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ジョッシュ・クロンキのロングインタヴュー「アグレッシヴであれ」Part 2

Part 1のつづきでござい。。



Part1からひきつづき。。ジョッシュ・クロンキ インタヴュー by David Ornstein

(何人かの重要な選手の契約があと2年になります。決断のときでしょうか?)

ジョッシュ:それは100%フットボール・オペレイション部署の仕事だね。しかしわたしはこう云いたいが、われわれがいかにアグレッシヴで、断固とした態度で物事を進めるにしても、コミュニケイションはおろそかにしないし、すべてを正直に進める。だから選手側からすれば、いいニュースであろうと悪いニュースであろうと、一番のことは選手とは正直にやること。なぜなら彼らにはフィジカルのピークがあり限られたウィンドウしかないのだから。

わたしがすべてのフットボール・オペレイションのスタッフに選手契約のために仕事を延長してもらうのは、彼らがそれをかなりうまくやってくれるからだ。

(そのうちのひとつはウナイ・エメリの契約です。彼にはどれほど満足していますか?)

彼はグレイトな仕事をしていると思うよ。これまでグレイトな仕事をやってきたし、いまもやっている。アーセンのような、アーセナルだけでなくヨーロピアンフットボールの世界で伝説的なマネージャーから仕事を引き継いだんだ、クラブとしてそれをできるだけエレガントにやるなんて難しいに決まっている。

ウナイの毎日のアプローチはファンタスティックだと思う。彼は毎日ピッチに出てワークしているし、毎日ヴィデオを見て、毎日コミュニケイションを取っている。彼が自分のエナジーを毎日の仕事に捧げているのはファンタスティックだ。それは完全にわれわれが必要としていたことだ。

(今シーズンを成功させるものはなんでしょう?)

PLタイトルへのチャレンジはいつもわれわれの目標だ。それはわれわれがいつも話していることだ。このリーグの強さは世界一で、もしPLタイトルを狙うというなら、どこのシルヴァーウェアだって競えることになる。PLタイトルであろうが、FAカップタイトルであろうが、それがヨーロピアンのシルヴァーウェアだとしても……。それらを目指していきたい。

しかしそのプロセスが簡単じゃないことはわかっているし、たくさんのワークが要求されるだろう。われわれのワークはすでに始まっており、いまいるグループでそれに取り組めることにわたしはワクワクしている。

(今シーズン、それにチャレンジできるスクワッドですか?)

その取り組みは困難なものになるだろう。われわれの前にはとても強いチームがいくつかある。ディフェンディング・チャンピオンにCLウィナーだ。何をすべきかはわかっている。われわれの前にいるスクワッドはとても強い。しかし、われわれも5月にバクーでプレイしたチームよりも強くなって戻ってきた。わたしはこのグループがどこまでやれるか見ることにワクワクしている。なぜなら彼らはまたメンタリティも得たはずだから…… ワークする準備はできているし、全員を代表して何をやるべきかわかっている。

(お金をかなり使いました。アーセナルにはチャンピオンズリーグへの復帰が必要になりますね?)

みんなで話しているがそのとおり。PLにはグレイトな6つのクラブがあるが、残念なことに4つのクラブしかCL出場が保証されない。それがわれわれの目標だ。

経済的なことがそれに絡んでくる。CLフットボールにこだわるようないろんな選手を惹きつけられるクラブになるための投資…… しかしわれわれの目標はPLを勝つことだ。

(アーセナルのファンとオーナーシップ/クラブとの関係はギスギスしています。彼らの団結したサポートがどれだけ有益でしょう?)

