hotいま読まれているエントリ

Arsenal, Arteta, Match, UEFA EL

【マッチレビュー】22/23UEL ボード/グリムト vs アーセナル(13/Oct/2022)タフな試合でも3ポインツ。連勝で勢いをキープ

試合の論点

Bodo/Glimt vs アーセナルのトーキングポインツ。

ひさしぶりに敗けもありえた試合

ホーム&アウェイで2試合プレイして、あらためてBodo/Glimtは、非常にいいチームだったなと。

先週のエミレーツでの試合のときも思ったが、ボールを持っていないとき、つねに天地がかなりコンパクト。ピッチの中央エリアを使わせない意図が徹底していた。そして、チームプレイ全体がかなりオーガナイズされていた。プレス耐性もあるし、ロングボールに頼らなくてもちゃんとボールも前に運べる、とてもモダンなチームだった。

ただ、彼らはフィニッシュに大きな問題を抱えている。今回も、「なぜそれが入らない?」みたいなショットが多かった。もし彼らの攻撃に、PLでプレイできるレヴェルの選手がいたら、アーセナルはこの試合で2-3点は失っていてもおかしくなかった。

この試合はELのこのラウンドとはいえ、現在PLリーダーのアーセナルの試合だから、それなりに世間の注目もあっただろう。彼らのレフトバック、それとマネジャー(Kjetil Knutsen)は、多くのクラブのレーダーに引っかかったかもしれない。

いっぽうでアーセナルは、とても悪かったというわけではなく、アウェイでよくやったとは思うが、やっぱりエナジーや集中はいつもどおりではなかったなと。人工芝でおっかなびっくりでもあったのだろうか。

こんな試合でも、ちゃんとゴールして勝てたのは、チームの勢いもあるのだろう。

悪くても勝つ(べつに悪くないけど)、それが強いチームだから。

これで今シーズンのアーセナルは、PLクラブのなかでもっとも勝っているチームに(※すべてのコンペティション)。

このチームは、どこまで行けるのか。

マット・ターナーの評価

アルテタの試合後コメントにもあったように、この試合で上々の評価だったアーセナルのひとりは、GKのマッティ・ターナー。

失点を防いだ印象的なセイヴもあったし、ボックスを飛び出すスウィーパー役もうまいことやっていた。相手GKも参加した試合終盤のコーナーでのパンチも強かった。

そもそも彼は、アメリカでもNo.1のショットストッパーだったので、そこはようやく実力を発揮する機会に恵まれた。

そして今回は、彼の配球(distribution)が称賛されている。先週のパフォーマンスもあり、彼が若干疑問視されている部分。パスは23/33(70%)、ロングボールは11/21(52%)だった。

先週のホームでは、パスが19/30(63%)、ロングボールが5/15(33%)だから、数字のうえでもかなり進歩があったのはたしか。

今回はフルバックへの、OTT(頭上)のパスがけっこう効いていただろう。あれは、ほとんど成功させていた。

ただ、個人的には、アウトフィールド選手なみのパス技術が要求されるモダンGKとしては、オプションの選択には物足りなさも感じた。相手のプレッシャーがあるなか、せっかくサリバやロブホがパスの受け手としてポジションを取っているのに、彼は躊躇なく(そちらをあまり意識せず)ロングボールを蹴ってしまう。

アウェイで安全第一でプレイすることはもちろん悪いことではないが、アーセナルのGKに期待されるのは、ああいった場面で多少リスクがあってもショートパスにこだわる部分だろうと思う。すくなくともパスのオプションは、しっかり確認したうえで最善のオプションを選んでほしい。今回なら、もっと仲間を信頼してショートパスを選ぶべき場面もあったと感じた。

これはたぶんバックからのプレイへの慣れや、覚悟(度胸)の問題なので、彼にはチャンスを得たときにはもっとチャレンジングなプレイをしてもらいたいと思う。彼にはタフなタスクだが、アルテタのアーセナルでGKとして成功したいなら、どのみちやるしかないのだ。

よかった選手とそうでもなかった選手

この試合でいいプレイをしていた選手のなかでは、No.6でスタートしたサンビ・ロコンガはとくによかったなと。

彼のポジションは、つねに相手選手がたくさんいて、ビルドアップの局面では時間も空間もかなり限られていた。しかし、それでもあの狭いエリアでうまくボールを前進させていた。

ボールを前にひょいっと出してから相手を抜いたり、あるいは足元にボールを置いたままのターンが秀逸だった。もちろん、あのエリアでボールを失えば大ピンチになってしまうので、ああしたプレイをするのは勇気がいるが、彼はそれをよくやっていた。相手が周囲に何人もいるということは、そこを抜ければチャンスが生まれるのだから、あれは必要なプレイだった。

