hotいま読まれているエントリ

Arsenal, Emery, EPL, Match, Tactics

【マッチレビューその2】19/20EPL ワトフォード vs アーセナル(15/Sep/2019)エメリの馬脚【マッチスタッツと論点】

エメリは馬脚を現した?

結果としてふたつの個人エラーが失点につながっているのは間違いないが、この試合でファンベイス、メディアで一気に噴出しているのは、ウナイ・エメリ懐疑論だ。

これまでの場当たり的・短絡的リアクション(たとえばAFTVみたいな……)には距離を取っていたようなひとたちですら、エメリがアーセナルFCのマネージャーにふさわしいかどうか疑いを表明し始めた印象がある。この試合が彼にとってはターニングポイントになると捉えているひとも多い。ツイッターでは、ヴァレンシア時代、PSG時代など、エメリのこれまでのキャリアでの失敗を指摘するツイートがいくつも拡散されていた。

最優先課題の守備の問題を1年かけてもストップできない。どんどん悪化していくのを止められない。ヴェンゲルさんのラストシーズンが最悪だと思っていたら、さらにその下があったという。。

しかも今年のエメリは去年以上にクラブからサポートを得ているのだ。もちろん完璧とまでは云わないが、クラブが移籍市場で得たものは問題の改善に取り組むには十分すぎるものだ。これで不十分だというなら、アーセナルが彼を雇った意味はない。

守備だけじゃなく攻撃も停滞していることは先程のシュート数でも触れたとおりで、今シーズのPL5試合、アーセナルにとっては明らかな格下相手の試合が3つ含まれているが、ToTとの試合を除いてすべてシュート数が下回っている。今回のワトフォード戦を含めた合計でヨーロッパでもっともシュートをくらってるチームなんて信じられない。われらアーセナルFCだょ???

エメリファーストシーズンの守備と攻撃。エメリは支持に値するコーチか?【18-19シーズンレヴュー的ななにか】 | ARSENAL CHANGE EVERYTHING

おそらくはこの1試合だけの不調ならば、ここまで心配はされなかった。

問題の核心は、エメリが去年1年を通して、攻守において現在まで問題を改善できないばかりか悪化させているということだ。

結局ギリギリでトップ4フィニッシュもELタイトルも逃したが、それでも多くのひとにとってエメリのファーストシーズンは概ねポジティヴな印象を与えていた。にも関わらず、データは冷酷にも去年のアーセナルが高すぎるコンヴァージョンに支えられたラッキーチームであったことを示している。

今回の試合は、そんなウナイ・アーセナルの去年からのほんとうの姿を見事に表出させていたのではないか。悪い戦術と悪い守備に最高のフィニッシュの組み合わせ

オバメヤンのファーストゴールが決まったときは、ワトフォードのファンの気持ちを考えてしまったものだ。どんなに悪い試合をやっていても、スーパーなストライカーがいさえすれば試合に勝ててしまう。今回ワトフォードにオバメヤンがいたら、絶対に敗けていたと確信できる。それも大差で。

ぼくらはそんなチームを望んだだろうか? ストライカー頼みのクソったれフットボールを。チームの調和もクソもない醜いフットボールを。

いま一番問われているのは、エメリが守らねばならないクラブのフィロソフィでありアイデンティティだ。

彼はヘッドコーチ就任時には、アタッキングフットボールをやるとぼくらに約束した。ポゼッションして、ポゼッションしていないときはハードにプレッシングをやると。それが、いまや「守備のできないい守備的なチーム ©マイケル・コックス」になりつつある。ライヴァルはおろか平均以下のチームにもポゼッションで勝てず、プレッシングはバラバラで、プレッシングを受ければあたふた。これのどこがアーセナルのアイデンティティなのか?

