世間的に、昨日のトップニュースは「PLのCOVID-19テストであらたに4人の陽性が発見された(BBC Sports等)」なんだが、アーセナル世界ではダヴィド・ルイスに関する報道で大騒ぎ。
David Luiz’s brief spell at Arsenal could be coming to an end with the Brazilian out of contract next month and no negotiations over a new deal planned.
— Sky Sports News (@SkySportsNews) May 27, 2020
2年契約だと広く信じられていたルイスとアーセナルの契約は、じつは1年のみ(+1年延長オプション)で、もう来月には契約が終わるというのにいまだに延長に関するネゴは行われていないのだという。
こりゃあっしもさすがに驚いた。ダヴィド・ルイスといえば、いまのチームのなかでももっとも信頼できる選手のひとりではないか。
このニュース、SSNがブレイキングしてからジャーナリスト、他メディアも続々追随しておりどうもガセネタではないようである。
今週には、ホールディングが放出リストに入ったというニュースもあったりで、どうも来シーズンのアーセナルのCBに関するプランは少々意外な方向へ舵を取り始めたのかもしれない。
ダヴィド・ルイスは今シーズン限り? 本人はベンフィカ行きを示唆?
この件をすっぱ抜いた『Sky Sports News』の報道の一部を引用しよう。
ロンドンのライヴァルから昨夏のデッドラインデイに£8Mでやってきたブラジリアン。
ルイスの契約は2年契約だと広く報道されていたが、SSNの独自調査によればその契約は12ヶ月のみだった。
アルテタやエドゥは彼のキープを強く望んだし、ルイス本人もノースロンドンクラブに残留希望だと親しい友人には話していたという。
だが昨夏の大きな投資によってアーセナルの予算は限られたものになると予想はされていた。財政難はCLの収入がないことやコロナヴァイラスのパンデミックも要因となった。
要するに、彼はチームに必要な人材であるが、クラブは財政難で高給(£120kpw)の彼を手放さざるを得なくなったと。
やはり独自ソースの情報として報じた『ESPN』(James Olley)では、この件についてクラブはまだ最終決定はしていないと強調しているが、この時期に及んで契約延長の交渉をしていないとなれば、やはりコロナ危機以前からあった財政難が重くのしかかっているとしている。
また、シーズン再開で期間が延長されるかもしれないにも関わらず、6月30日で切れる彼の契約の延長についても話し合いがないとのこと。
シーズンがリスタートしても6月を過ぎると彼は使えないかもしれないってこと? そりゃヒドい。
『The Guardian』も他メディアと同様、ルイスの契約を延長しないことで、年間「£230M」という重い選手給与総額を削減するのが狙いだと報じている。来月33才になる選手に払う高給がなくなれば、現在も契約延長交渉がつづいていると見られるサカやオバメヤンに投資できる。
この記事には興味深い一説がある。
But there are understood to be mixed views on the Brazilian among Arteta’s coaching staff, including suggestions that his influence in the dressing room is not always wielded positively.
(ルイスはたしかにアルテタのチームでの重要な役割を担っていたが)じつはコーチングスタッフのあいだでは見方が割れていたとされる。彼のドレッシングルームでの影響力はいつもポジティヴなものではなかったという評価もある。
ということは、アルテタ以降では何もかもがうまくいっていたように見えたルイスのアーセナルライフも、実際は100%順風満帆だったわけでもなかったのかもしれない。
それにしても、とくにアルテタが来てからの彼のパフォーマンスの改善ぶりや、たびたび示されるボスからの信頼、チームのなかでの存在感・リーダーシップなんかを見ていたので、ぼくはてっきり、少なくともあと1年は彼を使うものだとばかり思っていた。
David Luiz for Arsenal in the Premier League this season:
❍ Most clearances (99)
❍ Most through balls (12)
❍ 2nd-most final ⅓ entries (186)
❍ 3rd-most minutes (2,186)And the most outfield minutes played under Mikel Arteta. pic.twitter.com/UpnwPtieGE
— Squawka Football (@Squawka) May 27, 2020
たしかに財政難はそうなんだろうが、たったワンシーズンだけならバーゲンと云われた移籍金£8Mが今度は割高に見えてきた。それとも、コロナ危機というあらたな状況に対応するためのサンクコストと考えるべきなんだろうか?
「ベンフィカでキャリアを終えたい」
そして、SSNやESPNの記事中でも指摘されているが、つい先日にルイスが「ベンフィカでキャリアを終えたい」とベンフィカのオフィシャルサイトで語っていたことがあらためて注目されている。ベンフィカはルイスが2007年からチェルシーに移籍する2011年までプレイしたクラブ。
David Luiz | Entrevista exclusiva
先週末にこのニュースを見かけたときは、キャリアの終わりを見据えて移籍するにしても、まあ少なくとも来年、あるいは再来年のことだろうなんて思っていたのに。。
ダヴィド・ルイス:ぼくはベンフィカでキャリアを終えたいってずっと云ってきた。フットボールでは何でも変わりうる。今日がそうでも明日は違う。でもぼくの気持ちはそうじゃない! ベンフィカを愛してるよ。ぼくの夢は彼らのシャツを着てEstadio da Luzのピッチに立つことさ。
ベンフィカ愛は、今年のはじめころにも別の場所で話していたというで、本気と書いてマジのようである。
しかし、今回のニュースと一週間もおかずにこういった発言があるということは、なんらかのリンクがあると考えるほうが自然だろう。
ダヴィド・ルイスのワンシーズンかぎりでの退団は避けられないのだろうか。
ケガ以降100%に戻ってないホールディングや、残り1年のムスタフィやソクラテスを、世界中コロナで経営が苦しい中で売ったとしてもいくらにもならないと思う。
もしはした金のためにホールディングを売るほどクラブが追い詰められてるなら、ルイスはもとよりマリの買取、まして新CBの獲得なんて無理じゃないだろうか。
まあFBが攻撃型揃いだからCBはスピードがあるに越したことはなく、最低でもサリバ+比較的スピードのあるムスタフィは残せるという考え方もあると思う。ソクラテスとホールディングがベンチにいれば、そこまで悪くはない。それプラスアルファは資金次第という事で。
アカンジとるんですかね?