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【マッチレビュー】20/21EPL マンチェスター・ユナイテッド vs アーセナル(1/Nov/2020)チームの信念が生んだ14年ぶりの勝利

アーセナルがPLで「ビッグ6」アウェイで勝つのは5年ぶり(2015以来)&OTで勝つのは14年ぶり(2006以来)。

03-04のインヴィンシブルを最後に長らく雌伏のときを過ごしてきたアーセナルで、ミケル・アルテタの下、ものごとが静かに変り始めていることを象徴する勝利になったのではなかろうか。

とくにビッグライヴァルであるマンUでの勝利ということで、後年に「あの日がアーセナルの転換点だった」と述懐されるような試合になるかもしれず。いや、なってほしいし、ならなければいけない。

とにかくいろんな意味で大きな大きな勝利だった。

この試合を振り返ってゆこう。今回もタイミングを逸して、すっかり興奮もさめてしまったかもしれぬが、しばしお付き合いあれ。

Man Utd 0-1 Arsenal: Pierre-Emerick Aubameyang pen gives Gunners long-awaited win at big-six rival



アルテタの試合後コメント「信念を生み出していくことが必要」

試合直後のインタヴュー。オフィシャルサイトより。

(勝利について……)

アルテタ:われわれはポインツに値したと思う。14年勝ちなしのあとでとてもうれしい。今日われわれはここでやるべきことをやった。わたしは選手たちにこう頼んだ「自分たちが何者なのか示そう、自分たちのアイデンティティとスタイルでプレイしよう」と。とても難しい相手にしょっぱなからそれをやったと思う。もちろん、たくさんのクオリティもあったのだから、われわれがこの試合を勝つにふさわしい。

(得点するまでは心配だった……)

レスターで起きたことが思い出されたよ。前半はわれわれのほうがいいチームでよく支配した試合だった。後半には試合に勝つ道を見つけられなくなってしまった。今日われわれはそれをやったし、とても成熟していた。最後の数分のマネージの仕方はよくなっていた。ベンチから出た選手もとても助けてくれたし、個人でもこのグレイトな試合での要求に応えていた。

(ハーバート・チャップマン以来、マンU相手に最初の2試合勝利したマネージャーに……)

知らなかったけど、もちろんグレイトだね。トップチームとファイトしたいのなら、彼らを倒さねばならない。それがここ数年のわれわれができていなかったことだ。とくにアウェイでは。進歩せねばならない。できるだけ早く、できるだけ小さくしていく必要があるギャップはまだある。まだチャレンジがある。

(ガブリエルとトーマス・パーティ……)

彼らは大いに大人びたプレイをしたと思う。実際よりもう長くここにいるみたいだった。まだ彼らには、コネクションやユニットでのフロウがないことはわかっている。だって大して長いこと一緒にプレイしているわけでもないのだし。そのことはわかった。しかし同時に、われわれがつくっているスピリット、彼らがピッチで示したパーソナリティを観た。たとえばモー(エルネニー)のようなほかの選手。称賛に値する。みんながこのショウに準備できていた。

試合後のプレス会見。オフィシャルサイトより。

(勝利のキーファクターズ?……)

まず試合前にあったわれわれの信念。われわれはここへ来たかった、そして自分たちを出したかった、それを最初からやりたかった。もちろんパフォーマンスを観れば、どの選手もベストが要求された。彼らは自分たちのプレイについてたくさん問うていた。だから、彼らのパフォーマンスがわたしはとてもとてもうれしいんだ。

(トーマス・パーティ……)

彼はとてもよかった。だがわたしは個人について話したくない。彼らの全員が大いに貢献したから。チームを選ぶのはとても難しかったし、それはどんどん難しくなっている。しかしわたしは誰を選んでも、彼らが完全にすべてを出せる準備ができていること、勇気を持ってプレイできることがうれしいんだ。それはわたしにとってはどでかい要素だ。だってわれわれは自分たちのプレイスタイルを信じて、恐れなくプレイしたのだから。

(トップ6のアウェイゲイムスで24試合勝ちがなかった……)

イエス。それにはたくさんの理由があるだろうし、偶然でもない。だからそれを劇的に変えなきゃならなかった。ビッグティームスとすぐにでも競い合いたいならば。もしそれができないなら、トップレヴェルで要求される一貫性を保てなくなる。選手の大きな信頼も。フェアになれば、われわれはアンフィールドへ行き、彼らと顔を合わせ、そして今度はエティハドへ行き、受け入れがたい敗戦があった。そうしてここへ来て、同じことをやった。今度はわれわれが勝ったのが違いだが。

