この試合はライヴで観なかった。ちょっと後悔した。
いちおう目覚ましで試合前に目を覚ましたのだけど、twitterでスタートの11人を確認したらバック3で、それがどうにも消極的選択に思えた。またゆうべの『The Athletic』のネガティヴ記事がわりと頭に残っていて(5人のシニアプレイヤーズが退団希望というやつ)、とてもいい試合をやりそうに思えなくてそのまま二度寝してしまった。そして3-0で敗けてたいそうがっかりする夢を見た(笑い)。朝起きて観ればいいやと思って寝た夜はたいてい敗ける夢を見る。
それが、スタンフォード・ブリッジで10年ぶりの勝利&03/04以来のシーズンダブル。
それにしても何という奇妙なシーズンだろう。
アーセナルとしては、この25年で最悪というほどのシーズンで終わりそうだというのに、またトップチームに勝ってしまった。彼らはCLファイナリストであるということは、つまりわれわれは実質ヨーロッパのトップレヴェルってこと?? なんか混乱してきた。
でも、強いチームを相手にしても引けを取らなかったし、ちゃんと競争力を感じた。たしかに、終始押され気味な試合ではあったが(※ポゼッション32%)数字ほどの差はなかった。なにより重要なことはやる気やパッション。それがちゃんと感じられた。
なぜこのチームは、こういう集中したオーガナイズされたプレイがいつもできないのだろう。やる気マンマンになれないのだろう。いや、いつもじゃなかったとしても、ELセミファイナルのような超絶重要試合でなぜできないのか。あの日の魂が抜けたような腑抜けたパフォーマンスを思い出すといまでも腹が立ってくる。この試合を観たあとだとなおさらだ。
ぼくは「チェルシー戦は勝手にスウィッチが入る試合である」と先日ブログに書いたわけだが、まさにそんな感じ。勝ったのは最高にうれしいが、なぜわれらは必要なときにスウィッチが入らないかという、今シーズン最大の疑問のひとつである<一貫性の欠如>があらためてフォーカスされるような思いである。
勝ってうれしいし、腹が立つしで、もう何がなんだか(笑い)。
試合を振り返ろう。
Chelsea 0-1 Arsenal: Emile Smith Rowe earns Arsenal win at Chelsea after Jorginho howler
アルテタの試合後コメンツ
試合直後のインタヴューby Arsenal Media。オフィシャルサイトより。
(パフォーマンスについて……)
アルテタ:グレイトな勝利。ここでの試合がどれだけタフか、ファンタスティックなチームに勝つのがどれだけタフか。トーマスがグレイトだったと思う。相手にはとてもクオリティがあり、とてもいいオーガナイゼイションがあるので、とても難しい。試合の最初から、正しいスピリットと正しいアティチュードで試合に勝とうとしているところを示した。本物のクオリティを見せたときもあった。
得点をしてからは長い時間守らねばならなくなった。そのためには、とてもコミットして、レジリエントが必要だった。必要だった幸運もいくらかあった。
(ESRが得点でさらにステップアップ……)
イエス。彼はそれをやった。とても高くプレッシングして、できるだけ高くしようというコミットメントがあり、困難を生み出そうとした。彼は報われた。
(チームは新しいフォーメイションに適応した……)
とてもよかった。それをやった理由はよりよくなろうとしたこと。試合をよりイーヴンにして、相手に困難をもたらそうとした。うまくやれたと思う。
(クリンシート……)
ここでは多くのチームはできていないのだから、とても難しかった。ハイプレスをやったときにはとてもいい時間があったと思う。そして、深く守らねばならなかったときには、すばらしいオーガナイゼイションがあったし、とても大きな個人パフォーマンスもあったと思う。そうして、いくらかの幸運が必要なときがあって、そうした幸運があった。
幸運は呼び込むもの。
アルテタの会見コメントに対するツッコミとフラストレイション
ところで、この試合後インタヴューでアルテタが試合前コメントにツッコむメディアに対し、「曲解するな」と珍しく怒りをあらわにするという場面があり、注目されていた。BBC Sportsなどは単一の記事にしているくらい。
Arsenal boss Arteta angry at media
『Sky Sports』の試合後インタヴュー。via Arseblog。一部省略。映像を観ると彼のいらだつ様子がわかる。
🗣”Nothing is broken, you can see the spirit, it wasn’t like this in the press and I was so annoyed at that.”
