リヴァプール(A)のプレヴューエントリは、コメント集にひきつづき試合展望などを。
チームニュース
昨日オフィシャルに発表されたチームニュース。
ジャカとエジルはフルトレイニングに復帰。
ホールディングはリハビリテイションを継続中ながらファーストチームのフルトレイニングにも参加。
エミール・スミス・ロウは8月末のフルトレイニング復帰が目標。この前U23でプレイして得点もしてたけども。
ベレリン、ティアニー、マヴロパノスは10月の復帰を目指して。
このなかで一番気になるのは、やはりジャカだろうか。エジルはともかくエメリのチームでジャカがフィットしているときに使われないということはほぼない。フィットしていればスタートの可能性が高いだろうし、もしスタートしないなら十分にフィットしていないということだろう。
予想ファースト11
当ブログのアーセナル予想スターティング。
うーん。バック3かバック4か迷うので2種類。
バック4(4-2-3-1)
4-2-3-1(4-3-3)
ラカゼット
オバメヤン、セバーヨス、ぺぺ
ジャカ、ゲンドゥージ
モンレアル、ルイス、ソクラティス、AMN
レノ
これがエメリの本命だと思う。ジャカがフィットしていればそのままCMに戻り、相棒はゲンドゥージ。セバーヨスはNo.8/10で実質4-3-3。
ただバック4の問題はLBモンレアルの去就。
昨日見たスペイン方面からの情報によると、彼についてレアル・ソシエダの興味が本物であるという説があって、どうもいまクラブは交渉している最中なのではないかと。ティアニーの復帰までまだ一ヶ月以上時間がかかるし、コラシナツの守備問題は解決していないためいまモンレアルを放出することはリスクが高いのは確かだが、もし彼を今週手放すことを決めるというなら、やはりシニアのLBを3人抱えるのが経済的に難しいということなのだろう。
ということで、その情報とおりだとするとソシエダ移籍が間近なので、モンレアルはこの試合に出ない可能性がある。となるとピュアLBがいないのでバック3(バック5)にせざるを得なくなる。
バック3(3-4-3)
3-4-3
オバメヤン、ラカゼット、ぺぺ
コラシナツ、ジャカ、セバーヨス、AMN
ソクラティス、ルイス、チェンバース
レノ
あんまり強そうに見えないなあ。。
どちらのフォーメイションでも少し気になるのは、ウィロックを使うかどうか。ジャカが戻ると一番割を食いそうなのがウィロックで、好調に見える彼を使わないのがもったいない。
それとトレイラ。彼はまだ90分プレイしていないのでマッチフィットネスに不安があるのかもしれないが、彼が準備できたときにこのCMのなかに入っていけるのかどうか。エメリはどうもゲンドゥージを優先するような気がしてならない。
ところで、今回チームセレクションについては、ギャリー・ネヴィルがアーセナルはいまファーストチームに4人もいるU21選手(ゲンドゥージ、AMN、ウィロック、ネルソン)をできるだけ使わないようにしたほうがいいと語っていた。なぜなら、アンフィールドはあまりにもヤバい場所だから経験豊富な選手を使うべきだということ。とくにゲンドゥージとウィロックのCMを勧めていない。それは確かにそうかもしれない。
ただ、ゲンドゥージに関して云えば、彼は技術的にはアレなときがあるが、メンタリティとしてはそういう雰囲気を全然気にしないタイプだ。まるで空気を読まない。だからぼくはMFの3人使うならジャカ、セバーヨスのつぎに来る3人目はたぶん彼だと思う。
エメリがアウェイのリヴァプールに打ち合い覚悟で積極的に臨むか、あるいはある程度ボールを持たれても深く引いてカウンターに活路を見出すか。
リヴァプールのハイラインが注目されているようだが、もしいまのアーセナル相手にもそれをやってくれるなら好都合かもしれない。
リヴァプールの予想ファースト11
一応予想を。WhoScored.comより。
お互い4-3-3同士で殺し合うと予想されている。
リヴァプールについて
云うまでもなく、現時点でのヨーロッパ最強の一角。ヨーロッパ最強ということは実質世界一だ。
今年のPLでは、シティのタイトルを予想するひとが多いものの、リヴァプールの優勝を推すひとも少なくない。いずれにせよこの2クラブの実力は抜きん出ていて一騎打ちの様相を呈している。下馬評を覆してここでアーセナルがもし勝つようなことがあれば、大大大番狂わせだ。
けが人はまずGKのアリソン・ベッカー。リヴァプールの唯一の不安材料かもしれない。それとクラインとケイタがアウト。ロヴレンがダウト。GK以外は大した影響はなさそうだ。
注目選手はもちろん強力すぎるフロントの3人。それにヘンダーソン、アレキサンダー・アーノルドとロバートソンのFBコンビにCBのVVD。つよそうだ(語彙)。
