なんという無矛盾。どうりで予想通りの虐殺ショーだったわけだ。3失点で済んでほんとによかった。
Man City 3-1 Arsenal: Sergio Aguero hat-trick cuts Liverpool’s lead to two points
光年単位でクオリティの差を見せつけられた。遠いなあ。
エメリの試合後のコメント
プレスカンファレンスより。
(パフォーマンスについて……)
エメリ:グッドイーブニン。彼らの優勢を見せつけられた90分だった。とくにセカンドハーフが痛かった。苦しんだファーストハーフはふたつの違った側面があった。こちらが守備で力強い時間もいくらかあった。なんとかアタッキングサードでチャンスを得ようとがんばりもした。ボックス内でチャンスをつくらせないようハードワークが必要だった。
ファーストハーフにはいくつかのいい部分もあったが、セカンドハーフは何か仕掛けようとがんばった。でもセカンドハーフは違っていた。ファーストハーフよりはもっとオープンだったが、彼らのトランジションはとても速い。スペイスをつくられて、現時点での彼らの優位性を見せつけられた。この結果は今日のマンチェスター・シティとアーセナルの差が現れたものだ。
(最初の試合よりも差は縮まったんでしょうか……)
それについては多くを云うことはできないね。試合が終わってみれば彼らの優位性がわかった。いくつかのデュエルには負けていた。われわれにはPL1年目の若い選手たちが何人かいて、彼らはたくさん進歩できる。わたしは今日のマテオ・ゲンドゥージとルーカス・トレイラのパフォーマンスに満足だよ。でも彼らがここでの将来のために成長し、自信や経験を得ていくには時間が必要だ。
結果について云うことは簡単ではないが、今日の選手たちからはいくつかのポジティヴな点もあった。
(シーズンの始まりからわたしたちはどれくらい進歩した……)
目標を勝ち取れるよう、自分たちのやり方でやっていきたいと思っている。しかしそれをやるには時間が必要だしときには我慢も必要だ。現時点で、トップ4ポジションに向けて先週はマンチェスター・ユナイテッドとチェルシーに近づいた。今日わたしたちは負けてそれぞれ3ポインツ、2ポインツの差がついた(※訳注:ユナイテッドとは1ポイント差)。シティとの差は今日みたとおりで、リヴァプールとの差も同じようなもの。大きな違いがある。
わたしたちの状況においては、一試合づつ考えること、継続性、38試合を通しての安定について考えること。今日わたしたちは負けたが、進歩することを考えている。これはノーマルなことだが、彼らは優位性を見せつけ、わたしたちは引き続き取り組んでいるところだ。
われわれにはつぎのハダースフィールドがとても重要な試合になる。自分たちのいるべきポジションにいくための継続性を示す試合だし、トップ4にも近づける。わたしたちはそれが難しいことだし時間も必要なことはわかっている。しかしそれを目指して要求は高くしなければならないんだ。
(ホームに比べてアウェイでの弱いメンタリティについて……)
メンタリティは試合のなかでの優勢性があるかないかと同じことだ。ピッチで相手チームが自分たちよりいいチームだったとする。それは選手たちも感じるんだ。わたしたちはちょっとづつ強くなる必要があるし、ボールがあってもなくても力強さを感じることができれば、そこに自信がやってくる。そしてメンタリティもやってくる。
しかしわたしは選手たちにはメンタリティはあると思っているよ。でも相手よりも悪いと思うとき、それを感じるしそれはピッチ上ではネガティヴなことだ。たとえば、わたしがあなたに何人かの選手についていいことを云った。わたしが思うに、われわれにはいまいいときを過ごしている選手、将来があって、そして彼らには時間も必要で、経験を得ることが必要で今日のような試合でプレイすることが必要。そして負けて苦しむ。わたしはわたしたちが楽観的になれると思っているんだ。今日の結果はイージーではないがね。
(シティの3ゴールはどれも似ていた……)
まず彼らのクオリティとキャパシティだ。われわれはそれを止められなかった。しかし選手たちに何もなかったとは云えないよ。だって彼らは一所懸命やっていたんだから。彼らは苦労して、そして失点した。いくつかのチームと個人のアクションでね。彼らはキャパシティを示したんだ。
しかしわれわれにとりもっとも重要なことは、現時点で自分たちがマンチェスター・シティの後ろにいるということだ。オーケイだ。それは受け入れるよ。
しかし38試合あれば、わたしたちはチャンスを得られるし進歩してトップ4に近づくチャンスもある。今日は勉強で、試合後には異なるシチュエイションでの彼らの優勢を復習することになる。
(シュコドラン・ムスタフィ……)
彼は大丈夫だと思う。彼は今週と先週ずっと問題を抱えていたんだ。ディノス・マヴロパノスはわたしたちとトレイニングしていて、今日の20分はチームを助けてくれた。
(ムスタフィの離脱は長くなる……)
いや。彼は先週からちょっと問題があって、今日は頭をやった。今日も最後の20分までに少し問題があって、わたしはマヴロパノスを入れようと決めた。ムスタフィの問題はつぎの試合に向けて大したことないことを祈るよ。
(彼の頭の問題……)
先週やったんだ。今週彼はよくなっていたので今日プレイさせた。しかしセカンドハーフのふたつのアクションで、彼を下げようと決めたんだ。マヴロパノスにチャンスも与えたかったしね。
