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【マッチレビュー】17/18UEL LAST4 1stレグ アーセナル vs アトレチコ・マドリッド (26/4/2018) 今シーズンの守備を象徴する犯罪的なやらかし

「ほとんど犯罪」

80分10人で戦うアトレチコを相手に攻めあぐねたまではいいとしよう。彼らはディフェンスなら世界一のクラブだ。それでも鉄壁守備から1点は取った。しかし、あのコシエルニとムスタフィは本当に許しがたい。よりにもよってキャプテンである。あまりの展開に思わず目を疑った。

これでセカンドレグでは彼らは失点さえしなければ勝ち抜けという状況が出来てしまった。11試合失点していないというホームでだ。

相手を敵陣に押し込み続けた状態で、残り10分注意深くいればいいだけというゆるいタスク。たったそれだけのことを怠ったことで、アーセナルは自らミッションをインポッシブルにしてしまった。これを犯罪的といわずしてなんといおう。紛うことなきギルティである。

Arsenal v Atletico Madrid: Arsene Wenger sees semi-final as a ‘Champions League’ night

ちなみにこのぼくのテンションを事情を知らない人が見たら「あ・負けたんだ」と思うだろう。残念、引き分けである。しかしこれはほとんど負けに等しい引き分けだ。



スターティング

アーセナルは4-3-2-1のクリスマスツリー、アトレチコは予想どおりの4-4-2。ガビもコスタもいない。開始10分でひとり退場になってしまったため、アトレチコはほとんどの時間を自陣で過ごした。

コメンツ

BT Sportによる試合後のインタビュー。

ヴェンゲル:われわれの今日のパフォーマンスを見れば、最悪の結果になってしまった。わたしたちはポジティブなムードでアウェイに向かい、勝ち抜かねばならない。失望を乗り越えて来週の準備をするよ。

チャンスが失われたみたいに思えた。ほとんど勝っていた試合を逃した。彼らのゴールキーパーは何度もセーブし、クオリティのある選手が前線にいた。

2点目を取ることよりも失点しないほうが大事だった。スタッツを見なくても、われわれがどこでも得点できるということがわかるパフォーマンスだった。

まず回復だ。選手たちは全力を尽くした。アウェイで何ができるかだ。われわれは成し遂げるために完全な自信を持って敵地に行く必要がある。

うん。彼らのホームが要塞だとかそういうことは一旦忘れてとにかく点を取る。それっきゃない。

好調を続けるウェルベックとラカゼットのFWコンビも試合後のインタビューに応じた。

(1-1は負けみたいに感じますか?)

ウェルベック:だねえ。勝ってたのにファーストレグの終わり間近で失点するなんてがっかりだね。

(どんな感じであんなふうに失点したんでしょう)

あれについてはみんなでよく確かめるよ。ああいうことがもう二度と起きないようにね。来週に向けてはポジティブだったよ。この試合はもう済んだことさ。次になにができるか見ていくよ。

(ファーストハーフにたくさんのチャンスがあったことにフラストレーションがたまりますか?)

チャンスはあった。だからがっかりはしている。でもチャンスをつくったことはポジティブだし、セカンドレグでもとてもいいチームを相手にだってチャンスをつくれるに決まってる。

(アレクサンドル、ゴールは弾みになりました)

ラカゼット:ジャックからグレイトなクロスが来た。でも十分じゃない。勝ちたかったし、来週は結果が必要だ。

(7戦7ゴール、このフォームをどうやって取り戻したんですか?)

得点が仕事だから。でもチームメイトなくして得点はできない。だからハッピーさ。いい感じだ。

(彼らはホームで11試合失点していません。どう思いますか?)

ウェルベック:まあ、ぼくらなら彼ら相手に得点できるよ。今夜やったしね。自分たちがチャンスをつくれることはわかってる。得点したいよ。

(決勝はリヨンです。あなたには特別ですね?)

