アルテタコメントのトーキングポインツ
今回のプレス会見での発言は、ここ数日で起きた重要なことに関するものがけっこうあるのでまとめておこう。
パーティが手術
まずは選手たちのフィットネス情報。
パーティが手術(大腿)をすることになったという。これ一昨日のジョン・クロス(Mirror)のスクープらしいんだけど、彼自身の発信はあんまり注目されてなくて気の毒。
Arsenal suffer new Thomas Partey setback with midfielder ruled out for rest of 2023 after undergoing medical procedure on thigh injury https://t.co/P9HsVBwvD0
— John Cross (@johncrossmirror) November 9, 2023
そして、昨日のThe Athletic(Art de Roché)によれば、アーセナルの内部では彼の離脱期間を「6-8週間」と見積っているということ。これ笑ってしまうのは(笑っちゃダメなんだけど)、だとすると、ちょうどAFCONに間に合う期間なのだよね。
彼はNTでケガをして帰ってくるみたいなことを繰り返していて、30才という年齢からしても、もういい加減リタイヤしてもいんじゃないかという。
それと、もちろんアーセナルとしてももう本格的に彼の代替について考えねばならなくなった。だましだましはここまで。あまりにケガがちであり、契約期間や年齢を考えると、この1月の動きすらあるかもしれない。彼がアーセナルに来て以来、プレイできる試合の40%の期間ケガでアウトになっているという話も。代替候補についても、ヴィラの彼とかソシエダの彼とかブラジル人とか、最近だんだん盛り上がってきた。
ジェズースとオーデガードとサカとナショナルチーム
オーデガードは、今回のNT招集は辞退することにしたらしい。ノルウェイメディアが伝えていた。それがいい。
それと、ジェズースについては、以前からアーセナルは彼をNTに送り出すことには乗り気じゃないと伝えられていたが、今回のアルテタのコメントからすると、まだどうするか決まっていないようだ。もちろん、アーセナルは彼をロンドンにとどめたいから、セレソンの人たちと本人をどう説得するか。こういうときエドゥがいてよかった。
サカについては、難しいところだろう。もちろんアーセナルとしては、彼についてもNT招集は避けたいものの、この試合にフィットするようなら、少なくともフィットネス理由がNT参加をしない理由にはならない。
選手はみんなNTでプレイしたい。クラブはクラブを優先してほしい。難しいものだ。
そういや、トミヤスはやっぱりロンドンに残るのかな?
Independent Key Match Incidents Panelがニューカッスルのゴールを正当認定
今回、NEWARSで激しい議論を巻き起こしたニューカッスルのゴールについて、当事者から独立したPLの機関(Independent Key Match Incidents Panel)があらためて検討した結果、正しくゴールと認定されたという。
Panel says Newcastle goal vs. Arsenal correct
機関のメンバーは、3人の元選手/コーチ、PLとPGMOLの代表者がひとりづつの5人で構成。
焦点となっていたガブリエルが後ろから両手で押された件については「ファウルはなかった」と判断された。5人の投票で4人がこれを支持。
Joelintonの両手はガブリエルにかかっているが、ガブリエルは接触の前からアクションを起こしていたため、ファウルと認められるには十分ではない。
それと、ゴール以外のふたつの事案について。まず36分のハヴァーツのLongstaffへのタックル。あれはレッドカードであるべきだったと誤審認定された。
非常に危険なチャレンジであり、根絶される必要あるタイプのタックル。
そして、45分のBruno Guimarãesのジョルジーニョへの攻撃についてもレッドカードが与えられるべきだったと認定されたが、ESPNの記事が明かしている驚くべきことは、なんとその投票は3-2だったという。
つまり、メンバー5人のうちふたりが、あれはファウルじゃなかったと考えているという驚愕の事実。まさに噴飯もの。
チャールズ・ワッツ「今後は、腕でなら相手の後頭部をいくら殴ってもいいらしい」。
Great to see that footballers have now been given free rein to run around smashing their opponents in the back of their heads with their forearms from now on.
Imagine the possibilities……
— Charles Watts (@charles_watts) November 9, 2023
これ思うんだけど、「利害関係者から独立したパネル」なら、すくなくともPLとPGMOLの人間は関与しちゃいけなかったんじゃないんですかね。PLには、起きたことが間違いでしたとできるだけ認めたくないインセンティヴが働くし、もちろんPGMOLもそう。会議のオブザーヴァーみたいな役割ならともかく、2/5もの投票権があるのは納得いかない。
アルテタの会見でもやりとりがあるように、このメンバー5人の素性がわかったら、またあらためて議論が再燃してしまうんじゃないだろうか。
この件については、またべつの機会に書こう。
と云いながら、これだけ。昨日の『The Telegraph』が伝えるところによると、VARの制度には大幅な変更を施される計画があるそう。記事は読めないんだけど、サマリを見つけたので。
Officials should not be able to officiate in leagues in states whose sovereigns/Vice Presidents own clubs.
Officials subject to performance based review with incentives for good performance. The NFL chooses SuperBowl refs based on similar criteria.
Pay the refs more and professionalize the job.
Ban referees from officiating games involving teams from their home cities/regions. Spain does this, and to his credit, Michael Oliver doesn’t officiate Newcastle matches.
There are things that have nothing to do with technology that would help legitimize the PGMOL and don’t have a timeline to roll out.
アメリカとかスペインとか外国では当たり前にやっていることをPLにも導入しましょうと。PLのレフの出身地に偏りがあるのは、やっぱり問題になってる。改善の余地ありまくりである。
このパートはべつのエントリにすればよかった……
ラムズデイルの移籍?
と、アルテタコメントに話を戻して、ラムズデイルの件。
これまでラムズデイルの具体的な移籍の噂というのは、ぼくもまだ観ていないのだけど(チェルシーとかのゴシップ以外)、今後冬のウィンドウもあって間違いなく焦点になるだろう案件であることはたしか。パーティの問題があるなかで冬のCM補強の必要性、いまクラブが抱えているFFP問題を考慮すれば、彼を売却して得られる金はかなり重要になりうる。
今回彼はイングランドNTに招集されたのでまだよかったが、もしここで外れていたら、この件は世間的にもっと話題になっていたはずである。
アルテタは今回「彼にも重要な役割を果たしてほしい」と述べていて、移籍を早まるなと彼にもメッセージを送っているように観えるが、いっぽうではこの状況への彼の不満に対処することの難しさも感じていそうである。どう彼をなだめてチームでうまくやっていってもらうか。まあ、彼のようなトップGKをずっとNo.2にしておくのは、そもそも無理があるということなのだろう。
今回の翻訳で、その部分はなるべく句読点を切って読みやすくしようとしてみたが、実際の文は全然切れ目がなくて、いかにもアルテタがフラストレイションを感じたときの話し方だと感じた。彼は、訊かれたくないことについて答えるとき、だいたい早口になったり、すごく長いセンテンスで話したりする癖がある。
だから、アルテタ自身もいまのGK状況に居心地の悪さを感じている気がする。自分が招いたのだけど。
個人的には、CLはラムズデイルを使ってもよかったんじゃないかと思える。ラヤが完璧じゃない部分を見せているいま、GKとしてそこまで両者にクオリティ差があるとも思えず。そんなに悩ましい状況なら、PLはラヤ、CLはラムみたいにしておけば、いらぬプレッシャーを感じることもなかったんじゃないか。アーセナルにとってもCLはトッププライオリティなんだから、ラムズデイルの自尊心もある程度満たされる。トップGKふたりを抱えている状況なら、さほど変なことでもないだろうに。