こんにちは。
クラブフットボールを愛するぼくらには、2週間の超退屈ウィークに入ってしまいましたな。そして、われらアーセナルファンはその前も2つも試合を延期されてしまったので、よけいに長いような損した気分。
このブログは、ふだんは代表チームについてはあまり書かないのだけど、クラブがファインフォームゆえに選手のフィットネスも気になるし(IB開けはもちろんノースロンドンダービー)、ワールドカップ前最後の代表チームということで、ワールドカップでプレイしたい選手のメンタリティも気になるしで、あれやこれや書きたい。
2022ワールドカップまで最後のNTスクワッドに招集されたアーセナル選手(2022年9月)
ファーストチームからは、以下の10名が選ばれた。もちろん、ここで選出されるということはワールドカップスクワッドにも含まれる可能性が高いだろう(※ワールドカップでプレイするチームは)。
- Aaron Ramsdale (England)
- Matt Turner (United States)
- Karl Hein (Estonia)
- Kieran Tierney (Scotland)
- William Saliba (France)
- Takehiro Tomiyasu (Japan)
- Thomas Partey (Ghana)
- Bukayo Saka (England)
- Martin Odegaard (Norway)
- Granit Xhaka (Switzerland)
GKはファーストからサードまで3人とも選ばれている。
ラムズデイルは、ニック・ポープのケガでプレイのチャンスがあるんじゃないかと思われている。彼もブレントフォードで足(ふくらはぎ?)を痛そうにしていたのは大丈夫だろうか?
フィットネスといえば、サリバも。
Saliba has been carrying a knock for a while, he’s been struggling to train (yet still pulls out a performance like that).
I wouldn’t be surprised if he stays at Arsenal rather than linking up with France during the international break. One to keep an eye on.
— Charles Watts (@charles_watts) September 18, 2022
だが、いまのところサリバがフィットネス理由でNTを辞退したという報道もないようだし、そのままプレイしそうだ。先日は、本人もフランスNTでプレイできる名誉について語っていた。
オーデガード、ジャカ、KTとリーダーシップグループの面々も順当に選出。パーティもブレントフォードであれだけプレイできたということは、ガーナでもふつうにプレイしそうだ。そこでさらにフィットネスを取り戻して戻ってくれればいうことなし。
オーデガードのケガは?
先日「筋肉系のケガ」でブレントフォードの遠征スクワッドから外れたオーデガードが、それでもノルウェイスクワッドに選ばれている。キャプテンの状況については、おとといのノルウェイメディア『TV2』が報じていた。
オーデガードが今回のネイションズリーグの2試合(スロヴェニア、セルビア)でプレイできるのかどうか不透明なところが大問題としたうえで、NTマネジャーのプレス会見でのコメントを伝えている。
(キャプテンが不在……)
Ståle Solbakken:われわれは通常どおり、アルテタとアーセナルのフィットネス部門と連絡を取り合っている。まだなにも決まっていないし、まだ望みはある。
(彼はオスロに来られる?……)
いまのところ、まだ様子を観ているところだ。彼らはそう伝えていた。彼はまだ気分はよくない。このあとに最終的な決断をする。2試合でプレイできるのか1試合だけなのかどうか。いずれにせよ、彼はノルウェイには来るだろう。選手としてか、あるいは「4番目のコーチ」としてか。
4番目のコーチとは。。そこまで信頼が厚いのか。
このほかに、オーデガードのケガは大したことないから、この2試合でもプレイできるみたいなノルウェイ方面からのうわさもあった。
アーセナルファンとしては、彼にはいずれにせよ元気に戻ってきてもらいたいものだ。ヴィエラもいるとはいえ、NLDみたいな試合にキャプテンがいるといないじゃ大違いだ。
今回のNTスクワッドから招集外のアーセナル選手
今回は、こちらのほうが注目されているかもしれない。
ベンジャミン・ホワイト
アーセナルと英国で、もっとも議論で意外な選出外は、ベンジャミン・ホワイトか。今シーズンはスタートからアーセナルでPL7試合すべてでプレイしていて、調子もよい。チームもリーグトップ。しかし、イングランドスクワッドには選ばれなかった。
ブレントフォード戦前のアルテタも会見で、ヴァーサタイルなオプションになるだろう彼がサウスゲイトに選ばれなかったことには、残念な様子だった。
サリーバ加入&トミヤス不在で、今シーズンのホワイトはライトバックでプレイしている影響もあるかもしれないが、それでもイングランドのDFたちの顔ぶれを観れば、そこにホワイトが入っていないのは納得いかない英国人もたくさんいたようだ。マグワイヤなんてクラブで満足にプレイもできていないというのに。キャプテンだから?
