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【マッチレビュー】22/23EPL トテナム・ホットスパー vs アーセナル(15/Jan/2023)8年ぶりのNLDアウェイ勝利!

試合の論点

ToT vs アーセナルのトーキングポインツ。

8の勝利

ホームのToTは、去年10月のエミレーツで観た彼らよりもずっと積極的で、攻める気マンマンだった。

ぼくは試合プレヴューエントリで、前回試合のときの弊ブログの過去エントリ(@エミレーツ)をチェックしてほしいと書いてしまったのだけど、アウェイとホームじゃメンタリティが全然違っていて参考にならんかったかも。ごめんね。少なくともある時間帯を除いては、彼らはディープブロックみたいなものはやっていなかったし。カウンターの意図もそれほどなかった。

彼らは、思ったより前に出てきた。

だが、その圧に屈せずに抗ったのがアウェイチームだった。かなり敵対的雰囲気のなかでも、やられてもやりかえす。

そのおかげもあり、序盤はお互いにオープンになりフットボールの試合として観ていてたいそうおもしろかった。いや、おもしろかったのは、単純にアーセナルがチームプレイのクオリティを観せていたからかもしれない。それは試合後のコンテだけでなく、相手選手ですら認めていたことだった。

ボールを持たれても終始落ち着きを失わず守り、ボールを奪えばカウンタープレスにも臆さず、冷静に、根気強くビルドアップ。少ないタッチで正確に仲間を見つけていき着実にボールを前進。ファイナルサードでは、サカのようなチームのストロングポイントを最大限活用した。

とくに前半は今シーズンのアーセナルでは、ベストパフォーマンスのひとつだと多くのファンが感じただろう。ボールを持って、自分たちが試合をコントロールしているという実感がかなりあった。3-4点入っていてもおかしくなかった。

アーセナルは前半に2点をリードしたこともあって、後半は相手にやや勢いづくのを許したが、ラムズデイルのビッグセイヴもあって結局2-0クリンシートで勝利。これでリーグダブルである。

ワールドカップのあと、ブライトンから始まるタフな4連戦(ブライトンA、ニューカッスルH、ToT A、マンU H)が、アーセナルの今シーズンを占ううえでいかに重要かという話があった。現時点で、P3 W2 D1 L0でポッシブル9ポインツのうち、7ポインツを得た。ニューカッスルにはポインツを失ったので最高とは云えないが、相手を考えれば、ほとんど理想的な結果だろう。

これで勢いとさらなる自信をもって、つぎのマンUにのぞめる。

この週はマンUもダービーでシティに劇的逆転勝利とさらに勢いづいていて、一部には、アーセナルとマンUというかつてのイングランドのトップ2時代が戻ってきたという論調もある。もちろん、そのようなことを語るにはまだまだ時期が早いだろうが、とにかく、つぎのマンUで結果を出して、タフな4連戦を締めくくりたい。

これおもしろい。今回の試合と「8」の因縁。

  • 「8」年ぶりNLDアウェイ勝利
  • 前回の勝利ではアルテタが「8」
  • 今回は「8」のオーデガードがウィナー
  • 「8」試合ぶりNLDアウェイ勝利
  • 「8」ポインツクリア

ノースロンドンのパワーシフト(今度こそ)

この結果は、いまのアーセナルの状況、これまでのお互いの関係・歴史から観ても、あまりにも大きな勝利だった。

とくに、ファンの感情的に、もっとも勝ちたい相手にしっかりと実力を出して勝ったこと。まぐれじゃなく。アウェイで。ToTはべつに弱くはなかったが、クオリティはどうみてもアーセナルが勝っていた。これは、たしかに3ポインツ以上の価値がある。

アルテタが来て以来、ノースロンドンのパワーシフトを感じる瞬間は、これまでにも何度かあったのだが、この8年ぶりという敵地での勝利は、それをさらに実感させるものだと思う。

ひとつの場所で8年も勝てなかったというのはやはり尋常じゃないし、それが最大のライヴァルとなれば。それだけアーセナルのファンのうっぷんは溜まっていた。

それを打破してくれたミケルと仲間たちにマジ感謝。

ノースロンドンのパワーシフトという意味で、さらにわれわれにとってワクワクするのは、この先に起きそうなことだ。現時点における両者のチーム状況は、対照的ということ。

彼らのチームのメインメンは高齢&忠誠心に難ありで、近い将来の世代交代は不可避であり、その成否によってはチーム力に影響が出るのは必至というのが現状だろう。選手個人への依存度が高い。