実力のあるスクワッドというだけでなく、ホームで自信マンマン。そこがやっかいだ。アーセナルはまずはこれまでのチームとは違うところを見せて牽制せねばならない。冗談のような守備などもってのほかである。
おなじみマイコー・コックスによる分析。
コックス:ユルゲン・クロップは2019年を通して継続的に4-3-3のテストをしてきた。ロベルト・フィルミーノはCFロールから下がってリンクプレイをとてもうまくやり、サディオ・マネとモハメド・サラーがワイドポジションからともに裏へ走り込む。彼らは間違いなくヨーロッパでもっともデンジャラスな攻撃トリオだ。
コックス:アリソンの不在でバックアップのアドリアンがスタートするだろう。彼はブラジル人ほど足元が上手でなく、先週のサウサンプトンではミスを犯して失点した。
ハイライトで見たな。よしバメやんの超高速プレスをお見舞いしよう。
ユルゲン・クロップのコメント「ケツを蹴っ飛ばし合えるかどうか」
クロップ:違うタイプのチームスピリットがあるね。昨シーズンにCLを勝ったチームなんだから、もしそういうものがなければおかしいよ。
チームメイトでお互いのケツを蹴っ飛ばせるかどうかということ。仲良く酒を飲むだけじゃなくね。
わたしはヘンドー(ジョーダン・ヘンダースン)がプリシーズンで云ったことを気に入っている。「ぼくたちは永遠に友だちだ。親友ではなくても、いまお互いをプッシュし合える」。
つよい。
リヴァプールに対してアーセナルはどのようなチームで臨むべきか? 元ガナーのふたりが提言
チャーリー・ニコラスとアラン・スミス、ふたりのフォーマーガナーたちの提言。
How should Arsenal set up at Liverpool on Saturday Night Football?
チャーリー・ニコラス「ジャカを外してラカゼットを!」
ニコラス:アーセナルは守備が少し改善しているけれど、まだ時間はかかる。ダヴィド・ルイスはMOTMパフォーマンスだってやるだろうがミスもやらかす。ソクラティスもわたしにはまだ足りないように思える。フルバックのエリアも脆弱だね。
リヴァプールが完全に有利だろう。しかしいまのリヴァプールのディフェンスを見れば可能性がないわけじゃない。とくにアリソンに変わってアドリアンが守るゴールだね。
わたしはアーセナルはバック4で前をふたりで守るべきだと思う。グラニト・ジャカはチームにいらないね。わたしならトレイラとゲンドゥージを使う。彼らはアーセナルに守備のクオリティとエナジーをもたらす。そして、ラカゼットを真ん中に置いて両脇をオバメヤンとぺぺにカウンターをさせる。セバーヨスはその後ろだ。
後ろは6人で守り攻撃は4人に任せる。それならカウンターでリヴァプールに問題を引き起こせるだろう。
アラン・スミス「オバメヤンをCFに。セバーヨスにはスペイスが必要だ」
スミス:アーセナルは早い失点に気をつけないと。去年もアンフィールドで失点してから形を失った。
オバメヤンのニューカッスルでのCFはよかった。ダイアゴナルランでターゲットになった。彼はDFが嫌がる動きを知っている。彼はラカゼットほどボールを持つことは上手じゃないが、もっと裏を狙う。
バックから前までロングボールを出すことについてはこの試合ではもっと見られるかもしれない。ダヴィド・ルイスもいるし。リヴァプールのプレスを回避するために。
トレイラが一週間でさらにフィットしただろう。彼の準備ができているなら彼が見たい。
そう、ジャカは好き嫌いが別れるね。ときどきはとても効果的だけど、そうじゃないときはボールを相手に渡してしまう。土曜はトレイラとゲンドゥージのほうがいいかも。
セバーヨスはこの前はとてもよかった。ボールを要求しプレイを司令した。バーンリーはある程度彼にスペイスを与えたので、スペイスがあるかどうかが彼にとって土曜のキーファクターになるだろう。
ジャカ人気ねえな(笑い)。でもエメリはフィットしているならジャカを使うと思う。
マッチファクツ
- リヴァプールはすべてのコンペティションで直近8試合アーセナルに負けなし(W4 D4 L0)
- アーセナルはアンフィールドのPL直近6試合で勝ちなし(W0 D2 L4)すべて2失点以上
- PLの試合で両チーム以上に得点があった試合はない(54試合で155ゴール)
- PLの試合で両チーム以上にハットトリックのあった試合はない(6つ)ファウラー、アンリ、クラウチ、アルシャヴィン、フィルミーノ
- リヴァプールはPLで6連勝。過去記録に並ぶ。アーセナルに勝てば記録更新
- リヴァプールはアンフィールドのPL41試合で負けなし(W31 D10 L0)
