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新世代アーセナルを観た。22-23プリシーズン フロリダカップ・チェルシー

ファースト11

4-3-3

マルティネリ、ジェズース、サカ

ジャカ、パーティ、オーデガード

ジンチェンコ、ガブリエル、サリバ、ホワイト

ラムズデイル

 

なんと、PL初戦のパレスのスターティングと云われてもおかしくない11人。そしてジンチェンコが早くもアーセナルデビュー。

フォーメイションは、ジャカ+パーティのWピヴォットの4231だったかも。まあ、どちらにしてもプレイ中はいつもどおりだった。

あまりにもいい前半の終わり方だったので、後半はもう全員下げてもらってよかったが、サブはわりと引っ張った。

後半途中から入ったサンビ・ロコンガが最後にゴール。

ぼくが観ていた中継(チェルシーのオフィシャルサイト)映像では、そのゴールの瞬間にリプレイを挟んで歓声だけでゴールを伝えるという痛恨のミス。あれは悪意ですか?

試合の論点

ジンチェンコがアーセナルデビュー

前半45分だけながら、すばらしきパフォーマンスで大満足。

それにしても移籍発表の翌日? さすがに早いのでは。なぜこのような迅速なデビューが実現したか。

まず、彼はシティでプリシーズントレイニングに加わっていて、フィットネスが整っていたというのが大きいのだろう。夏の移籍にありがちな、バカンスから戻ったばかりのような状況なら、きっとこうはいかなかった。

あとは、本人が述べていたように、去年もアーセナルの試合を観ていたというのだから、われらのチームプレイがイメジできていたというのもありそう。さすがファンである。

そして、もちろんアルテタのコーチングに慣れていること。アルテタも「彼は、わたしがやりたいことを理解している」と述べているくらい。説明いらず。理解が早い。

これは、ジェズースにも云えることかもしれないが、ペップとミケルのふたりのコーチが同じ思想を共有していることが、かなり役立っていると云える。いずれハーランドも。

こんなに準備万端な新加入選手はそういない。

うれしいのは、彼がただ試合でプレイしたというだけでなく、LBとして、随所に光るところを見せたこと。

観客がどよめくほど正確なダイアゴナルなロングボール、1 v 1での個人スキル、マルティネリ・ジャカとの三角形、右足でのシュート(思わず利き足を確認してしまった。もちろん左)、対人守備、プレス耐性。

思い返すに、一度だけ、かんたんなパスミスをやっただけで、あとはもうこのチームでしばらくプレイしているんじゃないかと思えるフィットぶりで、まったくシャイなところもなく、ほとんど満点のデビューだったように思う。

これは、KTはフィットネスを取り戻してもストレイトにポジションに戻れるとは思わないほうがいいかもしれない。

ジンチェンコが本番でもあのようなクオリティでプレイするなら、KTといえども彼からポジションを奪い返すのは、かんたんではなさそうだ。

サリバのRCBとホワイトのRBが定着するか

ポジションを奪い返すという意味では、トミヤスもいま心穏やかではないかもしれない。

この2試合でアルテタは、サリバのRCB、ホワイトのRBをテストしているようだが、これはかなり手応えがあるんじゃないだろうか。すくなくとも、RBとしてのセドリックのペッキングオーダーは下がったように感じる。いろんな意味でホワイトのほうが優秀に観えるし、アルテタのやりたいプレイにも合っている。

サリバは、試合(の流れ)を読める選手だという評価があるが、彼のプレイを観ているとまさにそう実感する。味方のカヴァリングが上手で、ボールがどこに出るか予測できるから、なかなか裏を取られない。多少、相手に抜け出されても走って追いつくスピードもある。彼は、あのキリエンバッペにうしろから追いつくくらいだし。。

また、ボールを持ったときの落ち着きも非凡だろう。多少プレッシャーがかかっても、まったく動じない。21才にして、CBに必要なものをたくさん持っている。さすが、世界最強の一角であるフランスのシニアNTに選ばれるだけある。サリバには期待しかない。

そして、ホワイトのRBもかなり安定している。ポゼッション時に右ハーフスペイスに陣取るInverted FBの役割にマッチしているし、今回はRBらしいオーヴァーラップもあった。

