先週末に国内での取引可能期間も終了し、イングランドも夏の移籍市場が終わった。
この夏も大小さまざまな取引があったりなかったりしており、アーセナルではうれしい補強ができた一方で、余剰戦力の整理には思い通りにいかなかった部分もある。
若干タイミングを逸したが、アーセナルのこの夏の動きをここでざっくりとまとめておこう。
まずはもちろん獲得から。
アーセナルが2020夏に獲得した選手
※移籍金はすべてTransferMarktより。※画像はすべてオフィシャルサイトより。
ポジション別に。
Runar Alex Runarsson(ルナー・アレックス・ルナルソン 25)GK
リーグアンのDijonより。€2M。
フットボール世界ではマイナーなアイスランドの人ということもあり、一般的にはほぼ無名のGK。
彼の獲得はGKコーチのイニャキ・カーナ・パヴォンのテコ入れがあったという噂。彼が以前に指導したGKのひとりということ。イニャキ・カーナつながりでは、ブレントフォードのダヴィド・ラヤもターゲットだったと云われ、その部分でコーチへの依存は、アーセナルのスカウティング方法のシフトっぷりが指摘されていたりもした。
アイスランドNTではファーストでプレイしているようだが、ディジョンでもセカンド(サード?)だったということで、GKとしての能力はかなり未知数。一説によれば、ディジョンでプレイしたときのスタッツは「かなり悪い」だったようである。
アーセナルは彼を退団希望のマット・メイシーのリプレイスメントとして獲得したと云われるが、結局当のメイシーは残り、セカンドのエミ・マルティネスのリプレイスメントも獲得していないことから、現状セカンドGKとして考慮されているようだ。
もしいまレノに何かあったら、彼がいきなりPLでプレイすることになるのか。
正直なところ、ぼくはかなり心配である。いまのアーセナルはレノの優れたセイヴィングがなければ、いまのアーセナルではいられないだろうから。
しょっぱなから景気悪いこと云ってすまない。がんばってほしい。
Gabriel(ガブリエル 22)CB
ガブリエル・マガリャエス。リーグアンのリールより。€26M。
【Welcome to】アーセナルがガブリエル・マガリャエスの獲得を発表【The Arsenal】 | ARSENAL CHANGE EVERYTHING
なお一週間ほど前のニュースによれば、彼の移籍金の支払いは、初年度に€5M、残りを3年の分割払いということで、ニコラ・ぺぺの分割払い取引(初年度に20M、残りを5年の分割払い)といい、アーセナルとリールの良好なつながりを感じさせるものとなっている。
彼はすでにアーセナルでプレイして3回MOTMに選ばれており、もしかしたらこの夏最大のヒット案件になりうる可能性がある。
同じくこの夏にアーセナルに合流したCBのウィリアム・サリバの残念な状況を考えると、彼がこんなにも早くチームに慣れ、そしてブレイクしてくれたのはまったくうれしい限りだ。まだ22才だし。
Very small thing but I loved this from Gabriel yesterday, incredible body control pic.twitter.com/ECix4ifM3O
— Marc Penrose (@RastafariMoore4) October 18, 2020
しぶいところを見ているなあ。
あとはガブリエル・マルティネリと「どっちがガビか問題」さえ解決してくれれば。どっちもガビだと困りますし。
Cedric & Mari(セドリックとマリー)RB・CB
Cedric & Mariと書くと、なんかグラスゴウ出身のギターバンドの名前みたいである。
このふたりはこの夏パーマネントディールになったということで、一応記録上は夏の獲得になるようだ。
セドリックはフリーエイジェント、マリーはフラメンゴに€8M。
マリーは予定ではそろそろフィットしているはずだが、早くプレイしてもらいたいものだ。ロブホがケガをしてしまったのでCB危機。8人もいるのに。
Thomas Partey(トーマス・パーティ 27)MF
この夏PLでも最大のびっくり案件のひとつ。アーセナルが金がないと思われていただけかもしれないが……
アトレチコ・マドリッドより。€50M。ウケる。
トマス・パーティ来る | ARSENAL CHANGE EVERYTHING
