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【マッチレビュー】19/20EPL アーセナル vs シェフィールド・ユナイテッド(18/Jan/2020)課題は守備から攻撃へ

試合の論点

アーセナル vs シェフィールド・ユナイテッドのトーキングポインツ。

チャンスのなさ・シュートのなさ。守備のつぎは攻撃の改善を

アルテタの試合で徐々にあきらかになってきたのは、ミドルサード~ファイナルサードでのパフォーマンスの不足だろう。アーセナルにとっては積年の課題であった守備がよくなってきて、今度は攻撃面にフォーカスされるようになってきた。

アーセナルは今シーズンの32試合で相手よりシュートが多かった試合は12試合しかないということ。

↑アルテタで守備は少しよくなってきたけど、前に行くのはまだ課題というデータ。

StatsBombのひとも。最初のステップとして守備の修正はできている。攻撃面でもいくらかきざしはあるが、足りない。悪くない進捗。

xGAは1.45から1に大幅削減。一方でxGFも1.31から1.26にやや下がっている。。

 

前回のCPFCのレヴューで「シュートを打てないアーセナル」について書いたとき、今シーズンのアーセナルの平均シュート数は「11.5」で、過去16シーズンでもっとも少ないということに触れた。

そして今回はシュートが「11」。過去16シーズンでの最低値を下回っている。しかもホームで。この試合ポゼッションが40%ないシェフィールド・ユナイテッドでさえ12だ。

現在のアーセナルはシュートが少ないのは、かつてのようにチャンスがあっても打たないからじゃなく、打てないからでもあるだろう。シュートに至るチャンス自体が少ない。

この試合のシェフィールド・ユナイテッドは、アーセナルのパスレインをことごとく遮断し仕事をさせなかったとパフォーマンスが称賛されているが、まあこの試合に限らない。攻撃の不足はアルテタ時代になってもエメリ時代をひきずったままだ。ファイナルサードでのパスが少なく、パス精度も低い。

ひとりのストライカーの非凡なフィニッシュでなんとか競争力は維持されているが(それでも10位がやっと)、コンヴァージョンがふつうならもっと悲惨な順位になっていてもおかしくない。

ソースは失念したが、今シーズンのストライカーのCVトップはヴァーディ。2位がオバメヤンである。

アーセナルはチャンスが多ければもっと得点していて、もっと試合に勝っている可能性がある。冒頭にも書いたように、この6試合で1点以上取った相手はマンU(H)だけ。

それと、この試合後にラカゼットとエジルについての厳しい意見も見かけた。エメリのときと違って、アーセナルの現在の問題はストラクチャの問題ではなく属人的な問題も小さくないだろうということ。

この試合でラカゼットは交替直前のFKでしかシュートを打てなかった(74分でシュートが1本)。そして6試合連続でゴールなしをやるのがシーズン2回めらしい。

それとエジルが直近17試合でG0 A1だということで、メインのストライカーとメインのチャンスクリエイターが揃って、ゴール前でまったく仕事ができていないということになる。少なくとも残した数字(結果)としては。とくに得点はオバメヤンに極度に依存している。

もちろん彼らのワークレイトのチームへの貢献度は高い。とくにエジルのワークレイトは目に見えて改善しているし(エメリ時代に比べてディフェンシヴアクションが劇的に増えている)、泥臭い仕事をいとわないラカゼットの働きも貴重なものだ。

ただ、彼らの本来の仕事はゴールであり、ゴールアシスト。それ以上に評価されるべき部分はない。そこは相手の脅威になれない選手がいていいポジションではない。

チームセットアップのなかでラカゼットはフォルス9をやっていたり、エジルも苦手な守備に注力するなど、本人たちからすればいい訳できる部分もあるかもしれない。だが、フィルミーノやKDB、シルヴァといった現在の彼らの役割の選手たちのアウトプットと比べられてしまえば、何も云い返せないだろう。アーセナルFCのクラブの格からしても、本来はライヴァルチームの選手たちに劣っていていいはずがないのだし。

