宿敵スパーズのホームで行われる今季二度目のノースロンドンダービー。場所はウェンブリー・ステディアム。ウェンブリーは9万人くらい入るそうで、席が埋まると結構すごいことになりそうな。
シーズン開幕当初は慣れないスタジアムで不安定さを見せたものの、サンチェスが加入したマンUに完勝するなど、現在はホーム公式戦で12試合負けなし(W10 D2 L0)となかば要塞と化している。
一方今季アウェイで絶不調のアーセナル。トップ4を賭けて絶対に勝たねばならない試合だが、ToTには直近9試合でわずか1勝しかしていない(W1 D3 L5)。アーセナルにとってウェンブリーはいい印象しかないホームみたいなスタジアムとはいえ、当然今回も簡単には勝たせてもらえないないだろう。
アーセナルは現在6位。ToTは4ポイント差の5位。この試合はまさに6ポインター。
しかしわれらは今季あれだけやられながら、こうしてみるとトップ4に5ポイントしか離れていないというのも逆にすごい。そしてトップ6のなかではGDが突出して低いことを再確認。アウェイで失点しないようにすればいいだけなのにな。
攻めて勝つ。それがアーセナルのDNA。注・ここ笑うとこです。
予想ティング
ボスはエヴァートン戦と似たスコッドで臨むとコメントしていた。
4-3-3
GK オスピナ
DF モンレアル、ムスタフィ、コシエルニ、ベレリン
MF ラムジー、ジャカ、ウィルシャー
FW ミキタリアン、オバメヤン、エジル
ウェルベックが怪我から復帰。ベンチに入るだろう。モンレアルも大丈夫そうだ。チェフは昨日の時点でもトレーニングに参加していなかったとのこと。
GKはオスピナを予想。ぼくが今回オスピナでもいいんじゃないかととりわけ思えるのは、すでに戦前から注目されているようにこの試合でもアリやケインのダイブからのペナルティが大いにありえそうだから。チェフのペナルティ・ストップ失敗は連続15回と前人未踏の領域。オスピナのほうがまだ期待できる。
中盤の構成については、プレミアリーグ公式サイトの特集記事からインスパイアされた。
Three-man midfield central to Arsenal’s derby hopes
中盤のバトルがキモなんだから、もうラムジーとウィルシャーという禁断のコンビを復活させちゃえよと。でもそれだと怖すぎるからふたりの後ろにジャカも置いとこうねと。これはね。はっきりいってすごく楽しみです。ジャックはどうしたって使いたいんだよ。でも前節のハットトリック・ヒーローを外すわけにもいかない。これっきゃない(死語)。
前の3人はさすがにこれでいくだろ。ミキタリアンの替わりにイウォビが入ったらさすがにずっこける。
ボスのみことば
ノースロンドンダービーについて
ヴェンゲル:感情的に揺さぶられる試合だ。今季のテーブルを見ればこれはかなり重要な試合だとわかる。
われわれにとってはチャンピオンズ出場に近づけるチャンスだ。チャンピオンズ出場がプライオリティだからね。
アウェイではここ2試合負けている。ボーンマスもスウォンジーも1-0からの逆転負けだ。自分たちが犯したミスを見れば、わたしは楽観的になる。同じ過ちを何度も犯さないからね。
ほんとにそうかな?
ミキタリアンの守備貢献について
エヴァートン戦では4つのタックルと3つのインターセプトをしていたらしい。「こいつ守備もするぞ!」と感じたひとも多かったはず。
ヴェンゲル:みんな(彼の守備について)よく知らないようだが、彼の守備の数字はとてもいいんだ。チームプレイヤーで試合に勝ちたければ、必要なときにチームを助ける。当たり前さ。アッハッハ。ボールを失えばいつもボールを取り戻す。だってわれわれはボールを持つのが好きだからね。まずは取り戻さないと。だからわたしは深く信じているんだ。フットボールが好きならディフェンスも好きなはずだって。ディフェンスすることでボールを持てるし、その才能を表現することができる。
これ半年前のエジル氏が黙っちゃうやつだ。でもいまは深くうなずいていることだろう。よかったよかった。
ベンチに落とされたラカゼットについて
気になってたとこです……
(先週のエヴァートン戦でラカゼットはベンチについて納得していたんですかね……)
ヴェンゲル:そこはあんまり理解するとかしないとか深く考えないほうがいい。選手は試合に勝つことに集中してくれればそれでいいんで。スタートから出るとかそうじゃないとか関係ない。あの試合では彼は出なかったけどそれはGKに問題があったからだ。とにかくだ、選手がプレイしないことを選手が受け入れるとかどうとかそんなことでピーチクパーチク騒がないでくれ。もちろんサブの選手はなぜ自分がプレイできないのか理解はできないだろうし、それには完全に同意するよ。みんながプレイしたいと思っているし、それは自然でノーマルなことだ。
はあ。ため息。ラカゼットの件でやっかいなのはただサブに落とされたってだけじゃなく、アーセナルに来てからは「なぜか90分使わない問題」というのがずっとあって、もともとラカは不満を貯めていたのだ。だからいまの状況というのは、ラカにとってはかなり最悪であると思われる。
