やあ。
先週末の#NEWARSのVAR議論の件。PLファンの皆さんはご存知のように、月曜の#TOTCHEがあんな内容だったゆえにPLのレフェリング/VARがさらに注目が集める結果となり、昨日の時点でも英国では論争が収束していくどころか、ますます加熱していくような塩梅だった。
VAR是か非か。あらためて問われている。
そして、ToTのボスであるAngeが、試合に敗けながらも試合後にはアルテタと好対照なああいうプレス対応をしたことで、マネジャーの品格みたいな方向にも議論は発展している。
もっとも、そこに関してはあの試合のToTの2枚のレッドカードはどちらも議論の余地のないもので、いくら彼が「わたしならレフに文句は云わない」のような主張をしたところで、そりゃそうだろとしか云いようがないわけだが。あの判定は理不尽でもなんでもないのだから、今回のアルテタのいる場所とはまるで違う。これをもって、Ange上げ、アルテタ下げをやっているものは、そういう部分をあえて観ないようにしているようだ。
それとSky Sportsのようなメディアも、この一連の議論を扇動しているだろう。とくにレギュラーパンディットで、いまやSky Sportsの顔とも云えるギャリー・ネヴィル。レフへの不満をぶちまけたアルテタ、およびそれを支持したアーセナルには、彼は一貫して批判的な態度を示している。
が、元PGMOLチーフ(Keith Hackett)のような一部のインサイダーからは、彼らふたりのパンディッツ(ネヴィルとキャラガー)には、審判への批判をトーンダウンするよう指示の電話があったと暴露されており、不自然に議論を誘導しようとしている疑惑も持たれている。Sky SportsとPGMOLの関係性……
おっと、試合プレビューなのにオフトピックなことを書きすぎてしまった。これ以上は別エントリにしたほうがいいくらいの量になりそうなので、このあたりにするが、まあとにかくその議論な2試合のおかげでこの3日間はえらく騒がしかったのだった。ウォッチャーのわしも話題を追いかけるのがたいへん。
UCLに話を戻そう。今週からグループステイジの後半戦。アーセナルは、エミレーツにセヴィーヤを迎える。
アルテタの試合前コメント 「選手とクラブを守るのがわたしの義務」
昨日行われたアルテタの試合前プレスコンファレンス。アルテタが公の場でコメントするのは、SJPでのあの怒り心頭の会見以来となるため、注目の会見になった。そして、予想どおり今回のプレス会見でも多くの部分がこの件についてのやりとりになっている。AFCオフィシャルサイトより。
(チームニュース?……)
アルテタ:ガブリエル・ジェズースはフィットしていない。マーティンも、まだ不確かだ。あとは、ここまでニュースはない。
(ニューカッスルの試合後にあなたが述べたことについて……)
あなたがたの前に立つこと、カメラの前に立つことはわたしの義務であり、あの試合で起きたことについてのとてもはっきりした、率直な評価を述べた。それがわたしのしたことだ。わたしが感じたことがとてもオープンに反映された。チームがどうプレイし、どう試合がああいう決断による結果で決まったか。
それはわたしの義務なのだ。わたしの義務はわたしの選手を擁護すること。わたしの選手たちをサポートし、わたしのクラブをサポートし、わたしのまわりの人たちを守る。それこそが、わたしが繰り返しやっていくことだ。わたしはそれを、エヴィデンスをもって、できるだけ明解でありながら行う。わたしは、つねにそれをやっている。
われわれが素晴らしくプレイする。それで敗けるなら、わたしが責任を取る。まずはわたしだ。それがわたしであり、わたしのクラブを守らねばならない。
(あなたの怒りはあのゴールだけですか、それともほかの決断についても?……)
一朝一夕にはいかないこともある。それがあれほど明白であり、わたしがメディアに使ったことばにエヴィデンスが揃ったとき、わたしはそれらを強く感じたからだ。