それはわたしが得ていたかもしれない、もっともパワフルなことがらのひとつだろうね。。わたしが見てきたもっともパワフルなものだと思う。パッションというものは、ファンの観点からすればふたつの違った方向に向う可能性がある。しかしアーセナルのサポーターコミュニティを知れば、そこにはとてつもない眺めがある。試合の日にここにいると、それを考えただけで鳥肌が立つんだ。

サポーターがわれわれのグループの側で団結してくれるのは、とてもパワフルなことだと思う。そして、いまあるこれこそ、彼らサポーターが応援してくれるグループなんだと思う。

(以前は、あなたの父君がパブリックエネミーNo.1という感じでした。あなたの目的はオーナーシップとファンベイスのあいだに関係を築くことでは?)

それは重要だね。彼らにはわたしたちのこと、何をやろうとしているのかを知ってほしい。わたしたちのパーソナリティを知ろうとしてもらうことは重要だ。なぜなら結局わたしたちもファンだからだよ。われわれも勝ちたいし、勝てば仕事もやりやすくなる。わたしたちがいかに情熱的であるかを知ってほしいんだ。

昨シーズンに何人かのファングループと会ったとき、わたしは彼らに信頼してくれとは頼まなかった。しかしわたしはこう彼らに伝えた。信頼は時間をかけて得るもので、いま信じてほしいとは思っているが、信頼してもらうにはまだここから何年かかけることになると。われわれはまだ始めたばかりで、願わくば、もっともっとワークして、もっともっと信頼を得たい。

(KSEがここでオーナーシップを続けて、長期でアーセナルは前進すると見ていますか?)

完全にそう。まったくもって。クラブに関われることに興奮しているし、グレイトな人たちと関われることにも興奮している。ここで週末…… ここの環境はどこかほかで得られるものではないんだ。ステイツから来た友人がヨーロッパを旅行するときは、わたしは自動的に彼らをエミレーツに連れて来ようとするね。経験する必要があるからだよ。ほんとうにワンダフルな場所で、世界中のフットボーラーのため、クラブが前進するためにエミレーツはいつだって特別な場所なんだ。わたしの家族にとっても特別だし、ここにいるだけでワクワクする。いつまでも続いてほしいよ。

(1月以降も投資を続ける気はありますか? あなたのヴィジョンは?)

わたしたちには最高の野心がある。北米でも、わたしたちは勝とうとしている。去年ラムズ(※KSEがオーナーシップを持つNFLクラブ)はスーパーボウルに出たよ。バクーでの試合が終わったあと、CLファイナルはどんなだろうとしか考えられなかった。

われわれの野心はファンと同じなんだ。われわれは勝ちたいし、できるだけ多く勝ちたい。そして楽しいやり方でそれをやるんだ。エンタテイニングなフットボールでね。わたしはそういったことがやれるグループを持ったと思っている。

1月に関しては、時期が早いと思う。短期のことについても評価しなければならないし、前進するためにどのエリアの補強が必要か確かめる必要がある。だから1月が来れば、また積極的になるよ。

(オーナーとしてなにか後悔するようなことはありますか? なにか違うふうにやっておけばよかった的な?)

なんの後悔もないね。何かあるとすれば、単純に試合結果かな。いつだって時間を巻き戻して何かを変えたくなる。おそらく、わたしがクラブに関わってから最低のポイントだったのはバクーでの結果だ。なぜなら、あのときのためにあんなにハードワークしたのに、最後の最後でそれが足りなかったのだから。それはあるフィーリングを残すことになったし、そのフィーリングはいまモチヴェイションになっている。それが夏にクラブとして体験したことで、それが未来に向けてワークを続ける動機になるのだと思う。

(あなたのアーセナルに対する情熱はどれほどですか。試合を観に来ていないときのあなたはどんなふうなんでしょう?)

試合の時間に依るが、ロンドンで午後早いキックオフで、わたしがロサンジェルスにいたら、たいていはこっそり階下に降りていくんだ。だってわたしが朝の4:30にTVをつけたらガールフレンドに殺されるからね。でもそれは朝の4:30だろうと、6:00、10:00、あるいはUKの夜キックオフでこっちが午後早めの時間だったとしても、わたしはいつもかなりうるさいよ。うちの犬が怖がるくらい! もし何かがうまくいかないときは、ちょっと叫ぶくらいかな。エミレーツにいるときは大人しくしてるよ。誰に見られてもいいようにね!

