UEFAヨーロッパリーグもついにラスト8。
アーセナルは前回・前々回とアウェイで苦しみながらもホームでの逆転勝利でなんとかここまでたどり着いた。
クォーターファイナルのファーストレグは、セリエAのトップサイドであるナポリをエミレーツに迎える。
ナポリは今回のELでも優勝候補の一角に数えられ、アーセナルがこのラウンドで彼らを引き当ててしまったのは運が悪いとしか云いようがない。が、それはナポリも同じである。
PLのトップ4争いがますます激しくなるなかで、ELでも来季CL出場のチャンスを残すアーセナルは、アウェイでのセカンドレグを見据えてホームでは絶対に結果を残す必要がある。プレッシャーが高まる試合だ。
Arsenal v Napoli: Pierre-Emerick Aubameyang could start in quarter-final
エメリの試合前コメント
水曜日に行われた試合前プレスカンファレンスより。今回はラカゼットが同席。初めてかな?
(チームニュース……)
エメリ:グッドアフタヌーン。それは明日確認することになる。グラニトとローランは今日よくなっていたが、決めるには明日の朝まで待ったほうがいいだろう。
(ルーカス・トレイラについて……)
わたしにとってもチームにとっても、すべての選手が使えることが重要だ。いまわたしたちはPLでもELでも大事な局面を迎えている。何人かはケガで、何人かはサスペンデッド。しかし明日には試合に向けてビッグパフォーマンスを出せる選手を選ぶことができる。
(ここ2試合はPEAがベンチでした……)
そうだ。しかしその理由は第一にちょっとした問題があったからで薬を飲んでいたからでもある。それが彼がこの2試合でスタートしなかったメインの理由だ。明日には、彼はもっとよくなっているだろうし、スタートもできればサブからもプレイできる。
(メスト・エジルのメンタル状態……)
わたしたちは試合のことに集中している。自信を得ること、パフォーマンスを出すこと、一体感を持つことに集中している。自分たちのやり方で進もうとしているので、悪い結果が出たときには落ち着きたい。
何ヶ月か前にもいまみたいな状況はあったが、いまはいい感じだ。ELもPLもとても重要な試合であることには違いない。以前よりも目標に近づいている。難しいものになることはわかっている。チームにとりベストなことは一体感を持つこと、力強くあること、落ち着いて集中することだ。キミの質問にはこの考えが欠けているように思える。
(昨シーズンにセミで敗退したことが今年のモチベーションになっている……)
ラカゼット:昨シーズンはあと一歩でファイナルのところで敗けてしまった。今シーズンはもっと先に行きたいと思っている。うまくプレイする必要があるね。
(アウェイフォームよりホームフォームのほうがいい……)
アウェイよりホームのほうがいいということはみんながわかっている。明日はとても重要な試合になる。自分たちならアウェイでいい結果を出すことができることもわかっている。だからどちらでもとにかく重要な試合だ。
(オバメヤンとプレイすること……)
イエア、オーバはいい選手だ。一緒にいいプレイもできる。しかしぼくはチームメイトみんなとプレイがしたい。オーバや特定の誰かだけじゃなくてね。
(ナポリのクオリティ……)
エメリ:50/50だと思う。ナポリにはわたしたちと同じように大きな歴史がある。ユヴェントスが大きな差をつけているが、彼らはリーグで2位だ。とてもよくプレイしていると思う。
彼らはCLから落ちてきたがリヴァプールとともに強いグループだった。そのなかでもとても強かったんだ。
この試合がわれわれにとってとても難しいものになることはわかっている。だがチームには自信がある。この2試合はかなり安定しなければならない。彼らをリスペクトしてよく準備することだ。そして、自分たちのことを信じたい。ハードワークしたいし、ハードに準備してハードにプレイしたい。
(あなたもアンチェロッティもヨーロッパで成功している……)
わたしはどんなコーチにも大きなリスペクトがある。カルロ・アンチェロッティはトップだ。どんな国、コンペティションでも経験がある。彼のコーチキャリアはすごいよ。
わたしにとって自分のチャレンジは毎日であり毎年でもある。わたしが過去にやってきたことはすべて経験を積むためだ。わたしには新しい未来、新しい現在、アーセナルのために新しいキャリアをつくっていく必要がある。
この試合はレベルが高い。ビッグレベルマッチだ。そしてそれはわれわれが求めているものでもある。とてもビッグテストになるだろう。われわれはベストチームとプレイしたいし、ナポリはいまやベストチームのひとつだ。ベストプレイヤーととても経験豊富なコーチがいる。