彼の獲得に関しては、先日アーセナルを去ったフランシス・カジガオがもともと熱心に推薦していたということ。エメリが彼の獲得にかなりお熱で、てっきりエメリのアレかと思っていたらカジガオのソレだったらしい。それもカジガオが目をつけた当時は、まだ彼がアルメリアで攻撃的にプレイしていたときだったとか。
彼は守備と攻撃どちらに比重を置くのか。アーセナルのスクワッドのなかでこれからどんなふうに活きるのか。これからが楽しみでしょうがない。
ところで、昨日のニュースではガーナNTの数人がCovid陽性だったようで、このあとパーティにも影響があるかどうかも注目せねばならない。
彼の愛称は、やはりトーマスなんだろうか。なんか慣れない。
パーティかパーテイかについては、英語でも2種類に分かれている印象。どっちもいる。ぼくはずっとパーテイというサウンドが頭のなかで鳴っていたのだけど、本人が「パーティ」と云っていたのでパーティと鳴るようになった。
Willian(ウィリアン 32)FW
チェルシーの慰留を断ってフリーエイジェント。KJ案件。そういえば、ドンラウルがいなくなってからKJが話題になることも減って、界隈はすっかりおとなしくなってしまった。このままフェイドアウトしてくださればなおよし。
【Welcome to】アーセナルがウィリアンの獲得を発表【The Arsenal】 | ARSENAL CHANGE EVERYTHING
ウィリアンはハードワーカーだし好きな選手だけど、いまになってもいまいち使い所が定まっていないように思える。
フロントのセットアップを迷うのは、バックのセットアップに迷っているからかもしれない。自信をもってバック4でプレイできれば、フロントも活きそう。そういう転換がそのうちくるといいすね。
アーセナルが2020夏に放出した選手(※ローン含む)
- エミ・マルティネス(アストン・ヴィラへ £20M)
- マテオ・ゲンドゥージ(ヘルタへローン)
- ディノス・マヴロパノス(シュツットガルトへローン)
- ヘンリク・ミキタリアン(ローマへ フリーエイジェント)
- ルーカス・トレイラ(アトレチコへローン)
- デヤン・イリエフ(シュルーズベリーへローン)
まともな移籍金を得られたのは、エミマルのみ。
振り返れば、やはりアーセナルは今年もまたスクワッド整理に大いに苦しんだ夏となった。
放出したかった選手あるいはローンに出したかった選手はほかにもたくさんいたはずだが、そのうちの多くの選手は残った。
売却については、Covidの影響でどのクラブも財政難であったことも大きかったのだろうが、やはりそれ以上に既存の選手契約の大きさがネックになった感は否めない。
ソクラティス、コラシナツ、ムスタフィ、それに云わずもがなエジル。彼らはみんな高給取りで、ほかのアーセナルより小さなクラブへ移籍するためには、サラリーの減額を受け入れなければならないケイスがほとんどだろう。
そういう話題のたびに、選手に評価以上の待遇を与えたとして、アイヴァン・ガジーディスの悪い経営が指摘されがちであるが、もうその時代も終わる。きっとエジルの退団/契約満了がひとつの大きな節目になるはずだ。
それまでの我慢なのか。それともこれからも似たようなことに悩まされつづけるのか。
それを解決するにはリクルートメントを成功させるよりない。正しい選手に正しい待遇を。それでアーセナルは再生できる。
ここでひとつ朗報。
53 – Lucas Torreira 🇺🇾 completed 53 passes in his first LaLiga game for Atlético de Madrid (59 total passes), more than any other Atlético player on his LaLiga debut since at least 2005/06. Control. pic.twitter.com/rC8zszY3Nz
— OptaJose (@OptaJose) October 17, 2020
トレイラが期待通り活躍。来年の夏には€50Mになっているといいな。
ファーストチームはここまで。
グリーリッシュはめちゃくちゃ良いけど、諦めましょう。
靴下が半端な奴は、半端で終わる系譜カテゴライズで。
ブランとかデパイとか高荻とか。
COYG