ひとつは、わたしが対外的に述べたことだが、わたしが内部で選手たちに云っているのは、いかにもっといいプレイができるか、いかにもっと支配的になれるか、いかに相手にチャンスを与えずに自分たちのやりたいプレイができるか。
もうひとつは、あなたたちに対するわたしの義務だ。そして、コーチとしてやるべきことをやる義務。これが、まさにわたしがやってきたことであり、なにも特別なことはないし、なにも変わったことはない。
これが正しくなるまで、わたしはそれをやっていくし、クラブも繰り返しやっていく。われわれは、ピッチ上でもっとよくなっていかねばならないし、もっと試合に勝っていかねばならない。以上。
(なぜあなたはあのゴールが認められるべきでなかったと考える?……)
ここではセヴィーヤのことについて話す。明日プレイする美しい試合。
(ノックアウトステイジに向けてセヴィーヤに勝つことの重要性……)
今回、終わらせるチャンスがある。それをやらないと。明日、勝つ権利を得るためには多くのことをしなければならない。相手はこのコンペティションでは、非常に豊富な経験あるとてもいいチームだ。われわれは、明日われわれのプレイを楽しみにしているひとたちの前でそれを証明する必要がある。われわれにとり、なにが大切なのかを。
(レフリーがミスをすることへのあなたの発言について……)
わたしは、どんなことでも、ミスはフットボールの一部だと、同じことを云う。そして、われわれにできるすべてにおいて、このゲイムを建設的に進歩させていくためにわれわれはここにいる。それこそが、われわれがいまやっていること。
クラブとして、わたし個人として、マネジャーズミーティングでのマネジャーの義務として、われわれの意見を伝え、声を伝え、とてもよりよいゲイムにしていくよう建設的にやっていく。それがすべてだ。われわれが望んでいる唯一のことは、みんなのために全員でそれを達成すること。
(サイドラインにおけるあなたの振る舞いにVARはどのような影響を与えている?……)
回答はある。あるマネジャー仲間が、その試合後のわたしがいかに感情的だったかについて述べたね。いかにわたしがタッチラインで振る舞ったかを。でもわたしはイエローはもらわなかったよ。レフリーから注意も受けていない。わたしは試合に集中しつづけた。わたしの選手たちのために、できる限り試合に関わっていこうとした。それだけさ。
(マーティのケガの状況と彼のノルウェイNT招集に影響があるか?……)
マーティンは国のためにプレイすることを愛している。彼が招集されて、フィットしているとき、彼はつねにそこにいる。だから、そうなれば彼はそこへ行く。
(彼はウェスト・ハムでプレイして、なぜに週末にはプレイしなかったので?……)
そこは関係ない。ニューカッスルの試合前日に起きたことだ。そこは違うふたつのトピック。
(セヴィーヤで選手たちに発破をかけるために週末のことを利用する?……)
イエス。とくにチームのパフォーマンスでは。去年2-0で勝った試合と1-0で敗けた試合を観返してみても、一年前の自分たちよりも、3日前の自分たちのほうがよほどよかった。試合でもっと得られているにふさわしかった。だが、そこがこのゲイムの美しさだ。
だから、われわれはニューカッスルで正しく行ったように、正しいことをたくさん築いていかねばならない。ファイナルサードではある部分をとくに改善しないと。より脅威になるために。だが、そのほかの部分ではチームプレイ、競いかたなどは、際立っていた。
(クラブの声明についての反応……)
繰り返す。われわれには、自分たちがどのように感じているか表す義務がある。そこにあるすべてのエヴィデンス、何が起きたかの履歴をもって。
わたしが思うのは、われわれは自分たちの人々や、自分たちの価値のために力強くしていなければならないということ。自分たちの存在のために。そして、クラブがそれをやるなら、それを正しい理由をもってとても具体的にやるなら、それがクラブのなかにある団結と理解を示す。われわれがどこにいるのか、とてもはっきりと率直なやりかたで。それこそが、クラブとしてのわれわれの義務。
(クラブの声明のインパクトについて……)
