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【マッチレビュー】19/20 EPL アーセナル vs エヴァートン(23/Feb/2020)【マッチスタッツと論点】熱闘エミレーツ

試合の論点

アーセナル vs エヴァートンのトーキングポインツ。

エヴァートンの積極性とアーセナルの疲労

「どちらがよりひどいかを競っている」ような12月のグディソン・パークでの試合とは、両クラブとも見違えたのではなかろうか。

もちろんぼくはアーセナルをずっと見ているので、以前より改善されたパフォーマンスにいま驚くことは何もないのだが、エヴァートンには正直驚いた。

ラッキーにもいきなり得点(開始1分)した、心理的影響もあったことだろう。

アウェイチームとは思えぬほど積極的にハイプレッシングを行い、プレイのひとつひとつが自信マンマンで、結果的に3失点したのでボスはおこなようだが、序盤は守備もとても組織立っていたように見えた。

アルテタがアーセナルに自信を植え付けたように、アンチェロッティもそうしたのだなあと感じたものだ。

そうしたスキのない守備を前にして、アーセナルは試合が始まってから、無理めのパスを出し奪われるなどビルドアップでの小さなミスが目立つ。それが、たびたび逆襲の起点になってしまった。

とくにセバーヨスは10分までに2回もミスパスをやり、パスアキュラシー96%を記録したニューカッスルのようなパスマスターっぷりはどこへ行ったと不安になったものだった(その後はちゃんとしていて安心)。

エヴァートンはやはりカウンターが脅威で、リチャーリソンが左サイドでボールをキープし、対峙したムスタフィがたびたびひとりで対応を余儀なくされるといったシーンが何度も見られた。危なっかしくはあったが(※先入観)、ムスタフィは1 v 1をうまく対応したほうだろう。彼はこの試合ドリブルパストはゼロである。

またとくに、リチャーリソンとのコンビで絶好調だというカルヴァート・ルウインのスピードは目を見張るものがあり、アーセナルのMFやDFのスピード不足が浮き彫りになって見えたほどだった。守備の選手のスピードはやはりアーセナルの課題のひとつだろうと思われる。

それと、事前にそれが脅威になるとわかっていたエヴァートンのセットピースだが、結局それで2失点していることもアーセナルにとっては大きな課題になった。ふだんの彼らのセットピースではキッカーを務めるというルカ・ディーニャが不在だったのに、試合中は彼らのCKもFKもすべてがずっと危険だった。

とくにいきなりの失点となった1分のシーンは、ぼくの観ていた中継では「DFのあいだが離れすぎている」とアーセナルのセットピース守備は酷評されていた。(あとコラシナツのアレも)

なんか一組だけラインから離れてお相撲(笑い)

ただ、全体的なことを云えば、やはりアーセナルの劣勢はフィットネスが影響していたことは否めない。

最終盤のヒヤヒヤは、体力・気力で完全に負けていたから。それについてはレノもチームのエナジーが落ちてしまったと認めている。

アーセナルは後半開始すぐにオバメヤンのヘッダーで3点目を取ったが、後半その後のシュートはなんとたったの2つ(セバーヨスのアレとエンケティアのアレ。どっちも惜しかった)。オバメヤンのゴールを含めて後半3本しかシュートを打てていない(エヴァートンは10本)。

パスミスの原因には受ける動きの少なさもあるだろうし、トランジションでの追いかけっこでも走る体力の問題もあったに違いない。タフなオリンピアコスから中二日とはいえ、実質中一日みたいなスケジュールだったことはボスも話していたとおり。

一方のエヴァートンは前の試合が2/8(クリスタル・パレス)とウィンターブレイクを挟んで15日間もの休みがあった(※ウィンターブレイクって一斉じゃなかったのか)。ぼくは試合前にはこのことに気づいていなかったのだけど、フィットネスレヴェルの差は最初から歴然だった。

疲労が一番目立って見えたのはブカヨ・サカで、彼のプレイを観ながら、なぜコラシナツがスタートしたかがよくわかった。

出てきていきなりチャンスをつくったり、もちろんエンケティアのゴールをアシストしたクロスは美しかったが、オウンサードで危険を招くミスをやったり、ひとりで転んでしまったりとかなり疲れている様子はあった。

国内リーグと平行してヨーロッパを戦うビッグクラブの選手ならキツい日程にある程度は慣れているとはいえ、キャプテンのオバメヤンを中心にみんなよくハードワークしたものだ。

