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【マッチレビュー】19/20カラバオカップ R4 リヴァプール vs アーセナル(30/Oct/2019)10点スリラーで敗退もポジティヴな余韻

トレイラもエジルと同様に欠けたピース

このふたり以外ですばらしいと思った選手をもうひとり挙げるなら、ぼくはやっぱりルーカス・トレイラを選ぶ。

(守備貢献が期待できない)エジルがいたので、PLでやらせていたようなNo.8的な動きの指示はなかったのだと思うが、結果的にB2Bぽくいろいろなエリアに顔を出していた(まあしかし442の2CMであれば、とくに高い位置を取れという指示がなくとも、適切なタイミングではどちらかが高いポジションを取るといういい例ではないだろうか)。

今回の試合ではリヴァプールからボールを奪うシーンが何度も見られたのが印象的だったが、トレイラの試合後のスタッツを見ると不思議と目立つものがない(タックルとインターセプションは1つづつ)。

しかし彼はやはり正しく使えばちゃんと期待に応えてくれる。高い位置からプレッシングにも参加したし、MFで集団でボールを奪うときなどにはしっかり参加していた。やはりボールをあるところにいつもちゃんといるクレヴァーさがある。

パス27、ファイナルサードへのパス3は、どちらもアーセナルで2位の数字。シュート4はアーセナルで最多タイ。守備よりも攻撃でいいスタッツを残していた。

今回は一応CDMとしてプレイをしていたけれど、前半はたびたびゴール前にも顔を出していた。ウィロックのほうが後ろに残ることが多かったのかもしれない。だから1点めを取ったし、2点めもマルティネリのクロスにゴール前で合わせたのはトレイラだった。この辺は正直あんまりいいことのようには思えないが。

トレイラもエジルと同様、アーセナルにとっては欠けたピースであると感じている。アーセナルのMFの選手のなかではMFにバランスをもたらせるほうのCMだ。

週末のPLではジャカの不在でエメリは彼をプレイさせるだろうか。もしエジルを使うのであれば、今回と同様CDMとして起用してもらいたい。ゲンドゥージかセバーヨスか、ぼくはどちらとのコンビでも構わないが、彼らボールキャリアーとバランスを取るためにもくれぐれもNo.8で使おうなんてことは謹んでもらいたい。そのためにもエジルとトレイラの同時起用。これを期待したい。

自信を取り戻すウィロックとメイトランド・ナイルズ

ウィロックとAMNはふたりとも得点。ここ数週間はタフな時間を過ごしていたはずだから、彼らにはとてもいいことだった。ふたりとも全体的にもハードワークしたし、いいプレイだった。

AMNはチェンバレンのシュートのとき、ゴール前でボールをかっさらわれてしまった。あれはエラーにカウントされるんだろうか。だとすれば少し気の毒だが、彼もまたそれで学んでいけばいい。

Oxのシュートは藪から棒でほんとにすごかったけど、あのすぐあとにウィロックがぶち込んだあれは気持ちよかったなあ。変な声出た。美しい軌道を描いたスーパーストライク。邦題は『ウィロックに恋して』にしよう。あの瞬間、倍返しだっ!って叫んだよね(絶妙な古さ)。

ぼくは試合前に、エメリもクロップもこの重要度の低い試合で実験的なことをやりたいはずと書いたのだけど、クロップはよくわからないが、エメリについては新しいことを試すというよりは現状のままのセットアップで、よりシステムの練度と選手の自信を深めていく方向でこの試合を利用したみたいだった。まあそれは本人のコメントどおりでもある。

そしてそういう意味では、エジルが入ったおかげでいつものチームセットアップでもだいぶちがったアウトプットになってしまったが、選手のセルフコンフィデンスを高めるという意味では、この試合は大成功だったと云えるだろう。

スクワッドのみんながこの試合で自信を取り戻した。自分たちが自分たちのやり方で強敵を恐れずプレイできるということを実感したことだろう。敗けてしまったけれど、それだけでもこの試合の価値はあったんだ。

ダズ~ンな選手たち

こんな試合だったからネガティヴなことをスルーしようかと思ったけど、一応記録のために書いておこう。

まずムスタフィ。この試合ワーストパフォーマンスだったのは残念ながら彼だろう。

まず最初の失点となったオウンゴールは完全なギルティ。あのプレイは弁解の余地なし。それとそれ以降にもいくつかトップレヴェルでやってはいけないプレイをやっていて、29分のGKへの危ないパス、47分の2 v 1の場面でホールディングに出したヘッダーのパス、それと94分の最後のゴールではオリギを放してしまった。

ホールディングもこの試合ではいいプレイができなかったと少なからず批判があるが(オリギの62分ターンのゴールでは完全に出し抜かれた)、CBのふたりのパフォーマンスが低調だったことは痛かった。

ところでムスタフィとえいば、彼の試合後のツイートにはハートウォーミングな反応がたくさん見られたことはよかった。それにはホッとした。

それとエミ・マルティネス。今回の失点でもいくつかは惜しいものもあり、ベストな彼ならきっと防いでいただろう。それも残念だった。

またペナルティは最後のペナルティシュートアウト(ペナルティ戦)も含めて6回あったわけだが、ほぼすべてで逆に飛んでいた。

彼は以前にキャリアでペナルティ戦で敗けたことがないと話していたことがあり、プリシーズンのRMがキャリア初だったと。だから今回は期待したのだけれど、結局キャリアで2度めのペナルティ戦での敗戦になってしまった。無念。

試合については以上。

そのほか、ベレリンやティエニーが見せた試合前後のクラスな振る舞いなんかはみんなSNSで共有されているからご存知だろう。長くなりすぎたのでこのあたりで終わろう。すっかり熱中して書いてしまった。



つぎの試合は久しぶりの土曜PL。ウォルヴァーハンプトン・ワンダラーズ(H)。この試合の前の落ち込んだ気分だったら、絶対にいい試合にならないと悲観的だったろうが、いまや勝つ気マンマンである。しかもとてもいい試合をやる。アダマ・トラオレにも負けない。うむ。

ということで、この試合は勝てはしなかったけど、選手たち全員の熱のあるパフォーマンスはアーセナルのこれからに希望の光をともした。いまはそのことを喜びたい。

ではまたプレヴューでお会いしましょう。COYG

※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

9 Comments on “【マッチレビュー】19/20カラバオカップ R4 リヴァプール vs アーセナル(30/Oct/2019)10点スリラーで敗退もポジティヴな余韻

  1. エジルが、試合に出られなくても通常トレーニング+追加のトレーニングをやっていると言っていましたが、嘘ではないことを証明しましたね。
    試合勘のない中であれだけのパフォーマンスを見せたのは、腐らずにやってたからではないでしょうか。
    あとマルティネッリはほんと生粋の点取り屋ですね…。これはマジで育成しくじる訳にはいかない…!

  2. まぁこう言っといてエジルを次節ベンチ入りもさせんのがエメリとも思えるけどw
    今季流れで得点できてる試合の共通点はぺぺ不在やと思う。ドリブル成功数はPLで上位なはずやけど効果的だったことはない。彼が高い位置で仕掛けられるように、相手エリア付近でボール捌けるエジルを使うのは単純に考えれば相性がいい気はする。
    ただ問題は昨季ウルブズに自陣に構えられてカウンター、でボコボコにされたこと。そうなるとエジルは途端に消える可能性がありぺぺ、オバも孤立して終わる。
    それでも次節ぺぺは使うやろう、となればエジル使うかな?それなら俺はジャカ(あとゲン)も使う気がする。ただ、ジャカを使わない可能性のが高そうやから応じてエジルも外れて、結局中盤はトレセバ(ウィロ)の2IH、底ゲンになると予想。んで多分うまくいかない。

  3. ここ2~3日の悲壮感漂う状況からの、あのアンフィールドで見せた闘志、創造性とチームワーク。もちろん、相手にはファンダイクもアリソンも、マネもフィルミーノもサラーもいないわけだが。
    でも、ベジェリンの言う通り、これこそフットボール、90分のエンターテイメントでした。マルティネッリ、エジル、トレイラは勿論、AMNとウィロックも闘志をみせ、コラシナツからのティアニーには、週末を考えた前2枚とは別に、勝ち切りたいエメリの意思も感じました。(最後の10分ぐらい、スターターは本当に足を使い切った感じですよね。)

    16歳のぼうや(なんとなくジャック風・・・)はダイバーだと分かったわけですし(マルティネッリのあれ、あたってないっすよね?)、OXも元気(ゴール時も退場時もグーナーへレスペクトを忘れていなかった気がします)でなによりでした。守備とか勝ち切れなさとかいろいろ総合的にはみなきゃいけないんでしょうが、今週はトレイラのゴールセレブレーション、AMNとエジル、マルティネッリとサカのボックス内のあの冷静さ(そもそもいったい何人いるんだ?というぐらいの攻撃オプション)、ウィロックがへろへろになりながらぶち込んだ美しい曲線を何度も思い返して楽しみます・・・。

  4. エジル、トレイラを適正に使えば安定しますよね。グーナーの誰もが見たかった形じゃないか
    マルティネッリはPLでも見たいですな
    一方ムスタフィの戦力外は覆りそうもないですな

  5. エジルの出場は怪我の功名とはいえ、トレイラと一緒に良い結果が出たのは素晴らしい。あとはエメリぎこれをちゃんとプレミア用のファーストチームに落とし込んでくれるかどうか。
    週末のスタメンを見てがっかりしないといいなあ。
    良い流れに乗れることを心から祈って。

  6. 攻撃の詰まる部分を我らが10番が解消してくれるんじゃないか、居場所はそこなんじゃないかと思える試合でした。
    マルディネリとかラカゼットのような守備も頑張るし、良いところでボールが受けれる選手がいればさらに良くなりそう

  7. ネガティブな部分ほぼなしなのはいつ以来でしょうかね。
    やられたらやりかえす倍返しフットボール。
    遠い未来はとてもカガヤイテ見えますね。
    いろいろありしたが、どんな状況でもエジルはこれまでチームや監督の批判をしませんでした。そんななかでの久々の先発でこのパフォーマンス。プレーで黙らせるとはこのことですね。
    この調子で土曜も頑張ってほしい。
    COYG

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