(ペナルティを蹴るオバメヤンの自信……)

たぶんプレッシャーはあった。なぜなら彼はあれが勝利にとりどれだけ決定的かわかっていたから。だがわたしは、彼はとてもうまくやったと思うし、彼のためにもうれしい。彼は最近得点できていなかったかもしれないが、ずっとハードにワークしていたんだ。チームのために。彼はほかのことにだってがんばっていたし、今日はご褒美があったということだ。

(あなたにとりこの勝利の意味……)

わたしは自分にも大いに要求する。レスターの敗戦はまじでタフだった。なぜならボーイズはまったく敗けにふさわしくなかったから。とくにエティハドのあとだったし。わたしは彼らに自分たちがやっていることを微塵も疑ってほしくなかった。

だからわたしが今日彼らに話したのは、そこへ出ていって、自分たちになること。そして勝つためにここに来たこと。試合が始まってすぐにプレイの仕方やアグレッションからそれを観ることができただろう。

だからわたしは彼らのためにもとてもうれしい。ファンに対してもだ。だって14年は長い。彼らはわれわれのライヴァルズのひとつで、だからわたしはみんなのためにもうれしい。

(ガブリエルとパーティがこんなにいいと想像していた?……)

まあノーだね。だってわたしはこのリーグがどれだけタフか知っているし、世界のどのリーグとも比べられない。だがわれわれはクラブで見つけ出したい、あるキャラクタリスティクスをもった選手をピックしようとしている。よーく観てリスクを最小化したい。自分たちがやろうとしていることに対して、彼らが貢献できるかを確かめたい。

(ゲイムプランどおりの試合だった……)

すべてではないが、多く(思ったとおりに)起きた。とてもトリッキーだったよ。なぜなら彼らはフォーメイションを変えてくるし、ダイヤモンドで選手をよく守った。とてもアグレッシヴでハイプレスをやりたい、だが選手は一瞬あれば通してくる。試合全体でそれをやり通す脚はなかったので、深いブロックで守らねばならないときもあった。しかしわれわれはそれをよくストラクチャされ、オーガナイズされたやり方でやった。

(最後はハラハラした……)

まったくだ。最後の数分で彼らは持てるすべてを投げ打ってきた。大きく、クオリティあるフィジカルな選手たち。何でも起きうる。でもわれわれがうまく守った。

(この結果はどれだけ重要になりうる……)

われわれは期待を生み出してもいる。なぜならユナイテッドを倒し、そしてチェルシーを倒し、マンシティ、リヴァプールをカップで倒した。つねにそれを築いていきたい。そういったチームはわれわれと比べていろいろなプロセスにある。いつでもリーグで彼らと競い合いたい。われわれはほかのことでも進化していくし、よくなっていく。だがわれわれは信念を生み出していくことが必要だ。どんなグラウンドへ行っても競争力を持てると。それはわれわれがもう持ち始めているものだ。わたしの意見だけど。

(この勝利は選手たちの信念にどう影響する……)

それは信念を生み出すし、みんなをひとつにする。みんなが自分はその一員だと感じ始める。なぜなら最近までPLであまりプレイできていなかった選手も関わるようになってきたから。

全員が準備できていなければならない。あのレヴェルでパフォームしたいなら、このスクワッドを使っていく。いまのフィクスチャはクレイジーで、フィジカルの要求はヤバい。全員が貢献し、チームに何がもたらせるか、集中していなければならない。それこそが自分自身に問うていかねばならないものだ。

ピッチ上だけではない、オフでも、トレイニングでもそう。われわれはその選手がチームに何をもたらせるかを見ている。どうチームを助け貢献しているか。わたしはチームにとても満足している。

以上。

信念が勝利のキーファクターだったと。素晴らしい。

エルネニーについてアルテタ「わたしはゼロエゴの選手が好きだ」

スーパーインプレッシヴだったモー・エルネニーについてもコメントを残している。オフィシャルサイトより。

アルテタ:モーがこのチームに伝達することは特別だ。彼はひととしてこのエナジーを持っている。

彼が部屋に入ってきてアトモスフィアをつくる。今日わたしが云ったのは、このエナジーと、彼がいつももたらしてくれるポジティヴフィーリングが必要だということ。彼はすごかったと思う。

もちろんわたしは彼のクオリティと彼のひととなりを知っていて彼をプレイさせた。彼がスクワッドに何をもたらすか。わたしはチームのためにプレイするエゴのない選手が好きなんだ。それがなんであれチームに貢献したいと願う。1分だろうが96分だろうが、そこにいようがいまいが関係ない。いつだってポジティヴフィードバックを与えてくれる。

彼はわれわれのカルチャーに貢献し、クラブのみんなから敬われる人間でもある。そしてわたしは彼がクオリティを持っているといつだって信じていた。

“zero ego”だって。たしかに。彼ほどチームに献身的な選手もいない。メストよ、聞いているかい?

