試合の論点
サウサンプトン vs アーセナルのトーキングポインツ。
お互いにクオリティを見せた好試合
今回は、フットボール的にかなりおもしろい試合だったのではないだろうか。チームのファンじゃない第三者も楽しめるような。
1分にいきなりラカゼットにGKと1 v 1になるビッグチャンスが訪れてから、直後にはセットピースから失点(※あのショットはxGが0.05。まぐれである)。その後もお互いボールを持てばいつも相手ゴールまで到達するような攻め合いがつづいた。
前半はとくにかなりオープンな展開になっていただろう。
土曜の反省もあって、セインツのハイプレッシングに対し、アーセナルもハイプレッシングで対応。どちらがよりオーガナイズされているか、どちらがよりインテンスにプレイできるか競い合っているようなかたちになっていたのがおもしろかった。
そこも、フェアに云えば、わりと互角の戦いだったのではなかろうか。
アーセナルは土曜に比べれば、よりアグレッシヴに前掛かりになり、ビルドアップのフェイズでは彼らのプレスに対してもうまく対応しているように見えたが、ときに高い位置でボールを失い相手にチャンスを与えた。
一方でセインツはアーセナルのプレスにバックがミスをつづけて、自ら危機に陥ることもあったが、プレスレジスタンスという意味では、アーセナルのそれを上回っているように見える瞬間も何度もあった。バックからのビルドアップで、あんなふうに簡単にファイナルサードまで進出してしまうのは、いつものアーセナルの守備の固さを考えれば、やはり彼らがそれほど優秀だったと見るべきなんだろう。好調ゆえの勢いもあったかもしれない。
そんなわけで、結果は3-1と差がついているものの、勝敗を分けたものはおそらくはわずかな差だった。
アーセナルで好調をキープする選手たち
✅ Laca ➡️ Saka
✅ Saka ➡️ Laca@LacazetteAlex 🤝 @BukayoSaka87 pic.twitter.com/X4uZTrHw4B— Arsenal (@Arsenal) January 27, 2021
もちろん彼らがベストメンバーではなかったということもあるが、ひとつ確実なのは、やはりアーセナルの個人クオリティは彼らの個人を上回っていたということ。彼らにはブカヨ・サカのクオリティの選手はいなかった。
いまのアーセナルでは何人もフォームを維持している選手たちがいるが、もっともインフォームなのはどう見てもサカだろう。
彼は調子が悪そうに見えるときがほとんどないのは驚異的なことだ。攻撃の選手にありがちな浮き沈みがない。
今回も右サイドでボールを持てばいつだって相手の脅威になっていた。いまのアーセナルのなかで、1 v 1でしっかり相手の脅威になれるのはじつはサカくらいしかいないというのが現実だ。
飛び出してきたGKをかわして自分で決めたゴールも見事だったが、試合を決めたラカゼットの3点めのアシストにはしびれた。あんなふうに利き足じゃない右足でダイレクト&ドンピシャなクロスを入れるとは。恐ろしい子!
サカはこの試合のゴールで、PL5得点め。PLでプレイするほかのすべてのティーンのゴールを足した(4)よりもゴールが多いのだという。
Bukayo Saka has been directly involved in five goals in his last six Premier League games.
⚽️ vs. Chelsea
🅰️ vs. Brighton
⚽️ vs. West Brom
❌ vs. Crystal Palace
⚽️ vs. Newcastle
⚽️ vs. Southampton— Squawka Football (@Squawka) January 26, 2021
いやあ契約延長しておいてよかったね!
そしてESRも。
彼は、アーセナルでスタートした16試合で敗けなし記録を17に伸ばしたという。なんというラッキーチャーム。。。Unbeaten in a Roweですわ。
個人的にもずっと期待していた彼が、アルテタに使われるようになってからずっとファインフォームで、じつはぼくは最近は毎試合で、彼が悪い試合をやったらどうしよう、魔法が解けてしまったらどうしようと少しだけハラハラするようになっている(笑い)。でも、彼もまたサカのように安定したクオリティを毎試合で見せていて、今回も心配なかったという。。
試合前に注目して観ていようと思っていた攻撃の自由については、やはり多少改善はあったかもしれない。少なくとも右サイドにずっといるみたいなことはなかったと思う。
ところで今回BT Sportsの中継では、いつものワンタッチフットボールに加えて、彼のハイエナジーなプレッシングと守備貢献が称賛されていたのだった。たしかにハイプレッシングはラカゼットとともにかなりがんばっていた印象があるし、また彼が相手からひょいっとボールを奪うシーンはこの試合でも何度か見られたが、実際ボールリカヴァリが「7」でチームトップだったということ。
オーデガードが来たらESRとコンビでKDB&シルヴァ役をやらせて、アルテタが本来やりたがっていた4-3-3がついに実現するという憶測もあるが、ESRがこのような守備でも大きく貢献するパフォーマンスを見せてくれると、それにもかなり期待が膨らむ。
ディフェンスに人数をかけるのではなく、高いエリアで支配し、相手に攻撃の機会を与えないストラクチャ。そんなアーセナルに早くなってほしい。
守備貢献といえば、今回はESRと並んでボールリカヴァリ「7」を記録したのは、じつはぺぺだったりする。
彼は失点の戦犯(セットピースでマークにつかなかった)のようになってしまったが、試合全体では概ねよかった。ジャカのパスもよかったが、8分の彼のゴールはさすがという感じだった。シュートはうまい。これでPLでスタートした2試合連続ゴールだそうで。
今回彼が左サイドでなぜに効いたのかは、識者の分析を待ちたいところ。ぶっちゃけぼくは理由はよくわかんない。
ただ、右サイドでプレイするときのようにライン際に張り付いてボールを待って、ボールを受けたらまず1 v 1みたいな画一的なプレイじゃなかったというのはあったかもしれない。あとセドリックとのリンクアップもわりとあった。
これがブレイクのきっかけになりますように。と彼が活躍した試合では毎試合書くのだが、結局つづかない。彼の最大の問題は一貫性ということはあきらかだ。つぎも期待はしている。
Pepe’s Double Nutmeg! 🥜🔥 pic.twitter.com/aoy7Nm5wg3
— 𝗗𝗮𝘃𝗲 (@xDaveAFC) January 26, 2021
ぺぺは、こういうシーンが1試合にひとつくらいはあるけど、そのつぎのプレイに結びつかない非生産性が残念。自分のテクニックに熱中しすぎてしまうんだろうか。
あとは、ラカゼットとジャカとパーティとセドリックとロブホとレノと……と、この調子でよかった選手について書いていくとだいぶ時間がかかりそうなのでこのへんで止めておこう。
その他試合について
- アーセナルがPLで逆転勝ちをするのは去年7月のリヴァプール以来だとか。どんだけ
- ベレリンがPLで最多イエロウカーズ(17試合で7)
- スターティングのなかでは、ダヴィド・ルイスだけはあんまりよくなかったか。危ないシーンあったし。彼はああいうのやりがちだよなあ
- ぺぺのカード。無駄すぎワロタ
- ケヴィン・フレンドは友だちじゃない
試合については以上。
ぺぺが左で機能する理由は分からないだけど、今のぺぺなら右でも機能するだろうとは思う。
FAカップもぺぺにボールが入ってなかっただけで、ここ数試合ぺぺはずっといいプレーをしてる。
ポジション修正をサボらなくなったから相手のパスミスをカットできるのだし、毎回身体を当てて競ってるからたまに目の前にボールがこぼれるんだと思う。
ぺぺは決して寄せが速くもなければ強くもないが、このリーグではそこをサボると全部相手に持っていかれる。
結果が出たのもそうだけど、ぺぺがこういうプレーを続けてるのが嬉しい。
(ほんの4ヶ月はこんな選手じゃなかった!)
こういうプレーを怠らないなら、僕はぺぺのボールロストが多いのはある程度許容すべきだと思う。
サカにしても高確率で攻撃が完結してるのは得意のプレーに持ち込んでるからで、ぺぺもそうすればいいと思う。ボールがない時にサボりさえしなければ。
いい試合でしたねー!サカ本当に恐ろしい子・・・。もう好調時のアレクと肩を並べるくらい。セドリック→サカは明らかに、弱点をつく意思がはっきり感じられて胸がすかっとしました。パーテイがいると本当に周りがいかされますね。ああ、あとは怪我だけが心配・・・マンU戦、お互いがいいフォームで対戦するのは久しぶりな感じがしますが、無論2タテしたいですね。ESR→オーデゴール、あるかもしれませんね。週末楽しみです!COYG
3ゴールとも素晴らしかったですね!
それにしても、キーパーと一対一になる場面がこんなに見れるとは…いつもは静かな前半が嘘みたいでした!
ディフェンスに関してはレノの奮闘振りには頭が上がりません!
あとセドリックのサイドチェンジ?はFAカップのときもぺぺに通してましたし、今後も有効活用してほしいです!
早起きして見た甲斐がありました笑
良い勝利でしたね。
ペペはどうでしょうね。ボール持っていない時の前へのランの意識がより強く出てたのと、中央寄りにポジションを取る頻度が多かった印象ですね。走りながらボールを受ける意識は前から少し出てきてましたけどペナルティーエリアの中にそういう動きをするのが得点シーンでは印象的でしたね。
得点シーン以外でもランの意識や中央寄りのポジションというのは割と多くサイドに追い込まれるというシーンが少なかった。サイドで受けたときも常にESRがサポートですぐそばにフォローに来ていたのも大きい。
ペペが中央寄りの時はESRがサイド、ペペがサイドにいる時はESRがすぐ内側でフォロー。セドリックのフォローもあったり。でもESRのフォローはすごく大きかったと思います。他の選手だったら遅れることがありそうな場面でもそこにいるというくらい。
あとは相手の守備の傾向も影響したかな。中央にそれなりにスペースが出来ることもあったし、ボールがあるサイドに全体のブロックが寄る傾向も(まぁこれはペペへの影響は微妙かもですが)。
ペペが中央寄りにいる頻度が多かった(サカと似ていた印象も)、もしくは適切だったのは指示なのかどうか。もしくはシュートコース確保の為の癖なのかもしれない(妄想レベルですが)。
右サイドにいるとカットインからシュートという選択肢があるので外よりからプレイを始めてもシュートを狙う選択肢がある。
けど左サイドからだとカットインからのシュートを狙うという選択肢が取りにくいので最初からシュートの角度がある位置に位置取りたくなるのかもしれない。
またカットインからのシュートの選択肢がないのでサイドからのプレイに無理なプレイの選択肢が減ったというのもあるかもしれない。サイドからプレイをスタートするときは必然的にパスが選択肢となる。
単純に左利きなのでサイドから内側のフォローに来たESRやセドリックにパスを出しやすいというのもあったでしょうね。
リール時代のゴールシーンの動画見たことありますが、彼のプレイスタート位置がほぼ中央か左サイドなんですよね。だから元々そっちの方がプレイしやすいのかもしれない。
以前から何度かトップ下とかインサイドハーフでの起用を試して欲しいという主旨のコメントしていたのはそういうところからでもあったりも。まぁそれもこの試合はESRのフォローがあって成り立っていたのかもしれない。現段階では。そんな印象を受けました。