アーセナルFCをアーセナルFCたらしめているもの。それはくしくもラウル・サンレヒがそれのないクラブは衰退すると指摘していたもので、ファンのプライドそのものと云ってもよい。それをいまのアーセナルのプレイに見出すのは難しい。

今回の相手はリヴァプールやシティじゃない。ましてやバルサでもバイエルンでもRMでもない。ワトフォードだ。ワトフォード相手にあれだけドン引いて、好き放題に山盛りのシュートを許すなんて。ファンとしてプライドは大いに傷つけられた。そう感じたファンはぼくだけじゃない。

ウナイ・エメリにアーセナルの未来を任せていいのかどうか。そんな疑念が一気に噴出したのも道理である。そんなアーセナルの歴史に残りかねない悲惨な試合だった。

エメリについては、チーム内で不穏な空気もあうようで、あとでなにかエントリを書くかもしれない。彼にはもうちょっとツッコんで整理すべきことがある。

以上。



コルニーでリハブ中というウィリアム・サリバがスタンドからこの試合をどんなふうにどんなふうに観ていたか心配になっちゃう。

 

さて、つぎの試合はミッドウィークのELフランクファート(A)。いきなりである。

よりによってグループステイジでもっともタフな試合がこのタイミングでやってくるとは。この試合はマストウィンな試合でもないが、今回につづけて悪い内容であれば精神的ダメイジは大きい。きっとこの試合で大きな傷を負ったのはファンだけじゃない。

ロブ・ホールディング復帰の噂もあり、チェンバースやほかの若い選手などレギュラーでない選手たちの出番もあるだろう。おれはアーセナルをあきらめない。

COYGだ

※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

21 Comments on “【マッチレビューその2】19/20EPL ワトフォード vs アーセナル(15/Sep/2019)エメリの馬脚【マッチスタッツと論点】

  1. エメリ体制で間違いなく最低の内容の試合でしょうね。
    昨シーズンからビルドアップのまずさは分かってたけども、一向に改善の兆しがありませんね。今まではエメリ擁護派でしたけど、あの試合を見てかなりグラつきました(今シーズンに結果が出ないと解任されるだろうとは思ってましたけど、シーズン途中でもあるかも)。

    アウェイフォームが去年からひどいことは分かってたんだから、アウェイではビルドアップを放棄して、後半からは4-4-2ブロックや3CBで守備的に守ることは全然否定しないですが、エメリが取った策はスカスカの中盤をトレイラにハードワークで全部カバーしろというような感じでしたね(エメリの思惑とは違ったのかもしれませんが)

    2失点目は個人的には個人エラーだと思ってます。数的には同数程度だったし、ルイスが右サイド寄りに位置して中央を空けてしまったこと、ファウルで止めるならエリアの外ですべきとベテランなら理解しておいてほしいと思いますけどね。PKを逃れたとしても最終的にゴールされたかもしれませんが、PKよりは失点の確率は低いと思いました。

    最後にレノがビックセーブしてくれないと負けてた試合ですから、2ポイントを失ったというより、1ポイント得たという方がいい試合でしょうね。

    PEAの2得点目はエジルがいい位置で受けて、ナイルズがうまい動きで裏に抜けて、いい攻撃でしたね。

    ペペもいまいちハマってないし、今シーズンも胃が痛い戦いが続くかもしれませんね。

  2. 去年からずっと思ってて、いつか改善されるかなと淡い期待を抱いてましたけど、もういい加減キツイですね…。
    エメリのやるディフェンスってゴール前に駒をいっぱい置いたら守れるんじゃね?っていう組織力皆無の戦術にしか見えない。
    小学生のウイイレじゃないんだから…。
    終盤にカウンター食らった時に、中盤人っ子一人いなくてゴール前にワラワラ選手が集まってるの見た時、乾いた笑いが出ましたね笑
    スペースを使うという考えはこのチームにはないらしい…。

  3. 最低の試合。ショック。試合前にノリッジ対シティ戦を観たんで尚更。ビルドアップはもちろんですが守備はヒドいってもんじゃなく無。全てにおいて秩序がなく無。何も無い。よく勝ち点取れたなー
    試合通して修正出来ず酷すぎたエメリには不信感しかないですが100歩譲ろうかなと。ホールディング、ティアニー、ベジェリンが帰ってきてから判断しようかなと。

  4. ・ゴールキックからの攻撃
    ・カウンター狙いのリスキーな守備
    ・リードした後のゲームコントロール
    などの、もともと抱えていた課題がこの前の試合でも出てしまっただけなので、
    結果にはがっかりですが驚きは少なかったです。
    個人的にはセバーヨスを変えたのがよりそれを加速させてしまったように感じました。
    エメリは現状のやり方で質を高めていく方針みたいなので、ファンも最終ラインの面々もまだまだ辛抱ですね。

