試合の論点
アーセナル vs トッナムのトーキングポインツ。
𝐓𝐇𝐄 𝐅𝐈𝐆𝐇𝐓𝐁𝐀𝐂𝐊 🔴
📺 #NorthLondonDerby pic.twitter.com/TvjLnaXkXu
— Arsenal (@Arsenal) March 14, 2021
NLDというビッグマッチで勝利
直近5試合勝っていなかったというトッナムに勝利。およそ2年とちょっとぶりだ。この勝利はいろいろな意味がある。
ひとつは、アルテタの強敵に対する勝負強さを再確認させたこと。
彼がアーセナルのヘッドコーチになってから、なかなかパフォーマンスは安定しないながらも、シティやリヴァプールに勝つなどビッグチームを相手に強さを見せてきたアルテタ。今回の勝利で彼は、シティ、リヴァプール、ユナイテッド、チェルシー、トッナムのいわゆるビッグ6クラブのすべてに勝利したマネジャーになった。今回は愚かなエラーをやらなかったので、なんならここにアーセナルを加えてもよい!(自分に勝った!)
またアーセナル相手の22試合で2回しか敗けたことがないという、アーセナルキラーのジョゼ・モウリーニョにもここで勝ってしまった。むしろヴェンゲルさんが悔しがりそうである。
対モウリーニョでの勝利は、マネジャーの同士の戦いも興味深いところだった。
今シーズンのToTとの前回対戦では、アルテタのビッグチーム用のプランBを逆手に取るような戦術(攻めさせる)でまんまとモウリーニョにしてやられたわけだが、クリエイティヴィティを装備した今回の<新生アーセナル>は、ド正面から攻めて実力で勝ったように見えた。アグレッシヴに前から行き、ボールを奪い、自分たちがボールを持ったときは右に左に自由自在に攻撃を組み立てるという、自分たちがほんとうにやりたいプレイをしていたように思う。
そのせいで、ToTが非常にオーガナイズされていないチームに見えるくらいだった。彼らは思ったほどPark the busもやらなかったし。
彼らは最近ベイルが復活してたくさん得点も取っていたようなので、中途半端に攻撃に色気を出したセットアップだったのかもしれない。だとすればそれが敗因だろう。実際彼はいるのかいないのかよくわからなかった(※記録ではショッツ、アシスト、キーパス、ドリブルすべてゼロ)。
われわれはあのときジョゼではなく、ミケルを選んでほんとうによかった。そう思える。
この試合の勝利のもうひとつの大きな意味は、いま現在チームが置かれているポジションから。
今回3ポインツを追加してもまだ10位という順位こそ変わらないが、じわりと上位に近づいている。試合前は7位ToTとの差は7ポインツだったが、いま7ポインツ差にいるのは5位のウェスト・ハムだ。もしここで0ポインツの結果だったなら、5位まで10ポインツ。絶望がさらに絶望的になっていたかもしれない。
われわれはこの大きな勝利でほんのわずかでも希望を残したのだ。あるいはほとんど消えていたように思っていた希望の光を見つけた。
ぼくはオリンピアコスでアルテタが「このあとに4-5連勝しないと」と話していたのが印象的に感じたものだが(今回も試合後に同じことを話している)、もしそれが実現したらと考えると非常にワクワクするではないか。
NLDは、実際の内容はどうあれ、リーグでの奇跡のカムバックを夢見させてくれる十分なきっかけになるくらいの難しい試合だった。
残りは10試合。
誰かが云っていたが、アーセナルの残りフィクスチャはリーグのなかでもかなりイージーなほうらしい。云われてみれば、今シーズンの序盤はかなりタフだったのだから、その分だけゆるくなるのは当然かもしれない。
バーンリーでドロウをやったときは絶望的な気分でシーズン終了までの試合を眺めていたものだが、いまはもしかしたらという気持ちになっている。いやまじで。
もし残り3試合あたりでトップ4が狙える位置にいたら。いまそんな夢を見られるのもこの試合に勝ったからである。このチームなら何でもできる。かもしれない。
大きな大きな勝利だった。ちゃんと強かった。
終始試合をコントロールしながら、数的優位になったはずの最後の15分で突如自信を失う
アーセナルのファンにとって、この試合のもっとも大きなトーキングポイントはやはり最後の15分だろう。
76分にエリック・ラメーラとかいうコメディアン?がカード2枚で退場になってから、アーセナルは数的優位で当然有利に試合を進められるはずなのにも関わらず、突然チーム全体がナーヴァスな空気に襲われてしまい、逆襲をくらいまくるという。
あの展開にはほんとに驚いた。
後半さいご部分のアタッキングモメンタムをご覧あれ。
