試合の論点
アーセナル vs リーズのトーキングポインツ。
オバメヤンのセンターフォワードは最適解を見つけたのか?
すごくね?
Today’s Expected Goals value of 2.03 for Aubameyang was the third highest of his Premier League career. Amazing what a goalscorer can do if you get them into good positions and give them good chances.
The other two were in 2019.
Prior to today his total xG for 2020-21 was 7.7
— Orbinho (@Orbinho) February 14, 2021
正しいポジション&チャンスを供給してあげると、しっかりアウトプットで返してくれる漢。オバメヤン。
彼はアーセナルに来てから初めてのハットトリックということで、少々意外な気もする。あれだけ得点を取っているのに。
でもそう考えると、それだけ彼はまとめて取らずにコンスタントに試合のなかで得点しているということで、チームにとっては非常にありがたいストライカーであるということ。まさにさまさまである。
しかしアルテタの立場を考えてみれば、ここで前回の試合につづいてベンチ予想だってありえたスランプ気味のキャプテンを抜擢して、ここまで活躍をしてくれたらこんなに気持ちのいいこともないはず。完璧に期待に応えてくれた。プレス会見でも述べていたように、チームの成功に彼の復調は欠かせないのだし。最低でもあと2.5年間はトップレヴェルでプレイしてくれないと困っちゃう。。。
さて今回はいつもは左ワイドでプレイする彼が、センターフォワードにポジションを移して大活躍したことで、オバメヤンのCFについて思うところがいくつかある。
「CFとしてのオバメヤン」については、これまでもずっと議論になっていたことはご存知のとおり。このブログでも何度も何度も書いてきた。
彼はBVBでCFとしてワールドクラスになった選手だが、そういった中央でローンストライカーとしてプレイするよりも、アーセナルに来てからずっと起用されているように左ウィンガーのほうが適役という意見もあった。起用法を見るに、エメリやアルテタらマネジャーもそう思っていたはずである(ラカゼットがいなかったら違う選択をしていたかもしれないが)。
ただ、ぼくはこれまで何度も書いてきたように、個人的にはずっとオバメヤンのCFを推していた。それはなぜかといえば、大きな理由のひとつは、今回うまくいった要因でもあると思うのだが、彼がワイドにいるとチャンスクリエイターがひとり減ってしまうことが小さくないデメリットだと思っていたから。
今回はとくに彼のうしろにはいつもより多いクリエイターがいて(しかもひとりはウィンガータイプではなく、オーデガードという中央で輝けるクリエイタータイプを選んだ)、彼のかわりにチャンスをつくってくれるし、彼は彼で得点を取るという自分の一番得意な仕事に専念できた。それがこの大活躍に功を奏した部分があることは否定できないと思う。
また、ラカゼットをCFとして使いたい理由のひとつであるホールドアップ/リンクアッププレイについて、オバメヤンもこの試合のなかで何度もミドフィールドに落ちてボールに触れては、またトップに戻っていくという縦の動作を繰り返していたのが印象的だった。あれこそ「ラカゼットは得意でオバメヤンは不得意」への反証じゃないかとぼくは思ったものだ。
やはりオバメヤンのようなストライカーのいるチームなら、フォルス9システムを使うよりも、もっともっとシンプルでよいはずという認識を新たにした。
アーセナルのフォルス9では、シュートを打てないストライカー、チャンスをつくれないストライカーという二重の無駄があるように感じる。ラカゼットの犠牲はシステム的にしかたがない部分があるにせよ、ワイドエリアでボールをもつときのオバメヤンは持ち腐れの感が拭えない。
たとえばリヴァプールがやるフォルス9と違うのは、オバメヤンと違って、サラーやマネといったワイドプレイヤーがもっと万能だからだろう。ゴール前のストライカーとしてのオバメヤンは間違いなく超一流だが、ワイドにいるときの彼は残念ながら単独ではほとんどチームの役に立たない。平均的な選手になってしまう。
またCFのファーストディフェンダーとしての役割についても、今回のオバメヤンの仕事っぷりに文句を云うものもいないはず。アルテタも「彼がプレスのトーンを決めていた」といかにも満足げだった。彼はそもそもBVBでユルゲン・クロップの下でプレイしていたのだから、あれが不得意であるはずもないのだ。
もうひとつ、得点をするにあたりワイドからゴール前に侵入していくほうがDFのマークがつきにくいというのは、オバメヤン本人も(慣れない)ウィンガーとしてプレイするときのメリットとして挙げていたことだが、彼は今回CFとしてプレイしながらも、ときにワイドに流れてプレイをしていた。ぼくはそれでいいじゃないかと思う。ずっとそう思っていた。
つまり、今回のオバメヤンのプレイは、なんというかぼくが考えるCFとしてのオバメヤンの理想形だった。周囲のセットアップも含めて。本人ももともとCFでプレイしたがっていたのだから、これが本望に違いなく。みんなハッピーである。
もっとも得点が期待できるストライカーがつねにゴールの一番近くにいて、周囲にはクリエイティヴなプレイで彼に潤沢にチャンスを供給できるミッドフィルダーズがいる。極めて自然。相手だってオバメヤンがゴール近くでずっとうろうろしているほうが絶対にイヤだろう。これでうまくいくなら、フォルス9+オバメヤンのようなシステムはいびつにさえ思えてくる。
まあ、とはいえ、今後も相手によってオバメヤンがワイドでプレイするオプションはあってよいとは思う。ラカゼットがCFのフォルス9でオバメヤンが左ワイドが100%ナンセンスだとまでは思っていない。攻撃をするうえでどちらがより効率的かというだけの話で、変化をつけたいときにオプションはあるほうがいいに決まっている。
だが、アルテタがレギュラーの11人、レギュラーのシステムを望んでいるなら、今回のオバメヤンのCFを軸にしたフォーメイションとシステムは、今後の主要なセットアップとして大いに希望が見えたのではないだろうか。細かいワンタッチのパスを回すアーセナルのミドフィールドはまるでヴェンゲルさんの時代のチームみたいだったし、4得点は自分たちのちからでチャンスをつくった結果なのだから。アルテタが今回のチームにそうとうに手応えを感じていてもおかしくはない。
夏に残り契約1年となるラカゼットの去就に影響を与えるところまでは……どうだろう。
Aubameyang’s hat-trick today was #Arsenal‘s 40th in the Premier League – no side has scored more.