わたしは、それはわれわれから全員に与えるサポートだと思う。わたしはそれを継続して行い、変わることはない。わたしはそこにいるし、誰かに話す必要があるのなら、すべてに力を与えていくためにわたしはどのミーティングにも参加する。
われわれ全員が望むものは同じだ。しかし、理解しなければならないことは、それがそこにあるということ。そして、もしあなたたちやフットボールにおける全員がわれわれにそこにいてほしいと望むなら、われわれは意見を述べなければならないし、われわれはわれわれの意見を正直にはっきりとしたやりかたで聞く必要がある。ほかのことを議論する必要はない。はっきりと、率直になることだ。とても尊重すること。
だが、はっきりと率直であることと、われわれがもつ価値感は、このゲイムをみんなが望むものに進化をさせつづけていくためのものでなければならない。以上。
(こうしたエラーが起きるのをどう防ぐ?……)
エラーは進化の一部。理想的な軌道を描くことなどありえない。道には必ず凸凹があり、もしかしたらゲイムが正しく進化していくためには、むしろそれが起きるのはとても必要なことなのかもしれない。
だが、われわれは声を大にして話す必要がある。もし問題があるのなら、それについて話そう。建設的な進歩を目指そう。それだけ。それがわれわれがやろうとしていることであり、ほかにはなにもない。
(今シーズンのヨーロッパでの試合について……)
もちろん、われわれはとてもいい2試合があった。ひとつはLensで、とくにセカンドハーフで最初の20-25では苦しんだが、全体的にはチームはパフォームしただけではなかった。チームの存在感や、ああいうビッグゲイムで見せた成熟はとてもよかったと思う。
しかし、一貫性だ。明日われわれは多くのことをとてもとてもうまくやる必要がある。
(ジョルジーニョについてと最近の彼の重要性……)
願わくば、彼をプレイさせてきたすべてのマネジャーのときと同じであってほしい。彼はすごい選手だ。リーダーで、知的な選手。チームをもっとよくさせるクオリティがある。
(試合でレフリーの判定を進化させること……)
わたしも、これまで何度も何度も状況を擁護してきたと思うが、プレス会見でわたしから決して聞くことがないことは、結果に対するいい訳だろう。それとは、関係がない。
「まずは自分たちのもっとよくなれる部分を顧みる」と云って、そのつぎに外部的なところを観ていく。われわれが実際に行っていることになにか干渉するものがあるかどうか。だが、まず観なければならないのは、自分たちの内側だ。わたしこそ鏡を観る最初の人間なのだ。
以上
アルテタはあのニューカッスル試合後のコメントは、不必要、あるいはやりすぎどころか、むしろ自分たちの義務だったと考えているようだ。ああいうことも、ふだん自分たちが日々行っていることのなかに含まれている。「それが正しくなるまで、わたしはこれからも繰り返しやっていく」というくだりについては、あるメディアは<アルテタからのレフへの警告>と捉えて記事にしていた。
いずれにせよ、アルテタはあのコメントへの批判的な反応も受け入れるつもりはないようだ。
今回のコメントのなかに「何が起きたのかの履歴」と話すくだりがあるが、アーセナルはこれまでにクラブが被ったVAR判断による被害履歴(シティでのKovacicとか)をリストして提出するとも云われ、今後も論争はつづきそうである。PGMOLからの正式な反応が待たれるところだ(※FAはすでにアーセナルに問い合わせを行っているらしい)。
Gordonのゴールの際のVARとレフの音声記録は、現在でどころの怪しいものが出回っているが、もしアレが本物なら、リヴァプールのDiazのゴール取り消しのときのようなスキャンダラスなVAR事案のひとつになるかもしれない。
タッチラインでの振る舞いについての質問では、アルテタは「わたしはイエローを受けていないし、注意も受けていない」と、タッチラインからの抗議でカードを受けたAngeにちくりとやり返している。今回の件で、われらとToTのライヴァリーに、またあらたな因縁が生まれたような気がしないでもない。