昨日の試合はご覧になられましたか。
よく考えたら平日の午前11:30とか、ふつうの人はライブで観られなかったよね。深夜の英国人をプギャーしている場合じゃなかった。
LAギャラクシーのホームスタジアムで行われたこのボーンマス、先日の非公開試合を除いては、アーセナルとしては一応今回のプリシーズンでは最初のちゃんとした試合となった。まあ、もちろん親善試合なので結果はどうでもいいし、内容だってさほど期待しちゃいけなかったんだろうけど、思ったよりも全然おもしろかったと思う。
シニア選手たちの動く姿も観られたし(オーデガードは最高!)、ファーストチームのなかでプレイするユース選手たちをたくさん観られたのもよかった。ぼかあ、初めて観る選手がけっこういたので興味深かった。
そして、この試合の直前にぶっ放されたオーニーボム。まさにアーセナル界隈は激震。ESR。ついにこの日が来てしまったか……Oh no……
ボーンマス戦をざっと振り返ろう。
アルテタの試合後コメント「デビューした若い選手たちの顔には決意が観られた」
試合直後のインタビューとプレス会見。箇条書きスタイルで失礼。AFC公式サイトより。
- 今日はとても満足
- ファーストチームで一度もプレイしたことがなかったキッズもたくさん使えた
- 相手は完全にファーストチームだったが、こちらはシニアもユースもとてもうまく役割をこなしていた。シニアは模範を示した
- 今回は土曜の試合とはレヴェルが違った。また一歩前進
- (ペナルティ戦)とてもいい練習になった。カールがまたとても重要だった。彼は忍耐強くチャンスを待った。とてもいいパフォーマンスだった。彼のローンはいま検討しているところ
- サポーターに感謝
- (ESRがプレイしなかった)There are things happening in the background at the moment and we decided the best thing to do was keep him away from the game today.
- (補強について)お知らせすることはない。云えることがあればすぐに伝える
- (ネルソンとエンケティアの移籍の噂)多くの選手に噂がある。それが普通
- (プリシーズン序盤で多くのシニア選手がいない)適応する必要がある。だがもう一年以上いっしょにプレイしているのですでに強い関係性がある
- (新シーズンのチームで成長を観たいところは?)攻撃でも守備でもたくさんのエリアで観たい。さらにvariabilityとversatilityを持ちたい
以上
アルテタがESRの移籍をほぼ認める
スミス・ロウのフラムへの移籍が合意間近だとオーンステインが伝えたのは、この試合のわりと直前だったため、試合後の会見では当然それに関する質問が出たという。
そして、アルテタはこのように答えた。
There are things happening in the background at the moment and we decided the best thing to do was keep him away from the game today.
彼はいま動いている件があるので、今日はプレイさせないことが最善だと判断した。
これは、移籍案件が進んでいると認めたも同然。
試合前には、この試合がESRがアーセナルのシャツでプレイする最後の試合になるんじゃないかと云われていたが、結局彼はプレイせず。考えてみれば、そのような重要な時期にケガをしてしまえばたいへんなことになる。ましてやESR。この試合でプレイしなかったのは当然かもしれない。
ということは、つまり彼はもうアーセナルでの最後の試合をプレイしてしまっていた。なんということでしょう。
この件は、この案件が決まったらまたあらためて書こう。
ファビオ・ヴィエラの試合後コメント「調子はとてもいい」
派手なゴール。試合後のインタビュー。AFC公式サイトより。
FV:あれはトレイニンググラウンドで毎日練習してるやつだね。ぼくらは、ボックス内であのポジションでたくさんチャンスをつくっていたから、ゴールを決めることがとても重要だった。とてもうれしい。
調子はすごくよい。もちろんこれはまだシーズンの始まりだから、みんなフィットしようとハードに取り組んでいるところ。チームのためにベストをつくそうとしている。ぼくもここにいられてすごくうれしいし、できるだけチームを助けたい。
(アカデミー選手たちのプレイ)ぼくもとてもうれしいよ。キッズのプレイはとてもよかった。みんなとてもハードワークしているし。彼らがここにいてチームを助けてくれるのは、とてもいいことだ。これからもつづけていこう。
スターティング11
SofaScoreより。
4-3-3
ネルソン、エンケティア、ヴィエラ
ワニエリ、パーティ、サラー・エディン
ルイス・スケリー、ヘヴン、ティンバー、ホワイト
ハイン
サブは、オーデガード(46 サラー・エディン)、レキック(62 ティンバー)、ジョルジーニョ(62 パーティ)、ジンチェンコ(63 ルイスケリー)、キヴィオール(63 ヘヴン)、ジェズース(63 エンケティア)、トロサール(63 ネルソン)、サゴーJr(63 ヴィエラ)、ニコルズ(78 ホワイト)、Gower(84 ワニエリ)
スタートの11人は、シニアとユースが半々くらいと予想以上にユース選手たちを入れてきた。キャプテンはエディ。