- ユルゲン・クロップはリヴァプールでアーセナル戦7試合で負けなし(W4 D3 L0)
ビッグ6とのアウェイ記録
画像は拾いもの。2015年以降のビッグ6のアウェイレコードを比較したもの(※2015年1月にシティに勝って以降)。
アーセナルはダントツの最下位。ビッグチームに弱いだけでなくアウェイでめっぽう弱いのだからこんな結果も当然だろう。なにしろ勝ちがひとつたりとてないのだからショッキングというか悲惨である。
アンフィールドでの最後の勝利は2012年
ちなみにアーセナルがリヴァプールに最後に勝ったのは、2015年の4月ホームで。
アウェイではさらにさかのぼり、2012年9月に2-0で勝っている(ポドルスキとカソルラによる得点にアブー・ディアビのMOTM)。
カソルラのNo.10の後ろにディアビとアルテタ。ポドルスキのあんまり動かない感じとか入りたてジルーのダメっぽい感じとか。涙出てきた。
レフェリーがアンソニー・テイラー
アーセナルの試合でテイラーがレフを務めた22試合で負けたのは2回しかないそうで。。今回唯一のポジティヴな情報(笑い)。
試合結果予想
BBC Sports (Lawro’s prediction) 2-1
SKY Sports (Charlie Nicholas) 3-1
WhoScored.com 3-1
※世界一のチームに善戦する予想です。
マーク・ロウレンソン(BBC Sports):エメリはいくつかのいい獲得はしたものの、わたしにはまだチームにリーダーがいるとは思えないし、守備では苦しむだろう。ボールをたくさん持ったとしても、どっちにしろ問題になってしまう。彼らの動きは素晴らしいよ。MFにいい選手がいるしアップフロントにもクオリティがある。
しかしもしリヴァプールが30分だってベストを出したら、彼らはチャンスをつくり得点できてしまうとわかるだろう。
試合のみどころ
アーセナルには負けても悔いが残らないような積極的で攻撃的なプレイを選択してほしいと思いつつ、失点が致命傷になることは過去のこのカードを見ていても明らか。アンフィールドで1点でも取られようものならそのままズルズルと行きかねない。
とにかく早い時間の失点を防ぐこと。そして攻守にバランスを持って動くこと。ハイプレスをやるにせよ、後ろも全員で連動して動かねばならない。
それと、リヴァプールといえばハイプレス。当然バックからのビルドアップは簡単にやらせてもらえないだろうが、レノに加えて、ルイス、セバーヨスといった選手が入ったことで、プレス耐性は改善していると思いたい。無理をしてバックでボールを廻す必要は感じないが、人数をかけて前からハイプレスで来るというのなら真っ向勝負でそれをかいくぐれたときは即チャンスとなるのも確か。そういう意味では、狭いエリアでショートパスをつなぐ勇気が必要になるときはある。ビルドアップ局面でのキープレイヤーはルイスとセバーヨス。当然マークはされるだろう。注目したい。
トップチームが相手、さらにアウェイの重圧のなか、チームが実力を出せるかどうかもチェックしたいポイントだ。おととし、去年とアウェイで極端にフォームが落ちた原因はやはりメンタルな部分も大きかったはずで、チームとしてそこにどうやって適応していくか。ピッチ上でのリーダーシップがカギになる。
はっきり云ってこの試合は負けてもともとである。世界一つよいチームにアウェイで勝ったらもう世界一つよいということなのだから。残念ながらアーセナルは世界一になるにはまだだいぶ早い。負けても恥ずかしいことはなにもない。
だから勇気を持って戦うべきだ。世間的には誰にも期待されていないし失うものなんかなにもないのだ。
逆にリヴァプールにとっては絶対に負けたくない試合になる。優勝を目指して1ポイントを争っているのだから、相手がアーセナルでなくともホームでポイントは落とせない。つけ入るスキが少しでもあるとすればそのあたりではないだろうか。
アーセナルがオープニングから3連勝すると2004年以来15年ぶりとなるそうだ。
この試合リヴァプールが勝ってもただの1勝だが、もしアーセナルが勝つと歴史的な1勝になる。
夏の補強はアーセナルがターニングポイントを迎えた兆しかもしれないと書いたが、こういったタフな試合でこそ、その兆しを見たい。
キックオフは本日8/24(土)、日本時間8/25(日)深夜1:30。
やはり負けるところは見たくない。
COYG
ビッグマッチがこんなに楽しみなシーズンは久し振りだ。
当然アンダードッグには違いないが、一時期と違って今の選手たちはファイター揃い。
勇敢に戦い続ける限り、フットボールに絶対はない。
締まったいい試合を期待します。