Mikel Arteta has made clear that his Arsenal players have shown they they give everything for the team pic.twitter.com/oJAeNkiNbG
— Football Daily (@footballdaily) May 12, 2021
🗣”They are not going to break that, they can try but they are not, I know the chemistry.”
Mikel Arteta was not happy about the comment from his pre-conference being taken out of context and backs his squads chemistry pic.twitter.com/nxkLut9hHm
— Football Daily (@footballdaily) May 12, 2021
(この勝利でアーセナルが完全に壊れてしまったわけではないことを証明した……)
アルテタ:何も壊れてない。内部では何も壊れていない。外部から何をがんばっているのかは知らないが、内部でそういうことはない。彼らはわたしが云ってもいないことをわたしが云ったことにしようとしている。このチームのスピリットは最初から観られただろう。それはわれわれが7位だろうが、8位だろうが、9位だろうが関係ないことだ。選手たちの努力やどれだけトライしたかは決して疑えない。
(何を「自分のせいにされている」と思っているので?……)
わたしが云ってもいないことだよ。わたしが云ったのは、もしどの選手も120%でプレイしていないのなら、それはわたしの落ち度だし責任だということ。プレス会見でそんなことは云わなかったし、わたしはそのことがものすごく腹立たしい。
(選手たちはすべてを出していると……)
わたしの選手たちについて、わたしがここにいる限りは誰のことも守るつもりだ。なぜなら彼らはそれにふさわしいし、一日も欠かさずそれを勝ち取ってきた。
(誤解があった?……)
イエス。選手たちはそれにふさわしくない。彼らは毎日全力を出してくれている。ここにいる全員がやっている。もし彼らがそれをやらなければ、わたしはここにいないし、選手もそこにいないから。最後の日までわたしが要求する唯一のことは、持てるもののすべてを出すことだ。それだけ。
その後には、能力があり、いいプレイがあり、ドロウ・ウィン・ルーズがある。だが、それは問えないものであり、問答無用なものだ。100%。
(チェルシー戦よりもプレス会見のことのほうが念頭にあったのでは?……)
そんなことはない(they are not going to break that)。わたしはわれわれにあるケミストリをわかっている。選手たちだけでなく、スタッフ、コーチングスタッフ、ボードにもある。それは触ることはできない。それに触ろうとすれば、意見とともにすることになる。しかしそれはわたしが云ってもいないことだ。わたしは受け入れない。自分の云っていることを説明せねばならないなんて初めてのことだ。
以上。
ここで誤解があったとされる発言というのは、試合前プレスカンファレンスのこの部分のようだ。
On whether the players have given their maximum this season…(今シーズン、選手は最大限のちからを出しているか?)
With the majority of them, yes.(ほとんどの選手は、イエス)
つまり選手たちが全力じゃなかった(全力を出していない選手がいた)という部分を、云った云わないで揉めていると。云ってるようにしか見えんけども(笑い)。
ここは正直、ツッコミが入ったところでしょうがないようにも思える。
アルテタにしては脇が甘い。
以下、試合後プレスカンファレンスでのコメント。オフィシャルサイトより。
(パフォーマンスと結果について……)
アルテタ:ここで勝ったのは10年ぶりだと思う。クラブ、ファンにとってもとても重要な結果になった。それと選手にとってもそう。彼らはこれが意味するところを示したのだから。彼らが示したスピリットとアティチュードは、このグループのなかでどれだけ大事にされているかを示している。
(選手たちはリアクションを見せた……)
おそらく外の世界に対してはそうなんだろう。だが、彼らはわたしに示す必要なんかない。なぜならわたしは彼らがどう準備しているか、どうプロフェッショナルか、毎日見ているのだから。だが外部に向けてはそう。大きなメッセージだった。
(ヨーロピアンプレイスを得られそう?……)
マスマチカリーにはポッシブル。最後の試合までベストチャンスを得られるようにしておく必要がある。
(来シーズンの計画はもう始まっている……)
われわれがやろうとしていることは、毎試合で勝つよう選手たちとベストに準備をすること。来シーズンは違うシーズンになる。いまはベストをつくすよう集中しなければ。なぜならそれが来シーズンへのインパクトになるから。
以上。短い。おこだから?