ホールディングについてアルテタ「こんなに早く戻ってくれると思わなかった」

ディフェンスでは、ガブリエルとパーティ&エルネニーの称賛の影であまり注目されていないが、彼もまたこの勝利に大きく貢献した。オフィシャルサイトより。

アルテタ:(試合前)彼は一度のセッションしかしていなかったと思う。彼がこんなに早く戻ってこれるとは思わなかったんだ。

メディカルスタッフの仕事のおかげだ。でもそれがわれわれが生み出そうとしているカルチャーでもある。ロブは覚悟があり、いつでもプレイして進歩しようとハードワークしている。

彼は必要なときにラインに身体を投げ出せるし、素晴らしいパフォーマンスだった。

※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

11 Comments on “【マッチレビュー】20/21EPL マンチェスター・ユナイテッド vs アーセナル(1/Nov/2020)チームの信念が生んだ14年ぶりの勝利

  1. このマンユーというチームは本当にCLで無双してるチームなのか??不思議です。
    エルネニーはボールを追っかけてじゃれてる大型犬みたい。ヴェンゲルはこの光景が予想できていたんでしょうか。これを見たジャカとセバが更にハードワークして覚醒したりしないかな。

  2. やりましたね。サイコーッス。
    最後の方は、いつしょうもないペナルティとられるかハラハラでしたね。
    ポグバじゃなくてファンデベークが最初から出てたら違う展開だったかもですね。
    エメリのころも確かに守備の立て直しから取り組んでたと思いますが、たぶん今ほど明確なコーチングじゃなかったんでしょうな。途中からはそれこそ今のユナイテッドのように選手個人のインスピでゴールとってたとゆう印象で、ラカゼットなんかもあんまり喜んでなくて、永遠的の負の連鎖って感じだったんだと思います。
    アルテタはそこらへんが全く違うのでしょうね。今の選手たちがみんなそろって『1,2年前とは明らかに違う』と言っているのだから、そうなんでしょう。
    全員億万長者かもしれませんが、20歳代の選手がメインですからね、やっぱこうゆう若手はカッコいい兄貴に影響されるしついていくんですよ。
    勝つってやっぱサイコーですね。選手の評価も一晩でひっくり返る。そんなチャンスさえ与えられないエジルって…。
    ぼくはラカゼットに謝りたい。やっぱいい選手でしよあの男は。あとはゴールだけ。
    この試合みんなすごかったと思いますが、ウィリアンだけはなんかこうインパクトなかったし、あれならペペやネルソンにもチャンスほしいっすね。

  3. やり切った!
    どんなに体力的に厳しくても、主審がディーンでも。

    しかし突然CB問題が解決するとは。
    ホールディングが治ってると思わなかったし、攻撃面でも堂々とパスをつないでて2度ビックリ。
    ムスタフィと違ってロングフィードがないのに、グラウンダー中心であれだけ効果的につなぐのは並大抵じゃないと思う。

    攻撃の時間はまだ短いけど、速いトランジションの攻防を正面からねじ伏せてチャンスを作った事を高く評価したい。
    何本か、効果的なライン間へのパスもあった。
    それらは全く偶然ではなかったし、再現性があるところに価値があると思う。

    こういう試合の一部になれれば(大変だけど)、すごい選手になれる才能がまだベンチに何人もいる。
    良くも悪くも、まだここからだと思う。

  4. ケーヒルにちょっと物言いされて、ムキになって噛みつくも相手にされないロイ・キーンが笑える。

  5. やりましたね。攻撃はまだまだ物足りないけど、全員が強い意志をもって闘ったことがファンとして嬉しかったっす。それにしても、我らがスカッドがリーグ最少失点を見せる日がくるとは・・・。ガブリエル本当に良かったし、パーテイがポグバにかけている圧もすごかったし、でもやはり今日のMoMはエルネニー。攻撃はやっぱりウィリアンをNo.10にした4-2-3-1の方が良かったのでは?いまだと、まだライン裏に駆け出すパスの供給量が絶対的に足りない。ウィロック、ネルソンとAMNのシンクアップをもっとみたいです。さあ、木曜はジャカよセバージョスよ、しっかりアピールしてくれ!COYG