He was also the 21st different player to score a PL hat-trick for Arsenal, two more than any other side.
— Tom Ede (@TomEde1) February 14, 2021
今回のオバメヤンのハットトリックはPLにおけるアーセナルの40回め。PLではアーセナルが最多ハットトリック。
前半はリーズのプレスを問題にしなかったし、ペナの角のあたりを活用したサッカーができてたのは素晴らしいと思う。あれだけ簡単に前進されるビエルサの戦術も効果がない。
でも後半ボールを前進させたのはロングボールと個人技だけで、ほぼ何もできなかった。
リーズは4-0でもちゃんと生き返ってきたし、もしフィリップスがいればもっと容赦ない攻撃だったはず。
たぶんベジェリンの意見が正しいんだと思う。
もう少し長い時間ゲームを支配できないと、本当に強い相手には通用しないと思った。
ウーデゴーアは上手いけど、少し寄せが遅いと思う。
先日エジルの試合も見たんだけど、トランジションに目をつぶれば今でも超絶に上手い。
あれですらダメでウーデゴーアを選んだのだから、もう少し戦わないと。
長々と申し訳ない、オーバのCF話も。
理想を言えばラカは不要なのかも。この試合のようにESRをウイングに置く余裕があるのなら、CFも含めたパス&ムーブでシュートチャンスを作るのがポゼッションサッカーだと思うし。
ただ現実との兼ね合いだと思う。
多少ともインテンシティが落ちるウーデゴーアを使わないとトップ下がいないし、ウィリアンもまだ機能してない。その一方でストライカーだけは大量にいる。
またリーズのように極端なマンマーク、かつガンガン前に出てくるチームはめったになくて、普通はゾーンとの併用でもっと自陣のスペースを消してくる。
それをパスワークで崩すのがポゼッションサッカーの真髄ではあるけども、少なくともこの試合よりはだいぶハードルが高いと思う。オーバにとっても、チーム全体にとっても。
逆にゾーンならワン・ツーが効きやすいし、スペースが狭くてもラカはあまり苦にしない。
そういう理由でCFラカが重要な選択肢なんだと思う。現時点では。
スミスロウにはロシツキーの香りを感じてワクワクしまっすね。
リーズはやはりフィリップスが不在だとビルドアップ時に外回しするかしょぼくボランチにつけるかだが、それをアルテタが選手にこの1weekできちっと選手にインストールできてた印象。1weekの間開くのは、アルテタのように研究+対策の人にはとても向いている印象。
あとはマンマークだから1:1で選手の質の差が結構でたっすね。フィリップス不在という良いタイミングで当たったかと。
たぶんガナはミドルゾーンで適切にブロックとプレスを両用してくるヴィラとかレスターが苦手だけど、マンマークには結構準備してくれば行けるとわかった感じ。
セドリックのタッチが多いのは納得です。ベレリンはもっとうまくなってくれると信じてた(5年前)。。
あとはサカ無双。
ナイス勝利でした!
やっぱりやらかしがなかったら普通に勝てる実力が付きつつあるのかなと感じました。
ウィリアンについてですが、流石にそろそろ片鱗くらいは見せてくれないと…。マルティネッリが不公平を感じ出したら、それこそクラブにとって大きな損失に繋がりかねませんし…。
ここ数試合マルティネッリをまともに見れてないので、そろそろ見たいですねー。
この試合のオーバは良かったですね。久しぶりに良く走れてましたね。ファーストディフェンダーの役割以外でもサボらず戻っての守備や他の人が上がって戻れない部分のカバーもしていた。ゴールも良かった。リンクアップも。この調子を続けて欲しいですね。
ウィリアンについては同意です。交代選手についても納得して見てました。次のELなりでぺぺやマルティネッリ使うならなお納得。
CMの二人が高い位置を取ることが多かったのも攻撃面では良かったかと。それもまぁ全体でのプレスが上手く機能していたからかもしれないですが。プレスを躱されたり押し込まれた後の攻撃の場面でもそれが一貫して出来るかは今後注目したいですね。体力的についていかないかも。後半は少し減った気もしますし。
相手のメンバーが色々落ちていたのもあるでしょうが良い勝利でしたね。