試合について
アーセナルのファースト11
コラシナツがウインガーみたいにプレイしていたんだよなあ。下手すりゃ3トップみたいにラカゼットとPEAと並んでた。
2トップ含めて全体下がり過ぎな戦術も含めて、エメリの采配があまりに消極的と非難されているけど、コラシナツの守備マインドは前に置かれた時点でさらに減退していたように思えた。
エメリはDFを前に置いて守備を厚くしたかったんだろうけど、コラシナツには後ろに戻らなくてもいい免罪符を与えたみたいで逆効果だったのでは? モンレアルをたびたび孤立させていた。
マッチスタッツ
レノがんばったよな。12本のSoTで3点なんだから。
xG map for Manchester City – Arsenal. Besides one (nicely-worked) early corner, the Gunners were packed in and unable to do anything that might threaten City’s goal. pic.twitter.com/73IuR4Pnv1
— Caley Graphics (@Caley_graphics) 3 February 2019
試合の論点
守れない&チャンスをつくれない
試合を通してアーセナルのシュートは4本で今シーズン最低の数字。驚くべきは(驚かないけど)、後半アーセナルのシュートはゼロ。
0 – Arsenal failed to attempt a single shot in the second half against Man City; the first time they’ve failed to have a shot in a half of Premier League football since May 2015 vs Man Utd (first half). Limp. #MCIARS pic.twitter.com/2p6KDxRUJy
— OptaJoe (@OptaJoe) February 3, 2019
ハーフタイムの調整で後半に盛り返す「セカンドハーフFC」で、このざまなのだからまさに手も足も出なかった。
まあチャンスどころかまともにビルドアップもできないのだから、ファイナルサードがどうこう云う以前の問題だ。
開始1分以内の失点のあと、すぐにコシエルニが1点を返したとき「そうだどうせ守れないんだから攻めるしかないんや!」とこころのなかで叫んだのだけど、その攻めがダメならいいところはゼロである。
そして、中継では試合中に何度も何度も全体下がりすぎなことを指摘されていたが(deep & narrow)、あそこまで下がるなら、ほかのチームがシティ相手に成功させたように最初から深く守ってカウンターを徹底すればよかったのに、守りは中途半端でさらにストライカーのふたりとも下がってしまっているので、ボールを奪っても出すところがなく自陣で密集してカウンタープレスの餌食。ひとりは前に張っていてほしかった。
エメリがMFを厚くせずにふたりのストライカーでスタートした動機がちょっとわからないが、ラカゼットもPEAもどちらかと云えばお膳立てをしてもらって脅威になれる選手だ。
ファイナルサードでチャンス自体がなければ彼らがいる意味はあまりない。
ラカゼットは守備での貢献があるからまだしも、PEAはあんな後ろでボールを持っても全然怖くないし大してビルドアップの役にも立たない。
シティにしてみれば、アーセナルはPLのどんな下位チームよりも与しやすい相手だろう。
対人守備は淡白。つくるブロックは穴だらけ。
相手を自陣に釘付けてから、ボールを逆サイドのスペイスにふってフルバックと1 vs 2。サイドのカバーが薄いからハーフスペイスをつかった定石通りのアクションで簡単に裏を取れる。この試合で単純なパス交換で左右フルバックの裏を取られてボックスに侵入されるシーンを何度見たことか。
Well that was interesting. Something like this when City have the ball. Arsenal’s FBs being dragged very wide, so their CMs having to cover the space in the channels, and they have extra license to move out there as the strikers are dropping deep to help defend the midfield space pic.twitter.com/Z5ys4g0NPZ
— Michael Cox (@Zonal_Marking) February 3, 2019
3失点のどれも似ていたというのもおそらく偶然じゃない。彼らは明らかに意図を持って攻めていたのだから、結果的にそこをカヴァーできなかったのはエメリの過失であるとも云える。
近頃の格下相手の同じような状況では、アーセナルは相手の固い守備ブロックと得意なハーフスペイスの攻略を封じられ毎回攻撃に苦労している。
自分たちがいつもやられていることを今回やればよかったのに。そうすれば1点くらいは防げたのでは?