しかし、繰り返すが、こういう状況で3ポインツを取ったことがあまりにも大きい。

フェアな目で見れば、この試合内容ならせいぜいドロウが妥当なところだっただろう。試合を観ていてもそう思ったし、それはxGにも表れている。スタッツだけを見れば、むしろ敗けていた可能性すらある。

逆境でポインツをもぎとったこと。このチームがいまもっとも身につけたがっている「自信」を得られたのは、もしかしたら3ポインツ以上の価値がある。

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6 Comments on “【マッチレビュー】19/20 EPL アーセナル vs エヴァートン(23/Feb/2020)【マッチスタッツと論点】熱闘エミレーツ

  1. コラシナツのケガ、サカの疲労でLBが厳しくなってますね。。。ソアレスが出れればいいのですが、出れないとAMNかジャカかメドレーか、悩ましい所です。

  2. セバジョスやってましたね、タクティカルファウル。とてもスバらしかった。
    ムスタフィはほんとに人がかわってしまったのかとゆうパフォーマンス。グリースから明らかに髪の色が変わってましたし。
    ジャカも。今までジャカのことは好きになれないと思ってましたが、また謝らなければいけないようです。彼は、ほんとはすごく真面目でマネージャーの言うことを忠実に守ってただけなのかもしれない。アルテタになってから、ほんとに信頼できる男になったと思います。
    マリのこと見たいですが、出番は厳しいのかな。ソアレスなんてまだリハビリだし。出番は来るんですかね。
    次はヨーロッパ。落とせない試合が続きますね。

  3. ジャカ、ムスティ、エジル。本当にエメリ時代とは全く異なる景色。本当にアルテタの人間性、というかリーダーシップ、というか、ビジョンを感じます。試合後にベインズとがっちり肩を組んでいたのがこれまた印象的でした(彼あいかわらずで、とても35歳とは思えない!)リシャリルソンとカルバートルイン、まじでえげつなかった。そっか、みんな休養十分だったのであんなにシャープな動きね・・・。いよいよ、木曜、月曜、と続くなかでどうローテーションさせるか、注目です。エミマル、ネルソン、マルティネッリ、AMN、マリ、ロブがみたい。

  4. エバートンがウィンターブレイク明けだったとは。そりゃ7日間で3試合目とはフィジカルレベル違うよね。ってかよく勝ったなー。

    オリンピアコス戦はサカ休養必須ですね。あんな分かりやすい疲労もなかなかないって感じで、見てて胸が痛みました。

  5. まずムスタフィに謝ります。もう見たくないなんて書いてしまい、申し訳なかった。
    今までのインタビューでも批判を受けても真摯にトレーニングしてがんばるって言ってたことをずっとがんばってたと思う。そうでなければ、ユングベリやアルテタに認められるわけないですもんね。

    たくさん批判を浴びてるはずなのに、それに負けずにずっとがんばってきたことは本当にすごいと思うし、そのがんばりをパフォーマンスでファンに返すことこそ、本当のプロなんだなと思います。

    ジャカもそうですけど、今までのアーセナルは個人のエラーというより、組織の歪みが一部の選手にのしかかってた側面もあると思うので、彼らが気持ちよくプレー出来ているのは本当にいいことだと思います。

    プロである以上、スカッドの全員が納得することはあり得ないと思いますが、AMNとかホールディングとか燻っている選手もムスタフィとかエンケティアを見習ってトレーニングでアルテタを悩ませてほしいところですね。

    改めてですが、ムスタフィ!応援するから、これからもがんばってくれ!

  6. エンケティアの(フィニッシュ以外の部分での)ポジショニングが大分改善されたように思いました。
    今までCFとして起用すると攻撃の早い段階から高い位置で留まることが全体の半分くらいはあった印象ですが、それがクロスなどが期待できる場面になるまではPA内までは上がらないような位置取りが増え、オーバやサカやペペの方が高い位置にいるということも結構あったように思います。受けに下りてくるような頻度も増えたというべきか留まる時間も短くなった。今後も続けて欲しい。偽9番的というべきかゼロトップ的というべきかCFではなく彼特有のポジショニングを取り続けて欲しいです。後は細かいテクニックや精度などが向上していけばと期待。ワンツーとか周りの選手との連携の向上も期待。

    エンケティアが中央にいるとよく動くので、その分相手CBの注意が引きつけられオーバに対する対応が甘くなったり対応が相手SB1人にならざるを得ない状況も増えているとも思える場面も(前回言及したエンケティアの全体に与える影響の1つ)。エジルやペペが中央付近の高い位置を取るようになったことも含めて作られることもあるので色々見てて楽しいですね。

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