ガビー&ガビ&ビッグガビ
それと、ジェズース、マルティネリ、ガブリエルの「3ガブリエルズ」がブラジルNTに選ばれなかったこと。これまでの招集の経緯を観ても、好調なアーセナルで中心選手としてプレイするこの3人が全員選ばれても不思議はなかった。
とくにジェズース。FWとしてジェズースとはタイプがだいぶ違うとはいえ、リヴァプールですっかり存在感が薄いフィルミーノのような選手さえ選ばれているのに、彼が選外とはこれいかに。
ジェズースはセレソンでもすでに56キャプス(G19)のヴェテランであり、3人のガブリエルズのなかでは、本番でプレイする可能性がもっとも高い選手だろう。
昨日の『ESPN Brasil』が、ジェズース本人のコメントを伝えていた。おそらくブレントフォード戦後のコメント。
ジェズース:(セレソン選外について)ぼくはコーチの決断を尊重する。チッチもスタッフみんなも尊重する。云ったように、ぼくはブラジル人だ。いつでもチームを応援してる。
それに、ほかの選手のことだっていつも尊重している。彼らにはすごくクオリティがある。
ぼくはこれからも自分のベストを尽くす。また機会が得られるように。
(ワールドカップでプレイするためにクラブでがんばる)ぼくがコントロールできるのは、パフォーマンスだけだ。つねにベストを出して、プレイをフィニッシュさせる。今日は、いくつかチャンスもあったし、もうちょっとうまくやれたところもあったのはわかっている。これからもベストを出せるよう、トレイニングをつづけるよ。
(選外についてスタッフから連絡はあった?)あったよ。そのあとで電話があった。イエスだ。
ジェズースは、チッチと話した内容までは答えなかったということなので、もしかしたら「本番では選ぶ」みたいなことが伝えられたのかもしれない。
今回のセレソン選考については、エドゥがブラジルFAにアーセナルの選手を選ばないよう(フレンドリーでケガでもされてはたまらない)依頼したといううわさもある。もちろんエドゥは元セレソンのスタッフで、チッチをはじめ彼らとは特別な関係がある。
彼ら選手にとっては愛するNTから選ばれないのは気の毒ながら、アーセナルFCにとってはどちらかといえば都合はよいところもある。
選手がナショナルチームに選ばれないクラブのメリット
プレミアリーグのようなリーグでプレイしていれば、多くの選手は代表チームに選ばれるものだ。が、今回のアーセナルはキープレイヤーたちがだいぶ選ばれずに残ることになった。
ファーストチームでも、ジェズース、エンケティア、マルティネリ、マルキーニョス、ヴィエラ、サンビ・ロコンガ、ジンチェンコ、ホワイト、ホールディングのような選手たちがNTに選ばれていない。場合によっては、オーデガードもプレイしないかもしれない。
もちろん今年はワールドカップイヤーという特殊な年なので、選手たちはNTに選ばれたかったはずだが、クラブにとってはNTに呼ばれないほうがなにかと都合がいい。ケガをされて戻されるようなことがあれば、ほんとうに最悪だ。これも若い選手が多いことのメリットかもしれない。優秀でありながらも、国のほうではまだ評価が追いついていないみたいな。エディなんかは、その顕著な例だろう。
NT帯同中の選手のケガについては、各国のFAと所属クラブでたびたび問題になるのか、最近はNTの試合をヨーロッパの中立地で行うことがますます増えているような気がする。気のせいか。とくにフットボールの中心地から離れた国。今回日本はドイツで、ブラジルはフランスで試合を行う予定で、どちらも国に帰るなら、それなりの移動距離をともない選手の負担が大きい。※ちなみにToTのすごいひとがいる韓国は、韓国で試合をするようである。
ところで、PL各チームで代表に選ばれた選手を観るとけっこうおもしろい。
ビッグ6では、シティとユナイテッドが16人づつ、チェルシーが15人、ToTが14人、リヴァプールが11人。アーセナルの10人がもっとも少ない。ケガをしているわけでもないジェズースやマルティネリのような、絶好調のレギュラーをチームに残しているクラブはほかにないんじゃないか。
それと、悲惨なのがレスターの11人。あんなにズンドコなチーム状況でも、アーセナルよりもNTに選ばれている人数が多い。そして、2週間後にはまたお疲れなパフォーマンスを披露することに。ロジャースの心境をおもうと、まことに気の毒である。
アーセナルは、もしかしたらいまがもっとも世間の評価と本来の実力に乖離がある時期になるかもしれない。選手たちが、本来あるべき評価を受けるまではまだ時間があるというか。いま20代前半の彼らが、このまま成長し、20代後半になったら国での評価もいまと同じではないように思える。
そして、それは基本的にはいいことだ。アーセナルは、このタイミングの利を最大に有効活用しないと。
トッナムは、レギュラースターターのほとんどが今回NTに招集されている。来週末のNLD(H)でそれが違いになればよし。
おわり