試合の論点
アーセナル vs シェフィールド・ユナイテッドのトーキングポインツ。
久しぶりのクリエイション
まずは、ほんとうに久しぶりに観た気がするファイナルサードでのテレパシックな連携プレイ&ゴール。テレパシックはちと大げさか。
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— Arsenal (@Arsenal) October 4, 2020
シットディープした相手を崩すのはどんなチームにとっても簡単ではない。ボールを支配し試合をコントロールしたいポゼッションスタイルをやるなら、つねに避けられない課題でもある。
今回はそんな局面をチームプレイで見事に切り崩した。これをずっと待ってたよねー。
右サイドのウィリアンとぺぺのコンビネイションから、チャンネルに走り込んできたエルネニーへ。準備万端で籠城していた相手にとり、CMのこの極小スペイスへの意表を突いたランがわりと決め手だっただろう。まさに第三の男。
エルネニーはパスを受けるとボックスに侵入しつつセンターのオバメヤンへショートパス。バメやんはワンタッチで戻すと、そのボールはいい具合に走り込んだエルネニーをスルーして、さらに右奥にいたベレリンへ。ベレリンは鋭いボールを送るかわりに、密集地帯を避けふわりと浮かせたやさしいクロスをファーサイドへ。。サカにドンピシャなり。。文句なしでどフリーのヘッダーが決まり歓喜に包まれるエミレーツステイディアム(ヴァーチャリーに)。。うつくしい。。
あんなにいたシェフUの選手が、ベレリンがパスを送ったときにはゴール前にたったふたりしかいなかった。あの狭いボックスのスペイスのなかで完全に裏を突いた。痛快このうえなし。
イメージとアイディアがあって、それを即興的に実践するタレントがおり。
数年前のアーセナルなら、こんなタイプのプレイはそんなに珍しいものじゃなかった。ファインゴールだけどそこまで騒ぐほどじゃないかもしれない。
でも、いまだから。ずっと待ってたから。うれしさも格別である。
この試合のなかでも、こんなふうに複数人が参加するファイナルサードでの連携が観られたのはこれが初めてだった。バーヨスのやばいパスなど単発での仕掛けはあったが、全体的な試合展開としてはずっとDAZNとしていた。
とにかく、これが彼らにとって強烈な成功体験となることを願ってやまない。
ぺぺの本領
そしてその3分後のニコ・ぺぺのスーパーソロゴール。なんというケチャどば。
右サイドのベレリンとのコンビネイションでボールを持って抜けると(並走した相手DFが追いつけないスピード!)、そのままボックスに走り込んでなんとそのまま決めてしまった。
アーセナルに来て1年以上たつが、彼があんなプレイを見せるのはじつは初めてではないだろうか。あれがリールのぺぺなのか。
なんと云えばいいのだろう。決断力があるとか、覚悟を持ってとか。とにかく思い切って、あの瞬間自分のプレイだけに集中していたように見えた。
あの勢いでボックスに入られると相手DFはおそらく何もできなくなる。だって少し引っ掛けただけで簡単にペナルティを取られてしまうから。
かつてアルテタにも「彼は予測不可能にならねばならない」のように軽く苦言を呈されていたが、あんな突進の前では予測もなにもない。あのプレイはそれだけインパクトがあったと思う。
ここまで彼のプレイは、ボールを持てばときおりキラリと光るものを見せるものの、いつも自信なさげで迷いがあるように見えた。あまりチームにハマっていない感じで、味方との効果的なコンビネイションもほとんどなく。また守備のときも、チーム全員が貢献を求められているというのに、まるで自分の仕事ではないというような、いかにも気持ちが入っておらず見せかけだけの動きをしているように見えることが多かった。
だから彼はクラブが£72Mもの大金を投資しながらも、いまだファーストチョイスになっていないのだろう。
おそらくはそれは技術や能力という以前の問題だったのではないだろうか。
しかし、いずれにせよアーセナルのようなビッグクラブで何かを証明したいのなら、彼はどこかでそういった評価を覆さねばならなかった。
得点後の彼はボールを持っていないときもまったく見違えていた。いきなり2得点で、相手を引き離し、自信をつけただろうチーム全体が見違えていたが、ぺぺもちゃんとそのなかにいた。
