、それが君らの存在価値である以上、そんな事は許さんぞ。
少し冷静になって将来のことを考えるとしても、それでもやるべき事は何も変わらないと思う。契約が微妙な選手はいるが、今年で切れるわけじゃない。経営も赤字だが、大会から締め出されたり選手を補強できない事は今さら問題じゃない。参加資格がなく、資金がなくて補強もできないのだから。
とにかく、強くなるしかない。そう思う。
勿論見ている人に魅せるエンターテインメントの要素はあるけど、それだけが彼らの存在価値ではないでしょう。彼らにはフットボーラーとしての限りある期間があって、選手としての価値を考えれば、ここにとどまることを縛るなんて強制力は無いでしょう。それほどまでにこのクラブでは現状結果を残せていないのだから。特にチームの結果以上に得点で貢献しているオーバのような選手は、このままここにいても自身のパフォーマンスが報われないと判断しても無理はないし、結果で見返せよって感情論ぶつけてもしょうがなくない?現実見ようぜってこと。
精神的ダメージ大きいにもかかわらず、更新お疲れ様です。
ショッキングな負け方でしたね。ドーハの悲劇かよ!と思いました。古くてすいません。
CL出場権は厳しいくなりましたね。せめてElだけでも死守してほしい。もちろんまだ5位の希望は捨てないけど。
オーバメヤンは出ていっても仕方ないと思います。本人の希望もあるし、チームとしてもアタッカー陣の整理がついて(ラカゼットまで出ていったらどうしよう)、金銭的にも助かる。
RVPみたいに非難されることは無いでしょう。むしろ個人的には感謝したいくらいです。
とにかく、この敗戦を教訓にして、よりチームが強くなっていくことを期待したい。
COYG
自分は主さんほどのファンじゃないのかお金的なことが分からないからか気持ちは計れないですが…
アルテタの選手起用について色々思うこともあった。スタートからして。最初はそうだった。
ただこうも思う。過密日程だからといってこれほどパフォーマンスを落としたりローテを必要としているようではここを勝ち抜けてもこの先そう長くは勝ち抜けないだろうと。
PLもELもFAカップもどれも中途半端になって、(条件詳しく知らないですが)結果来年ELにも出れないとかなってたかもしれない。
オーバの涙を見ると色々思うこともある。だからこそ言いたい。言えるとしたら。
もっと強くなって帰ってこいと。(スタジアムに)
もっと強くなれ。そしてPL残り全勝してみせろ。そしてこの敗北は必要だったんだと言ってみせろ。
この敗北があったからこそ強くなれたと言える結果を出してみせろと。
このタイミングでエジルの代理人のフリーで出ていくみたいな発言にはイラッとした。
はじめての投稿になります。
最近はデータに基づいて、アルテタのアーセナルは改善があまりされてないという記事が多くなかっている印象があります。
しかし、試合を見れば、インテンシティもあがっており、ビルドアップも改善が見られました。
今、取り組んでいる改善はすぐにはデータに反映されないものなのではないでしょうか。もう少し辛抱が必要だと思います。
もうひとつの疑問はグアルディオラのシティ1年目やクロップのリバプール1年目も最初から、データのスタッツが急に良くなったのかということです。
正に悪夢ですね。。。絶句でした。
オーバの劇的ゴールは選手達含め全グーナーのアドレナリンを爆発させたはず。
でも興奮しすぎたせいか、最後の4-5分間は選手達フワフワしてしまいましたね。
最後の決定機を外したオーバのあの顔は忘れられません。
個人的にトップ5は諦めていません。
他のPL上位クラブはまだヨーロッパのコンペティションが一応残っているので、コンディション的に有利になるという見方もできます。(ポジティブシンキングw)
ただこのショックが悪い方向にいかなければよいのですが。
オーバがキャプテンシー発揮してくれるかなーーー。
いくらなんでもネガりすぎじゃないかしら?確かにデカいロストだけども。相手に対する敬意があれば受け入れられる。
2年前からELの方がPL4位よりも簡単であるかのような雰囲気があるが、何をもって??
5位どころか4位だって十分チャンスはある。楽なミッションではないけど今のガナーズはディーセントコンテンダーだよ。
ところでリバ負けたのね。
悪いこともありゃいいこともあるもんだ。
オリンピアコスは最期まで目が死んでなかった。そこらへんなんでしょうかね。
アルテタが来てみんな明らかにかわって、われわれファンもそれが見てわかるほどで、ベテランと若手の融合とゆう未来も見えてました。
しかしこの現実。アルテタはほんとにすごいしよくやってくれてると思いますが、なんとゆうか復活した選手たちとゆうのがベンゲル時代のレギュラーたちで、あのころにもどったことで、懐かしさにひたっていたみたいなとこがあったし、でもあれから数年たっており選手もピークを過ぎてたりして、アルテタによってよく見えてたけど限界はあったのだろうと。書いててよくまとめられませんが、とにかく地合いごとに集中して結果を出してほしいですね。
コロナパニックも心配ですね。
まぁELって簡単に勝てる大会じゃないよね ショッキングな敗退も、シーズン終盤を過密スケジュールに追われないっていうポジティブな面にすがりたいですね
リーグ戦がELすら届かない順位で終わるなら、高額給与のシニア選手を一掃するしかないのでは? そうすればサカの契約は浮いた給与分でなんとかなるかもしれません
PLの残り試合のうち半分は上位チームとの対戦なのでCLやELは厳しいと言わざるをえない。シティ、リバプールには引き分けることすら難しいやろうし、レスター、トッテナムもある。
FAカップもあるけどポーツマスに勝ったとして、その次はPLの上位チームとの対戦で、そこから上位チーム相手に3勝しないと優勝できないから厳しい。相手がどういうメンバーで来るかにもよるけど、正直ELよりも厳しい対戦相手
もう今シーズン終了とか思ったとしてもしょうがないことだと思う。
だけど シーズンはまだ終わっていないから頭を上げて前進し続ける。最後までチーム一丸となって戦い抜くよ ってオーバがいってるので俺も希望を捨てずに応援しようと思います。
1st.2nd通じてアルテタがやはりまだ若い監督だなぁと思いましたね
プレミアと違ってアルテタのELは兎に角消極的すぎでした
それでも運良く勝てそうだったんですけど、最後の最後で負けたのはカーリングカップ決勝思い出しましたね
ある程度の基本構造をアルテタが構築した今でも、セットプレーやああいった集中を欠いた失点が多いのは、やはり選手の個人エラーに起因したものばかりで今のスカッドのメンタリティじゃあ負けて当然。EL敗退は真っ当だし、CLなんてもってのほかだと。残りのリーグ戦の相手を見てもよくて6位,7位でしょうし、夏にろくな補強ができる資金もない。Aliko Dangoteの買収を祈るしかない、未来はもう神頼みするしか光は無いでしょう。