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19/20EPLウィンガーズのなかのウィリアン

先日チェルシーに別れを告げ、すでにアーセナルのメディカルも受けているという噂もあるウィリアン。

まさに発表前夜という感じであるが、先日のエントリで告白したように、恥ずかしながらぼくは彼のことをほとんど知らないということで(興味がなかったのだからしょうがない)、なにかよきテキストはないかと思っていたら、ちょうどよく昨日r/Gunnersにすばらしいスレッドが立っていた。

[OC] Analysis of Premier League Wingers. What Arsenal would get from Willian.

とあるユーザがプレミアリーグのウインガーたちをデータで分析したもので、ウィリアンがアーセナルにいったい何をもたらしてくれるのかについて書いている。

今回はウィリアン勉強シリーズの第一回としてこれの紹介をしたい。Respect.



ウィンガーの5つの領域チャートで分析。ウィリアンをさがせ

ウィンガーの性能を図る5つの領域で、選手たちを分析している。なお、1000分以上ウインガーでプレイした選手、1クラブにつき2名までというフィルタリングがあるそうだ。

それととくに記載はないが、数字はおそらく19/20シーズンのものと思われる。

ボールプログレッション

ボールをどれだけ前進させたか。縦軸がボールを前進させた距離/試合ごと。横軸が前方へのパス/試合ごと。

各4つのエリアは、左エリアが前方パスをしない系、右上エリアが前方パスをする系である。

ウィリアンの居場所は右上エリア、グリーリッシュとマーレズのちょうど間で、このふたりにとても近い場所にいるのは彼のボールプログレッションの優秀さを示していると云えそうである。ペペは左上エリア。ドリブラーが多い場所にいる。逆にオバメヤンはこのスタッツではあまり優秀ではないことがわかる(左下のエリアはボールをあまり前に運べず前方パスも少ない系)。

アダマ・トラオレやマキシマンをつい探してしまう(笑い)。

ドリブリング

ドリブル。縦軸が成功率、横軸がドリブル数/試合ごと。

アダマ。。

ウィリアンのドリブル数は平均より少し下。ドリブルの数はウィンガーのなかでは平均的だが、成功率がかなり高い。この集団のなかでは、ブエンディア、トラオレに次ぐ3位。

つまりウィリアンは試合平均で2回程度とドリブルアテンプトは少ないが、しかけたときは70%超えで成功させると。効率的なドリブラーだ。

ペペは右下エリア。ドリブルは多いが、成功率は集団平均を下回る。まあペペについては今シーズンで評価したらかわいそうな気もする。もっと1 v 1の状況が増えれば成功率はかなり改善しそうだ。

オバメヤンは左下エリア。

ペナルティボックス内へのパス

アーセナルのチャンスクリエイション問題にとり、もっとも関係がありそうなスタットがこれだろうか。

縦軸がボックス内へのパス/90分、横軸がクロス/90分。チャートの右上に行くほど完成されたウィンガー。

アダマ。

このスタットはわりと平均的なところに選手が多く集まっている。それでもウィリアンは団子のなかでは上のほうにいる。右上エリア、マネやザハの上あたり。ラシュフォードやグリーリッシュとボックス内へのパスは同程度だが、クロスが多い。

ここではペペとオバメヤンがほぼ同じようなところにいる。

生産性

ゴール&アシスト(xA)。得点につながるプレイをしているかどうか。

縦軸がゴール/試合ごと、横軸がxA(expected assists)/試合ごと。ここが単純にアシスト数じゃないのは数が少ないとチャートに幅が出ないからかな?