とくにエジルは選手としてはピークが過ぎていることは否めず、アルテタの長期的なプランに入っているとは思えないが(※エジル自身は最近もアーセナルでこのままプレイすると話している)、今シーズンここから現在のチャンスクリエイト&シュート欠乏症をどう克服していくか、アルテタの手腕が問われる。当面はラカゼットもエジルも使わざるを得ないだろうから。できれば、トレイラやジャカ、ルイスとパパを再生させたようなマジックを見せてもらいたいものだ。

ちなみにニコ・ペペについてもチャンスクリエイトという意味では、彼のパフォーマンスがそれに与える影響は小さくないが、彼は、AMNをあまり上がらせず、その結果いつも右サイドで孤立しているという指摘が少なからずある。これはエメリのときにも似たような指摘はされていた。

しかし彼はこの試合の前にアルテタに要求されていることとして「ワンオンワン」を挙げており、そこはある程度織り込み済みだったのではないかとぼくは思う。彼が2-3人引き連れてくれればその分はスペイスができるし、ひとりで突破でもしてくれようものなら儲けもので、そこからチャンスがかなり広がる。そういうシーンは実際にあった。そういうことができる選手だとアルテタが彼に期待して与えているタスクだとしても、さほどおかしくはないように思う。

AMNが上がらないのは、RCB(今回だとムスティ)をカヴァーするためという指摘も見た。それも仮にひとり(ふたり)トランジションでも耐えられるような高性能なCBならば、あるいはフィットしているときのベレリンのようなRBだったらまた違うやり方になっていたはずと。AMNはいまRBで評価を高めているけれど、穴にならないような使い方をされているというのもあるでしょうな。

まあ攻撃の改善にせよ、いろんなポジションで本来あるべき姿になっていないということは、このチームを評価する際には考慮する必要はありそうだ。

しかしエメリの時代からはずいぶんと贅沢な悩みになったものだと思う。チームとしてやりたいことがわからないとか、選手が混乱しているとか、一段も二段も下のレヴェルで議論をしていたのだから。。

やっぱりアンラッキー?なアーセナル。ディーンのせい?

今回のイコライザーってディフレクションがあったように云われているみたいだけどどうなんだろう。ぼくには当たっているようには見えなかった。

しかし0.02というxGが示しているように、やはりかなり難しいシュートが入ったのは事実。こればかりはどうにもできない。お祓いをしよう。

一方でどうにかしてもらいたいのが、レフェリーだ。

PLで500試合目というヴェテランがまたやった。ペペのアレはペナルティを取っていてもまったくおかしくないインシデントだった。(←インシデントって云いたかっただけ)

今回の件でマイク・ディーンのアーセナル「逆」ひいきが注目されている。

マイク・ディーンは2000から2020の20年間で、アーセナルにペナルティキックを与えたのはたったの5試合。14.6試合に一回の割合。もっとも多い割合でそれを与えているのはマンUでなんと4.4試合に一回。じつに4倍程度。

このチームのなかでは(なぜLFCがないのだろう?)アーセナルだけが突出していて、それが20年に渡る実績ということは、これはディーンになんらかのバイアスがある証拠ではないだろうか。しかもかなり明確な。

今回のペペも疑惑の判定だし、わりと最近でもヴェンゲルさんのラストシーズンである17/18に、チェンバースのハンボーで相手(WBA)にペナルティを与えるという誤審をやった(FAが後日それを認めている)。

このときヴェンゲルさんは大変に怒って試合後にディーン本人に詰め寄ったせいでFAから罰を受けるのだけど、不公平なジャッジはその場面だけでなかったからこそ、たまっていたフラストレイションが爆発したのかもしれない。

マイク・ディーンはやっぱりマイク・ディーンだった。なんなのこのひと? 令和の阿部四郎?