あまりよくなかった選手としては、LBポジションで若干危機的状況にあるKT。残念ながらこの試合の彼は最高ではなかった。

彼は、これまでよりももっとInverted FBを意識していたようで、ポゼッション時は3-2-5の2のひとりとして、よりインサイドでプレイしていたような印象があった。が、仮にあれがジンチェンコだったら、あそこでもっとゲイムメイキングしていただろうことを考えると、やはり彼のよさはそこではあまり活きないと感じたものだ。彼はもっとオーヴァラップして、ウィンガーのようにプレイするような攻撃的ウィングバックロールが合っている。ボールを持って味方を使うというよりは、味方に使われて活きるほう。

アルテタは、今シーズンはとくに、チームビルディングでもう選手にシステムを合わせるフェイズだとは思っていないかもしれない。ジェズースやジンチェンコのような、システムに合う選手が加わっている。となると、今後LBのあの役割では、ジンチェンコはおろか、トミヤスのほうがKTより優先される可能性も否定できない。

KTの今後は、注意して観ていくとしよう。

それと、ネルソン。彼は、もちろんこの試合で活躍してやろうと期するところもあったろうが、アルテタを納得させられるまではいかなかった。せっかくひさしぶりにスタートしたというのに。

結局、彼のポジションなら、ゴールやアシストの直接的なゴール関与が求められるが、攻撃ではいくつかいいクロスがあったくらいで(クロスボールは1/3)ゴール付近での見せ場はほぼなかった。ドリブラーとして、左ワイドのエリアでなんとかうまくやろうとトライはしていたのだが。

もちろん、アルテタに愛想をつかされるほど悪いパフォーマンスではなかったが、新契約に前進したとも思えない。

このままでは、彼のチャンスはどんどん小さくなってしまう。なんとかしたい。

この試合については以上。

ELグループステイジ(グループA)GW4 (3)の結果

アーセナルはP3でW3。グループトップをキープ。PSVとの一騎打ちっぽくなってきた。彼らと直接戦う来週と再来週がアツい。

ところでPSVのGDがおかしなことになってる。どうもZurichにホーム・アウェイでG10のようだ。

そして最近話題のコーディ・ガクポ。

彼は、ハーランドよりすごいという。これはすごすぎてすごい。

冬ウィンドウで、アーセナルがガクポに行くのかどうかはわからないが、ここで直接選手をチェックできるのはいいな。アーセナル戦での彼のパフォーマンスによっては、クラブも考えを変えるかもしれない。対戦相手の選手を直接観て興味を募らせるのは、けっこうあるあるだ。

 

さて、アーセナルのつぎの試合は日曜のPLリーズ(A)。ELグループステイジと違って、こっちは超本番。最初から最後まで、アドレナリン全開でプレイする必要がある。

やっぱりフットボールは、本気の本気じゃないとおもしろくない。日曜の試合は、今回の試合の何倍もおもしろいだろう。楽しみ。

ではまたこのブログで。

COYG!



※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

4 Comments on “【マッチレビュー】22/23UEL ボード/グリムト vs アーセナル(13/Oct/2022)タフな試合でも3ポインツ。連勝で勢いをキープ

  1. 無敗優勝よりも前からアーセナルの大ファンである古参です。
    このブログにも、長く親しんできました。

    ただ、今回の記事に、どうしても見過ごせない表現がありました。

    【Bored/Glimt】……
    あまりにもひどい。
    この試合が退屈だったのは、むしろ見せ場が少な過ぎたアーセナルの問題だと思います。
    それを、相手チームの名称の一部をモジってこのような表現に変えるなど、ただの侮辱です。
    そんな意図は無かったのかもしれませんが、これは意図の有無の問題ではありません。

    さらに言えば、正しい表記は【Bodø/Glimt】です。
    固有名詞の表記を間違うのも、やはり侮辱です。

    たとえばこれがスパーズに対するものであれば、両チームの強烈なライバル関係から、こういった揶揄?もまだ分からなくはありません(それでも個人的には控えるべきだと思いますが)。

    しかし、まったくそうではないチームに対し、あまりにもリスペクトに欠ける表現ではありませんか?

    1. 同感です。チームの名前を弄ってネタにするのは、ほんの冗談でもよろしくないと思いますね。

    2. それなら全てのOdegaard表記に文句言っておいでー!Ødegaardじゃないと侮辱になるんでしょう?

  2. メンバーを落とせなかったのは、グループリーグを1位通過と2位通過でだいぶ違うからかなと。2位通過だと、CLの3位とプレーオフ(ホーム&アウェー)を戦うことになって、試合数も増えることもあるのかなと思いました。

    ELのレギュレーションは昨シーズンから変更になってるようですね。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *