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アーセナルFCがスーパーリーグからの撤退を発表 #KroenkeOut

いやあ昨日は、リアルタイムでお祭りに参加できずに大変に残念だった。今朝自分のtwitterのタイムラインを観てそう思いましたな。tweetsで埋め尽くされている。

ESL(Eueopean Super League)がおとといに発表されて以来、参加クラブの熱心なファンのあいだでは激しい批判が巻きおこっていたことはご存知とおり。

そしてそれが各所に急速に広がりをみせるなか、日本時間で昨日の深夜、PLクラブのなかで離脱を検討しているクラブがひとつあるという憶測が流れてから、その数時間後にはアーセナルを含めてすべての6つのクラブがESLからの撤退を発表。イタリアンクラブもこれに追随する動きを見せていて、これを書いているいまの時点でまだ様子を観ているのは、ユヴェントスとバルサとレアルのみという状況。

スーパーリーグ当局も一時停止を認めた。

既存システムを変えたかった。英国クラブの離脱は外部からのプレッシャーのため。プロジェクトのリシェイプを検討する

つまりこのプロジェクトは頓挫したのだ。たった2日ともたずに。



ファンへの公開レター by AFC

アーセナルFCからファンの皆さまへ。

An open letter to our fans

ここ数日、世界中のサポーターがこの偉大なクラブと私たちが愛するゲームに対して抱いている感情の深さを改めて見せつけられました。

私たちがこのことを再認識する必要はありませんでしたが、ここ数日のサポーターの皆さんの反応を見て、私たちはさらに考え、深く考える時間を得ました。

しかし、スーパーリーグへの招待状が届いたとき、保証がないことはわかっていましたが、アーセナルとその未来を守るために、私たちは取り残されたくありませんでした。

ここ数日、皆さんやサッカー関係者の声を聞いた結果、我々は提案されていたスーパーリーグから撤退することになりました。私たちは過ちを犯しました。そのことをお詫びします。

私たちがアーセナルで成し遂げようとしていることへの信頼を回復するには時間がかかることは承知していますが、スーパーリーグに参加するという決断は、皆さんが愛するクラブであるアーセナルを守り、より大きな連帯感と経済的安定性を通じて皆さんが愛するゲームをサポートしたいという思いから行ったものであることを明確にしておきたいと思っています。

ゲームの繁栄には安定性が不可欠であり、私たちはゲームが前進するために必要な安全性をもたらすために努力を続けていきます。

システムは修正する必要があります。私たちは、ゲームの未来を守り、私たちを興奮させるサッカーの並外れた力を活用するための解決策を、協力して見つけなければなりません。

最後になりましたが、私たちにとって信じられないほど困難な年の終わりに、このような事態が発生し、非常に不安な気持ちになっていることは承知しています。

私たちの目的は、この偉大なサッカークラブのために正しい決断を下し、将来に向けてクラブを守り、私たちを前進させることにあります。今回は正しい判断ができませんでしたが、それは十分に受け入れています。

皆さんの声を聞いています。

アーセナル取締役会

www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。

ちなみに、ほかの「ビッグ6」クラブも同様の声明を発表しているが、素直に謝罪の意を表明しているのはアーセナルFCだけらしい。謝れるほうの大人!

しかしDeepLは“game”をちゃんと「ゲーム」と訳してるのは好感が持てますな。もし「試合」みたいに訳されていたら意味がしっかり伝わらなかった。

そもそもどうしてこの茶番劇がまかり通ると思ったのか?

ぼくはよくわかんないっすね。

もろもろの情報を観ていると、このオーナーシップ主導のプロジェクトの本質を知っていた/理解していたのは、クラブのボードだけで、マネジャーもチーム(選手)もその内容を知らされていなかった様子。まあマネジャーはまったく知らないはずもないので、各種のコメンツはすっとぼけの可能性が高いけども。

それと、UEFAやFIFAにFAやPLといった超重要パーティとも事前のネゴシエイションも十分じゃなかったし(少なくとも同意は得られていなかった)、TVや放送事業者も状況を様子見というスタンスで、交渉はこれからのように見えた。

個人的にもっとも不可解に思えたのは、クラブのスポンサーにすら理解を得られていなかった例があること。

リヴァプールのスポンサーであるTRIBUS(時計メイカー)がESLに抗議してスポンサーシップからの撤退を発表。

彼らオーナーシップが守銭奴なことはわかっているにせよ、スポンサーまでないがしろにするようなこの無神経さはほんとうに理解できない。クラブにとってお客さまはファンだけじゃないなんて当然ではないか。

つまり、あらゆることに目を配らず、自分たちの考えや理想だけで説得できるはずだと、突っ走ってしまった。この荒唐無稽なプロジェクトがほんとうに実施できると信じてしまった。

そんなことってある?