しかし情熱はいろんな方法で出てくるものだよ。思うにわたしたちのフットボール・オペレイションのグループに云わせれば、わたしは快活な人間だろう。しかし、わたしが彼らと一緒に試合を観ているときは、わたしは彼らがやっている戦術について興味がある。質問をするんだ。それを理解したいし、すごく楽しいんだ。わたしは試合が大好きだし、若いときはプレイもしていた。背が高くなりすぎて、バスケットボールをやることになってしまったけどね。

しかしサッカー、フットボール、はわたしの初恋なんだ。わたしは右のウインガーでチームのベストプレイヤーは左のウインガーだった。だから彼が左サイドを駆け上がって、わたしはすべてのゴールをヘッドで決めた。子どものころはそんなグループの一員でとても楽しかったし、試合の楽しみ方を学んだ。そしていまわたしはここでハイエスト・レヴェルがあるところにいて、こうしてそれと関わっている……。たまに自分の頬をつねらなきゃならなくなるよ。

(最後にサポーターへメッセージを)

興奮している(be excited)と云ったが、夏はやりきったと思う。わたしはサポーターにはただこう云うよ。楽しい年になる。ピッチにいるところを応援したくなるような才能ある新しい選手たちが入った。わたしたちはただハードにワークを続けていくだけだ。みんなを代表して。

以上。



ジョッシュ発言のポインツまとめ

かなり重要なことをたくさん語っている。JK発言のポイントをざっとまとめておこう。

ちなみに「be excited(ワクワクしている)」が繰り返し出てくるが、つい先日行われたインタヴューに出てきたキーワードで、メディアやファンベイスでもだいぶ注目されて、ミーム的に扱われていた重要ワードである。

  • ELファイナル(バク)での敗戦がターニングポイントになった(戦略の変更)
  • 「アグレッシヴ(積極的)」であること
  • 「アーセナルFCが選手のドアをノックするとき、それは違ったノックになる」(サンレヒの引用)
  • 夏のミラクル補強については語らない
  • (と云いつつ)選手売却に頼らない方法を見つけた
  • オーナー投資については「プライヴェイト・マター」
  • 夏の補強はファンのリクエストに対するリアクションではない
  • (ヴェンゲル時代との)ストラクチャ、意思決定プロセスの違い
  • 今月あと何人かは退団する可能性がある
  • 契約等選手とのコミュニケイションには正直であれ
  • ウナイの仕事にはかなり満足
  • PLタイトルが目標
  • (経済的にも)CLへの復帰が必須
  • サポーターのサポートはパワフル
  • (これまでなかった)オーナーシップとファンベイスとの架け橋になる
  • ファンの信頼を得るにはまだ時間がかかる
  • KSEのオーナーシップがクラブを前進させると自信マンマン
  • エミレーツステディアムは特別な場所
  • 1月はまた積極的に動く
  • 自宅では早朝にGFに怒られないようにこっそり中継を観る(笑い)
  • たまに自分のほっぺたをつねる(笑い)
  • (サポーターに)今年は楽しいことになる

ファンとして一番興味深いのはやはりオーナー投資の部分だろうか。

この夏、オーナー投資はあった?

ほかのPLクラブと違いAFCがオーナー投資なしでクラブ運営をやりくりしているのは有名で、世界のトップ10に入るようなビッグクラブが移籍ウィンドウではいつも財政的弱者であるという直接的な原因でもあった。

ところが、このインタヴューを読むと、この夏にオーナー投資があったかどうかについては「プライヴェイトなマター」であると明言は避けているものの、オーンステインもすでにオーナー投資があったという前提で質問をしているようなフシもあり、今年の予算の分は分割払いでやりくりしたとはいえ、やはりオーナー投資はあったと考えるのが自然なのではないだろうか。

