まあ急にそんなにうまくいくはずもなく。
攻撃ではいくらかのインプルーヴメントを見せながらも、相変わらずの守備の拙さからリーグ最弱チーム相手に2失点。フレディ・ユングバーグの初戦は、残念ながら期待されたような劇的ターンアラウンドとはならなかった。
すっかり遅れてしまったが、試合レヴューを書いておきたい。
Norwich City 2-2 Arsenal: Freddie Ljungberg says Gunners can ‘100%’ make the top four
ユングバーグの試合後コメント「トランジションで問題がある」
試合後のプレスカンファレンス。FLにとり、アーセナルのボスとしてはこれが最初のプレス対応になる。
(アーセナルを率いること、それとパフォーマンスについて……)
ユングバーグ:もちろん、誇らしいしあそこにいてタッチラインに立つことを許されることは光栄だった。このグレイトなクラブを率いることも。
試合を見れば、とてもいいスタートで完全に支配したと思った。穴を見つけてチャンスもつくった。これならリードできるのではないかと思った。誰でもわかるように、問題はポゼッションからのトランジションにあったと思う。それはコーチにとり(教えるのが)簡単なことなんだ。なぜならどこを改善すればいいかわかっているから。(スペイスを)固めて、ああいったやり方でカウンターを受けないこと。
そのあとの選手たちをわたしはとても誇らしいと思う。ワンネオから、それととくに2-1からカムバックしたのだから。ふつうは士気が下がってしまうものだが、チームは戦った。試合の最後はわたしが好むより少しオープンになりすぎてしまったかもしれないが。選手たちには疲労が見えたが、結局ドロウで終えた。もちろんルーカスが最後に入れてくれればよかったが、結局ああなった。
(今後に自信を持っている……)
100%。わたしには最初の30分に見たもの、信じることと彼らのプレイの仕方、それらはよかった。わたしの意見だが、攻撃ではよかった。それとひとつ、ワンネオで先行されたとき、選手たちは落ち込まなかった。彼らはこう云ったんだ「カモンガイズ、こんなの巻き返せる」とね。これはわたしに、彼らが自分たちがいい選手であると信じていることを示したし、ネガティヴトレンドを変えたがっている。
チームにとり、いまのチームの現状では、難しい試合だったし選手たちは非常によくやったと思う。
(スクワッドに自分のスタイルを組み込むのに要する時間……)
プリシーズンにも云ったが、自分がプレイさせたいようにフットボールをさせるのに5-6週間はかかるものだ。だからプリシーズンはいいことなんだ。わたしにはそれがなく、ただ小さな部分を調整して、スロウテンポで変えようとしている。だからそのことを理解しながら練習していく。しかしいまは、リカヴァーが必要な選手が何人かいて、つぎの試合まで1.5回のトレイニングセッションしかない。それもまたフットボールだね。わたしは選手たちにはできるだけシンプルにするだけさ。それでよくなれば。
(あなたのガイダンスで選手たちはフレッシュなスタートをした……)
選手からは何も聞いていないが、わたしにとってはそういうことだ。わたしは3ヶ月ここにいて、去年1年はU-23のマネージャーだった。だからファーストチームの試合はすべて見ているし、プレイについては意見もある。どうやってプレイするかやどの選手を使うか。わたしがトレイニングや試合で彼らを判断し、みんながフェアなチャンスがある。そういうものを目指している。
(守備について……)
思うに試合を支配していたとき、ポゼッション時は大きな問題ではなかった。問題はトランジションで、それこそわたしが修正したいものだ。われわれはポゼッションするクラブになりたいし、願わくばわれわれがボールを持っているとき、相手がシュートをたくさんできないようにしたい。
(自分に与えられたチャンスについて……)
わたしは、このとても長いあいだいるクラブが、わたしに何ができて何ができないかを知ってほしいと思う。ただ毎日期待しているだけだね。そしてクラブがわたしをこの仕事ができると信頼してくれたことをとても栄誉に思っている。できるだけ選手たちを助けたいし、それがわたしの見方だ。
(トップ4にたどり着ける……)
100%。ほかのチームだってポインツを落とすし、われわれもポインツを落とす。クレイジーなリーグだよ。アーセナルはトップ4でフィニッシュできると思うし、それを望む。
(さらにコーチングスタッフを連れてくる……)
いま取り組んでいるところ。いつはっきりするかわかったら、みんなに知らせるよ。
(ニコラス・ぺぺをベンチに置いたまま……)
ぺぺはとてもいい選手だ。云ったように、選手たちがトレイニングで何をやったか見ているし、それがわたしが判断する方法だ。
同じフレイズの繰り返しでなく、ちゃんとプレスの質問に答えている。新鮮である。
さて。とくに前半、ボールを持って攻めているときはよかったが、ボールを奪われてからがまずかったというのがこの試合で見せたアーセナルの印象だろう。ユングバーグも指摘しているように、誰が見てもそうだった。
驚いたのは、ポゼッションからのトランジション問題について、その修正がイージーであると答えていること。この者アーセナルFC積年の課題を簡単に解決できると申したか!? これは信じていいのか?