もちろん、ただのフレンドリーマッチで真価を評価するには早いが、アルテタがこのUSツアーでポジティヴな印象を得たと述べているなかには、確実にこのふたりが入っているように思う。

以前なら、ホワイトとサリバがRCBを競って、トミヤスはRBのレギュラーというふうに多くのファンが考えていたと思うが、こうなるとトミヤスが戻ったときに、ホワイトとすんなり交代になるかどうか。ホワイトをCBに戻すと、今度はサリバをベンチにせねばならないというジレンマもある。トミヤスがRB復帰で、サリバがRCBを確保、50Mがベンチ? それもなあ。

アルテタにとって、オプションが増えるのは歓迎。しかし、スクワッドの厚みが増せば増すほど、こうしたジレンマが各所で発生するのは避けられない。ビッグクラブの悩み。

超プライオリティのPLで、アーセナルがどのようなチームでプレイするかが問題だ。

チームの進歩はケミストリ

アルテタが、試合後に「このチームはかなり進歩している」と述べていたのが印象的だった。

それは、この試合を観た多くのファンも実感しているんじゃないだろうか。

とくに今回の試合はフレンドリーとはいえ、チェルシーはCLを取るようなヨーロッパのエリートクラブのひとつ。いまの彼らを、あれほどいらだたせるようなパフォーマンスができるようになるとは、よくぞここまでクオリティが戻ってくれたと思う。エヴァトンもチェルシーも、アーセナルのプレイにだいぶいらだっていたという事実は、われらの進歩を示すものだろう。

ここ数年のアーセナルの弱さ、ひどさ、泣きたくなるようなチームプレイの醜さを思い返せば、なおうれしい。相手ディフェンスの外側をU字でボールを回すしかできなかった、あのドジでのろまなミッドテイボーチームがなあ。。

そして、この試合後半にジンチェンコが下がると、アーセナルの勢いがなくなっていったようで、それを観て感じたのは、やっぱりチームはケミストリだなと。よき相互作用。

11人はシンプルな足し算ではなくて、11人のクオリティが上がれば上がるほど、チームとしてさらにクオリティが上がるのだよね。装備を一式揃えると、守備力がその装備の合計になるだけでなく、ボーナスのアビリティがつくみたいな。今回はジンチェンコでひとつ装備が欠けて、チームのなかの彼のクオリティ成分がなくなっただけでなく、チーム全体でボーナス効果がなくなってしまったようだった。

アーセナルはこの夏に、アルテタが望んで獲得した選手たちでかなり理想のチームに近づくだろう。去年は右サイドを強化し、今年は左サイドの強化。ストライカーもハンドリングに苦労したオバメヤンとラカゼットから、アルテタが熱望したFWがやってきた。

今回のスターティング11だと、新時代のチームのなかで唯一ジャカだけがやや旧装備という印象は否めないが、仮にそのポジションにアルテタがほんとうに望んでいる選手が加わったら、このチームのクオリティはどこまで上がるか。ポテンシャルは計り知れない。そんなふうに思える今回の試合だった。

夏の移籍ウィンドウは、まだ一ヶ月以上ある。

22-23は、誰もが驚くようなアーセナルのシーズンになるんじゃないかと、期待せずにいられない。

その他試合について

  • 今回はマリアさんの訃報を受け、アーセナルの選手たちは喪章をつけてプレイ。あらためてRIP
  • フロリダカップ優勝
  • MOTMはジェズース。彼はすごい
  • サカのゴールセレブレイションにマルキーニョス。彼はブラジリアン先輩に囲まれて楽しそうだ。早くなじんでよかった。後半のプレイもなかなかのものだった。アーセナルが残した補強ポインツのひとつはRWだが、まさか彼?
  • チェルシーは全体的にとくに手を抜いている様子はなかった。やっぱりそうだったようだ。あやつら危険なプレイをやりやがって。滅亡しろ

試合については以上。

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One Commnet on “新世代アーセナルを観た。22-23プリシーズン フロリダカップ・チェルシー

  1. アタランタは343でインテンシティの高いフットボールをやるのでアスリートタイプのヌーノに合ってると思います。
    おそらく左のWBで使われるでしょうけど、彼の神出鬼没さに磨きがかかる一方でらコラシナツ親方みたいな3バックシステムの左WB専用機になる可能性も高いかと笑

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