信じられない。

だけど、世の中で起きているほんとうに度し難く、ほんとうに理解できないことが、実際に起きていることを考えれば、それもまた現実世界なんだと思えなくもない。シュールな世の中になったものだ。

ちなみにとある調査が興味深かった。

意外に受け入れているファンもいるっていう。ユーヴェなんか半分以上のファンが賛成してる。よくわからないメディアの調査だから、あまり信じちゃいけないかもだけど。

中国とかインドとかだとむしろ歓迎されてたり?

オーナーたちの目はもっと外のグローバルなほうを向いていたかもしれない。そしてローカルからの反発の激しさに面食らった。

彼らが100年もの歴史あるフットボールクラブの本質をまるで理解していない、ただのビジネスマンだということを示すいい例だ。

われわれはKSEをアーセナルから追放できるか

さて、アーセナルFCは公開レターのなかで「招待を受けた」と、なんだかまるで他人事のような口ぶりだが、れっきとした発起クラブのひとつであり、AFCのオーナーであるKSEのスタン・クロンキはレアル・マドリッドのフロレンティーノ・ペレスとともに、このプロジェクトを熱心に推進しようとしていたひとりなのだから、どちらかといえば当事者だろう。

ここでAFCが被害者づらをするのはぼくはあまりフェアな態度とは思えないが、もしそれがフェアな態度になるとすれば、ちゃんとクラブとしてKSEと袂を分かつ姿勢を見せるときだと思う。まあ現時点でそんなことは起きそうもない。だからフェアじゃない。

ところで、この騒ぎの渦中にマンチェスター・ユナイテッドが、CEO、ヴァイスチェアマンのEd Woodwardが今シーズンいっぱいで退任すると発表していた。

Man Utd announces Ed Woodward to leave role at end of 2021

これが、ESLの騒ぎと関係があるのかどうかは明らかにされていないが、タイミング的にはそう受け取られてもおかしくはない。なにせゴタゴタの真っ最中だったのだから。

それと、ESLのプロジェクトを発起した中心人物のひとりとして名前があがっていたユヴェントスのプレジデントAndrea Agnelli も退任の噂があるようである。

これはつまり、このESLという壮大な茶番劇の責任を誰がどうとるかという。ごめんなさい間違ってましたで済む話ではない。

彼らのプロジェクトは、市井のファンから政府にいたるまで、オーナーシップの当事者以外誰からも支持を得ていないようなもので、端的に云って、この混乱を生み出したもの、フットボール世界に分断をもたらそうとしたものの罪は重い。しかも、いまほどUNITEが叫ばれていたときもないのだ。

昨日UKでは #KroenkeOut のハッシュタグがtwitterのトレンドに入ったということもあり、アーセナル界隈ではオーナーシップへの批判は大変に盛り上がっている。

クラブのアンバサダーまでが。

金曜のPLエヴァトンでは、エミレーツに集まって試合前にESLにブーイングをしようとファンがプロテスト行動を呼びかけていたが、AFCが撤退を表明したいまもこの呼びかけは止まっておらず。主旨は「クロンキアウト」に変わって行われるようだ。

今回イングランドの各クラブがESLからの撤退を決めたきっかけた理由のなかには、もちろんソーシャルメディアでのファンのプレッシャーもそうとうに影響したと思うが、各クラブのファン団体も重要な働きをした。アーセナルのファンの多くがAST(Arsenal Supportes Trust)の活動をたたえている。

彼らはぼくらのような極東のファンと違い、実際にクラブと定期的にファンズフォーラムを開催するなど現地で活動をする実働グループであり、ESLに対しても熱心にプロテストを呼びかけていた。昨日は他のクラブのサポーターズグループの代表とともにボリス・ジョンソンとのMTGも行っていたという報告もあった。そういった世界中の多くのファンの目に触れない、地道な活動があった。

この金曜のプロテスト行動の呼びかけについて、ぼくがtwitterで紹介したところ、いくつか「どうせオーナーに届かないのだから意味ない」というような意見を見かけたのだけど(引用RTされたから目についた)、そんなことはないと思うのだ。

ぼくらはどんなときも気に入らないことには抗議の声は上げるべきだし、文句は云うべきだと思っている。フットボールに限らず。黙っていたら賛成だと思われてしまう。いないものだと思われてしまう。

ぼくは日本に住んでいるのでこれには参加できないけど、そこに住んでたら絶対に参加したと思う。ESLだってクロンキだって、自分が気に入らないことについては「NO」と声を上げたい。

そういう声が何かを動かすんでしょ。ひとりの声は小さいけど、今回はみんなでESLを止めようとしてクラブを動かしたし、ぼくらはアーセナルFCを動かした。と信じたい。意味ないなんてことはない。

 

この騒動はこれで終わりじゃない。

#KroenkeOut



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8 Comments on “アーセナルFCがスーパーリーグからの撤退を発表 #KroenkeOut

  1. マネージャーが知らなかったはずがない。とまで言えるかな。
    アルテタも共謀者に違いないっていう指摘なんで、大事なとこだと思う。

    根拠があって言ってるのか、個人的にアルテタが信用ならないのか、単にリバプール戦以後イラついてるだけなのか、そこは全部書いてしまったほうがいいのでは?
    何となく思わせぶりな疑惑をチラつかされると、フライデーか何か読んでるみたいで。w

    1. いや全然知らなかったはずないでしょ。アルテタはつねづねオーナーシップともボードともエドゥともVVとも密接に連絡を取り合ってると云ってるのだから。正式に伝えられていなくても、少なくとも非公式にはクラブが何をやろうとしているかくらいは知っててもまったくおかしくない。

      それはたぶんほかのクラブも同様。でも彼らの立場としてはあの時点では「詳細は知らない」としか云えなかった。

      逆にアルテタが何も知らずにいたとして、あれだけ報道があって、それをエドゥやVVに尋ねない理由はなにかあるかね?