クリンシートはまず無理だったろうけど。アーセナルはこれでPLで唯一、アウェイでクリンシートがないチームになったらしいよ。
Arsenal are the only team in the Premier League to not keep a clean sheet in an away game this season.
— Orbinho (@Orbinho) February 3, 2019
現在、ヴェンゲルさんのワーストシーズン(17/18)の失点ペイスをさらに上回っているというのだから、アーセナルの守備は悲惨のひとことである。
ゲンドゥージは空気を読まない
Matteo Guendouzi completed 100% of his passes in that first half.
In every part of the pitch. pic.twitter.com/8cyTBuq0p1
— Jake Entwistle (@JakeEntwistle) February 3, 2019
この試合でマテオ・ゲンドゥージはパスやドリブル、ボールリカヴァリーなどいくつかのスタッツでアーセナルでトップの数字を出している。ブロック守備では、たびたびKDBを放してしまいピンチを招いたが。。
アーセナルの選手のなかでもよくボールを持ってひとり目立っていた印象がある。
そしてアーセナルがアウェイでひどい試合をやっているなかで、彼だけが輝いているのを見るのはこれが初めてではない。
ぼくには、それが彼の空気の読まなさ具合がよく現れているような気がしている。
アーセナルのアウェイフォームのひどさは精神的なものだと云われる。ホームでは強者相手にもそれなりにいい試合をやったりしているので、たしかにその影響が大きいだろう。追いかけるボールはひとつだし、フットボールのピッチはどこへ行っても基本的には同じなのだから、同じ条件で同じ選手が戦うのに場所が変わっただけで内容や結果が大きく違うのは精神的な理由以外は考えにくい。
アーセナルの選手たちはとても仲がよい。しかしときにそれは仇になるのではないだろうか。不安が伝染したりもする。
それがゲンドゥージには伝染しない。なぜなら彼は空気を読まないからである。
つまりアーセナルのアウェイ病を克服するカギはゲンドゥージにある。ぼくはそう思っている。
デニス・スアレスのデビュー
一方で、このネガティヴな空気にとくに感染しやすい選手もいるだろう。スアレスはそんなタイプの選手に見えた。
66分にコラシナツと交代でピッチに入ったもののとても自信満々なパフォーマンスには見えず、試合の流れのなかでまるで牙を抜かれたような気弱なチームメイトたちの空気に飲まれてしまったみたいだった。
圧倒的劣勢のチームにとり、あの時間で投入される選手にほしかったのはむしろ、ゲンドゥージのような空気をまったく読まないふてぶてしいプレイだったのだが。
このたった1分程度のハイライト動画のなかでも複数回のボールロストが記録されている。
この神経質そうな選手の表情は「ファイター」と呼ぶべきものからはかなり遠い。
この短い時間かつアウェイの地で最強の相手、最悪とも云える時間帯に送り出されたのだから、同情の余地はあるしこれで彼を評価するのは酷ながら、第一印象としては彼のアーセナルでのキャリアについてとても明るい気分にはなれなかった。
つぎの試合ではスタートも予想されるだろうが、エメリがあのプレイを見て準備不足だと思ってもおかしくはない。
この不安をプレイで見返してほしいものだ。
こうして見るとやっぱちょっと似てるかな?
