2019-20シーズンが始まって、すでに8試合を消化したアーセナル。
ビッグ2以下のビッグ6クラブが軒並み低調ななかで、PLではW3 D2 L1の4位、ELとカラバオカップでは2勝とまずまずの結果を残しており、いまのところファンベイスが紛糾しているような状況でもないが、その試合内容ゆえにファンのもやもやはくすぶったままだ。
なかでも短期的な上下動はあれど、その株価がゆるやかな下降曲線を描いているように見えるのがウナイ・エメリだ。AFCでの2年めとなった今シーズン、クラブは積極的な補強を行いヘッドコーチを熱烈サポートしているが、シーズン序盤におけるチームパフォーマンスを見るに、彼の働きをとても高く評価することは難しくなっているように思われる。
ワトフォードやアストン・ヴィラとの試合ではどちらも敗戦は免れたものの、とても今後楽観的になれるようなパフォーマンスではなかった。問題が深刻なのは彼らがリーグテーブルのうえでは明らかなボトムチームだったことで(アーセナルはしばしば圧倒的格下に苦戦しがちだけれど、今回はそういったこれまでのあるあるとは質が違うように見える)、現在は昨シーズンよりつづくウナイ・エメリのAFCマネージャ適性や、マネジメント能力への疑問が、一部からもあらためて問われているような状況だと云える。
来週月曜にはマンUとOTでのPL試合を控えている。現在彼らも絶不調とはいえ宿命のライヴァルとのビッグマッチゆえに、結果によってきっとまたファンベイスは上へ下への大騒ぎになることだろう。
自戒を込めて云えば、われわれファンは目先の結果にとかく目をくらまされがちだ。勝てば官軍負ければ賊軍。しかし、それでは正しい評価は難しい。
ということで、勝っても敗けてもファン世論が先鋭化するであろうマンU戦の前というこのタイミングで、ウナイ・エメリ批評における論点をあらためて整理しておきたい。
ウナイ・エメリは岐路に立っている?
昨日の『Mirror』(ジョン・クロス)に、「エメリがアーセナルのボスとして岐路に立っている」という記事が掲載された。
Unai Emery at a crossroads as Arsenal boss – with players worried about tactics
ちなみにジョン・クロスは、アーセナル界隈でも決して高い信頼を得ているようなジャーナリストでもないので、伝聞ぽいチーム状況についての説明はあまり信じないほうがいいかもしれない。しかし、それでも現在のエメリ批評としては、論点が整理されているように思ったので取り上げようと思った次第。
以下要約。
ジョン・クロスのエメリ批評
選手とのつながり
- エメリはサイドラインでは情熱的なコーチだが、しばしば選手と距離を取り、ひとりオフィスに閉じこもりがち
- 試合前日には選手たちは11:30に集合し、そこから2時間という一番いい時間帯を、3つに分割されたミーティングに費やす
- ヴェンゲル時代の短くシャープなドリルから、ヴィデオ分析やトレイニングが始まる前の長いウォームアップなどカルチャーがだいぶ変わった
- 一部の選手は彼のコーチング(細かいことにこだわるなど)を評価していないが、まだそれを必要としている選手もいる
戦術問題
- 戦術についても選手たちに心配されている。とくに8月リヴァプールには最強フルバックがいるのにナロウにプレイしたこと。コーチングスタッフたちもその懸念を理解している
英語力
- エメリのプアな英語での司令も問題に。ときに彼が要領を得ないとき、スクワッドのなかでちょっとしたジョークになっている
- 彼がプレスカンファレンスで通訳を介さないことは彼の英語の進歩のためには立派なことではある
ビッグクラブでのマネージャー適性
- PSGではビッグネイムたちやそのエゴをマネイジすることが期待されたので、エメリのパーソナリティとカリスマの欠如は問題だった。それはエミレーツでも大きな問題でありつづけている
フットボールスタイルが混乱
- エメリは彼のパーソナリティあるいはフットボールのスタイルにおいても、ファンともつながれていない。ファンは彼のスタイルがなんなのか理解するのに苦しんでいる
- ポゼッションフットボールなのか、バックからプレイするのか、プレッシングして、カウンターアタックをやるのか。そのフットボールはずっと予想できないもので、そしてときにはとてもかったるい
要約以上。
英語力ですが、最近他の強豪クラブで招聘した監督は英国人でなくても1年目のエメリより上手かったと思います。ペップ、サッリ、クロップですが。
そのおかげか戦術浸透も早かった印象です
カリスマ性が乏しくコミュニケーションが取れてないと選手から反乱食らう可能性もあるかなと
昨今はプレイヤー側のが立場が強いですからね
私はエメリを完全に支持します。
多少の疑問点はあれど、まったく理解できないようなことをしていると思っていないので
噛み合うときが来ると信じています。
長いシーズンの中、今の段階で懐疑的な見方をしたくないという気持ちもあります。
私も最近のプレーを見ていてモヤモヤはしているので、
皆が納得する試合をもっと見せてくれ!アーセナル!
エメリは一言で言えばプレー原則がないんですよね
昨シーズンは、ポジショナルプレーのマンCサッリチェルシーVSストーミングのリバプールトッテナムって言われてましたけど、これらのクラブにはプレー原則があったと思います。
対してマンUやエメリは原則が無く、(次の試合のビデオ分析を完了できるときは)相手に対する戦術をとりますが、しかしシーズン通してどう戦うかというロールモデルがない。そりゃ選手も混乱するでしょうと。
このあたりがエメリはタクティシャンではあるけどストラテジストではない。
上位4チームは(サッリは頑固だったけど)プレー原則を持ちつつ、相手に合わせて調整してきましたからね。エメリは調整しかできてないです。
去年からを見る限り、英語力以前の問題のように思います。要は細かいニュアンスが伝わらないのだと思うんですけど、クロスをバンバン上げられたり、中盤がスカスカでオープン過ぎる展開だったりは、ニュアンス以前の問題だと思うんですよね。
交代選手入れてポジションいじったり、ピッチの選手呼んで指示を全員に伝えてもらうとか、いくらでも出来るポイントはあったように思います。
現状だと、コンパクト!とか、ケア サイド!とか4-4ブロック!とか私のクソみたいな英語でもさすがに伝わると思います。。
ディテールにこだわりすぎるあまり、逆に全体が見えてないんじゃないかと思います。木を見て森を見ず的な。
攻撃時の約束事が少なすぎるのかエメリの要求が多すぎて選手たちが混乱しているのかわかりませんがいわゆる再現性のあるゴールや攻撃が昨シーズン終盤あたりからなくなってきている気がします。
結局はオバラカを中心とした個人技頼みの攻撃。それがうまくいけばいいんですけど攻撃に手詰まりになったとき(EL決勝のような)にある程度の約束事は必要なのかなと。
守備だけでなく攻撃のクオリティーも下がってきている気がして。
個人的にはエメリは信用できません。
主力流出無しで、一年以上率いているのに、チームとしてどう動くか未だに浸透していないのは、マネージャーとして良くはないんだろうなって印象です。
様々な問題を抱えていて、全部が上手く解決できるとは思ってないしそこまで期待もしていませんが、
何事にも一長一短があるので、上手くバランスをとれた状態に持っていくのが彼の役割だと思っています。
ここまでは、何だかんだ言ってもある程度は評価してる。
モンレアルが退団した時点で、両SBの層がかなり薄くなると同時に極端に攻撃的なメンツ(AMN、そしてコラシナツ!)だけになった。
4バックでやるにはあまりにも守備が不安定すぎる。しかし3バックにするほどCBはいない。
その中での結果なので。
今後、KTやチェンバースはSBのバランスを改善してくれるかも知れない。
個人的には、ホールディングを入れて3バックでも良いんじゃないかと思ってる。
いずれにせよ、次のマンU戦は結果が要求される。
ここからがエメリのお手並み拝見、だと思う。
守備のできない守備的なチーム・・・なんという屈辱(だが、何か的を得ているようでぐさっときます)カラバオカップで”パーフェクト”を連発していたのを見ると、あれがエメリがやりたいこと(ポジティブなポゼッション、セットプレーや約束事からの再現性ある得点シーン、DFの安定感)なんだから、じゃあマンUであれをどうやって見せるんだ?というのがポイントかと。無論相手もスタジアムの雰囲気もレベルが違いますが、わたしはチェンバース、ティアニーとホールディングをバックラインの先発にするだけで、大きく違うのではないかと思います。AMN、コラシナツはスリーバックもしくは控え専用にしたり、ジャカは戦略に応じて先発外すような柔軟性を発揮してもらいたいなあ。エジル先生もちゃんと活用してほしいっす。
エメリはサッリチェルシーをなぞるか?(以下駄文です)
中盤の底は守備弱めのレジスタ・ジョルジーニョ(ジャカ)に何が何でも拘り、DMのカンテ(トレイラ)をIHで起用、もう一人のCMはテクニカルなBtoBのバークリー(マッテオ)。
速いウイング・ウィリアン(バメやん)とテクニカルなドリブラー・アザール(ぺぺ)にフレンチストライカー・ジルー(ラカ)。
バックはルイスとフィジカリーなリュディガー(パパ)、攻撃力のアロンソ(コラシナツ)、便利なアスピリクエタ(チェンボ)でなんだかんだEL優勝。意外に悪くないですね。
でもシーズン後にマネジャーが辞任、後任にレジェンドのランパード(ヴィエラ)を抜擢して失敗。やっぱりだめですね。
ただの妄想ですが、エメリにはプレイ原則しっかりありそう。でも変なフォーメーションと戦術は監督のセンスとパーソナリティによるものだから、今後も変わらないと思う。こんな時は選手がまとまって監督と交渉すると良いのでは?そう考えるとキャプテンの役割は重要だし、コシェルニはそこまでする気力が残っていなかったのかもしれない。さて、ジャカはいかに。
いちブログに中立性なんて必要ないですよ。マスメディアでも学術論文でもなし、個人の意見なんですから。
ポゼッションは単なる統計データだから、ブログ主は質の良し悪しを「ポジティブなポゼッション」と言いわけているんじゃないですか?
「ポゼッションはチームをまとめない」の方が個人的には何を言いたいのか分からないですね…
チームに調和(出し手と受け手の共通認識)がないとポゼッションもままならないと思いますし、オーバはボールに触れてリズム作るタイプでもないと思いますが…根拠がちょっと。
フォローありがとうございます。。ぼくが云いたかったことを書いてくれたし。
ちなみに、あなたのレスに気づく前にそのコメントは削除してました。
毎回名前やIPを変えてくるのですが、内容や文章の特徴から、常連のアレで。
論点を絞りましょうか。
因みにポゼッションは必ずしもポジティブなものではなく、勝てなければチームをまとめません。
ポゼッション自体10年古いものですが、何故最先端&最強が「ポジショナル」に変わってきたのかを考えるべきです。
例えばFWにゴールに背を向けてボールを触らせ、敵に前を向かせて守備をさせる。(これは真逆。ゴールに向かってプレーすべき)
FWはゴールに背を向けCBとの不要なデュエルを強制される。(これも逆。フリーでの方がいいしデュエルは圧倒的に敵CBが有利)
FWはゴールしたいのであってパスワークに加わりたいのではない。ラカゼットには不満が見えるし、本来もっと点が取れる選手。
消耗したFWがシュートを外せば余計なプレッシャーを受ける。
また必要以上にGKにボールを触らせる。
最も重要なポジションである最前線と最後尾に余計なプレッシャーを与え、FWやDFのミスに対してネガティブな減点法が強制される。
勝てばチームはまとまるが負ければチームはまとまらないし、つまりポゼッション自体にチームをまとめる効果は無い。
ポゼッションだと後ろでの回しもある為、GKやDFを狙われて失点もするし狙われるからこそミスも起こる。
FWはシュートによって自分のリズムを作れず、自分のタイミングでシュートに持ち込めない。
オバメヤンなど天才ストライカーは特にそう。
マルティネッリもそうかもしれないが、厳しいボールでも入れてくれた方がポジティブなチャレンジとしてテンション上がるし、(外して元々、「これでも決められるよ君なら」という信頼)
難しくても意外とフィニッシュまで行けるしだからこそリズムが上がる。
しかも実際問題、彼らは無理のある難しいパスからでも点が取れる。それでチームもFWも上がり試合は有利な状況になる。
ポゼッションだとそうはならない。「それ決めるのか?」じゃなくて「それ決めろよ」な状況が増える。
そして意外にも簡単なシュートなどなく、常にある程度はミスもする。
パスの繋ぎに専念し、受けの動作やデュエルに労力と時間と意識と集中力を浪費すればする程ミスは増える。
で、論点はどこなんです?
小泉進次郎みたいなコメだぁ(直喩)
エメリは、就任もバタバタ、フロント固まってない、補強予算少ない、ベンゲルのグチャグチャチーム引き継いだだけ、フロントと連携しての補強は今夏が初、英語も喋ってなかった。
それとペップ(準備期間、フロントとのコネ、バックアップが約束されていた)
クロップ(元々英語習得、フロントと監督と銀行の三者のバランスが良く同じ方向を向いている)
を比べるのは不公平やと思うんよなぁ。
エメリ評としてはショートカウンター、ポゼッション等より、攻守のバランスとやたら言う。あのビルドアップとハイライン、SBのローテが本来の特徴でありプレー原則。でもそれができる選手が揃ったことない(怪我人含め)。ただ昨夏今夏見てればフロントの動きを否定することもできん。
要はサンジェイらが言うように忍耐が必要で、何ならティア、ベジェ、ラカ、ロブが揃ってやっと初めて評価されるべきと思う。
格下にポゼッションして
格下にポゼッションして、は打ち間違い
戦術には詳しくないので、的外れかもしれませんが、エメリは、若手を育成する、CL復帰は必須、かつディフェンス陣の怪我などの状況下で最も効率良く勝ち点を拾う戦い方を選択してるのだろうなと思っています。(成功してるとは言えないかも知れませんが)
カラバオ杯後のインタビューの様子からして、本来ああいうフットボールをしたいんだと思いますので、もう少し見守りたいですね。
ベンゲル政権の後期のころからさんざん我慢させられてきたので、まだまだ我慢できます。
いつも更新お疲れ様です!アーセナルの試合を見つつ、このブログを読むのが毎週の楽しみになっています^^ このブログの存在を含めて、アーセナルファンで良かったなぁと実感してます!
まじですか。元気でました。ありがとう! また読みに来てください。
失礼します
エメリにあるのは勝点1つでも積み上げてCL出場達成することだけです
ダメなら今シーズンまでです
トップ6のみならずホームで格下に対してもリアリスティックに試合を殺していく
そういった姿勢がインテンシティの低いアウェイでの結果じゃないでしょうか
紙一重なんですよね
ちょっとしたエラーで結果が変わるのはどんなサッカーでも同じです
だからこそ個人的には、好きだったアーセナルのサッカーを踏襲してほしかった
踏襲しつつ緻密に戦うことは可能ですからね
ジョシュが2回のインタビューで、インテリジェンスとエネルギーを持って方向性を定め得る存在だと明確になりましたが(ジョシュの元ではサンジェイの強権も役に立つでしょう)ラムズのリアリスティックなクソつまらない戦いがエメリと共通しています
たった1年でクラブは様変わりしました
それもカレのリーダーシップだったのでしょう
ある程度整った段階でインタビューでパーソナリティを出すタイミングもうまいです
きっと正しい方向に導いてくれるでしょう
長年観てきたファンの間ですら、昨年エメリのサッカーはある程度評価されていました
少し前まで勇気を持ってチャレンジしていく能動的なサッカーがビッグクラブの責務という価値観だったハズです
当時格下にやられていたことを、今では格下相手にやっていますからね
20年近く観てきましたが、自分でも驚くぐらいもはやファンとも呼べないぐらいエメリのサッカーはアレルギーです
個人的にはそんなにブレは感じなくて
①密集してのストーミング的なプレス
②フルバックのワイドアタック
③後方からの丁寧なビルドアップ
と毎回やることは基本一緒でライン設定が深いか浅いかの違いしか感じないです。
どうしても現状だとパパとルイスはラインを深く取りがちなので、ここが現状コンパクトさを保てない要因だと思ってます。
中盤でIH起用時のトレイラとゲンちゃんが前プレ行った時にスペース開ける訳にはいかずジャカが押し上げられないのも同じ問題点。
ラインコントロールやってたキャプテンとホールディングがいなかった(いなくなった)のが問題だと思うのでこれは時期解決すると思ってます。
チームとしてはムスタフィの方がラインを上げてくれるのでそこだけ見ればストロングポイントは生きるのかなと。
という考えなので割と楽観的なんですがみなさんどうお考えなのだろうか。
今期終了時に試合の内容を見てチームが前を向いているかどうかでエメリの首は判断すればいいと思います。
グアルディオラ監督がエメリは賢いやつなんだってコメントしてたのであっしはエメリ監督を支持してますよ。マンCの監督は現在最高峰の1人じゃないですか。ちなみにベンゲル末期ではアーセナルは強豪ではないみたいなコメントを間接的にしてた記憶があります(ヤツはベンゲルを暗にディスってましたよ)。だから社交辞令っていう側面もありますが、グアルディオラさんはエメリを評価してると思います。