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【マッチレビュー】23/24 UCL RCランス vs アーセナル(3/Oct/2023)今シーズン最初の敗けとサカのケガ

試合の論点

RCランス vs アーセナルのトーキングポインツ。

サカのプレイ時間マネジメント。トッププレイヤーはすべての試合でプレイすべきなのか問題

今回またブカヨ・サカがケガで途中交代を強いられた。

彼はこの試合で使うべきだったのかどうか、この件は、ファンのあいだで試合後もアツい議論になっている。

まず、ポストマッチのプレス会見で「サカの起用を後悔してないか?」のような質問にもあるように、マネジャーとしてアルテタのサカの使い方について、やや疑念を持たれている。

ただでさえ、サカは最近はケガのリスクが危ぶまれていたのだから、この試合であえて彼を起用しないやりかたもあった。とくにこのあと週末に超重要な試合が控えていればなおさら。ぼくも含めて、一般のファンもそう感じたひとが多いんじゃないかと思う。

ただ、結局選手のフィットネスに対する評価は、われらのような外野がいくら騒ごうが、毎日選手を間近で観ているアルテタより正しい判断をできるわけではない。今回アルテタはサカは問題なかったと主張しているし、ほんとうに問題ないと思ったのかもしれない。

だが、選手が3試合連続で足を引きずりながら途中交代するなんて、やっぱりふつうじゃない。3回も連続で、<大丈夫だろう>と<ダメでした>を繰り返しているのと同じ。ケガのリスクもあるなかでの彼の起用は、強引だったんじゃないかと思われるのもしかたがない。

そのように、アルテタの選手マネジメントがプアであるという否定的意見があるいっぽうで、CLクラブのトッププレイヤーなら、それが3日ごとでもすべての試合でプレイするのが当然という意見がある。だから、サカはここでもプレイするべきだった。アルテタ本人も以前にそういうことを述べてもいたと思う。それができなきゃトッププレイヤーにはなれないと。

PLで2年間欠かさずプレイしているなど、サカのプレイタイムはすでにかなりのものになっているが、この世界では彼よりももっとプレイタイムの多い選手(たとえばマンUのエースであるブルーノ・フェルナンデスとか)がいたりするし、それがトップレヴェルの世界の常識というのはたしかにそうなのかもしれない。サカはそのカテゴリのなかにいるべき選手であるのは間違いない。

ただ個人的には、仮にトッププレイヤーがすべての試合でプレイするのがこの世界の常識だとしても、やっぱり選手は上手に賢く扱うべきなんじゃないかと思わずにはいられない。それに対応できる選手とできない選手がいて、サカはできるほうの選手だと思われているだろうが、だからといって安心して酷使してよいものか。

サカのような替えが効かないほど優秀な選手ならとくに。短期的な解決にはなったとしても、長期的には選手にリスクをかけて損をするのは結局自分たちなのだ。

いまのように個人を消耗させていたら、もっと余裕をもってプレイ時間を管理すべきだったと、あとで後悔することにならないか。とくにまだ若年のサカには、燃え尽きの危険もあるのは、以前から指摘されていることでもある。

今回アルテタは、試合前のサカは問題なかったと弁解しているが、この試合でサカがあらためてケガをするリスクがまったくなかったと考えたのだとすれば、選手のフィットネス管理としては、さすがにいささか無責任に思える。足のケガで試合中にプレイを継続することすらできなかったのが2連続で起きていて、この週にはトレインもできていないような期間があったというのに(これはウソだったとか?)。であれば、もっとリスクのほうを考慮すべきだったのではないか。

アルテタはサカのこれまでのノックと今回の問題は違うと述べたが、先日ライスの背中の問題がほかのエリアにも及ぶことが危惧されているという報道があったように、ある部分のケガが一見関係のないほかの場所に影響するというのは、アスリートのケガでしばしば聞く話である。まったく無関係ではないのでは?

サカは週末のシティでもプレイするだろうし(もし彼が出られなければ大問題)、今後もアーセナルのエースとして多くの試合でプレイする。だが、このまま彼の鉄人ぶりに期待をしすぎると、どこかの時点で痛い目をみることになるような気がして、それが心配になる。

実際のところは、今回彼を使ったのは、CLで絶対に勝ちたい試合ということ、(万全にはないにせよ)彼のフィットネスを天秤にかけたうえでの判断だったのだろうと思う。どんなフットボーラーだって、つねにどこかに問題を抱えているのだから、サカの場合だって同じだと。だが、試合には敗けてしまい、おまけにサカはまたケガをしてしまうという最悪の結果になった。試合結果はともかく、サカのケガのほうは避けられたことだ。

今回のことで、当然サカのバックアップ問題もクロースアップされている。あるいは、既存のバックアップ選手への信頼。なぜ、万全ではないサカがプレイせねばならなかったか。いまもRWのオプションは皆無ではないが、サカとのクオリティの落差が大きすぎるからだろう。