メジャーなトロフィがほしいエースはキャリアのピークが終わりに近づきつつあるいま、ビッグクラブに移籍したくてソワソワしているし、ソン・フンミンの今シーズンの不調を観るに(今回も以前の彼なら簡単に決めそうなショットを外していた)彼らのチームのピークは、あのCLファイナルだったかもしれない。

いっぽうわれらのチームはプロジェクトを始めたばかりの、これから築いていくチーム。

これだけ結果を出してさえ、まだまだ完成度を上げていくフェイズにいる。それに結果が出ているいまも複数人で成果をシェアしていて、彼らのように個人のタレント頼りにはなっていない。明日にはもっと期待できるチーム。もちろん、このチームのピークはこの先にある。レギュラーチームの年齢を考えれば、ピークは来年や再来年ですらない。もっともっと先にある。

つまり、彼らの不明瞭な未来に対し、われらの未来はかならず明るい。やったね☆

もうこのあと数年は、どんな場所でもアーセナルが勝ちつづけるくらいの差はつけたい。

今回もジンチェンコがすごい

今回の試合では、MOTMのラムズデイルはじめ、オーデガード、パーティ、サカの右足など、ほめたい、ほめちぎりたい選手がたくさんいるが、個人的にはジンチェンコをほめちぎりたい。彼はほんとにすごいっすな。彼のプレイを観るたびに毎回感心してる。あたしもペンネームをアーセナル・チェンコにしようかしら。

彼がいるといないでは、たぶんアーセナルのビルドアップのクオリティに如実に差が出ると思う。

オウンハーフのタイトなエリアでボールを持って囲まれても、びっくりするほどの落ち着きとプレス耐性があって、そこから繰り出すパスには意外性があって、なんならドリブルで単独突破して。プレイのオプションが多彩だから、相手が先を読めない。そういう選手にプレッシャーをかけるのは、だんだん億劫になるはず。なぜならどうせ効かないから。ちょっとサンティ・カソルラを思い出す部分すらある。

一度、たしかジャカとのコンビネイションで彼が1-2パスを思い通りに返してこなかったことに、珍しく不満を表していたシーンがあって、あそこはプレイにヴィジョンがあるというか、先の展開も明確にイメージしてプレイしているように思えた瞬間だった。

実際の試合のなかで彼はLBというより、もうほとんどCMとしてプレイしているが、おもなポジションは左ハーフスペイスでも、よく中央のパーティの位置とかぶっているし、この試合ではなんならいつもはオーデガードがいる右のハーフスペイスでプレイしていた時間さえあった(サカとオーデガードのうしろ)。自分が主役としてボールを持ってゲイムメイキングをやる気マンマン。

つねにボールを要求するオーデガードみたいな暑苦しいほどの存在感。

ちょっと前に、彼の“Line breaking passes”のスタットがかなり優秀という(リーグトップ?)話題があって。ラインブレイキングのパスというのは、文字通り、相手ブロック守備のいわゆるライン間(between the lines)にパスを通すことで、つまりそれはクリエイティヴィティを示す指標。※Line breaking passesは、最近いろんなところでよく見かけるようになったと思ったら、Optaがわりと最近提供を始めたスタッツのひとつだとか

彼のような選手がチームに加わったことは、ほんとうに大きかったなと。今回も実感した次第。

このまえ、ある場所で「アルテタの理想の8」「ジャカの後継者」のようなテーマのトピックを興味深く読んでいて、そこでは理想の8として、ジンチェンコのことがあまり言及されていなかったのが不思議だった。たしかに彼はいまのポジションでこれ以上できないくらい、うまくやっているけど。

もし、いまLBにジンチェンコのようにプレイできる選手がいたら(それこそアルテタが当初望んでいたリサンドロ・マルティネスとか)、ジンチェンコをジャカのポジションで使いたいでしょう。Box to boxでプレイできて、クリエイティヴィティもあって……と、これはオフトピックなので、また別の機会にしよう。

あとは、ジンチェンコはやっぱりアツいキャラクターがいっすよね。フルタイムで、チームでアウェイファンにあいさつにいったときのあの盛り上げようったらない。

いろんな意味で貴重なキャラクター。チームに必要だったもの。

結論、ウクライナの選手はチームにひとりで十分だった!(やけくそ気味)

 

この試合については以上

 

おまけ

これに触れるのを忘れちゃいけない。試合後の事案で、素晴らしいミーム素材が爆誕していた。現時点でLikeが5万以上。うまい具合にジャカにブラーがかかっているのがウケる。

この試合は忘れても、インターネッツでこのネタを観ればきっと思い出せる。

※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

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