思い出すのは、ウォルヴズでダヴィ・ルイスがセントオフになった試合、1-0のウォルヴズが完璧に試合を殺しにかかっていて、10人のアーセナルはほとんどまったく何もできないように見えた。観ていても絶望的な気がしたものだ。11 v 10でプレイするというのは、基本的にああいうものだろう。
ところが、今回のアーセナルはひとり多いのにむしろ相手の捨て身のハイプレッシングにたじたじになっていて、どっちが人数が少ないのかわからないくらいだった。ほとんどパニック状態。
そしてその原因をチームのなかの誰一人として理解していないようだった。オウンハーフ深くで連携が合わず、パーティやルイスがなにか文句を云い合っていたシーンに彼らのフラストレイションがよく観られた。
考えられる理由としては、ひとつはやはり最近の個人エラー問題。
この試合はレノやCBのふたりも、エラーにはかなり神経質になっているように見えた。とくにレノはショートパスかロングに行くかプレイをはっきりとさせていて、危なっかしく見える判断はほとんどなかった。そのおかげで、やらかしについては克服した試合だと云っていいだろうと思う。
だが、相手が失うものがなくなったおかげで、今度は絶対にミステイクができないというプレッシャーに突然さいなまれることになった。
仮にこれまでの個人エラー問題がもしなかったら、あそこまでプレッシャーを感じることもなかったのではないだろうか。周囲が見えていて、落ち着いてパスを回せば十分ボールキープもできたはず。なんならそこから攻撃だってできた。でも実際はボールを持っているほうが精神的に追い込まれていたという。
それと、それに関わることだが、やはりセルフコンフィデンスのレヴェルの問題があるように思う。
おそらくこのチームが成功するためには自分たちを信じる「自信」は、かなり重要な部分を占めると思われるが、一見試合ごとにそれを育んでいるように見えて、じつはそれを確固たるものにするにはまだまだ脆弱だということ。ああいう状況で、はからずもそのことが露呈したように感じる。ちょっとしたことで揺らいでしまう。
あとは、個人的にはリーダー不在も感じた。ああいった状況でチームに喝を入れる鬼軍曹。その役割はジャカやルイスに期待したいところだが、彼らも闘魂でチームを鼓舞するには疲労しすぎていたのかも。
もしサポーターがそこにいたら、彼らがチームをプッシュすることもできたはずだろうが、いまはチームのなかで解決するよりない。
こればかりは、教えられることではなく、チームでこういう修羅場での経験を重ねていくしかないのだろう。
アルテタはビッグレッスンということばを使ったが、まさにそう。今回のことをいい教訓にしなければならない。
議論になりそうなペナルティ
実際どうなのかね。ラカゼットとダヴィンソン・サンチェス。
このペナルティとレッドカードについて議論しているSky Sportsの記事によれば、ラカゼットは試合後に「ペナルティはラッキーだった。でもぼくらだってたまにはレフからいい審判も必要だよねアッハッハ」と述べたらしい。
ペペからの鋭いパスをすばらしく受け取ったラカゼットながら、左足のショットは明らかに失敗していて、その直後にサンチェスがスライディングで突っ込んできた。そしてラカゼットが振った左脚にぶつかったと。
もしサンチェスとの接触がなくても、その後にラカゼットがもう一度チャンスを得られたようにも見えず。はっきりペナルティと云うには微妙なプレイには見えるっちゃ見える。
だから、まあ逆の立場ならフザケンナ!と云いたい気持ちもわからんでもない。
だがわしはこういうときは喜んでダブルスタンダードをやる(というかアーセナルファンがアーセナルをスタンダードにしないでどうする)。あれは完全なペナルティである。ばーかばーか。
おっと取り乱した。
しかし、あの判定の是非はともかく(もちろん是だから議論の余地もないが)、ただペナルティ事例としてはなかなか興味深いものだったんじゃなかろうか。
リプレイを見れば、サンチェスのコンタクトはラカゼットのショットのあとなので「得点機会の阻止」ではないのは明白っぽい。その後のセカンドチャンスを阻止した可能性がわずかにあるか?
フットボールの試合でしばしば観られるのは、ボックス内でショッツを打ったあとの選手同士の接触で、ほとんどの場合はファウルにはならないと思う。それは得点機会と関係ないからだろうし、そのプレイが終わっていると認められるからだろう。
もしラカゼットのショットが、盛大にふかした宇宙開発だったら。GK正面でキャッチされていたら。ジャッジメントに影響しただろうか?