この会見でも述べているとおり、彼はエメリの傍らで試合を見ていてファーストチームをプレイさせるイメイジもあったという。そのうえでそう答えているのだから、これはもうお手並み拝見である。もし積年の課題を修正できたら、アーセナルの試合はかなり改善されることになる。ポゼッションで相手を押し込むような試合はとくにそうだ。この試合の前半のようなパフォーマンスで、かつカウンターを喰らわない。理想に近い。
それと「トップ4フィニッシュができると100%信じている」発言は、その根拠はなんだとツッコミが。
14試合後に21ポインツより少ないチームがトップ4フィニッシュしたことは、PL史上ないそうである。「100%無理」のほうがまだ信じられる。残念だがそんな状況である。
オバメヤンのコメント「全員がフレディをリスペクトしている」
2得点でチームを救ったキャプテンのコメント。『GOAL』より。
PEA:彼(FL)はチームに特別なものをもたらすことができる。みんながフレディをリスペクトしているよ。彼はインヴィンシブルズの一員だった。キャリアが彼を物語っているよ。彼はアーセナルでプレイしていて、彼のこころのなかにそれはある。ぼくらは彼の足跡を辿るために努力するし、彼のためにもベストを尽くす。個人的に、それはチームにとりいいことだと思う。彼がいるのはおもしろいよ。
ウナイが解任されたことは特別だった。フレディとはたった一度のセッションしかなかった。木曜にプレイしなかった選手でも2度だ。
ぼくらはパーフェクトな試合をやってないかもしれないが、チームはいい仕事をした。つぎは勝つよ。ぼくらはポジティヴなほうに目を向ける。悪いプレイをしたのではなく、いいプレイをしたんだ。
みんなとは話そうと思う。彼らにぼくのポジティヴィティを与えるために。模範になろうといつもハードワークしているよ。
試合に勝って自信を得ていく。ベストを尽くす。
トランジションではより賢くなる必要があるかもしれない。ファウルをしてもね。失点を防ぐためにはそれも試合の一部だ。
失点を防ぐためなら、プロフェッショナルファウルも辞さない。ずる賢さ。必要だなあ。
レノのコメント「ドロウでラッキー」
重要なセイヴでチームを救ったGKのコメント。ちと長いので要約にて。
- (パフォーマンス)試合後には混乱がある。ファーストハーフはうまくやったのにトランジションから2失点。試合をドロウで終えてラッキー
- (個人パフォーマンス)最初の失点はディフレクトでまたHT前に失点。大してチャンスはなかったのだから2点目はアンラッキーだった。それでセカンドハーフに失点ができなくなった
- (ドレッシングルームのムード)がっかりしていた。ファーストハーフはゲイムプランどおりだったがトランジションで2失点。セカンドはハーフはコントロールを失った。試合を分析する必要がある
- (改善すべきエリア)守備だけじゃない。MFもストライカーも。セカンドハーフは距離が開きすぎていて、ファーストハーフのようなプレスもしなかった
- ノリッチはとてもよく、カウンターが脅威になっていたのは、個人のミスかボールを失ったから
- (FLの下での進歩)ファーストハーフにはそれが見られたと思う。高い位置をとりたくさんチャンスをつくった。そのチャンスを決めていれば
- (この一週間)マネージャーが解任されればいつもヘンな感じだし悲しい。エメリはとてもよくやったと思うがクラブは変化を求めた
- (FLがもたらせるもの)まだ1-2回のセッションしかしていないが、フレディはドレッシングルームと選手のキャラクターを知っているので全員をハンドルできる。それが重要。1日2日でなんでも変えられるわけがない。もっとも重要なのはマインドセットとアトモスフィア。いまのところそれはいいと思う
誰かが、PEAとレノがいなきゃこのチームはとっくに降格圏にいると云っていたが、まったくそのとおりですな。
レノはこの試合でセイヴが55に。PLでトップ。うれしくねえ。
ウィロックのコメント「変わる日はきっと来る」
FLのお気に入りのひとり。Sky Sportsより。
ウィロック:正直、誰がマネージャーになろうとも、チームとしてインプルーヴする必要があるということはみんなわかっているんだ。
フレディはブリリアントなマネージャーだ。みんな彼を信じているし、進歩しようとハードワークしている。
毎日のトレイニングで、ぼくらは競争力を取り戻そうとがんばっている。ある試合でまた状況が変わるような気がしている。そこからぼくらはプッシュできる。そういう日が来るといい。
金曜のことはもう済んだことだ。エメリははとてもいいひとだったよ。とてもいいマネージャーだった。
とてもこまかいことだけど、レノもウィロックも「ウーナイ」じゃなく「エメリ」と呼んでるのが気になった!
コメントはひとまず以上。
確かにオーバメヤンとラカゼットの問題は悩ましい限りですね…。
もういっその事、ラカゼットを1列下げてトップ下、エジルを1列下げて横にトレイラなんて面白そうですけどね。(機能するしないは別として笑)
選手起用に関しては怪我やコンディションもあると思うので
ジャカを起用した以外に誰を使うかはまだ細かく見ることではない気がします。
当たり障りのないフォーメーション使ったわけだし。
日本代表に似て起用されない選手の株が上がるのは悲しい状況ですね。
スリートップ+エジルを出し惜しみしたり
平日と週末で中途半端に戦い方の違う2チーム作ったり
キャプテンが5人いたことなど
エメリ解任が遅れた罰でポイントを落とすことはあると思います。
それにしても上がポイントを落とす節にアーセナルも必ずポイントを落とすくせが
ミラクルレスターにやられてから芽生えてるのが歯痒いです。
候補に挙がっているアルテタもそうですが、リュングベリも繋ぎの監督のイメージですねー。
個人的にプレミアは世界一難しいリーグだと思ってるので、経験が無い監督が取れるとは到底思えません。
試合については・・・
段々とベンゲル時代のシステムになっていくのでしょうかね。
ハイプレスのためにトップ下にウィロック入れてサイドにエジル、バックラインからのビルドアップのためにソクラティスではなくムスタフィの起用、サイドバックのボール保持時のポジショニングやプレイスタイルの自由度、一長一短あるかもしれないけどリュングベリのやりたいサッカーが観れた試合だったと思う。個人的にはいいことか悪いことかに関わらずチームの変化をみれるのはは試合を観る上で楽しみのひとつなのでこの試合は面白かった。
残念だった点は、同ポジションの選手を交代せずにシステムを4231→433→4231と変化させたことと、監督としてサイドラインに全然立たなかったことでした
次ぎこそは勝ってくれ COYG
方向性としては正しいと思った。
格段にパスが回るようになってるし、クロスの質が高ければもっと決定機になったと思う。
リュングベリが「修正は容易」と豪語してるのは、「リサイクルして攻撃し続ける以外に何がある?」という意味だと僕は解釈してる。
今さらCBの質を嘆いても始まらないし、あくまでも前でリサイクルして攻撃を継続することが、一番守備の改善になると思う。
ムスタフィの起用には驚きましたけど、彼が入ることで想定されるメリット(攻撃時の縦パス)がデメリットを上回ることはなかったですね。DAZNのコメンタリでも指摘されてましたけど、人が足りてるはずなのにズルズル下がって、ボールへのプレッシャーが弱すぎですね。