あのプレイで、ぺぺが自信をつけ、何かを見つけ、このチームのなかでブレイクしてくれることを期待してやまない。彼はウィリアンよりももっとこのチームにとって重要なのだから。それは彼にとってもいいことだし、もちろんチームにとってもいいことだ。
また、アルテタも彼の使い方を試行錯誤しているようなフシもあるが(右とか左とか)、あのプレイがなにか大きなヒントになってくれたらと思わずにいられない。
この試合は、いいぺぺが観られてほんとうによかった。
オバメヤンのCF
この試合、アルテタにしては珍しく後半の早めにサブをやってきたなと思ったら、ぺぺに変えたのはエンケティアだった。これにはおおっと思ったものだ。
だってこれはつまりバメやんをCFに移動。。観たかったやつ。
これはもしかしたらもともと予定していたのかもしれない。オバメヤンのCFでチームがどう動くか。アルテタもチェックしたかったとか。
もっともこの交代はCFだけでなく、ウィリアンをNo.10にした4-2-3-1へフォーメイションを変えたということで、オバメヤンのCFだけでなく、ウィリアンのNo.10、それにぺぺ、サカも加えた、フロント4がどうワークするのか、あるいはほかの細部も含めて全体を観たかったのかもしれない。
結果的にはこれは非常にうまくいって、交代の4分後、7分後に連続得点となった。直接そのおかげかどうかはぼくにはよくわからないが。
ずっと観たかったオバメヤンのCFについて、これは全然問題ないように見えたがどうだろう。
試合後にいくつか見かけた戦術的な批評では、オバメヤンがCFに入ることになって、裏抜けを恐れた彼らのCBがハイラインにできなくなり、結果的にNo.10がプレイするスペイスが生まれたというのがあった。なるほどなー。
以前にも書いたように、オバメヤンはドルトムントでもずっとおもにCFでプレイしてきた選手で、いまCFでプレイしてほしいと云われたらきっと喜んでやるだろう。
オバメヤンをレフトウィングで使うべき説 | ARSENAL CHANGE EVERYTHING
彼をフォルス9にするメリットはないので(もっとも得点が期待できる選手をゴールから離してどうする)、そのときはいまのシステムは彼に合わせて変えることになるだろうが、それだけの価値はある。
今回のオバメヤンのCF化は、なにやら今後の布石になるような気がしてならない。
少なくとも重要なオプションのひとつにはなってほしいものだ。
セバーヨスFC
ぼくの個人的なこの試合のMOTMはバーヨスで。
彼はMFで攻守に恐ろしく効いていた。52分のオバメヤンへのワンタッチのスルーボールはマジしびれたっす。あれが決まっていたら0.9点はバーヨスにあげないと(松木安太郎脳)。
あのボールをワンタッチで出せるのは、フットボールセンスしかない。ああいうのは教えられないのでは。
あと試合中何回かナツメグとかとんでもないボールコントロールとかやってた。
彼ってまだ24才とかなんよね。成長中。
あまり活躍すると来年夏にRMが高値を付けるというジレンマはあるけれど、これからの成長にも大いに期待したい。
たったひとつのミスで試合を台無しにできる漢
4分。あれはレッドカード出ても文句云えないか。
もしあれでルイスが退場になっていたら、この試合は同じ結果ではなかっただろう。まさに決定的な決断だった。ワイルダーが批判したくなる気持ちもよくわかる。われらもレフェリーには何度も煮え湯を飲まされているのだから。
もっとも、ルイスのあれにレッドが出ていれば、38分の相手選手のオバメヤンへのチャレンジにもレッドが出ていたかもしれない。帳尻合わせに。あれもひどかった。イエロー。
どんなに評価を上げても、たったひとつミスをするだけですべてが台無しになってしまうのがCBというポジションだけれども、ルイスはやっぱりやらかす。どうしてもやらかす。
アルテタは彼をとてもリスペクトしているようだが、これはトレイドオフだ。今後もきっとやらかす。
いきなりチームにフィットするガブリエル
そしてやらかさないのがガブリエル。なんてやっちゃ。
パスも上手だし、試合の流れを読む賢さもある。全体的に非常に安定している。評価がうなぎのぼりなのもうなずけるというものだ。
ただ、アルテタも云うように彼のプレイの正確さはストラクチャのおかげであり。そこまで厳しくテストされるようなシーンはまだ一度も見ていないと思う。
彼に安定してもらうために、パフォームしてもらうために、正しいストラクチャとオーガナイゼイションが必要だと考える。その点ではわれわれはとてもよくなってきていると思う。
わたしは進歩が必要だと云われるDFたちをたくさん見ている。イエス。それがチームをよりソリッドにする。見てのとおり、彼は多くのオープンスペイスに晒されることがない。それはよりチームの機能のことであり、ストラクチャのことだ。それが彼らを助ける。
ぼくは今回のアルテタのプレス会見での発言で、ふとムスタフィのことを考えてしまった。
もし彼がアーセナルに来たときに、いまチームがつくっているような選手を助ける正しいストラクチャや正しいインストラクション、オーガナイズされたチームプレイがあったらどうなっていただろうかと。
そういう意味では、ムスタフィは随分と気の毒の境遇だった。彼の前にはたくさんのオープンスペイスがあったし、いつでもとても簡単に危険にさらされた。
もちろん、彼がプレイする前にはメルテザッカーとコシエルニのような、そんな環境でも守備をこなしてきた有能なCBがいたからこそ、彼はよけいに批判を受けることになったのだろうが、仮にいま24才のムスティがこのチームに入っていたら、彼のフットボーラー人生はまったく違ったものになっていた可能性はありそうな気がするなと。
そんな彼がかわいそうでもあり、同時に若いフットボーラーにとって有能なコーチの下でプレイすることがキャリアにとりいかに重要かということをあらためて感じさせる。
ガブリエルを始め、ほかの成長中の若い選手たちはミケル・アルテタのようなマネージャーの下でプレイし、学べることはほんとうに有意義なことなんじゃないですかね。
その他試合について
気づいたことなど。
- シェフUはめちゃハイプレッシング。でも基本最初だけ
- 結局この試合わりと快勝っぽく終わっているんだけども、ショッツ6本はアウェイチームと互角で相変わらずシュートには持ち込む機会が少ない。今回はオバメヤンのロングレンジのシュートなどもあったから、もっと多いような気もしたけれど。後半のショッツは2本て。それで得点2て。
- アーセナルの最初のシュート(KTのクロスにヘッダーで合わせたエンケティア)が28分で、それがアーセナルの最初のシュートだそう。去年の12月からのカウントではPLでシュートまでにかかった時間で最長だとか。どんだけ
- セバーヨスとコンビを組んだエルネニー。得点シーンはよかったし、いつもどおりポゼッションでは安定していたけど(パスアキュラシーは96%)、やっぱり彼のポジションはちょっと何か足りないと感じた
- ベレリンは2アシスト。出てきたころは香車、その後に飛車になるのかと持ったら、最近は角っぽく見えてきた。そっち方向の選手になるのか
- 最後のAMNのアレなんだよ。胸で丁寧に落として華麗にアシストするつもりか!?
- サカはやっぱりMFでプレイするほうが危険になれそう。クロスマシーンにするのはもったいない
以上。
オーバCFがアルテタのプランにあって本当に良かったです
契約延長した際オーバを中心にチームを作るとアルテタが言ってたのに今期も左でしたからフラストレーションが溜まってました。オーバ真ん中で使わないと彼の決定力が活きません
ラカは悪く無いけどこの時点でオファーをしてないと言うことはつまりはそう言う事ですし、思い切って売却しない、出来ないのはフロントが未熟だからでしょうかね
確かに一昔前のアーセナルならサカのゴールくらいの連携はいつでも見られましたね。
エジルがああいうクロスをヘディングではなく叩きつけるボレーで点取ってるイメージはまだ頭に残ってます。
セバの体とボールの扱い方上手すぎとか、2CBならセバネニー動けて良いなとか、エルネニー前に出せって思ったらウィリアンが出し手だったりとか、ポジティブなことが沢山あった試合の中でも一際嬉しかったのが次の事
ペペのシュート直前のタッチ、あれは感動しました あのスピードのドリブルでPA侵入しての撫でるようなタッチ からの瞬く間にシュート これがコンスタントにできれば、バロンドール級の選手になれるんじゃないかと夢見心地です
ポストワーカーを外してオーバCFは初めて?