  6. まさにBIGWIN!
    僕も試合中2度祈りました。
    試合終盤とオーバのPK時に。

    守備の再構築はアルテタが真っ先に取り組み、結果に現れている事は嬉しい反面、攻撃はもう少し時間が掛かるだろうなと。

    思うにアルテタは再現性のあるフィニッシュの形を構築中で、まだそれ程バリエーションが無い(チームに浸透できてない)。
    攻撃に意外性が無いのはクリエイティビティの不足とも言われますが、メストが居るけど使われない訳で、アルテタのサッカーには“再現性の無い天才的な閃きをする奴”は不必要と考えてるんじゃ無いですかね。少なくとも現段階では。
    だから多分、アーセナルにもしポグバが居ても使わないでしょうね。
    ぺぺが、ファーストチョイスで無いのもそういう事なのでは。もちろん今後に期待してるとは思いますけど。

    オーバに関しても、エメリ体制よりも得点出来なくなっていませんかね?
    もし昨年エメリが最後まで指揮していたら、得点王だったかも?
    でもFAは獲れて無かったかも 笑
    そして契約延長しなかったかも 爆

    重要なの決めてるんで相変わらずエースストライカーには違い無いですが。
    そもそもオーバは、意外に簡単なのは外すけどスーパーなのを決める選手だったはずで、その意外性に頼ってないってのもありそう。
    ただゴールだけ決めてれば良い、という役割を振ってはいませんよね。それが良いのか?とは思いますがアルテタのストラクチャーのひとつなのでしょう。

    ノーエゴな選手が好きってのは分かる。
    アルテタがそういう選手の筆頭だったから。
    信念の人アルテタ。
    COYG

    1. リプライ失礼します!
      現状でのクリエイティビティの不要に関して「そういうことか!」と理解出来た内容だったので、思わず返信してしまいました。。
      ユナイテッドが、ブルーノが来て良くなった瞬間があったけど、あくまで人で解決して根元みたいな部分は未解決な所にも繋がるなと思いました!
      なんだかんだ、近年だとロビンやエジル、サンチェスに頼って攻撃してた部分もあったし。。。
      アルテタには、近い未来スペクタクルな攻撃をするアーセナルが見えてる事を信じて……!

      1. リプライありがとうございます!
        信じましょう…アルテタはやってくれるはず。
        中盤から後ろは補強出来ましたが、前目はまだ補強が必要なはず。
        アーセナルのキャッシュフローにも注目していきたいですね!
        それではまた、チェンさんのエントリで会いましょう。

  7. 相手によって戦術を変えるというのは、「演奏前にピアノを調律します」くらい現代サッカーでは当たり前なことで、シテイもリヴァプールもレスターも、アーセナル相手にやり方を変えてきていた。アルテタが稀に見る、良い調律をするうえに演奏者のモチベもあげる人だとしたら、エメリはごちゃごちゃやりすぎて音悪くするうえに、演奏者を戸惑わせる稀な調律師で、天と地くらいの差がある気がします。ベンゲルは演奏者のモチベはあげるけど、調律できないみたいな人だったから、アーセナルファンには、相手によってやり方変えるみたいなのは馴染みのないものなのかも。
     あと目立ってないけど、ラカ、ウィリアンの守備はすごいと思います。ンケティアってすごい献身的ですけど、動きすぎて、パスコースばこばこあけてるけど、ラカ、ウィリアンは本当に周りを助けるプレスがかけられるなと。エルネニーが終盤動けたのも、前戦の3枚がうまい具合にプレスかけてたからだと(マンユーがなんで、アーセナルにプレスはめられる布陣引いてきたか謎だけど。それにスールシャールよりも気付いて低い位置降りてきてたブルーノ、やっぱ良いなぁと思ったけど)。
     ガブリエルはすでにアーセナル史上最高CBですね笑

  8. 上で言ってる人もいますが、再現性のある攻撃を”現段階では”求めてて、クリエイターは不要ってなんかしっくり来ますね。

    個人的には読み応えある文章であれば、いくら長くても大丈夫です。
    が、本業もあると思うのでご無理なさらず。

    スールシャールのコーチングとポグバのイマイチさに救われたような気もしますが、「チームとしての強さ」は特に前半ヤバいくらいに感じました。(語彙力)

    次も勝ちましょう。COYG。

  9. もしエメリにもガブリエルとパーティがいれば全く違ったかもね、という
    対人で守れる、ミス少ないCBとフィルターにも推進役にもなるCMF
    ベンゲル時代からやっと必要なピースが埋まっただけの話
    得点はこれから取れると思うけどね、実際
    今までのレスター、リバポ、シティ相手に点の取り合いして勝とうというコンセプトのチームじゃないし

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