まあバック4のセレクションについては、ホールディングもティアニーもベジェリンも長期の怪我からの復帰なので起用が慎重になるのか?という側面もありますけど。
コラシナツやチェンバースをSBに据えるんであれば、守備時は3CBにして、攻撃時はルイスあたりが中盤の底に入る可変3バックみたいなシステムでもいいと思うんですけどねえ。
ELから中2日、次のPLも中3日ということで、フレディの準備期間が短すぎることが彼にとって不運というか、フロントの失態に思えてならないですね。こうなるならサウサンプトン戦直後にエメリ解任した方がまだ良かったですね。結果論ですけど。。
トップ4レースはレスターが強すぎるから、残る席は1つでしょうね。チェルシーはまだ若手も多いし、CLもあるので息切れして落ちる可能性もあると信じたい。そんなことよりまずは目先の1勝でしょうが。。
選手たちは勝とうとしてるんですかね
勝つことへの意識がノリッチよりも低くて腹が立ちました
ボールが無いところでの動き出しとかボールを貰おうとする動きがアーセナルは少なすぎるかと
結果苦し紛れにロングボールを蹴り出してポゼッションを失うってまるでPLの下位チームみたい
次のブライトンに勝てなかったら順位的に勝てるチームがなくなるので選手たちには危機感を持って欲しい
オバラカの併用は個人的に無理かなと去年からずっと思います
2人ともパス精度はイマイチのCFWですので
どちらか売って中盤買う方がチームは強くなるからなぁと
その決断が出来るかどうかですね
ベンゲルもオーバ買った後はオーバのが明らかに序列上として使ってましたし
やっぱプレカンでの英語の差は明らかに感じますか?
感じますね!
発音とかそういうのもあるんでしょうが、語彙とかイディオム?
エメリはなんというか、同じワードやフレイズを繰り返すところがあって、しかも不必要に早口でしゃべったりするのが逆に拙い印象で。うまくしゃべれないと思われたくなくて虚勢を張るみたいな。
だからプレスの質問に対しても、回答というよりは自分の云いたいことを云ってまとめるときが多くて質問に応えていないように聞こえたり。
でもFLは20年イングランドにいて、UEは1年かそこらですからね。スウェディッシュとスパニッシュでは子どものときから英語を学ぶ環境もだいぶ違うでしょうし。
でもUEの英語の上達ぶりはほんとにすごかったと英語学習者のぼくは見ていて思いました。
ユングベリは偏りなくボールを繋いで攻めようぜ、をやろうとした感じ。前半は選手間の距離感やアングル作りも良くてボールが回った。後半は疲れが出て中盤間延びサッカーになってしまった。
比較的マシだった前半でも、戦略や意思統一にはかなり乏しくて、オバラカやエジル先輩の3人の間でもイメージの共有がされたシーンが少なかったし、3人目の動きなどはもっと少なかった。
オバラカエジルを使うのならば彼らにも守備的なタスクを負わせる必要を感じました。もちろん、マルティネリやぺぺなど代替えで出てくる選手にも。(リバポでもフィルミーノやマネは守備頑張るし)
あと、アーセナルや調子の悪くなってきたドルトムントなどハンパに強豪+ポゼッション志向だと、SBの上がりやCFのポストプレイなど、わかりやすい動きをシンプルに使わずに、「もっといい選択肢(そんなのないことが多い)」を探してだんだんフリーランや受けるための動き出しが減る印象。
DAZNでアヤックスの試合を見ていると、結構シンプルに近くで走る選手を使うし、変化は動き出すタイミングでつけている感じ。チェルシーもそうなってきてるし。
やはり周囲の動きがないとエジルやラカゼットたちでも孤立して突破は厳しいよね。