  5. この試合、自分でブログしてたら更新する気力はなかったと思います。お疲れ様。

    しかしひどい試合だった。
    個人的には、奇をてらったダイヤモンド型を採用したが選手にそれを実行する能力がなかった、というふうに見えた。
    特にゲンドゥージはもともとビルドアップが課題で、ダイヤモンドの右に入れて効果があるとは思えない。

    全体に今の中盤メンバーはビルドアップや戦術眼はそれほど期待できず、チャンスは個人技で作ってる感がある。
    中盤の底3枚をフラットに並べるのはその打開策なのかも知れないが、ワトフォード相手に完全に支配されるようでは(以下略)。

    個人的な意見としては、素直に4-2-3-1にしてサイドにネルソン(かセバージョス?)だと思う。
    今ネルソンの出来は悪いが、ネルソンにサイドのボールをずっと競り合わせて相手を後退させておくのが、結局のところ一番リスクが少なくて全体が安定するんじゃないかと思う。

  6. こちらのかけたプレスはさらっとかわされて攻め上がられ、相手からかけられたプレスはかわせずセカンドボール拾われまくるっていうのが、もはや見慣れた風景になりましたね…。
    5-4で勝つチームなら点取られても応援するけど、今のままではボールをすぐ失うから4点なんて取れないし、何よりボールが全然繋がらないアーセナルなんて悲しくてたまらない。
    まだアッレグリ空いてます。いまならまだ間に合います!

  7. セバージョス下げた時から嫌な予感しかしなかった。
    ぺぺ下げて中盤一枚増やすか、この日あまり良くなかったゲンドゥージかジャカを下げてトレイラを後半頭から入れても良かったと思う。
    素人の自分からしてもこの試合エメリの采配には本当にガッカリした。
    ジャカを評価してトレイラを評価できないエメリにはもう限界かもしれない

  8. エメリ監督には既に期待してない自分は、昨シーズン後半からトップに飾られたハーマイオニーのような心持ちです。
    今は早く解任されないかなという気持ちが半分、
    でも解任したとして次の人材探しも難しいんだろうなぁという心配が半分。。。

  9. 2失点目のPKに関して、
    あれはコラシナツが全くディレイせず距離空けてズルズル下がり、
    その後ルイスがPA外での2人での対応に持ち込まずに
    何故かコラシナツをサイドに行かせて1人でペレイラに対応した結果です。
    ドゥクレに対してトレイラも緩かったけど、
    恐らく届かない位置関係。
    コラシナツがほぼ何もせずズルズル下がった時点でかなり厳しいので、2人絡んだ個人エラーであって組織云々と話を広げるのはちょっと違うと思いますよ。
    コラシナツがディレイしながらジリジリ外に追い出しつつサイドに展開しようとする敵の右足に左足で合わせて切るのがベストで、そこでファウルでも悪くない。
    彼の守備力はほぼゼロです

    1. 2失点目のシーンはできる限りのディレイはしていたでしょ、サイドに運ばせるとか言ってるけど、サイドからは上がってきてるんだから、どんなにサイドに行かせようとしたってパスを出す
      あの状態になった前の組織を言っているわけで
      話を広げてるわけではない
      粗末な批評

      1. コラシナツはディレイは出来ていない。
        敵は前進出来ているし間合いは広い。
        完全に逃げ腰で全ての選択肢を与えている。
        ペレイラはコラシナツを前にしながらサイドへのパスもドリの継続も中へのリターンパスも可能な万能状態が続いているし、コラシナツに突つかれる心配も皆無。