ラカゼット:イエア。決勝にはどうしても行きたいね。おそらくチームのなかでも一番そう思ってるよ。そのためにがんばらないと。

(マネージャーのために勝たなきゃっていうプレッシャーはありましたか?)

ウェルベック:セミファイナルに進出しているし、さらにインセンティブは必要ない。監督が退団するっていうアナウンスがある前からぼくらは勝ちたかったし。勝てたらそれはそれでいいことだけど、とくにそれをモチベーションにする必要はないんだ。だってぼくらはプロだし、それがぼくらがここですべきことだから。

最近ウェルベックはコメントからも自信がにじみ出ているように感じる。いいことである。

さて試合後のプレス会見でボスは、33本のシュートを打って1点しか取れなかったマンUの試合を想起するともコメント。そして気になるキャプテンについては。

(その後、コシエルニとは話しましたか……)

ヴェンゲル:まだそれ(失点シーン)をちゃんと確認してないんだ。個人を非難するようなことじゃない。チーム全体がとても失望して落ち込んでいる。わたしたちにとって、勝ち抜けるということはこの失望を乗り越えることと、渇望と自信を再構築することだ。

ぶれないねえ。あくまで選手は守る。

もういっちょ、ドンピシャのクロスで素敵なアシスト。ジャックのコメント。

(勝利を寸前で逃してしまいました……)

ウィルシャー:そうだね。でもまだハーフタイムだってこと。彼らがどんなチームか知ってたよ。いつもカウンターを狙っていて、それに対してぼくらは結構うまくやっていたと思う。彼らにはラッキーもあったけど、このレベルでは重大なゴールだ。でもぼくらはマドリッドでも今夜みたいなチャンスをつくるよ。

(失点についてはどんなふうに……)

ずっと押し込んでいたと思っていたんだけどね。試合をずっと支配していたし、試合のはじめ方も良かったと感じていた。でももっと早く得点していれば落ち着けただろうね。セカンドハーフもやっぱり似たような流れになった。彼らはがっちり守ってカウンター、こっちは辛抱強くボールを回す。そうして1点は取ったけど2点か3点は取れそうな感じがしてた。残念ながら取れなかったけど。もう一度リグループして今夜のポジティブなところをマドリッドにも持っていこう。

(グリーズマンのゴールですが……)

ぼくが思い出せるのは(ゴールの直前)ダニーがファールされたんじゃないかってこと。ゴールはぼくからはよく見えなかったんだ。そこから敵がボールを蹴り出したと思ったら、突然グリーズマンが現れた。ダヴィドをかわせたのはちょっとラッキーだったが、あんな選手にチャンスを与えてしまえば罰せられるだろう。

(アトレチコは3ヶ月間ホームで失点してません……)

チャンスをつくりまくった今夜のポジティブを持っていく必要がある。彼らにはグレイトなGKがいるけど、彼らのディフェンスを崩すやり方を見つけるよ。今度はこっちに多少のラッキーがあるといいな。

さいごに、同点弾を勝利のように喜んだシメオネのコメント。

シメオネ:なんといえばいいのか。レフがVrsaljkoを退場にした。そして、わたしはアーセナルの選手のプレイがカードが出されるべきと思ったんだ。

正直いって、自分の身体に力強い感情がみなぎった90分だった。選手たちはヒーローだよ。

彼らはふんばった、長いシーズンの終盤でも、80分間をすさまじいやり方でね。次の試合のことを考えると鳥肌が立つ。

80分間10人であの猛攻撃に耐えたのはタマを持っていたからだとか。またタマの話してる……

論点

全体的にアーセナルは悪くなかった。アトレチコに守備のやり方を学ぶ

並のクラブならアーセナルはもっとたくさん得点していただろう。80分間のお祭りを楽しめたはず。

それに激しいプレッシングからボールを奪ったり、パスのインターセプトなどもアトレチコと同程度には行えていたように思う。控えめにいっても普段のアーセナルよりはかなり良かった(やらかし以外)。オスピナも非常にいいパフォーマンスを見せていたし、特別悪い選手もいなかったように思う(やらかしたあいつら以外)。90分でひとりも選手を変えなかったのも、彼らがいい仕事をしていた証拠だ。まともなサブがいなかっただけとかいわないように。