モウ氏の云っていることが確かならば、レフェリーが独断で(VARの意見を聞かずに)あのジャッジメントを行ったというのは、不可解ではある。
VARでチェックをしていれば、判定が覆った可能性はかなりあるかもしれない。なぜレフェリーはVARの意見を聞かなかったのか。ジョゼが嫌いだから?
やはりこういうときは、レフェリーがどういう理由でファウル認定したのか理由を開示してもらいたい。それがアカウンタビリティ。そう決めた理由が、レフェリーの頭のなかだけというブラックボックスではいつまでたっても進歩がない。
今回はまあ絶対に100億%ペナルティで異論は完全に認めないけれども。
80分まではプレミア獲れそうなパフォーマンス。
残り15分は、bottom10。いや。降格圏なみ。
それにしても、ロウとオーデガードのプレイを見てると、セスクやロシツキーを思い出す。
あの頃のアーセナルが還って来たと!
それと、オーデガードを何としても(買い取り付いて無いけど)買い取って欲しい。
ELも楽しみになってきました。
一緒に頑張りましょう! COYG!
いつも楽しく読ませて頂いてます!!
ほんとタメになるものばかりで!!
試合終わってからも
『ベイルいたっけ…?』ってなってました(笑)
ノーロンで勝つのは
本当に気持ちいいですね!!
この勢いでELもいってほしい!!
オバはセカンドレグで
ハットトリックのストレス発散で!!
これからもよろしくお願いします!!
COYG!!🔴🔴🔴
いつも楽しく読ませて頂いてます!
試合終わってからも
「ベイルいたっけ?」と思ってました!(笑)
しかし、ノーロンで勝つのは
本当に気持ちがいいですね!!!
この勢いのままELも勝ち進んで欲しい!
オバにはセカンドレグで
ハットトリックストレス発散希望です!
これからもよろしくお願いします!!COYG!!
更新お疲れさまです。ELに続いて良い調子です。試合前にひと眠りしたら夢の中で12-1でアーセナルが負けてて、冷や汗かきながら起きて見たら見事2-1で勝って安心しました。ダーティなチームに勝てて満足です。
Sh*t!!!
PKは自分も??って一瞬思ったけどまあエリア内での無謀気味なタックルはね。
いやあ相手のスーパーゴール含め見応えある試合でしたね
(ドミノピザのtweet ネタにするの面白い)
シーズン勝ち点でいえば低迷してるけどアルテタは進歩見せてくれるし、ビッグマッチ勝てるし、ほんと今季は救いがあるな。
Fuckin’ shit!!!!!!!
ティアニーとスミス=ロウの左サイドの崩しが素晴らしすぎました🤣
ジョゼさんにはいつもいつもこちらの良いところを消されて来ましたが、まさかこんなに執拗に弱点をつく試合を見れるなんて。最高!!!
ハーフタイム、ウーデゴーアがラメラと並んで歩いたのは絶対わざとだと思う。
自信と、若い自己顕示欲と、闘争心の塊。絵になる。
特に前半は素晴らしかった。
ボールサイドでCF・トップ下・ウイングの3人が厳しく当たって、しかもそのすぐ後ろにジャカがいる。そしてガブリエルがガン上がり。かなり攻撃的なプレスだったと思う。
そこで奪って攻撃に切り替わると大きな脅威になったし、一度下げて保持してもパーティやガブリエルのところで良いパスが出て再構築できてたと思う。
ジャカがかなり高い位置をキープする前半のやり方は、ぜひ続けてほしい。
高い位置でのジャカのプレスは悪くないし、攻撃でもキックの脅威があるので相手はハメに行くのが難しい。
ジャカはリスク管理とか考えると余計にプレースピードが落ちるので、前に出たほうがいいと思う。
sh※t!!!
What Do You Think of sh※t??
Tottenham!
シンプルにレイトタックルだからと理解していましたけど本人もラッキー言っていたんだったらやっぱ珍しいってことですよね。
Shit!!!
What Do You Think of shit??
Tottenham!