ユースのなかで注目は、ワニエリとルイスケリー。ワニエリは、たぶん前半は右8でオーデガード役としてプレイしていた。
個人的にはLeyton Orientでもスタートからプレイしていた左足CBのヘヴンにも注目していた。公式サイトの情報によるとDFだけでなくMF(B2B)でもプレイできるという17才。
後半に入るとオーデガードが登場。さすがの存在感。彼らしいスキルに、スタンドが沸く場面もいくつか。
60分すぎには7人を一気に交代するなど、親善試合っぽい感じに。みんなで時間をシェアした。
逆に最後までベンチを温めたのは、ユースGKの3人(Rojas、Nygaard、Setford)とRosiak、それにスミス・ロウの5人。
先日アヤックスから移籍したばかりのトミー・セットフォードは早くもベンチ入りで、噂では新シーズンは彼がU-21のNo.1になるとか。このあとのマンUやリヴァプールでプレイするなら楽しみである。
試合の雑感
試合結果は、90分では1-1のドロウで、結果に関わらず予定されていたというシュートアウトでアーセナルの勝ち。
フレンドリーにも関わらず、試合中はお互いけっこうアツくなったりして(ベンジャミンはまたGKにつきまとって笑)、アルテタも試合後に述べているように、競争力のある試合になっていただろう。誰もケガしないでよかった。
ペナルティ戦でふたつのセイヴをやり、試合後にはファン投票でMOTMにも選ばれたハイン。彼は、配球ではあまり優秀な感じに観えないが、試合中に1 v 1を止めたようにショットストップがいいのかもしれない。
アーセナルのゴールは18分のヴィエラ。LWでプレイしていたネルソンが、何度か左サイド深くに侵入してカットバックをやっていて、そのうちのひとつが成功したかたち。ネルソンはいまレスターの噂が出ているので、いい見せ場になったと思う。
それを直接ズドンと決めたヴィエラは、あいかわらずああいうスキルは感心するものがあるが、その他はどうだったろう。あのチームのなかでも突出したところがないような。
それと彼の大きな課題のひとつであろうフィジカリティについてはあんまり進歩があるようには観えず。今回もいつもどおり相手と接触しては転がって痛そうにしていた。体格もムキムキになってなかった。
今朝観たニュースによると、ヴィエラにはこの夏ドイツやスペインなど外国を含めて複数のオファーがあり、それをアーセナルはすべて断っているということであるが、現在のヴィエラのけしてバックアップ以上とは観られていないだろう立場からすれば、こういう試合でこそアピールせねばならなかったはず。ゴールシーン以外は際立ったところもないように観えたし、存在感はこれまでどおりで、あまりアーセナルでの明るい未来が観えていないように感じた。とくにイーサン・ワニエリのような選手が出てきているいまは。
シニア選手のなかで際立っていたのは、やはりオーデガード。後半から出てきて、格の違いを見せたみたいなところがある。彼の場合は、この夏はプリプリシーズンでもっとも早くからトレイニングを始めているひとりであり、フィットネスの有利もあるのかもしれない。
それとティンバー。ほとんど新規に加入した選手みたいな彼のCBも、目立つプレイこそなかったものの、とても安定感があってよかった。FBでなくCBで起用されても安心できそうだ。“ティンバー”というだけあって、丸太みたいな身体をしている。
ユースではもちろんイーサン・ワニエリ。ワニーは、試合後も各所でかなり高評価だった。AFCユースエキスパートのジョージ・バード氏は、ワニエリはもうアカデミー選手というよりは、ファーストチームの選手のように感じると。
Nwaneri should be part of the first-team squad now really. He already feels more like a first-team player than an academy one.
— Jeorge Bird (@jeorgebird) July 25, 2024
新シーズン、彼をファーストチームに加えるのか、あるいはローンに出すのかアーセナルは決断を迫られるだろうが、もしファーストチームでそれなりのプレイ時間を与えられるなら、当然ファーストチームでみたい。今年のわれわれはタイトルを取るつもりなのだから、その経験もさせたいじゃないか。令和のセスク・ファブレガスになってくれー。
今回プレイしたユース選手たちは概ね、よいプレイをしていたと思うのだが、オマー・レキックのような選手にはちょっとしたシニアレヴェルの洗礼になってしまったかもしれない。
ボーンマスのゴールは、ラッキーなディフレクションゴールではあったが、チャンスそのものは決定的であった。そして、そのチャンスをつくらせてしまったのが後半RCBでプレイしていたレキックの痛い判断ミス。悪い場所で強引に単独突破しようとしたところでボールを奪われてしまった。あれを観ていて、ああいうほんの一瞬の意思決定がトップレヴェルに行けるかどうかの差になると思ったものだ。
この試合については以上。
アーセナルから発表されていた情報によれば、マルティネリ、ビッグガビが今日(昨日?)チームに合流するらしいので、週末のマンUでいくらかプレイするのかもしれない。
それとカラフィオーリ。最新情報ではロンドンでメディカルを受けて、すぐアメリカに来るらしい。USツアーで彼のプレイも観られるのか。
マンUやリヴァプールは、今回よりももっとアツくなりそうで、なんとかケガなくやってほしいものですね。
おわり