そして、ラカゼットを来夏に放出するのではないかという憶測もちらほら。アーセナルOBのプティ氏は「AWはすでにラカゼットへの信頼を失っていた」とも。
Arsenal should look at Spurs’ backline for a lesson on how to defend
ちなみにラカゼットはアーセナルのトップスコアラーでありながら(9得点)、ここ12試合でわずかに1得点のみ。そして得点に関してもほとんどがホームでのものでアウェイでの得点は2点のみとなっている。さすがにこの実績では擁護できないか。
ダイビングについて
戦前から注目を集めているのがこの件。デレ・アリがリヴァプール戦であからさまなダイブをやり、もともと常習犯だったことから批判を浴びていたところ。そこに、ポッチェティーノの「ダイブは文化だ」みたいな石田純一ばりの発言が油を注いだ。この人アルゼンチン人らしいので、いわゆるマリーシア(ずる賢さ?)ってやつのことをいっているのかもしれない。日本でもJリーグの黎明期なんかにしきりに議論されていた記憶がある。マリーシアは日本人に合うだの合わないだの。
しかしそこは紳士の国。イングランド・フットボールでは、伝統的にダイビングなどの相手を欺く行為が忌み嫌われているのはよく知られている。
ヴェンゲルももちろんダイブ反対派。ダイブを試合から根絶させなければならないと。そして彼にいわせると、そういう悪い習慣を覚えてしまったのがいまの英国選手だという。
でもこの辺の議論て、VARの導入だけでほとんどすべて解決なんだよな。ダイブ行為の厳罰化とセットならほとんど根絶できるだろう。合わせて読みたい。
プレミアリーグを運営するFA(英国フットボール協会)がダイビングの厳罰化を検討中
ただ、ヴェンゲルのこういうコメントで少しモヤッとするのは、彼は自分の選手がダイブをしたときには「見ていなかった」とかふつうにスルーするんだよ。こういうダブスタはいけないと思います。”I didn’t see it”はほとんどミーム化しているのが笑える。
こんな本もあったんだな。Kindle Unlimitedではフリーで読めるようだ。
前回の対戦はどうだった?
【マッチレビュー】17/18EPL アーセナル vs トッテナム(18/11/2017)
さすがにこの試合は忘れていない。試合前にはノースロンドンの「パワーシフト」がしきりに叫ばれたものだが、蓋を開けてみれば下馬評を覆して2-0で勝利。この試合プレビューエントリもがんばったので、暇があったら見てください。
【マッチプレビューその1】17/18EPL アーセナル vs トッテナム (18/11/2017)【NLDだよ全員集合】
YouTuberの皆さまもお祭りムード
ウェンブリー前での収録。AFTVではToTサポーターをゲストに迎えた。
WeAreTottenhamTVとかいうチャンネルを発見。そんなのあんのか。こちらはロビーをゲストに。
収録場所も同じだからいわゆる合同企画でしょうな。仲いいじゃねえか。
ほかのビデオもいくつか再生してしまったので、これからWeAreTottenhamTVの動画がサジェストされるようになるのかと思うと気が重い。AFTVをチャンネル登録しているユーザだからそっちはサジェストしないとかだったらけっこうすごいな。すごいてか怖い。
ToTについて
なんとかってディフェンダーが試合に出るとか出ないとか。名前忘れた。あとルーカス・モウラ? 1月にPSGから取った選手は出るとか出ないとか。いや出ないか。
あと彼らはミッドウィークのFAカップを戦った。非常に疲れているはずである。
戦術エキスパートのマイケル・コックスによると。
マイケル・コックス:スパーズは上手にハイラインを敷く。バックラインが素早く動いて中盤をコンパクトにしてオフサイドを誘発する。オバメヤンがいたらリスキーなやり方だけどね。ダヴィンソン・サンチェスはアヤックスから来てとてもいい初シーズンを過ごしているが、ここ数週間はいくつかのギルティなやらかしもあった。ベルジャンCBのトビー・アルデ、ウィアードが長期の怪我から戻るが、フルスピードは無理かもしれない。だからオバメヤンは彼のサイドから行くのがいいよ。
試合結果予想
フースコは2-1でホームチームの勝利。
SKY SPORTSは2-2でドロー。
BBC SPORTS(ローロ予想)は2-0でホームチームの勝利。
一番いい予想でもドロー。ありそうすぎてヤダ。
おまけ
テレグラフからの特報。ジャックが契約更新へ。
Jack Wilshere close to accepting new Arsenal deal
以前に伝えられていたとおり、基本給の減額+出場ボーナスみたいになるようだ。これはクラブへの愛がなきゃ結べないタイプの契約ですな。
さてすっかりプレビューエントリが遅くなってしまった。もうキックオフが4時間後に迫っている。極東のぼくらも大満足の21:30という素敵タイム。DAZNの中継は解説水沼貴史氏でお届け。