だとしたら、どえらいことだ。アーセナルがふつうのクラブになってしまう。

先日、いつものSwiss Ramble先生が、アーセナルのこの夏の移籍ウィンドウでのファイナンスのからくりをとっても詳しく説明されていたけれど、きっとそのうち今回のオーナー投資についても先生が明らかにしてくださることだろう。ありがとうSR先生。

夏の退団と1月の補強

それと、この夏(外国の移籍ウィンドウは9/2まで?)の退団と1月の補強についても触れていた。どちらもあるということだ。

退団については、もちろんシュコドラン・ムスタフィ。彼はいまローマが買取オプション付きのローンでオファーをしているという噂があるが、どうもソースがイタリアオンリーかつごく少数のようで信憑性はいまいちといったところ。アーセナルが彼を放出しようとしていることはエメリの発言などからも明らかだが、どうなることやら。

ムスタフィと同じくほぼ戦力外となっているモハメド・エルネニーも放出対象だ。トルコクラブやほかにもフランスやドイツから引き合いがあるという噂があるが、決定的なニュースはまだ見ていない。

とりあえず、シニア選手ではこのふたりの話しがまとまれば、ひとまずアーセナル的にはプランどおりだと云えそうだ。

1月については、このジョッシュのコメントを見たファンが「ウパメカーノに行くんですねわかります」とだいぶ盛り上がっていたが、彼に関してはよほど強力なライヴァルが出てこない限りは焦る必要がないのではないだろうか。いずれにせよ来年には残り契約1年でディスカウント価格が見込まれるし、ライプツィグがそれでも売らないというのなら、再来年にフリーで向かえばよろし。

まあウパメカーノはあまり期待はしないほうがいいだろうと思う。来年はサリバがいるのだし。それにセバーヨスのために大金を残しておかねばならない。

KSEとファンの関係は変わるか

先日と今回のジョッシュ・クロンキの一連のリアクションでは、ファンにとって一番重要なことに思えるのは、やはり父親(スタンリー・クロンキ)と違い、ジョッシュがちゃんとファンと向き合っているということではないだろうか。何を考えて、オーナーとして今後クラブをどうしていくつもりがあるのかをきちんと自分のことばで語っている。

ELファイナルにすら現れなかった放任主義/無関心な態度を崩さないスタンと違い、ジョッシュは先日のホーム初戦(バーンリー)にもステディアムに来ていたようだ。

ジョッシュが積極的にクラブ運営に関わっている(関わろうとしている)ことは、彼の発言やたとえばサンレヒやヴェンカテシャンたちと一緒にいる写真を見ていてもわかるし、なによりもこの夏の超積極的な補強が、彼がクラブを前進させようとしていることの証明になっている。オーナーシップの許可なしにあの補強はできなかっただろう。だって来年CLがなければ即破滅してしまうような大胆な金の使い方だったのだから。今年に賭けたと云ってもいい。

もちろん、今後も注意深く見ていかねばならないが、この夏のような野心をオーナー/クラブがこれからも見せるようなら、そしてジョッシュがオーナーとしてのリーダーシップをこれからも発揮するのであれば、われわれファンもこのクラブの未来について楽観的になれるのではないだろうか。

まさかKSEを認めるみたいな、こんな日が(いきなり)来るとは思いませんでしたよね。

以上

長文読んだかたお疲れさまでした。

3 Comments on “ジョッシュ・クロンキのロングインタヴュー「アグレッシヴであれ」Part 2

  1. ためになりました。ありがとうございます。
    ちなみにインタビュアーはオーンステインだったんですね。
    かなり明るい未来しか見えないという感想です。
    あとは結果を出すのみですね。

  2. そう、あとは結果。アンフィールドで引き分け以上を勝ち取れれば・・・。

  3. 翻訳、ありがとうございました。 
    この方、アメリカ人らしいオープンマインドのように思えて、好感が持てますね。
    今後、現地サポーターズたちとも交流されて、いいオーナーシップを発揮していってほしいと思います。

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