しかしアトレチコの守備は凄すぎた。基本的にファイナルサードに全員が引いて、ゴール前の人口密度も高い。サイドは空け気味にしても中のスペースがないからハイボールを放り込むしかなく、それはことごとくヘディングではじき出される。そしてべったり引くだけではなく、前後左右にボールを振られても、重要なエリアでは決して攻め入るスキもスペースもつくらなかった。

アーセナルは何度もサイドからクロスを入れたが、真ん中がラカゼットでは大して脅威になっていなかった。むしろウェルベックがセンターにいてほしい場面は何度もあり、実際センターにポジションを変えたときもあったが、彼は多くの時間を左ワイドでプレイした。

しかしあのような試合展開だと、アーセナルは攻め続けているようで、実際はアトレチコの術中にはまっていたのかもしれない。時計の針が進むにしたがって、攻めるほうは焦りも出るし疲労もたまって集中力がなくなる。82分にロングボール1本からグリーズマンにやられたシーンはそういった集中力の欠如を突かれたものだろう。

アトレチコの守備ではもちろんオブラクの貢献も大きい。彼のようなGKがいれば失点数は確実に減る。彼のリリースクロースは100Mユーロらしいので、一時リンクが話題になったもののアーセナルが獲得する可能性はとても低いと思われている(現時点ではPSGが本命のようだ)が、アーセナルにこそ必要な選手であることはいうまでもない。

ディフェンシブエラーで天国から地獄に

この試合はボスのアーセナルを率いて戦う最後のヨーロッパのホームゲームだったそうだ。もう彼がCLだってELだってエミレーツで指揮をする試合を見ることはない。そんなメモリアルな試合がたったひとつのエラーから台無し。まさに天国から地獄。は?ってなった。は?って。

これただのディフェンスの選手のミスだというなら、まあそういうこともあるよねで済んだかもしれない(いや済まないけど)。しかし、シーズンを通してずっとやらかし続けてきた選手が、そしてチームが、ここぞという場面またやらかしたことに重大な意味がある。

お ま え た ち は 集 中 力 の な さ を 100万回 指 摘 さ れ 続 け て き た ん じゃ な い ん で す か と。

小一時間問い詰めたい。口が酸っぱくなるほどに。

今シーズン、ヴェンゲル監督もまたもちろんずっと批判され続けてきたが、このミスについてはヴェンゲル監督には本当にお気の毒としかいいようがない。彼が選手たちをとにかく信じ続けた結果がこれとは、あまりにも報われない。恩を仇で返したも同然だ。

結果論ながら、今シーズン期待された新CBを結局取らなかったことがさいごのさいごで非常に高くつくこととなった。

レッドカードが裏目に

珍しいことのように思えるけど、アーセナルにとってあのレッドカードが裏目に出たと思う。敵チームが10人になって自分たちが数的有利になったことよりも、彼らが攻撃に色気を出すことを諦めて守備に専念したほうがよほどいやだった。

しかも序盤、あの2枚目のイエローが出たくらいの時間帯はアーセナルはかなり押していて、長らく見ることもなかったスタジアムの雰囲気も最高潮という感じ、決して相手からひとり退場で攻勢を後押ししてもらうことが必要な場面ではなかった。11人対11人でちょうどよかったくらいだった。

ボスもあのレッドカードで試合の流れが削がれて自分たちのアドヴァンテージにはならなかったとコメントしている。相手がひとり減ったというのに奇妙な話しでもあるが、あの試合を見ていたものなら誰でも同意できるだろう。