試合については以上。
アーセナルニュース
アーセナルの夏の補強予算、低すぎ……の噂が出回る
MailやMirrorといったメディアがアーセナルの夏の予算は40-45Mポンドだと報じている。
Unai Emery to have a transfer budget of just £45million this summer
Arsenal’s summer transfer budget revealed – and fans won’t be happy
Mailだけならクソ記事乙で終わりだったのだろうが、Mirrorのほうはチーフライターのジョン・クロスが書いているのでそれなりの信憑性はあるのかもしれない。
もちろん、45Mポンドといってもそれに選手を売却した分が追加になる。
だが残念ながら売却では、何人もの退団選手が見込まれるものの、それでも大きなリターンは期待できそうもない。
まずエジルだが、アーセナルはおそらくかなり積極的に夏には彼を売りたいと思っている。最近めっきり使わなくなったのも戦力外というメッセージだろう。だが、高額なサラリーがネックになっていて、大きな移籍金は発生しないと云われている。
ほかにいなくなるのが確定あるいは濃厚なのは、チェフ、ラムジー、リヒトシュタイナー(希望)、モンレアル(1年契約延長の件は進展なし)、エルネニー、ウェルベック(恩情延長するかどうか)あたり。
どの選手も高額の移籍金が発生しそうにない。全員合わせてもせいぜい30-35M程度ではないだろうか。しかし給与負担は大幅に減る。
売却も含めた夏の補強予算、70-80Mポンド程度で4-5人。うーん。少なくともビッグネイムは無理ですな。
ガセネタだと思いたいけど、アーセナルならやりかねない。ショックに備えておかないと。
以上。
2月の試合
じつは、シティのあとはわりといいフィクスチャなのだ。アウェイは週末のハダースフィールドとELのBATEボリゾフ。
余裕で全勝しないといけない日程である。
つぎの試合は土曜のハダースフィールド(A)。勝たないとなあ。COYG
選手監督オーナーetc…
全てにおいて彼らより優れている点が見つかりません
今シーズン初めて途中で試合見るのをやめてしまいました。
勝ちに行く姿勢が選手はおろか監督の采配からも感じられませんでした。
ただゴール前にバスを止めるだけ。おまけに全く組織化されてない。
3-4-3のシステムとクロエンケが独裁する今のアーセナルに全く希望が見出せません…。
苦行だと思ってもらえれば。
シティ強かったっすね。リバポにボコられた時より差を感じて辛いです。
全体的に下がっても、相手が持ったボールをどのサイドに追い込んで奪うかが想定されていれば、また徐々に押し戻せるのが常 そのプランも無いのが現状なんだから弱いわな
正直、監督がヴェンゲルさんから代わりさえすれば、戦術的にすぐに良くなると思ってました。例え良くなくても、普通にはなるだろうと。
戦術家?のエメリさんがきて、どうしてこうなんですかね?なにが原因なんでしょう。ヴェンゲルイズム?もう消えないんでしょうか。
見ててとにかく辛い。。
今朝読んだ某ブログでは今季アーセナルのディフェンシヴアクションはトップ6で最多なんだそうですよ。にも関わらず失点が最多。
どうしてこうなった?はわりといま議論のポイントなんですよね。いろいろなことが云われてはいるけれど、問題の本質はたぶんまだ誰にもわかってないんじゃないかな。
22戦無敗とか前半の好調の理由もラッキーで片付けられがちで、要するにどういう原因があってそういう結果になったのかの分析がまだできていないように思える。ふつうに考えて守備をすごいしているのに失点をすごいしているっておかしいですもんね。
問題が何かわからない、だからいまだに右往左往しているように見えるのかなあとか。ていうか五里霧中?(なんだっけこれ)
ブログオーナーでも分からないんですね。そいつは困った。
組織で守るってことが、どういうことなのか、私もすっかり分からなくなりました。
ゲンドゥージが悪目立ちしてる時点で、強きチームではないよなぁと。
あと個人的に思うのが、オーバメヤンじゃなかったよな疑惑。
彼の得点力をどうの言うわけじゃないんですが、アーセナルが欲しかったのは試合に関与できるCFだったわけで。特典特化型ではなかったのではないかなぁと。
サイドで守備してるのはわかりますよ。でもそんなのはエジルも同じだったわけで。
じゃあらなんでジルーを出したんだって話ですが。
シティ相手に2トップはないでしょ。オバかラカか分からんけど、忖度しすぎやで。