        その中で減速せずPAに直接侵入されるのが最も危険で、最悪の選択肢を選ばせた。

        そもそもコラシナツは42分に数的優位の状況で雑な暴力的タックルで不要な下らない警告を受けている。

        本来ならより危険で苦しい被カウンター時にファウルで止めていいところで、何も出来ずズルズル下がったのはレッドを恐れていたから。

        いずれも下らない自滅と言える酷いプレーで、
        ボール奪取どころかディレイもプレー選択の制限も何も出来なかった非常に低レベルな守備です

  10. お疲れ様です。
    エジルのアシスト見た時は、久しぶりにアーセナルって感じでガッツポーズでしたが、
    後半は結局、スカスカのゲーム。
    このままだと、オーバメヤン、ラカZ、ぺぺに放り込むだけのチームになりそうで怖いです。
    どうせ点取られるなら、ベンゲルの方が良かったじゃん、楽しかったじゃん、って思ってる人は多いと思います。
    リヴァプールもシティも、相手が変わろうと大きな戦術変更はありません。
    一つの戦術も出来てないのに、カメレオンは完成するんでしょうか?
    超不安です。しかも、面白くないし。
    スクールウォーズの滝沢先生みたいに、信じて待つ しかないのでしょうかね?

    1. アシストはナイルズとコラシナツです
      大事なのはリードした後に守備で試合を終わらせること
      そういうプレーはラムジーやムヒタリアンは得意でしたけどね

      1. 確かに、エジルのはアシストのアシストでした。
        すみません。喜び過ぎました・・・
        でもその前にも、セバーヨスからのパスを、珍しく右足からのワンタッチでゴール前のオーバメヤンへ。
        もっとエジルを楽しみたいです。

  11. ビルドアップ、守備が成長してない所か悪化してるので私はもう解任でいいと思ってます
    選手も監督を信じれなくなってるんじゃないでしょうか
    エメリの戦術は一貫性がないので選手は共通意識が生み出せないと思います
    オーバ、ラカと言う得点源がいてこのザマですから

  12. まずは悲しい状況の中、ブログをアップして頂き深謝です。
    2年前に、被シュート数で欧州一のクラブに俺はなる、なんて考えていたグーナーは全くいなかったでしょうね。
    中盤の美しさが、本当にスペースすかすか、で、オーバがいなければ中位にすらいないこの感じ。
    4-2-3-1で、底にトレイラとグェンドゥージ、No.10にセバージョスいれて、ペペとネルソン(もしくはマルティネッリ)の覚醒を待ちたいです。そしたら最終ラインの負担も楽になるし。しっかし、ペペはなかなか突き抜けんなー。まだプレミアのスピードとスペースの使い方に慣れていない。彼がコンスタントにゴール決めてくれればここまで・・・という見方もある。

  13. モヤモヤしてることをキレイに言語化してくださって、ここに来て少しだけスッキリしました。救われました笑

    10年以上アーセナルを見続けていますが、フットボールに詳しいわけではないので、一体どうしたら改善出来るのかがまったく分からず、最近はただただ試合を恐れるようになってしまってます。ジャカが言ったことはまったく選手だけじゃないよと。。

    リーグ最下位に31本打たれる。これで相手がゴラッソならまだ救われますが、あの点の失い方ですからね。もう当事者以外のフットボールファンから見たら、なんとくだらない試合なのかと。オーバメヤン(とこの試合の)エジルだけが、ファンのプライドを何とか保ってくれましたね。。

    はーまったく。

  14. ラカゼットがいたらと思った方は、彼なら気持ちが折れかけたチームを鼓舞して奮起させてくれるからと思ったからでしょう、そうキャプテンのように。エメリはその役目はキャプテンではなく自分くらいに思っていて、キャプテンはとにかく自分の指示に逆らわないyesマンを指名するつもりなのでは、それも5人も。そしてその中にはラカは選ばれない。
    どうなっちゃうんですかね。
    あたしもあきらめませんけど。
    ただゴールキックとスローインがことごとくピンチになるチームってどうなんでしょうね。
    あきらめませんけど。

  15. もしかしてマルセリーノお手すき?
    コロコロ監督変えるのは個人的に好きではないのでこういう事は言いたくないけど、ほんとに散々な出来だった。そして今回の記事でも言及されてるようにたまたまな不出来ではない。

    でもネルソン、ウィロックの成長にはエメリが必要なのかなあ

  16. なまじ最近ほとんど監督交代なんてしてなかったチームですから即座に解任はないでしょう
    エメリはバレンシアやパリでの仕事で優秀だと思っていたのですが、やはり普段から見ていないクラブの印象は当てにならないですね
    戦術的なプレスは一気にここ数年で下位チームにまで広がったのでエメリは時代に取り残されちゃったのかもしれないですね

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *