今年のELもセミファイナルまで来た。
アーセナルにとってELはもう4シーズン連続。つくづくELクラブに成り下がってしまったものだと思う。しかも、ELでプレイするクラブのなかでもパフォーマンスでとくに突出したものはなく、ここまでセミファイナル(アトレチコ・マドリッド)、ファイナル(チェルシー)、R32(オリンピアコス)で敗退しているのだから、なんだかすっかりELのレヴェルのクラブだ。こんな時代が来るなんて、思ってもいなかった。
おととい、昨日とCLセミファイナルのハイライトを観ても、ため息をつくばかり。いつの間に彼らとこれほどの差がついたのか。CLに出るとか出ないとか以前に、プレイのクオリティがまったく違う。スーパーリーグが頓挫してよかったことのひとつは、毎週恥をかかずに済んだことだろう。
いまのアーセナルはそれだけ低クオリティに見えるし、たまにいいパフォーマンスがあったとしてもつづかない。トップレヴェルで要求される一貫性がない。
今年のELも、ノックアウトラウンドのベンフィカ、オリンピアコス、スラヴィア・プラーグ相手にぎりぎりで勝ち抜けたようなもの。それを「勝負強さ」とポジティヴに捉えることもできるが、それは今回のヴィヤレアルに勝ち抜けてからにしよう。彼らは今回のELではここまでであたったどのチームよりも強いはず。これまでのように、自分たちのエラーから相手にアドヴァンテッジを許すようなことがあれば、挽回はさらに難しい。
ということで、アーセナルにとっては「蜘蛛の糸」になっているELセミファイナルのヴィヤレアル戦(A)。
正直、ここで悪いパフォーマンスがあっても「またか」と思うだけだろうが、一方で、いまのアーセナルは、奇妙な、予想のできない好パフォーマンスを突然したりもする。
いいアーセナルが出るのか、悪いアーセナルが出るのか、全然予想ができない。予想しても外れる。
試合をプレヴューしてゆこう。
アルテタの試合前コメント「ヴィヤレアルにはファイナルサードで試合を決める選手がいる」
昨日の試合前記者会見。オフィシャルサイトのトランスクリプトより。
ヴィヤレアル戦について
(セミファイナルに向けてスクワッドのフィーリングについて……)
アルテタ:今日の遠征も明日の試合でプレイすることもすごく興奮している。この勝負がファイナルへの道だとわかっているし、もし正しいことができるならつぎに進める。前にいるのはタフな相手だが、とても試合がしたい。
(ヴィヤレアルはどんなチームだと?……)
クラブに関しては、この10年か15年で、彼らはいろいろなコーチズのもとで大いに進歩してきた。しかし、彼らはいつでも自分たちがどうプレイしたいのかクリアなアイディアを持っていた。
ウーナイはこのコンペティションではたくさんの経験をもたらしている。はっきりしたプレイスタイルもある。もちろんこれは2レグスの勝負であり、ファーストレグではちょっとした不確定さはある。どちらがより支配するのか、どちらがよりリスクをとるのか。明日どうなるか見るよ。
(ヴィヤレアル戦で最大の懸案?……)
メインのことは、ボールがあるなしのときにどうするかクリアな考えであり、トランジションとセットピース。彼らはそこでとても明快なアイディアがあり、選手間でのグレイトな連携もある。ファイナルサードではいつでも試合を決めるようなファンタスティックな個人も何人かいる。
彼らは試合を通して競い、試合中には同じ選手でも選手を変えても、システムを変える能力がある。とても読むのが難しい相手だ。
(直近のチームニュース……)
全員が競える。全員だ。オバメヤン、ラカ、キーランを含む。彼らはみんな試合に加わることができる。いいニュースだ。
(ティアニーのフィットネス……)
彼は手術が要らなかった。それは当初われわれが恐れていたこと。そしてそこから彼は一日も欠かさず毎日ビーストのように取り組んできた。彼が明日やれるかどうかはわからないが、彼自身はチャンスに備えてできるだけピッチのそばにいたいと思っている。
(この試合の重要性から、キーランやオーバのような選手にリスクをかけるつもり?……)
われわれは彼らがすごく必要だ。こういう大きな勝負で違いをつくれる選手だから。だが、リスクということば、わたしはそれを選手たちに使いたくない。選手がパフォームできないかもしれないとか、パフォームできるほど安全でないとか。それがリスク、あるいはギャンブルであっても、わたしはそれが正しい行いだとは思わない。
(ウーナイ vs アーセナルのような言説を無視する……)
それもわたしにはコントロールできないことだ。関係はあったのだから、それをないとは云えない。ウーナイはこのクラブととてもよく知っているし、われわれもウーナイを知っている。彼がアーセナルに来る前に何をやっていたか、このクラブで何をしたか。それだけだ。
ウーナイ・エムリについて
(ウナイ・エメリと話したことはある?……)
彼とは何度かだけ話したことがある。共通の知り合いもいるし。わたしがこの仕事を受ける前に彼と話したが、それはとても役に立つものだった。彼はとても経験豊富でとくにELでは成功したマネジャーだ。だから、彼にトップレヴェルをマネジする道具と知識があることはなんの疑いもない。
(アーセナルのコーチになる前にウナイと話したということ?……)
イエス。彼がそういう機会をくれるときは、おもしろいことになることがある。彼はとても誠実でオープンなひとだよ。それにはとても感謝しているんだ。
オーナーシップ問題
(ボードからの声明について……)
イエス。わたしも彼らと話した。とてもはっきりしていたよ。彼らはクラブに対するコミットメントと野心を示した。われわれはみんながピッチで成功したいと思っている。そのことがとてもはっきりしていたし、いっさいの迷いがなかったと思う。
(選手には気が散ることだった?……)
この週には、状況についてたくさんの話題や憶測があった。エヴァトンではファンが試合中に声を上げていた。しかし、いまわれわれにはオーナーシップからのコメントにはとてもはっきりしているし、コミットメントもある。だから昨日彼らがチームに対し、コミットメントと渇望を示したことでそれはもう済んだと思う。どこに向かっているのかとても明快になったと思う。
(クロンキファミリーがチームをいいところに連れて行く?……)
最初からわたしの見方を伝えていたはず。彼らとのコミュニケイションからわかっていることのすべてがあり、彼らもプロジェクトに完全にワクワクしてコミットしている。われわれが望んでいることをするために、彼らは全員をプッシュしている。
(オーナー交代は混乱を起こすかもしれない……)
聴いてくれ。ロジャー。わたしは憶測もいま起きていることもコントロールできない。わたしが知りたくて、話しているのは現実だよ。そして現実は、われわれにはとてもとてもコミットしたオーナーがいて、彼らはピッチ上での成功を求めているということ。彼らはそれをやるためにできることは何でもやろうとしている。それがいまある現実だ。わたしは彼らに完全にサポートされていると感じている。
(あのデモはこれからもレギュラーでつづくかもしれない……)
繰り返す。わたしにはコントロールできない。彼らには自分たちを表現する自由がある。もしマネジャーとしてチームに対してどういうことをしてほしいか問われれば、もちろんクラブのすべての部門で安定がほしい。なぜならそれが選手にも、チームパフォーマンスにもベストだと思うから。選手はチームに完全にコミットしたサポーターズを必要としている。ステディアムのなかに彼らがいれば、それがそうだと確信する。
(KSEからのあなたへのコミットメントとはどのようなものでしょう?……)
それはいつも議論の一部になっている。わたしが伝えられることは、われわれたやりたいことをサポートするために、彼らが、彼らのキャパシティにおいてベストを尽くしたいと思っているということ。アーセナルをピッチで成功させたい。
(KSEの声明はファンに受け入れられると思う?……)※昨日のKSEの声明はチームへの補強を約束したとも受け取られている
わからない。だが、何が起きるのかについて憶測が生まれるとは思う。彼らはすぐに動いて、どこに立脚しているのかとてもはっきりした説明をした。このクラブで何をしたいのか。それでおしまいだ。何か起きて、それが別の何かに必ずしもなるわけではない。ファンが意見を云うのは完全にふつうのことだ。
(あなたはスタン・クロンキがファンと直接話したほうがいいと思う?……)
どうだろう。もしみんながそれをやったほうがいいし、役立つというのなら、そうするとは思う。もしファンが、彼らのことを知る機会を得たら、ほとんどのひとは驚くんじゃないかと思う。もしそうなれば、このクラブの全員に利益があるだろうと思う。ファンにも利益があるだろうし、大いに透明性をもたらす。
だから、もしそういうことができるのなら、役に立つのなら、やればいい。
(ファンとの難しい関係性からシフトするためにどんな変化が必要?……)
それはわたしもずっと考えていることだ。しかし、コントロールすることが難しいたくさんの要素がある。まだ動いているものもある。しかし、わたしがポジティヴなのは、この数週間か数ヶ月で、われわれがもっといいポジションにいることになるということ。この状況を助けるために唯一われわれができることは、試合に勝ち、トロフィを勝つことさ。フットボールではそれがいつも役立つし、安定と興奮をもたらす。そうなれば、あとはお互いのパーティが少しだけ結束するために努力をする。結局はそれがフットボールクラブの利益になり、達成できることだから。
その他
(フォラリン・バロガンについて……)
それは完了した。とてもハッピーだよ。とてもワクワクしている。時間がかかったのは、とてもこんがらがった状況になって、それを巻き戻さねばならなかったからだ。クラブは大きな努力をしたと思う。エドゥもフロと彼のエイジェントと正しく合意するために、グレイトな仕事をしたと思う。
(ダニ・セバーヨスがラ・リーガのほうが自分のスタイルに合っていると発言……)
シーズンが終わるまでまだたくさんの試合があるとキミたちに伝えたよね。わたしは気が散るようなことは云いたくない。われわれはいまも選手たちとはつねに会っているしコミュニケイションもしている。エイジェントたちとも会って彼らのフィーリングについて聞いている。クラブと選手にとり何がベストかを決めるのは最後だ。
以上
このタイミングなら当然だろうが、オーナー問題についての質問が半分程度を占めた。アルテタの意向は当然基本KSE支持で、とくに目を引くような発言はない。
最後のセバーヨスに関する質問は、先日彼がインタヴューで話していた内容から。“I’m learning a lot in the Premier League but I think La Liga is better for my game”
本人ももうアーセナルで大きな信頼を得ていないことを感じているんだろう。来シーズンはスペインに帰る気マンマンのようだ。
パブロ・マリのコメント「ヴィヤレアル戦はとても特別」
今回は試合前プレス会見はマリが同席。プレスからの質問に答えていた。オフィシャルサイトより。
マリー:今回ぼくらは、スペインでもベストストライカーパートナーシップのひとつを相手にすることになるのだと思う。彼らはいまグレイトなフォームにいる。タフになるだろう。
Gerard Morenoはすごくよくやっている。ぼくは彼がいまスペインでベストストライカーだと思う。Pacoもグレイト。彼らはタイプが違うが、お互いの長所があり、彼らの動きとスタイルには警戒が必要だ。
でも同時にぼくらのほうもグレイトだと思う。お互いにタフな試合になるだろう。彼らは得点するために全力で来るはずなので、ぼくらもしっかり守らないと。
とにかく明日の試合はとても重要だということは全員がわかっている。ヴィヤレアルは長いあいだグレイトなことをやってきている。
コーチ、クラブ、彼らはみんなとてもいい。代表選手もいてとても強いスクワッドだということも忘れてはいけない。彼らはワールドチャンピオンであり、それと同時に自分たちだって自分たちがどんなチームなのかということを自覚しておかねばいけない。
個人的には、観てて楽しい試合になると思う。でもこれは90分勝負じゃない。180分勝負。180分をうまくやりくりしたほうがファイナルへ進める。
ぼくはヴァレンシアで生まれたので、ヴィヤレアルとヴァレンシアを応援していたよ。ぼくの町のふたつのチームスで、ヴィヤレアルが敗けるところもよく観ていて、ぼくもいつか彼らのチームでプレイしたいと思っていたんだ。
そんな夢をもって育ち、いまぼくはELのセミファイナルで彼らとプレイできるところにいる。
ぼくはここにいられてとてもうれしい。セミファイナルでアーセナルのためにファイトできる。ヴィヤレアルと戦えたら、ぼくにはほんとうに特別なときになるだろう。
ヴィヤレアルはビッグクラブだと云わなきゃならない。オウナーはここ何年も正しいことをやってきている。クラブのためにとてもいい決断をして、強いアカデミーを築いき、たくさんの若い選手を使う。彼らはそういったことがとても上手で、クラブで育った選手が何人もいる。
以上。
地元クラブと。感動的。
久保は今ヘタフェですよー笑
タケ・クボは冬に別のチームにローン移籍したのでもういないですよ。
久保はもう居ませんよー。
そーなんですよねー、最近のアーセナルはロングカウンター的な速攻を戦術的に放棄してるように見えるんですよねー。
カウンターのカウンターリスクを考えたらわからんでもないんですけど、個人的には寂しいです。
まぁ結果だしてくれりゃいいんですけど。COYG!
最近はパーティが1ボランチで良いボールを出してると思う。あそこで1人浮かしてるのは潜在的にはけっこう有利になってるはず。エンケティアをもう少し偽9番的にサイドに開かせたら数的優勢ができそうな気がする。ゴール前にセバーヨスが顔を出して。
最近の試合に限れば90分間ちゃん戦えてるしパスコースも作れていて、そこに偶然の要素はないと思う。僕はあれがまるで平凡な事のように言う人の気が知れない。だってあれ、最近までできてなかったよ?ファンがどれだけ難しい事をこのチームに要求したのか、もう忘れてる。
だからよけいに結果を出す所までやり切ってほしい。個人的には等身大のアーセナルで全然かまわない。
クボはいない。総ツッコミありがとうございました。