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【マッチレビュー】20/21EPL バーンリー vs アーセナル(6/Mar/2021)同じ展開に飽きた

試合の論点

バーンリー vs アーセナルのトーキングポインツ。

試合のハイライト。

個人エラーでポインツを失うアゲイン&アゲイン&アゲイン

今回もまたなんという既視感なのか。

早々に得点をし、試合をコントロールし、楽勝ムードと思わせておいてからの、なんでもないミステイクによる失点で一気に暗雲がただよい始め……という。

ジャカの不用意なパスから生まれた39分のあの失点で、そこまでほとんど何もできなかったバーンリーに希望を持たせてしまった。失点のダメージ以上にあそこはターニングポイントだった。

彼らが勢いを取り戻したおかげでその後のアーセナルは無駄に苦しくなり、結局は2ポインツを失った。自らの悪いプレイで自らが窮地に陥るという、見慣れた自傷行為的パフォーマンス。ジャカはのどわレッドカードにつづき、今回もまたバーンリーで戦犯になってしまった。

あの失点のシーンは、ジャカにボールを預けたレノの過失を訴えたいひともなかにはいるようだが、仮に彼が無罪ではないとしても過失割合はごくわずかだろう。だってチーム全体でリスクを承知でああいうプレイをしようとしているのは、全員が理解していることなのだから。ジャカにとってあのボールはQBKでもなんでもない。ただのバックからのプレイにおけるルーティーンの一部。むしろ彼がボールを受けた瞬間には余裕があり、それが仇になったように見える。もっとタイトならもっとシンプルに処理されていただろうボール。アレはいずれにせよジャカが悪い。

要するに、アルテタが常日頃から口を酸っぱくして進歩が必要だと訴えている「意思決定(decision making)」の問題だ。正しい場所、正しいときで正しい選択をすること。フットボールは瞬時の意思決定の連続で成り立っているので、そこに一貫性をもたせることは非常に難しい。だが、だからこそそれができるのがトッププレイヤーという。

いずれにせよ彼ほどのクオリティなら、たとえそれが苦手な右足だったとしても、多少タイトなエリアだったとしても、当然らくらくとつぎのプレイにつなげることが期待される。

彼はこのところずっとチームのベストプレイヤーズのひとりだったので、このひとつのプレイで彼を責めることはあまりフェアではないかもしれない。いまチームプレイに彼の貢献がかなりあることは否定できないし。

だが、こういうチームに致命傷をもたらす雑なプレイから、彼がどうしても逃れられないのもたしか。彼はアーセナルに来た16/17シーズン以降、PLのアウトフィールドプレイヤーとしてもっとも多く失点につながるエラーズ(8)をやっている選手ということである。PLワーストとは、なんという不名誉な記録。どんなに安定しているように見えても、いつか必ずやらかす時限爆弾。

アーセナルはこの試合を含めて、直近のPLアウェイ4試合すべてで致命的(個人)エラーをやっている。過失の割合はそれぞれだが。

  • ウォルヴズ(ダヴィド・ルイス&レノ)
  • ヴィラ(セドリック)
  • レスター(マリ/エルネニー)
  • バーンリー(ジャカ)

このなかで結果に影響しなかったのはレスターのみ。この4試合(W1 D1 L2)で失ったポインツは「8」もある。

たらればながら、もしこの4試合で順当に12ポインツ取れていれば、いまPLテーブルでは5位だった。ELはもちろん、CLだって希望が持てるポジションだ。

ヴィラだけは、内容的にドロウがフェアだったかもしれない。だが、もしエミマルがラカゼットを掴んで倒したあの事案がちゃんとファウルを取られてさえいれば、われらが3ポインツだった可能性は十分にある。

こうしてこの12ポインツの現実味を思うに、これは悔やんでも悔やみきれない8ポインツだ。

この個人エラーズは、アルテタは今後どのように解決できるだろうか。以前のように(守備の選手がさらされやすい)ストラクチャの問題のようには見えない。

ほかのビッグクラブがやっているように、選手をアップグレイドするのが一番てっとり早いが、それができれば誰も苦労はしない。

見逃されたハンドボール

これはないわあ。今回もまたレフェリーの判断で、ポインツを失ったようなもの。そんなんばっかである。

PLのVAR判定の手続きは、まず相手チームがどこかをチェック。そしてそれがアーセナルなら必ず不利にする。それが鉄則だとか。

このDFのひと、このひとつ前のプレイでもぺぺにハンボーを訴えられていて、それでこの瞬間やけくそになってバスケみたいに左手を伸ばしたように見える。左手というよりは両手を広げている? バスケットボールである。