その結果、アトレチコの守ると決めたときの守備の強さをこれでもかと見せつけられた。

アウェイゴールが必須なアーセナルはセカンドレグが俄然苦しくなった

そして絶望的なのは、彼らがホームでもこの試合と同じように得意な守備に専念できることだ。

1-0でファーストレグを終えていれば、彼らはホームでのセカンドレグで得点が必要なため、アーセナルにとってはそこに生まれる逆襲のスキもあったに違いない。が、貴重なアウェイゴールをぶちこんだアトレチコはセカンドレグで0-0でも勝ち抜けという状況ができてしまったため、とにかく失点しないことに専念できる事態になってしまった。アーセナルにとっては割と最悪な事態だ。

アウェイであれだけの守備力を見せた彼らが、より自信を持っているホームでどれだけ効率的にやるか。想像しただけで凹む。

もちろん、アーセナルがもしセカンドレグで1点でも取ろうものならガラリと雰囲気は変わるはず。そこは間違いない。しかしそれはファーストレグを1-0で折り返していたらより決定的だったのだ。

とにかくアウェイゴール1点が必要でそれがなければ話が始まらない。アーセナルが攻めて、アトレチコが守るというシナリオはこれでもう決定した。アトレチコはホームで自分たちの得意な試合展開が約束されているわけだ。つくづくこの試合の失点が悔やまれる。

試合については以上。

アーセナルニュース

サンティ・カソルラが練習した

この試合の前、早くスタジアムを訪れたファンの前でカソルラの練習が公開されたという。

そして、この公開練習後にはカソルラ本人から2週間でフルトレーニングに戻るというコメントも。おお。

ボスもカソルラの復帰について語っている。

ヴェンゲル:彼はいい感じだよ。だけど復帰までには完全な準備とプリシーズンが必要だね。どの時点で復帰になるのか。わたしは知らない。彼がアーセナルに残るかって? わからないね。

知らんがなといいたくなる気持ちもわかるか。だって、カソルラが本格的に戻ってくることがあってもそのときボスはもういないのだから。

アーセナル、プレイヤー・オブ・ザ・シーズンの投票が始まる

Player of the Season – VOTE NOW

ラカゼット、ラムジー、エジル、モンレアルのなかから選ぼう。

投票するとなんかもらえるかもしれないらしい。投票すると現在の得票率がわかるゾ。驚きの結果は見てのお楽しみだ☆

以上。

 

週末(日本時間日曜夜)もビッグゲーム。マンチェスター・ユナイテッドとのアウェイマッチ。ホームで奇妙に負けたのを思い出す。アウェイでいい試合をすればマドリッドでのセカンドレグにも弾みが付くだろう。



4 Comments on “【マッチレビュー】17/18UEL LAST4 1stレグ アーセナル vs アトレチコ・マドリッド (26/4/2018) 今シーズンの守備を象徴する犯罪的なやらかし

  1. なんか久々にイケイケのアーセナルを見た気がします。両SBのウイングライクとか。
    ここまで攻めて1得点。そして終盤の失点。

    そんなこんなでアトレティコはホームではどんな感じなのか。
    まぁ結果は残念ですけど、アトレがどう変貌するのか2ndが楽しみです。

    1. どもども。いい試合でしたよね。82分までは。

      たしかに彼らがホームでアーセナルとどんな感じで戦うか。気になりますな。やっぱり引いてカウンターか。。

      アトレチをよく知ってるひといたらコメントしてほすい。。

  2. ラカゼットの得点ペースが上がってるのは喜ばしいですが、押し込めど点は取れないいつものアーセナル。ポゼッション高すぎてもダメですね。
    交代0は次戦を見据えたのか、はたまたアトレティコ相手に使えるクオリティの選手がいなかったからかでしょうか…
    ミキタリアン次使えないのかなぁ。

    1. そうそう、ああいう展開だとミドルシュート打たれたら相手はいやだと思うんすよね。

      だからミッキーが来週使えるといいですよね。ウェルベックは悪くなかったけどミッキの不在を感じた試合でした。

      ジャカはあんなパスがうまいのになんでシュートは残念なんですかね。

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