ウィリアンのトップ下も含めて今後に期待できると思う。個人的にはサカはウイングのほうが怖いと思うし。
しかし何にしても、右にぺぺが選ばれてくれないとこのオプションは最初からは使えない。
AMNでもなく、ラカでもエンケティアでもなく、全員を押しのけてぺぺがスタメンに選ばれてくれないと。
あんなコースを楽々と抜くFWは見たことない。
しかしそれでも、今のサッカーでハードワークしないウイングを最初から使うわけにはいかない。
だからこそ。
このチームにはぺぺのブレークが絶対必要なんだと思う。
クリーンシートで終わってほしかったですが、勝ってよかったっすね。
新しい選手も必要ですが、出る選手も気になります。人員整理も絶体に必要。毎年最終日までもたつくのどうにかしてほしいですが、今日を楽しみます。
後半のような布陣でスタートからできないのは、前のタレントが少ないというよりも、センターバックの問題だと思います。ルイスを2センターで使うのは危なすぎる。プラス、カバーリング範囲の広いdmがいなかった故だと。ムスティの復活に期待。パーティ来ますね!それでエジルが使われるようになればいいな!
ラカゼットは最高峰のCFなので売るのは反対です。
イングランドで活躍するサカとナイルズみたら、涙ぐんでしまいそうです。セバージョスも正代表呼ばれましたしね。ベジェリンも最近のプレーでは、呼ばれてもいいレベルだと思うなあ。マンUとリバプールファンに比べ、心穏やかに代表ウィークを過ごせそうです(モウリーニョもそうかと思うと腹がたちますが)。しっかし、エバートン、ヴィラ、リーズはまじやばいですね。ヴィラはやっぱりグリーリッシュのクロス精度がずぬけているし、エミマルも強烈な存在感だしているし、リーズはアーセナルがやりたいことをほぼ完成できている気がします。さああと5時間でパーテイくるか。またブログアップ楽しみにしています!
後半、ぺぺが入って攻撃時にウィリアンが中盤に入ってから繋ぎの部分がかなり良くなりましたね。エンケティアとオーバは共に下がって狭いスペースで楔の縦パスを受けてタメを作れるタイプでは無いので逆三角形や343みたいにトップ下不在のフォーメーションだと何でも出来る選手が前線に居ないと苦しんですよね。スーパーなラカゼットがそれを担っててラカゼット引いて出来たスペースをオーバが使うのがアルテタになっての得点パターン。今シーズンはウィリアンがいるのでラカゼットの仕事も減り連続得点、ぺぺとウィリアンの相性めっちゃ良いやんって感じでウィリアンの加入で攻撃のオプションが増えたなって感じたシェフィールド戦でした。
そしてパーティが来ましたねー
ソング以来のアンカー出来る選手なんでホント嬉しい
サカの得点は素晴らしかったですね
ヴェンゲルさんの時代は選手の自由な発想で、アルテタは選手の動きのデザインによって、違いはあるけどこういう相手を動かして崩すサッカーはやっぱりアーセナルって感じで観ていて最高ですね こういうのが試合中継続して見れたらなぁ 今後が楽しみです
結局、クリエーティブな部分の不足は3バックで人員が少ないからなだけ
4バックで守れればティアニーは前にいけるし、MFとしてサカやウィリアンが動ける
足を引っ張っていたのはDF
DFがよくなれば前に人員をかけられた
3バックでしか守れないならパスの受け手がいないから出し手に金をかけても無意味