これが見逃されて一番驚いているのは、きっとこのDF氏(エリック・ピータース)だよなあ。

試合終盤で、ぺぺのショットがゴールの前にいた相手DFの肩に当たったシーンでは、レフェリーが確認もせずにいきなりレッドカードを出しているところからすると、レフェリーもここでペナルティを取らなかったことでペペには少し引け目を感じていたのかもしれない。試合によってたまに観られる「あわせ技一本」みたいなカードとか、試合中に暗黙的に選手に貸し借りをつくるみたいなことは、レフェリーの振る舞いとしてダメだと思うのだが。判定の一貫性が揺らぐ。

アルテタはこのプレイについて「あきらかなペナルティ。誰かルールを説明してほしい」と、かなり明確にレフェリーのジャッジメントを批判しているので、制裁(罰金)の対象になるかもしれない。

でも、この問題は、仮にアルテタが罰金を受けるような事態になったとしても、より広く一般に知られるように大きな声を上げるべき事案だろう。むしろもっと騒いで問題を大きくすべきと思える。こんなあからさまな誤審がまかり通ってはいけない。

百歩譲ってレフェリーのアンドレ・マリナーがこれをスルーしたのはいいとしよう(けしてよかないが)。だがVARオフィシャルがいるんだから、彼がレフェリーにモニタを観ての判断を促さねばならないはず。ヴィデオで観ているはずのVARレフがこれをスルーするとは考えられない。ケヴィン・フレンドはやっぱり友だちじゃない。ケヴィン・エネミーである。

ところで、この判断が適切だったと考える奇特なひともいるらしい(redditの拾い物画像でどこのメディアかわからない)。

“They are too close together” ふたりの距離が近いとファウルにならないというルールがあるのか。知らんかったなあ。

Chris Foyって、ホイ三兄弟のひとりだっけ? コメディアンならもっとおもしろいギャグを云ってほしいものだよね。

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12 Comments on “【マッチレビュー】20/21EPL バーンリー vs アーセナル(6/Mar/2021)同じ展開に飽きた

  1. 更新お疲れさまです。
    ジャカのやらかしで意気消沈したのか、相手のチェックが早かったのか、後半はなんだか点入りそうにないと思ったらそのまま終わってしまいました。そして今季何度目かという審判のアレ。ひたすら残念です。アーセナルが攻めきれなかった事を差し引いても、進歩がないアマチュアみたいな審判には本当にうんざり。どうにかする方法はないのか…

  2. レノが言ってるようにあれがアーセナルのサッカーだからこそ、自分でボールをもらいに来てるのに次のプレーを考えてないなんて事は許されないと思う。

    ジャカが「これもフットボールだ」と言ってたのには失望した。
    どうやらあれがミスだと思ってるらしいけど、問題は判断をミスったわけでもキックをミスったわけでもなく、ファーストタッチの時点で「判断してない」事だと思う。

    僕は入団以来ずっとジャカが中心になるチームを夢見てきたけど、本人があれで満足してるようでは無理かもしれん。
    あれがジャカにとってのフットボールなら、強いチームの中心にはふさわしくない。
    僕はジャカに出て行けとも死ねとも思わないが、「考えるのをやめるつもりならアーセナルを去るか、死んでからゆっくりやってくれ」とは思う。心から。

  3. 全くそのとおり。
    もう飽きましたね。この展開。
    ジャカ問題は、彼がチームにいる間は永遠に続くんですよね。たしかに最近はかなりいいプレイの方が多かったと思いますが、それでもシーズンに何度か必ず致命的な何かをやらかす。
    アカデミーからこのポジションのサカ的な選手が現れませんかね。