生産性で埋もれるアダマ(笑い)。ただここはチーム事情もだいぶ関係するだろう。下のほうにいるのはみなミッドテイボー以下チームの選手だ。

ここでオバメヤンが一気に目立つところへ。左上のゴール多く&チャンスクリエイション少ないエリア。試合ごとゴールが彼より多いのはスターリングしかいない。

クリエイション(xA)ではマーレズがひとり突出しているが、シティのようなチームならある程度は下駄がありそうである。

ウィリアンも一応右上エリアにいる。ゴールは集団平均よりやや上、xAもかなり優秀。ペペはウィリアンの左下にいる。

守備貢献

オバメヤンですら多くの守備貢献を求められるアルテタの下では、ウィリアンにも当然守備のハードワークが要求されるだろう。彼がセレソンらしく守備を怠らない選手というのはぼくでも知っている。

縦軸は守備ジュエル勝ち/90分、横軸は守備ジュエル勝ち率。

ウィリアンは守備ジュエルの勝率がかなり高い。ハードワーカーというだけでなく守備がうまいってことかな。

オバメヤンは埋もれている。

アーセナルのウィンガーズ

やはりオバメヤンは、ウィンガーとしてはかなり特殊な部類の選手だということがわかる。

生産性の項で顕著だが、この集団のなかでももっともゴールの脅威になれて&チャンスをつくらないのがオバメヤンだ。ペペやウィリアンと同じ土俵で比べてもあまり意味はなさそうだ。

ぼくは相変わらずオバメヤンはCFで使え派なので、いっそうその思いを強くした。

そしてウィリアンについては、5つのほとんどで優秀な数字を残していると云っていいのではないだろうか。ウィリアンが優秀な数字を残しているスタッツを選んだというのもあるだろうが。

全体を通して、優秀な選手はどのスタッツにも顔を出している傾向があるが、彼と並んでいる名前を見てもウィリアンがどのようなレヴェルの選手かがわかる。

ペペはまあ、PL適応中で、彼が真価を見せ始めたのはシーズンも終盤だったので今後に期待としか云いようがない。

アーセナル以外のウィンガーズ

このなかでとても目立つ名前は、アダマ・トラオレ、ジャック・グリーリッシュ、エミ・ブエンディアといったところ。

すでにビッグクラブが興味を示しているアダマやグリーリッシュはまあいいとして、ブエンディアは今後どうなるんだろうか。

ノリッチは降格し、複数の選手が移籍するのは間違いなさそうだが、ブエンディアについてはリヴァプール以外にビッグクラブの噂もあまりないようで(最近ヴィラやパレスとリンクされていた)。

このあたりの優秀なプロファイルを見る限り(ドリブル成功率、試合ごと前方パスがともにトップ)、もしリーズナブルならいかにもアーセナルが狙うべき選手に思えるのだが。

まあもうウィリアンを取るのだから、必要ないのか。



ということで、ウィリアンはとっても優秀!ということがわかりましたね。

よかったよかった。

おわり

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プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

3 Comments on “19/20EPLウィンガーズのなかのウィリアン

  1. 12月のチェルシー戦前に偵察で2試合見たんだけど、荒削りな若手が多い中でウィリアンの判断の的確さは突出してたと思う。
    判断に無理がないからすごく効果的。で、何やっても上手い。

    逆に言うと、ぺぺやサカの左足みたいな突出した能力は持ってないと思う。
    ぺぺや、あるいはサカと二者択一だと少々もったいない感じもする。

    理想を言えば、4-3-3のIHとしてサイド寄りをカバーさせたほうがいいのかも。
    左オーバ・中央ラカという布陣を崩さないなら、たぶん中央が低くサイドが高いほうが良いだろうし。

    まあそれにはジャカに代わる強力なDMFが必要で、そう簡単な話ではないだろうけど。

  2. アダマ。笑

    私はオーバサイド起用賛成派兼スタッツに固執しない派ですが、さすがに疑義が生じますね。

    一方でメストがあんな状況な以上、CFにはリンクアップロールが求められ、それをオーバがラカ以上にできるとも思えず、結局オーバは消去法でウィング兼左寄りCFに、、、

    しかし、毎度分かりやすい翻訳と解説に感謝。

  3. ソース元まで見入った面白い分析ですね!
    トラオレの異次元っぷり、マフレズの生産性の高さ、オーバメヤンの異質さが面白い。

    ウィリアンはさすが、総合的に完成された選手ですねー。心配ごとは契約3年だけか。。
    以前噂あったフレイザー、ザハもこう見ると不安があるなあー
    アルテタによってぺぺがスターリングみたいな感じに成長してくれることを期待しましょうか!

    やはりFA杯の優勝で何だかんだオフシーズンも楽しい。。

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