試合後にロブホとESRがインタヴューに応えている。
💬 “We knew it was going to be one-on-one duels. We beat our man and that gave us a chance to win the game.”
🎙 @RobHolding95 | #CHEARS
— Arsenal (@Arsenal) May 12, 2021
🗣”It is really important for our season.”
Emile Smith Rowe on how much Arsenal needed that win over Chelsea pic.twitter.com/zmp84uU11u
— Football Daily (@footballdaily) May 12, 2021
トーマス・トゥークルのコメント「チームを選んだわたしの責任」
勝ったので。『BBC Sports』より。
トゥクル:わたしはちょっと腹がたっている。たくさんの変更をしたことに。それはわたしの責任だ。
結局ラインナップが気に入らなかった。だが何が起きるかなどわからない。今日はいつもの自分たちという気がしなかったし、試合に勝てそうになかった。100%じゃなかったとしたら。
わたしの責任だ。ラインアップを選んだのはわたしなのだから。
カンテを休ませなきゃよかった。
私にはビルドアップはあまりできているようには見えませんでしたね。
プレスかけられてボール捨ててるシーンが何度も散見されましたし。。
まぁ無理してミスされるよりは良いですが。
ただ、後ろの人数増やしてエルネニーが居れば逃げるパス回しはけっこうできるんですよね、
押し込まれたときのエルネニーには光るものがある。笑
今回の結果は嬉しいのですが、アルテタにとっては悩ましいところもあるんじゃないかとも思っています。
アルテタがやりたいサッカーをやろうとすると結果がでず、
今回のように(FA杯の頃のように)割り切った戦い方をすれば結果がでる。
もうちょっと自分がやりたいことに拘るところと、結果に重きを置くところを使い分けて欲しいとか思います。
まぁファン目線の勝手な言い草ですが。
今季の結果はともかく、来季に向け選手のモチベーションが上がるように上手く手綱を取って欲しいです。COYG!
アルテタのメディアへの怒りの件ですが、この一連のツイートを読む限り、アルテタへの質問の前半がオミットされたことにより意図してない捉え方をされてしまったように見えます。
https://twitter.com/arseblog/status/1392770090022670340?s=21
オーバにスペースを与えたこと、チームとして意思が明確(ボールを持たせる)だったこと、が一番かと思いました。まあ、マリよりもルイスのほうが効果的だったかもしれないなあ、というのと、交代はなぜセドリック右で左にサカを回さないのか、ESRを最後まで引っ張りすぎではないか(これはベジェリンのケガで仕方ないのかもしれないけど)、などありますが、プランBで蟻の一刺し、をもって結果がでるというのはベンゲル時代ではなかった(華麗なる玉砕)ので、わたしはこれはこれで宜しいかと思います。たとえFAカップのためにローテーションをしたとしても、スタンフォードブリッジのCLファイナリストは伊達ではない。本当、EL準決勝はなんだったんだ(コンディション不良とフォーメーションじゃないの?)との思いを強くする次第。多分、オーバを活かす、のと、ペペが活きる、のが両立しないからではないかと。状態がよければ、ラカ、ESR、サカ、ガビが一番いまはよさそう。あと、DFもっとヘッダーで得点力発揮しないと。とりあえず終盤5連勝で本年は終えるということで。COYG
質問です。
ジョルジーニョのバックパスを、ケパが必死にクリアした場面ですが、
カードが出ませんでしたが。得点したからでしょうか?
ハンドだし、ある意味、決定機だったので。
決して審判批判とかではありません。ルールに疎いので、どなたかご教授を。
ミスキックの場合、GKのハンドはほぼ取られ無いですね。ESRのシュートが枠を外れたとしても、カードは無かったのでは無いかと思います。
ありがとうございました。
それにしても、ケパのクリアのスピードは、敵ながら凄かったですね。(^_^;)