  4. ジャカは次のプレーの判断が遅いし自分のタイミングでしかプレイ出来ない、入団以来変わってない
    彼を外す機会は何度もあったと思いますけどアルテタにはシーズン終了後きっちり考えて欲しい

  5. ジャカは今シーズンは問題になってないけど
    キープ力のなさ、判断の悪さに起因するファウルもらってごまかすプレーも多すぎ
    これが失点につながってないのは本当に偶々だと思う
    トータルで観て、ジャカのエラーのワースト記録は運が悪くてこうなったってことでは全く無い

  6. 最近は失点したあとにリカバリーを見せてくれていたので期待していたのですが・・・得点が本当に増えませんね。仰る通りペペの投入時期が遅すぎたし、オーデガードとラカの交代もちょっと不明でした。もっと攻めダルマになって1点取りに行く必死さが見たかった。応援しているけど、現実的にはもう今年はELにかけるしかないかと思っています。PLは来年以降も考えると、もっと若手にチャンスを与えてほしいなあ。そういうスカッド全体をまとめる柔軟性が、アルテタには若干かけている感じがします。アーセナルの中盤というのは、足元両方使えて、得点力も創造性も献身性もキープ力も、世界最高レベルのMFじゃなきゃいけないと思うのですけど。もしくはトレイラが普通にいてくれていたほうが、ジャカもローテできてよかったんじゃないだろうか。うーん。とりあえず木曜ですね。COYG

  7. あのシーン、今まではレノからのパスはワンタッチで捌くルールになっていたと感じてたのだけど、トラップしてグラウンダーのパスコースを消してしまったのがミスと感じました。
    あってはならないミスだけど、サッカーはミスのゲーム。
    2点目を取れないのが問題なんだよなぁ。後半はずっと重かったし。最後の攻勢のどれかひとつでも入ってればよかったけど、もっと早い時間からバウンスバックして点取れるようにならなければ、ですね。

  8. 敵のプレスを剥がそうとする、積極的にアタッキングサードに侵入する、ダイレクトプレーを狙う、こんな攻撃的なMFがみたいですな

  9. ショーン・ダイチの言う「歴史」の一つはコシェルニーのハンドゴールかなぁ。

    この試合は大変にガッカリしましたが、おっしゃる通りウンザリするクロス頼みのフットボールではないので 今後に期待ですね。

  10. チェンさんの予想通りのスタメンだったら何の問題もなく勝てたかもともいう感想も。
    ジャカのミスは痛かったけどやはり得点をもっと取るべきだったし判定のこともあるかもしれないけどミスの1失点をものともしないくらいの強さは欲しかったですねこの試合は。
    それに失点の前からビルドアップで苦労する場面は出始めていて、相手のプレスが最近の相手より深くまで来るというのもあたけど、チェンバースのポジショニングも大いに苦労する要因になっていたような気がします。攻撃において極端にボールに絡めていない印象。ボールを預けられる場面でもそうされなかったこともけっこうあった。ボールを持てばパスのスピードは面白いものもあったけど。
    あとウィリアンも個人的には良くなかった。最初の得点くらいまではそれなりだったかもですが。攻め上がった時にサイドのレーンに固執する傾向だったりで内側のレーンや相手ブロックの間で受けるということをする姿勢がなかった。体力的にまだとりあえず形だけそれっぽい位置にいるくらいにしか動けていないことも多い印象。KT自体の調子も良くなかったですけどちょっと噛み合ってなかった。

    勝利を最優先するならこの2人(チェンバース、ウィリアン)は早く代えて欲しかったですね個人的には。まぁこの試合はジャカが最初からずっと調子が悪かったりで代えた方が良さげな場所が多くて難しかったでしょうけど。
    でもオーデガードの代わりにラカの投入を見てローテーション優先なのかなという印象も。体力的な交代だけどESRいなかったしトップ下の選手が他にいなかった風にしか見えなかった。EL優先なのかなと。
    チェンバースの攻撃、少なくともビルドアップでのポジショニングなどは改善しないと今後も苦労しそうな不安。今後の改善に注目します。

  11. アホばっかりで残念。
    ジャカが勝たせた試合の方が多い。
    それに、攻撃の芽を摘む回数が多いのも、危ないシーンでファールをもらって落ち着かせるのもジャカ

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