(ELのエミレーツでの試合ではまだ1失点しかしていないこと……)
どの試合でも一貫性が必要だ。どの試合もたくさんの情報を与えてくれる。チームの守備と攻撃のバランスはよくなってきている。しかしいまは十分ではない。
明日はホームでサポーターとともに戦えるし、勝利が必要なことはわかっている。まずは勝つこと。それと失点もチャンスもつくらせたくない。それが重要。
彼らにはいい選手がいて今季はいいパフォーマンスでプレイしている。前回の試合は少し疑いのあるものだったが、明日はベストパフォーマンスを出してくるだろう。間違いないね。だから90分を通して競争力を維持しなければならない。失点せずに勝ちたいが、失点もありうることもわかっている。ホームとアウェイで2試合、延長やペナルティだって想定しておかねばならない。
明日はとてもいい試合になるだろう。とてもいい選手がいるチーム同士の対戦だから。
(ELで勝たなくてもCL出場のチャンスはある……)
ラカゼット:日曜(エヴァートン)のプレイはひどかった。チーム全体でね。コーチに云われたことをしなかった。しかしまだぼくらには自信がある。またPLでもCL出場争いにいる。
(エジルがコートを投げました……)
それでも彼はリーダーだよ。もしあんなことはする必要がなかったとしても。ときにひとは怒りにまかせて、する必要のないことをしてしまうものだ。それをやってしまったというだけで、もういまは何の問題もない。
(ほかの選手ももっと得点の責任を負うべきだと感じるか……)
ノー。もしぼくらがたくさんゴールするなら、それはチームメイトが自分たちをそういうポジションにつかせてくれたということであって、いいボールをよこしてくれたということ。チーム全体でいいボールを出して得点できるなら、それでOKだよ。
(エヴァートンに対してやらなかったことって何でしょう……)
まずホームではファンがいる。だからもちろんより自信を感じられる。ときどきはやりたいと思ったことができなかったりする。やりたいプレイができないんだ。それだけさ。
「ハードにプレイしたい」。やっぱりそれが重要よね。昨日書いたエントリのなかでディーニーの玉なしコメントをふたたび紹介したけれど、アーセナルの選手にはもっともっと闘争心をむき出しにしてほしい。おっぴろげてほしい。
タフな試合で勝つには強い気持ちがいる。フットボールはスポーツじゃない。戦争なんだ。そういう気持ちで臨んでほしい。殺らなきゃ殺られるのだ。
ソクラティスがタックルで勝ったときに見せたガッツポーズにはそれを感じた。なんか出てた。ラカゼットもそういう選手のひとりだと思うし、彼は来シーズンはキャプテンをやるに違いない。
カルロ・アンチェロッティのコメント「バイエルンでの試合はいい思い出」
59才。ヴェンゲルさんとエメリの中間くらいの年齢か。2年前、バイエルンでアグリゲート10-2とアーセナルを惨殺したマネージャー。PSGのマネージャーとしてアンチェロッティのあとを引き継いだのがエメリということで、マネージャー同士の縁もある。
アンチェロッティ:(バイエルンでアーセナルに大差で勝ったこと)それを忘れているってことはない。
でもどんな試合もいつも違うものだ。シーズンによって違うしクラブによっても違う。マネージャーも変わったりする。だから完全に別の試合だよ。バイエルンのあの試合はいい思い出というだけだ。
(ヴェンゲルの後任候補だったこと)アーセンとは去年9月にジュネーヴで会ったときに話したよ。彼はわたしのいい友人なんだ。でもその前には話していないね。
アーセン後のアーセナルについては一切関わっていない。ときどき彼と話したが彼のリプレイスメントについてのことではない。ワインや食事、イタリアンとかフレンチとか。
(ヴェンゲルとエメリについて)全然違う話しだ。彼らはスタイルも違うふたりのマネージャーで、アーセナルだって新しい選手が来てもう別のチームだ。新しい時代なんだよ。
でもアーセナルはいまでもPLやヨーロッパでコンペティティヴでありつづけている。アーセナルには大きなリスペクトがあるよ。彼らとクォーターファイナルで戦えることは光栄だ。
ウナイ・エメリは、わたしの意見だが、たくさんの知識を持った素晴らしいマネージャーだよ。彼はこういった試合での経験もあるし、アーセナルのベンチに彼がいるということは、われわれにはより難しい試合になるということだ。
このひと、ヨーロッパの5メジャーリーグすべてのトップチーム(ミラン、チェルシー、RM、BM、PSG等)でマネージャー経験があるって結構すごいよね。で、同じくらいの期間ずっとアーセナルにいたヴェンゲルさんもすごい。好対照だ。
この会見でもアーセナルのマネージャー候補だったことが突っ込まれているが、それも先日すっぱ抜かれていたニュースがあったからだろう。