この試合でVARオフィシャルを務めたマーティン・アトキンソンもantiアーセナルの傾向があるレフェリー。

その他試合について

気づいたことなど。

  • サカのLB評価が爆上がり。クルザワは考え直したほうがいいのでは?とエイミーも云っている。ちなみにクルザワについてはPSG(レオナルド)もアーセナルとの接触を否定していて、トーマス・トゥクルも聞いてないと。いずれにせよ今月はなさげ?
  • マルティネリのゴールセレブレイションでラカゼットに笑顔がなかったのが印象的。ラカのプレッシャーはそうとうなものでしょうな。
  • ネルソンはせっかくボスが評価しているというコメントを出したのに、あまりよくないケガってことはしばらくアウトか。残念すぎる。
  • 今シーズンはドロウばかりに気が滅入る。ここまでリーグ最多の11。アーセナルはあと1試合ドロウをやれば03/04シーズンのインヴィンシブルズに並ぶらしい(ドロウ数で)。追いついたならまだしも、ほとんど追いつかれているんだよね。。

試合についてはとりあえずそんなところ。ほかにもいろいろありそう。お気づきのことをコメントください。

それにしても、今回も引き分けはとてもアンラッキーでとても残念だけど、エメリのときは引き分けはラッキーとか出来すぎの結果だったんだよなあ。感慨深いょ。

エメリの幸運をなんとかアルテタに輸入できないものか。

※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

9 Comments on “【マッチレビュー】19/20EPL アーセナル vs シェフィールド・ユナイテッド(18/Jan/2020)課題は守備から攻撃へ

  1. 試合をコロス2点目の重要性を痛感します。
    プレミアで4点以上とった試合がないのは悲しいですね、三点も2試合くらいとゆう。
    攻撃のバリエーションとゆうか、かつてのこれでもかとゆう連携でいくつものパスで相手を完全にくずすシーンってゆうのがもうしばらく見てない。なんか1本のキラーパスでなんとかしようとゆうのばかりな感じで、今のプレミアではどのチームにもそんなのは通用しないんですよね。
    しかしリーグのレベルが高いのか、ビッグ6と言われたチームのとりこぼしの多さはなんか情けないなと。あまりにも勝てなすぎて、ほかのリーグがうらやましいとすらおもえます。
    あのフリーキックはペペにけってほしかった。
    チェルシーに勝って連勝モード突入ってゆうのも夢があっていいですね。
    ティアニーベジェリンとゆうフルバックコンビは今シーズンは見れなそうなので、サカナイルズで二人がもどっても簡単に試合に出れないくらいの完成度を目指してほしい。

  2. これでもかって位に回して崩してはアーセナルの伝統芸ではあったけども、それも昔。
    ジャカのアレとか、エジルのアレとかも撃って欲しかったなぁ。
    1点目だってディフレクトあってのプチラッキーだと思うし、綺麗な形に拘ってる場合じゃないと思うんすよねぇ。
    ガンガン撃って、泥臭いゴール観たいです。
    COYG

  3. ペナ角でマルティネッリが持った時に裏に走り込んだエジルにパスが出なかった瞬間、シニアと若手でビジョンがまだ共有出来ていないのを感じましたね。

  4. 残念。非常に。しかし僕には何かが間違ってるようには全然見えない。選手はやれることをエンジン全開でやってて、前節よりさらに内容は良かったと思う。

    エメリ時代は個人任せの突破だけだったから、ある意味FWはやりやすかった(連携が全くないから)と思う。しかし今の前線は連携で崩そうとしていて、シーズン中にゼロから構築してる。個人的には、そこの結果は選手に負わせる部分じゃないと思う。

    サッカーって競技の性質上、最後のところはほんの少しの連携とかインスピレーションの違いが左右すると思う。あと偶然と。しかしそれがクローズアップされる所までは何とかたどり着いた。ギリッギリでチェルシー戦に間に合ったかも。(注;90%程度の願望を含みます。)

  5. アルテタになって良くなるといっても試合結果は1年はこんな感じに苦労すると予想してたんであれなんですが、
    相手との相対的ではなく絶対的なパフォーマンスレベルとして低く感じたのと、それでもこの試合は勝つことを期待してたというかで…(モヤモヤ)

    とりあえずエンケティアについて。そうエンケティア。使ってくれたアルテタ最高(笑)
    ただ個人的には彼はCFとして使うと魅力が半減すると思っています。(現時点では)
    彼の良さはスペースを見つける能力、作る能力、使う使わせる能力が高いことだと思っていて、
    CFに置いてしまうと「CFとしているべき場所」に囚われて彼特有のポジショニングを取る・使う機会・頻度が半減するように感じるんですよね。(そこがまだ若いところかもしれないし、チームで変わるかもしれない)
    トップ下に置くのが面白いと思ってますが、サイドでも(ドリブル突破が絶対的な特徴ではないと思いますが)やれると思います。
    マルティネッリやペペと同時に出るなら色々ポジション変えながらやって欲しいかも。(難しいけど守備役割も変えながら)

