試合の論点
WHU vs アーセナルのトーキングポインツ。
みずからのクオリティに慢心する未熟なアーセナル
結果に関しては、今回もさらなるVAR事案だったりと議論はあるのだが、いずれにせよ、試合の流れを変える決定的な原因となった最初の失点はそもそも不必要だったし、あってはいけなかった。
そのきっかけはパーティの軽いプレイだった。
試合スタートからアーセナルがボールを持ち、2-0でリードと、ほとんど完全に試合を支配するなか、ライスが猛烈な勢いでプレスをかけようとしているのに、KTからパスを受けたパーティはボールを浮かせてかわすようなテクニックを見せようとして?奪われる。あそこはライスのハンドボール疑惑が濃厚ながら、そもそもローンDMがあんな危険なエリアであんな軽率なプレイをしてはいけなかっただろう。
そして、ビッグガビがボックス内でパケターを倒してファウルを取られる。ペナルティ。そこもVAR事案だが、それはあとで。
あの時間帯のアーセナルは、ほとんど完全に試合を支配していた。そのなかで生まれたふたつのゴールもあった。スタンドからはアーセナルサポーターのチャントばかりが聞こえ、どちらがホームチームかわからないような雰囲気で、彼我のクオリティ差をピッチ上の選手たちが実感していた。
なので、それゆえの慢心という感じだったように思える。試合後は、あのプレイによってパーティが批判の的になっていたが、あのときチーム全体にもそういう空気は蔓延していただろう。ジェイミー・キャラガーは、あれを「overconfidence(自信過剰)」のように指摘していた。2ゴールして早々に攻撃のギアをゆるめるアーセナルのチームは、もう試合に勝ったつもりでいたみたいだった。なんか既視感ある。
🗣️ “This idea that Arsenal have bottled the nerve, I think it’s completely the opposite. The problem Arsenal have had is they’ve got complacent, they’ve got cocky.”@Carra23 says it’s the overconfidence from Mikel Arteta’s players that has cost them pic.twitter.com/G2QeEgA5gH
— Football Daily (@footballdaily) April 17, 2023
そこは、ほんとうに拙かったなと。30分のパーティとライスのシーンはとくに、このチームの若さ、経験不足、未熟さが露呈した瞬間だった。自分たちを過信して、勝負の厳しさをあなどった。
これはリヴァプールのときとは違い、もっと自身の身から出たサビのような感じで、いかにももったいなかった。もし、この2ポインツでシーズンが決まるなら、悔やんでも悔みきれないほどの重さ。
この件について、試合後のソーシャルメディアでは、成熟したシティといまの未熟なアーセナルの決定的な差、のような言説をいくつも見かけた。
もちろん、しょうがない部分もある。実際若く未熟なのだし。アーセナルのプロジェクトがスケジュールの先を行ってしまっているのはたしかなのだろう。もしかしたらアルテタですらそうかもしれない。
しかし、このような重要なときに、そういうところが出てしまうとは、ファンとしては頭を抱えるしかない。
それがフットボールってやつなのか。
シティとの直接対戦がすべてを決める?
というよりアーセナルはもう彼らに確実にポインツを落とさせるには、そこで勝つしかない。こうなるような気はしていたけど、やっぱりこうなっちゃったかあ。
この試合の前まで、アーセナルはつぎのPLサウサンプトンで勝ち、シティが2試合未消化を残すなかで、9ポインツ差をつけてその日を迎える皮算用だった。
それが、今回の結果を受けて現時点でのポインツ差が4。
つまり、どういうことか。そういうことだ。
ただ、今回のような試合を観るに、アーセナルはシティとの試合以外の試合を心配したほうがいいかもしれないね。WHUのプレヴューでも書いたように、結局こういう試合だって史上最大のビッグゲイムだって同じ3ポインツで、取りこぼさないのが勝利への道なのだから。いくらインフォームのシティだって、残り全試合に勝つ保証はどこにもない。
今回のVARコーナー
毎度おなじみ。恒例のVARですよ。
— Eduardo Hagn (@EduardoHagn) April 16, 2023
ライスのインターセプションのシーン。ハンボーじゃね?
ビッグガビは、パケターに触ってなくね? ポーズおもしろい。触る前にころんでるからむしろシミュレイション。
どっちもちゃんとVARしてくれたんですかねえ。
ちなみにライスのハンドボールは、PLの元レフェリーのなんとかさんによれば、ビルドアップ中のプレイだったからチェックしていないんじゃないかとかなんとか。いや、そりゃないだろ。マンUでマルティネリのゴール取り消したじゃねえか。
最近はますますライスとアーセナルのリンクが報道されていて、アーセナルに来たらこのときの真相を話してくれるのかもしれない。まあそのときは、すでにクソどうでもいいことになっているだろうが。
キャプテンにサインもらってる? 甥っ子に頼まれちゃって的なやつか。
この試合については以上
ティアニーを使うなら、ティアニーに中を取らせるのではなくて、ホワイトがその役割をやった方がいいのではと思った。前回のリヴァプール戦における途中交代もそうだけど、それに適した、あるいは水準に達した選手がいないにも関わらず、カタだけやってしまっている感。もちろん、うまくいっている形式をシーズン途中で変えるリスクや選手へのマネジメントを考慮しているのだろうけど、アルテタはもう少し選手の特性に合わせて柔軟に戦術を組めるようになるべきだと思いました。ティアニーはジンチェンコじゃないし、ホールディングはサリバじゃない。
ホワイトの攻撃の関与を減らしたくなかったのかなと思います、実際アシストしているので。
ですが、さすがに後半にはティアニー大外にするとか修正してほしかったですね。
ありがとうございます。ビルドアップ時の話なので、押し込んだらホワイトも攻撃に関与すればいいんだと思います。あと個人的にティアニーは大外にはらせるというよりも、それこそ今のホワイトのように3バックの一角になりつつ、機を見てオーバーラップというイメージです。ジャカには高い位置を取らせたいでしょうし。
アルテタ初年度のFA杯とったときの3CBの左感、思い出しますね。
ティアニーなら、大外の典型的フルバックをさせる。
ジャカはジンチェンコのいない分重要度下がるからジョルジーニョをスタートさせるかもっと早い時間で入れる。
こういうのできないんすかねアルテタは。
ネルソン投入も遅かったですしね。
今のガナはスカッドが薄くシステム的にフレキシブルに動かせない(アルテタがやらない)のが弱点ですねぇ
タフな試合展開でオーデガードを変えるのはよくわからん。
オーデガード、ジェズス、チェンコがいないとチーム内で引っ張る人が明らかにいない。若いチームだなぁとやはり思いました