どうも、AFCを退任するときにヴェンゲルが望んだ後任がアンチェロッティで、本人もその話にまんざらじゃなかったらしい。
ヴェンゲルさんも後任人事にはまったく関わっていないと云っていたし、アンチェロッティもここでそういった話しはしていなかったと否定しているが。
エメリでよかったと思う。
チームニュース
公式TeamNewsより。
コシエルニとジャカはフルトレーニングに戻っているという話しもあるが、公式ではこの試合でプレイするかどうかは試合前にチェックとなっている。
いつも3人はアウト。
PLで2試合バンのソクラティス、お久しぶりのルーカス・トレイラが出るはず。
予想ファースト11
全然当たらないことに定評のある当ブログの予想スターティング。
4-4-2ダイヤモンド
ラカゼット、オバメヤン
エジル
イウォビ、トレイラ、ラムジー
モンレアル、ソクラティス、ムスタフィ、AMN
チェフ
ナポリのことをまったく考慮していないので予想ってよりはほとんど願望だけど。。
トレイラはサンプドリアでもウルグアイでもこのポジションには慣れている。
SSCナポリについて
ネイプルズ。いまチェルシーにいるサリが大変におもしろいフットボールをやっていたそうで。
ぼくはイタリアリーグも観ていないし彼らのことはさっぱり知らないが、いま彼らはかなり強いようだ。ポイント差がかなりあるものの(20pts)ユヴェントスに次いでリーグ2位ということだから、アーセナルはトップ6チームと戦うみたいな感覚だろうか。
パス、ポゼッション、シュート数などがリーグ1位の成績。被シュートはリーグ3位の少なさ。
かなりボールを持ってプレイするタイプのチームということで、アーセナルがやりたいことをやってくるということは想定しておく必要がありそうだ。
注目選手は、チームでトップスコアラーのミリク。マーケットヴァリュー70Mユーロのロレンソ・インシーニェ。トップアシスターのドゥリース・メルテンス。攻撃陣がヤバそうだ。
それともちろん、CBのカリドゥ・クリバリ。彼も70Mユーロのバーケットヴァリュー。過去にも何度もリンクされているがアーセナルに手が出るレンジじゃない。
こう見ると、えらい価値の高い選手が揃っている。トッププレイヤーの数はアーセナルより上っぽい。
あとオスピナがいるがケガでダウトとのこと(ていうか親クラブ相手の試合に出られるのか?)。
アーセナルとナポリといえばこれ。エジルの美しいファインゴール。
Arsenal 2-0 Napoli (2013). [@ArsenalGoaIs]. pic.twitter.com/nNoOlVO8aU
— TikiTakaConnor (@TikiTakaConnor) 15 March 2019
アーセナルとナポリは、このとき13-14CLグループステージのホーム・アウェイ2試合しか戦ったことがない。ともにホームチームが2-0勝利している。
試合結果予想
BBC Sports (Lawro’s prediction) N/A
Sky Sports (Charlie Nicholas) 3-1
WhoScored.com 2-1
クリンシート予想なし。ホームなのに?
チャーリー・ニコラス(Sky Sports):ホームのフォームはエクセレントだ。だからホームで戦うときは自信があるよ。不安なのは守備だ。彼らは守備のやり方を知らない。
ナポリはブリリアントというわけではない。彼らはセリエAでは2位だが週末にはホームでドローだった。以前ほどには強くはないんだ。
ウナイ・エメリにはどうかオバメヤンとラカゼットを使ってほしい。彼らの力強いコンビネーションは認めているはずなのに、いつも一緒にプレイさせるわけじゃない。かわりにエルネニーとミキタリアンを使うとか理解できないね。
オバメヤン、ラカゼット、ラムジーにエジル。彼らは全員木曜にスタートしなければならない。そうすればアーセナルが勝つだろう。
珍しく同意。
試合のみどころ
勝利はもちろんのこと、アウェイでのドイヒーなフォームがつづいていることを考えるとこの試合で1-0勝利は十分じゃない。2-0でも十分じゃないかもしれない。
とにかくクリンシートで複数得点。アウェイで多少やられても大丈夫なマージンが必要だ。仮にここで2-0くらいで勝てれば、アウェイではアウェイゴールがわれらの大きな武器になる。
もちろん、この試合で失点するようなことがあればこちらの致命傷になる。アウェイでは絶対に得点が必要になるからだ。
ヨーロッパのトップサイドと戦うこの緊張感は去年のアトレチコを彷彿とさせるものがある。
アーセナルがホームで負けるとは思っていない。でも来シーズンCLに出るためにはここでよりより結果を出さねばならない。
キックオフは日本時間明日早朝4:00。COYG