アーセナルはWHUに3-1で敗け。今年のリーグカップもラウンド4で早期敗退した。アーセナルにとっては、試合に敗けるのは今シーズン2回め。
もちろんぼくも、この敗けにくやしい思いはしているが、同時に、まあべつにいいんじゃないかとどこか冷めた自分もいる。
アーセナルはこんな結果でもワーストパフォーマンスと云っていいのかわからない、そんな微妙なパフォーマンスだったのもその理由かもしれない。プアすぎて心底あきれたというのとも違う、またなんとも云えない感じだった。
スコアだけ観ると惨敗以外のなにものでもないのだけど、選手とチームのパフォーマンスが極端に悪かったかといえば、そうでもないような。それなりにロテイトしたチームでも、前半はほぼ完璧に試合をコントロール。しかし後半開始直後から相手の勢いに終始押され、早くに立て続けに失点したことで意気消沈してしまった。
アーセナルに突出して悪かった選手がいたわけでもない。全員がそれなりで、レイティングとしては、全員に「6」をつけたくなるような、そんな良くも悪くもない中途半端なパフォーマンスだったように思える。最後までチームが波に乗ることはなかったが、同じパフォーマンスでも勝っていた結果も想像できる。ちょっと奇妙な試合。
でもまあ、結果がこうなったのは結局はやる気の問題だろう。より勝ちたがっているほうが勝ったというだけ。
アルテタはこの試合をPLと同じくシリアスにとらえていると述べたが、選手たちはやる気もエナジーも中途半端だったように思う。アルテタだってそんなふうに云いながら、PLはおろか、CLみたいなチームセレクションさえしなかった。それでまったく問題なかったと思うけど。すべての試合に100%集中なんてできない。
後半あきらかにギアを上げて、みごとに勢いをつかんだハマーズのみなさんにはおめでとうだ。あのこぶしつくって腕をクロスさせて「X!」ってやるポーズ、なんかよかったな。おれも今度やろう(どこで)。
‘Rice should be welcomed back with open arms’
アルテタの試合後コメント「この痛みを土曜に勝つために利用する」
試合直後のアルテタのインタヴュー。AFCオフィシャルサイトのトランスクリプトより。
アルテタ:結果にもパフォーマンスにもとても失望している。わたしの責任だ。わたしは彼らに48時間警告しようとしていた。今日、いかに競っていくかということを。われわれがうまくやれていないカラバオカップのアウェイで。
試合のスタートはとてもよかった。完璧にコントロールした。しかし、失点が多くのことを変えてしまった。わたしはあれはゴールだとすら思わなかったけれど、ほかのパフォーマンスのいい訳にすることはできない。
(週末のニューカッスル)間違いなく、われわれは今日の苦痛を利用する必要がある。土曜にはベストを出すのだと。それが勝つ理由になるから。
しかし、痛みを感じるのはいい経験でもある。自分たちがベストを出せなかったとき、まったく違うパフォーマンスで競う必要があるし、試合に勝つ権利を得る必要がある。
試合後のプレスコンファレンス。AFCオフィシャルサイトより。
(試合の評価……)
アルテタ:とても失望している。当然わたしにその責任がある。われわれはカップを敗退した。まったく違うプレイを望んでいた。とくにこのような試合で競いたかった。それはわれわれが48時間議論していたこと。そこで何ができるのか。
(最後にはシニア選手たちを入れたのはメッセージ?……)
メッセージなどない。メッセージを送るなら、ことばを使う。違うやりかたでそれを送る必要はない。
今日は正しく競おうとすることができるベストだと信じるチームを出した。だが試合は違う方向へ向かってしまった。最初のゴールは議論の余地があるだろう。しかし、その後はこのような場所で勝つ権利を得るために、チームからはもっと観られるべきだった。
(パフォーマンスにどれほど失望?……)
まず、自分自身に失望している。なぜなら、わたしは当然チームには違うようにプレイしてほしかったから。そして、われわれはそれができず、試合に敗ければそこにはつねに苦痛がある。この苦痛を土曜に利用する必要がある。
(アーロン・ラムズデイルがウェスト・ハムの観客からプレッシャーを受けていた……)
そういう状況はあるものだ。もちろん、観客はやりたいようにすることができるし、そのなかで選手はベストを尽くそうとする。それだけだ。
(スミス・ロウのケガ……)
彼はヒザをケガして、数週間アウトだ。
(ウェスト・ハムの最初のゴールはVARで覆される可能性があった?……)
間違いない。もしVARがあったら、ノーゴールだった。しかし、レフェリーが難しかったのも理解する。アングルもあったし、たくさんのひとがいたから。
だが繰り返すように、わたしはそれをいい訳にしたくない。われわれは、自分たちがやったよりももっと競うことができた。もっといいポジションになれた。しかし、この試合からなにらかを得ることがとても重要だ。それが勢いになる。
(この敗戦をやる気につなげる……)
それが示していることは、フットボールにおいては、その日に起きたことと3日前にやったことは関係がないということ。明日に何が起きるかがもっとも重要なことで、われわれはこの敗けをニューカッスルに勝つために利用しなければならない。
(サリバとライスがいないとフィジカリティが足りない?……)
違う選手がいれば違うものをもたらすのは当然だ。しかし、そういうことではなく、今日まったくできていなかったのはシンプルなことだ。選手のなかにはデュエルで競っているものもいたし、50/50もあった。しかし、多くの相手にボールを渡してしまって、自分たち自身にファイナルサードでの脅威の勢いを与えることがなかった。そここそが、今日から劇的に進歩させねばならない部分だ。
(あまりプレイしていない選手を起用することについて……)
選手にはフェアでなければならない。あまりプレイしていない選手もいて、最初の試合ですぐにそれができるわけではなかった。
選手の周辺にはいろいろな会話があり、それはフェアな評価ではない。しかし、評価から得られるものは、試合に勝つために要求される特定のことについてなのだ。とくにウェスト・ハムのような相手とアウェイでプレイするとき。今日はまったく十分ではなかった。
(デクラン・ライスのウェスト・ハムサポーターからの歓迎……)
わたしが話すことじゃない。
以上
最後の(笑い)。いつもなら「デクランは彼らにとってそうするにふさわしい存在だった」とか、いろいろ云いそうなのに。つっけんどん。
ライスのハムサポーターからの歓迎については、ウォーミングアップですでに大拍手。ライスもそれに両手を挙げて応えていて満足げだった。そしてピッチに出れば今度はボールを触るたびにブーとわかりやすい反応。WHUファンのフェアな態度という感じだった。
あとVAR。この試合はVARがなくて、ベンジャミンのオウンゴールのとき、あきらかにラムズデイルがシャツを引っ張られてディフェンスを邪魔されていたのがおとがめなし。あれは、ご立腹も理解できる。あの失点がなければ、違う試合だった可能性だってある。
やっぱりアルテタも全体的に怒ってるよなあ。このひとの場合、自分にも怒っているというのが、彼らしい。
試合後の選手インタヴューはジョルジのものがあるが、割愛しよう。
💬 “The only thing we can take from this tough result is how we need to be much better at competing for the next game.”
Jorginho looks back on our performance in east London 👇
— Arsenal (@Arsenal) November 1, 2023