      でもそうであってもおれはアルテタが「共謀者に違いない」なんて書いてないし、思ってもいない。当然。

      彼は雇われのひとりで、彼の仕事はチームを強くすることなんだから、クラブが今回のようなもっと高いレヴェルの政治的な動きに加担したり、首謀者のひとりなんて思うはずもない。だいたい彼はボードメンバーでもないのだし、そもそもクラブのなかでなにかを「謀る」ような立場じゃないし。

      と一介のファンのわたくしは思っていますよ。

      1. 僕は、そうであればこそフロントがアルテタに話すわけないと思ってます。
        知らせて何か良いことがあるでしょうか?あえて教えるなら悪意としか思えません。

        僕は知ってるのに止めなかったのなら加担したのと同じだと思います。
        共謀は言いすぎかもしれませんが、消極的な幇助ではあるでしょう。
        事前にアルテタに話すということは、アルテタをそう見られる立場に追い込むという事だと思います。

        それと、ホントかどうかは知りませんが他の監督も概ね事後に知らされたと言ってます。
        僕なら絶対知らせないけどな。反対できるわけないし、賛成もできない。そんな話。

        ま、これも一介のファンの考えの1つですけどネ。

      2. あと余談ですが、だからこそちゃんと現場を巻き込んだ議論にすべきだったと僕は思います。監督や選手にも話せるような(今回の造反のようなヤバいのじゃない)話を持ってきて、公開で議論して彼らも正式に当事者にすべきだったと。

        今回のは意図はどうあれ造反なので、少なくとも大っぴらには相談できない話だったと思います。アルテタがどうかは別としても
        成功しませんわなあ、あんな密室政治じゃあ。

  2. いつもこのブログにはお世話になっています。更新ありがとうございます。
    このブログが「性的なコンテンツ」として通報されたとTwitterに書かれていましたが、Amazon Ad(写真集のAd)は十分に性的だと思っています。女性や子どもに勧めるのをためらう程度ではあります。(実際、彼女にはアーセナル情報ブログとして別のブログを進めています。ただ、通報したのはわたしではないです!)
    もちろんこのブログには普段から感謝してもしきれないですし、広告での収益化も応援していますが、女性グラビア写真集のAdには副作用もあるということぜひご理解ください。一読者の感想として。

    1. 云われるまで全然気づかなかった! ご指摘ありがとうございました。

      あの広告はいちおう職場や学校で観てても大丈夫なくらいにマイルドなやつにしとこうという自分ルールを課していたのですが、最近はいつのまにか過激になっていた。。たしかにいま貼っていたやつはアレでしたね。。まじですみません。

      子どもに見せたくないようなグラビア写真集の広告はもうストップします。

  3. 昨夜は交渉前に決裂するかもと思っていましたが、どうやらそれ以前の問題だったようですね…。
    相手が強硬策に打って出てきた時の対応策がまったくシェアされていなかったため、容易に切り崩し工作を食らって瓦解するというお粗末な顛末。
    心の底から「何がしたかったの??」と呆れちゃう。足下の反発は織り込み済みで、まだ見ぬ地平の巨大な果実を手にするつもりじゃなかったの?と。
    結果の善し悪しは傍に置いておくとして、こんな大それたムーヴを起こす割に、事業体としての覚悟が決定的に不足している。
    マネジメントは無能の謗りを免れ得ないね。

  4. 1石を投じる、というのがレアル、ユーべの狙いだったのかもしれません。ラリーガもセリエAも、プレミアリーグとは異なり2極化が激しく、下位のチームを食わせてやっているのは俺の試合だろ(=昔の巨人の日テレと同じ構造)、そこが冷や飯食っているのはおかしいだろ、的なものがあって、プレミアのオーナーはそこに巻き込まれた、という。バイエルン1強のブンデスは、収益構造がいい・チームもCOVIDの収益源でも我慢強くて、1強の不満がでないし、プレミアはそこまで不公平性を感じている訳ではないと思うんですよね(CLとELのプレミア枠増やせ、は現在の勝ち残りをみていても妥当な気がするのですが・・・)。いち早く声明だしたペップはさすが、ですが、アルテタにそこまで求めるのは酷だと思います(選手を守ることに全集中、みたいな。)でも、あの後のMTGで出した強い意志は、このクラブからのメッセージに反映されていると想像しました。やれやれ、ですね。明後日の試合は別な意味で注目されそう。

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