    それでもエンケティアの良さの片鱗みたいなのは見れた気がしますし、何よりも使われたということが嬉しかったです。
    次の出場機会が楽しみ。
    そしてCFとしてはまだちと時間かかるかもという自分の印象が間違いだったと思わせるような活躍を期待したい(笑)

    1. わかる。彼はやっぱりちょっとラシュフォードに似ていると思う。だからきっと救世主になってくれるだろう。

    2. そうですか?明らかにオンザボールよりもオフザボールのポジショニングを得意とするFWだと思うのでCFが適任だと思います。DFとのポジショニング争いの中で優位に立ってゴール前でワンタッチシュートを決める選手。投入後数秒で得点を決めたノリッジ戦を見れば一目瞭然。WGに求められるドリブルで自ら仕掛けて相手DFを剥がす役割は彼のプレーから見たことがないので、無理があると思いますが。

      1. 自分の意見は異質だと理解してるんで違う意見も当然かと。

        繰り返しになっちゃうけど、
        ・(ある意味突出してるとさえ思っている)彼のオフザボールの動きはPA付近のフィニッシュの場面だけでなく幅広いチャンスメイクにも使って欲しいと願っている。
        ・現状彼をCFに置くとPAの中央で留まる時間が割と多い。(そして彼がボールを触らずに攻撃が終わるのが割とあって突出した武器を使わないまま終わるのが勿体ない場面が多い)
        ・パスサッカーをやるなら彼のようなオフザボール能力が必要不可欠でその中心選手になると思っている
        ・もしサイドで使うと言ってもドリブル突破をメインに期待しているわけではないし、ドリブルで崩すだけがサイドにおいても崩す形ではないと思っている。WGではなくセカンドトップをサイドに置くというイメージで言うと伝わるんだろうか?
        ・たとえWGだとしてもオフザボール能力はめちゃくちゃ重要だと思っている
        ・パスの受け手だけでなく味方がスペースを使ったのを見逃さない能力もあると思っている
        ・この人の場合、CFより2列目の方が全体に与える影響が大きいと思っている
        ・CFに向いてないと言いたいわけではない

        言いたい事の繰り返しになっちゃったし、なんの答えにもなってない気もするけど…

  6. 疲労・試合コントロール、意思のズレは課題かなぁ。
    相手がシステム変えて守備の対応が難しくなり始めたけど同じ戦い方を続けてそれに後ろの選手がついていけなくなった感じというか。
    ペペがプレスをかけに行ったときに後ろのフォローの指示出してたんですが誰も反応せず。
    トレイラスタミナ切れ、もしくはペペ前ですぎを疑った瞬間。

    前線の選手は押せ押せで攻めたいが後ろがそれについていけない状態のような。
    ルイスがハイボール対処でジャンプ出来なくなったり、ムスタフィが守備サボる場面出始めたり、
    ジャカがサカがLBのポジションに戻っているのにそこに入ろうとしてサカが困惑したり。

    それくらい疲れてる中でトレイラのらしくないミス、サカの(疲労だろうけど)あまりに軽い守備が重なったのは痛かった。
    ナイルズがいたとは言え手前にいたムスタフィがクロスの対応何とかできんかったかとも…(遠かったけどさ)

    シェフィールドはフィジカルスピードはかなりだと思うので現状よくやったなとも思います。

    交代について、
    エンケティアを使う影響(早く使うリスク・効果見極め)で遅くなったか、
    それか普通に交代予定なかったけど、代えないといけない状況になったけど間に合わなかったとも。
    それくらい状況が変わってから失点までが短った。

    ゲンドゥージが用意してたけど、失点して取り消しになった。
    エジルと交代予定だったんじゃないかな。
    けど失点して得点取るにはゲンドゥージでなくエジルを置いておきたいと判断して止めたとか。
    あの交代が間に合ってれば失点はなかったかもしれない。
    あのスローインのタイミングで交代にならなかったのもなんか不運に感じてしまう。

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