だが、まだ100%満足できるスクワッドではない以上、長いシーズンのなかには現実を受け入れてやりくりしなければならないこともある。レギュラーだけではやっていけない。バックアップを信頼し、彼らの可能性に賭けることもときには必要。それが今回だったように思える。レギュラーにケガが出てから慌てるような場当たり的対応にならないためにも、バックアップ選手に機会を与えるだいじな機会ですらあった。

サカを使わないで敗けたら、それはそれでおまえは文句を云ってたはずだと云うひとがいるかもしれない(いかにもおれが一部のブログ読者さまに受けそうなお叱りである笑)。

が、今回ならヴィエラかネルソンかESR、あるいはエディが9に入ってジェズースがRWだろうが、ぼくはアルテタがサカを使わない判断を支持したと思う。もしこの試合でプレイできるほどサカがフィットしていても、週末にフレッシュな状態でプレイするために温存しましたというのなら、それは賛成できる。どう考えてもCLグループステージよりPLシティのほうが重要だから。限られたリソースに優先順位をつけるのは当然だ。

たとえばウォルヴズのPedro Netoのうわさも最近ちょくちょく目にするようになってきたが、この調子だといずれサカに問題が発生し、早晩、RWのバックアップについての議論がまた熱くなっていきそうである。この件は、放置できない。なるべく早い解決はサカのためにもなる。

選手はケガを抱えているのがふつうで、少しくらい問題があってトッププレイヤーならすべての試合でプレイしなきゃいけない。試合には絶対勝ちたい。マネジャーにとってもこの試合のサカは難しい判断だったというのは理解できるが、彼個人の状況やチームのフィクスチャなど総合的に考えれば、この試合ではリスクをかけるべきじゃなかったと、ぼくは感じている。

いまはサカが、日曜にはなにごともなかったかのように、トップフォームでプレイできていることを祈ろう。なむなむ。

 

試合については以上

23/24 UCLグループステイジMD2の結果(グループB)

PSVはセヴィーヤと2-2ドロウ。グループBは2試合めにして全勝チームなし。なにやら波乱の予感。

アーセナルは2位転落。まあ、あのパフォーマンスではしかたない。ランスは強かったよ。全然ボールをこねくりまわさず、クロス/カットバックみたいなシンプルな攻撃が効果的だった。その点はアーセナルと好対照だった。

今年のアーセナルはアウェイで強かったんだけどなあ。悪い試合をやるのはこれっきりにしてほしいものだ。

今回のCLにおける唯一の慰めは、マンUが敗けたこと。最近、彼らにはよく慰められている。ほんとうにありがとう。ホームでガラタサライに敗け。カセミーロがまたレッドカード。これでグループAの最下位になった。彼らはただでさえバイエルンと同じタフなグループなので、このまま脱落希望。

 

アーセナルのつぎの試合は、もちろん日曜のPLマンシティ(H)。6ポインター。

今回は敗けてしまったけど、さすがにホームでは違う顔を観せてくれるだろう。

今回のアウェイ試合で痛感したのがやっぱりホームサポーターの存在。アーセナルは後半は元気がなくなって、失点したあとなんかは勢いもリズムもなくもう為す術もなかった。それ以前から準備していたとはいえ、3人サブも失点の直後だったから、非常に後手後手な感じが拭えず。身体も疲労がありありと観えて、あそこから盛り返せるようにはとても観えなかった。

でも、もしあれがホームだったら、サポーターが声を枯らしてエナジーをもたらしてくれる。日曜のエミレーツはきっとビッグブーストがあるだろう。

 

ではまたプレヴューで。

COYG



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3 Comments on “【マッチレビュー】23/24 UCL RCランス vs アーセナル(3/Oct/2023)今シーズン最初の敗けとサカのケガ

  1. メディカルもサカも同意して、アルテタがサカを起用しているのだとしたら別に責められた判断ではないと思う。それよりもライス、ジンチェンコのポジショニングが一向に改善されないことが問題。ビルドアップの不具合は前線の選手のプレー難度をあげ、球際や無理なボールキープが発生してしまう。サカ自身のポジショニングも原因だけど、ウィングが相手を背負った状態でボールを受ける機会が多くなっている。そのことは決して怪我とも無関係ではないはず。アルテタの仕事は3、4回のチャンスを決めさせることではなくて、チャンスを10回に増やせるように選手のタスクを整理することだけど、今シーズンそれができていた試合は一つもない。

  2. 単純に他のマネージャがアーセナルを率いていたらどうなっていたんだろうと思う今日この頃。

  3. 試合の勝ち負けは相手の出来もあるから仕方ないですがマネジメントへの疑問はやはり感じますね
    師匠のペップなんか絶対的主力でも普通にサブに入れる事もあって(それでも今期は怪我多いけど)かなりリスク管理に気をつけてると感じます
    今まではサブとの力の差が大きくてそれが出来ませんでしたが今期は上手く回して欲しいですね

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