パーティとレノがかなりネガティブだったように感じました。しっかりと自信を取り戻して欲しいですね。最悪というほどでは決してなかったですが、TOTがもっといいチームであればそうなっていたと思います。
ともあれ勝利に乾杯。
最後の15分、ハリケーンのあのへんてこなゴールセレブレーション(なんなん、あれ?スカートめくりか?)だけは見たくなかったけど、あの位置のFK、セットプレイで正直、もうだめだ、これはやられる、と真剣に思っていました。うちの大事なガブ吹き飛ばしやがって・・・本当に好きくない。消えていたギャレルベイルも、ハムったフンミンソンも、ラボーナ、という言葉を残したドミノ野郎も(彼も結構汚いプレーしますよね・・・すぐ倒れるし)、今となってはいい思い出。いや我スカみんな讃えたい。神の子サカはちょっとお休みして、木曜はペペとマルティネッリの両翼に、オーバトップ、見たいですね。わたしはロブホにセバーヨス、マリが先発してもいいパフォーマンスが期待できるんじゃないかと思っています。North London is RED! COYG
攻勢しながら奇跡的に点を決められるお家芸を見せつつ、ちゃんとバウンスバックして逆転したのは凄かった。CLまだ行ける!(数字上)
試合最後のバタバタは何とかしたい。数的有利でゲームコントロールが出来ないのは改善できないですかねぇ。
ソンフンミンはお大事に。
ケインの糞みたいなフリーキック狙いのパタリ戦法と、悪質レイトタックルは見苦しいので誰か教えてあげて欲しい。
私もPKは厳しいなーと思ったんで モヤモヤしてたんですが、
ベン・メイブリーが「逆に DFがクリアする場面で、FWがレイトチャージしたら ファールとるんだから 当然PK」って言ってて、ちょっと納得しました。
まぁでも場所が違うんで、基準も同じでは いけないような気も(笑)
まだインプレーだったんで、審判が一旦止めて、 イエロー&治療→ プレー再開 で良いと思うんですけど。
PK貰った方だからスルー出来ますけど、逆の立場だったら どれ程の時間を 無気力に過ごすハメになったか…
ほんと 今のプレミアの審判で 信用できるの マシューエリスさん?くらいです。
ラインズマンですけど。
私はそもそもペナルティエリアの中と外でファウルの基準が変わること自体が奇妙だと思いますね。
ブログ主様が触れているVAR云々についても、モウリーニョは副審の発言を切り取って「主審の暴走」のように聞こえる言い方をしていると思いました。
モウリーニョ監督の発言にある「VARが主審に反対しようとしなかった」というのは、主審が聞かん坊になっていたということなどではなく、たんなる通常の手続きでしょう。VARは今回のような「微妙な」判定を覆せませんから。主審がビデオを観ていないというのは確かのようで、ここを指摘するのであればわかります。だとしても今回の場合VARでチェックされる対象は「サンチェスの足がラカゼットに当たっているかどうか」になるので、そこも大した問題ではないと思います。
親切なモウリーニョがわざわざ教えてくれたように、この「微妙な」PKではVARは機能しています。iPadの何倍も高機能のビデオ設備を使った上で、なお主審の判定を覆す根拠が十分でなかったというだけです。私たちは「明らかな」ハンドボールにVARを使ってさえもらえなかったこともあるわけで、これで大騒ぎのTOTのひとたちは今までいい審判と巡り合ってきたのだなと素直に彼らの幸運を祝福したいと思います。
かわいらしいモウリーニョ監督がこんなにも冴え渡る主審批判を繰り出せる理由は明確で、自身の首に向けられる視線とあれだけの選手を生かせなかった事実から目をそらすためでしょう。彼はとても頭がいいので、本心では誰が一番悪かったのかをよく理解しているはずですから。
(リプライにshitな長文ごめんなさい ぼん様 許してください((TOT😭)
横からすいません。
VAR以前はスローで確認できないんで、主にタックルの意図を推測してファウルを取ってたと思います。(前にここのエントリーでそんな話がありましたナ)
今回のも、あのタイミングでタックルに行く時点でボールに行ってないという判断でしょう。
レイトチャージでイエローが出てる以上、僕もPKにせざるを得ないと思います。
ただあれは決定機の阻止ではないので、レイトチャージを取ってくれないとPKでも何でもないと思います。ハリー・ケインがガブリエルを吹っ飛ばしたのを見ても分かるように、レイトチャージは取ってくれるとは限りませんから。その意味ではラッキーでしたね。
余談ですが僕はタックルの意図を判断するジャッジが好きです。
ラフになり過ぎないようにゲームをコントロールしようとする意図(選手とのコミュニケーション)を感じるので。
逆にVARは1cmの枝葉の違いにこだわって意図を判断することを忘れてる気がしますナ。
ふわふわさん、再建中さん
ありがとうございます。
お二人が仰る様に「VARが判断材料の1つにしかなっていない」のが問題ですよね…
VAR導入したものの、今までと大差なく 結局は主審一人の判断力に大きく左右されてしまう、と。
私は 審判も もっとチームで対応していく必要があると思うんですが。
とか言いながら、
マイクディーンのクソみたいなジャッジで負けて何日もイライラして、どうにかしてアイツを辞めさせたい!とか考えてたのとかも 思い返すと良い(?)思い出なんで、
「ミスジャッジも含めフットボール」的な理論がなくなるのは寂しくもありますが(笑)