試合の論点
アーセナル vs バーンリーのトーキングポインツ。
The perfect send off before the international break 🙌
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— Arsenal (@Arsenal) November 11, 2023
今シーズンのアーセナルはセットピースが脅威に。ボックスで屈強な漢たち
この試合を決めたのは、アーセナルのふたつのセットピースだった。
ひとつは56分、トロサールのコーナーから、サリバの(ゴールのなかを横切ってGKの前に立ったことによる)イージーなヘッダー。これで2-1。失点した3分後という、ナイスなタイミングのゴールでもあった。
それともうひとつは72分、やはりコーナーキックのこぼれだまをダイレクトにぶちこんだジンチェンコのゴール。3-1で試合終了。
これで今シーズンのアーセナルのセットプレイからのゴールは8。リーグ単独トップとなっている。※2位はシティとエヴァトンの6
逆にわれらはオープンプレイからのゴール(11)が少なすぎるという懸念はあるけど……
が、アーセナルがPLで戦う大半の相手はディープブロックをやるので、オープンプレイからゴールするのは云うほど簡単ではない。つまり、われわれのようなプレイスタイルなら、セットピースも洗練させていけばそれが大きな武器になるということ。少なくとも、そのときだけはほとんど50/50のチャレンジができるのだから。
それと、セットピースを語るときに忘れてならないのが、いまのアーセナルのチームにある身体的プレゼンス。いまアーセナルのセットピースでは、ビッグガビ、ビッグウィリー、トミヤス、ライス、ハヴァーツと、190cm前後の巨人たちが目白押しで、そこはボックスでの相手守備にとってはかなり脅威になっているはず。
もはや、アーセナルは屈強な選手を揃えていて、リーグでもフィジカリーにいじめられる側ではなくなっているとも云われるが、それもいまのアーセナルの<プロジェクト>で、ここ数年意識的につくられてきたものなのだろう。PLで勝つためには必要なもの。
試合後のKompanyがアーセナルのふたつのセットピースを称賛していた。
コンパニ:トップチームとの対戦だったとしても、われわれはよりシャープに、このリーグのレヴェルにある脅威には気づいているべきだったと思う。
わたしはアーセナルを称賛せざるを得ない。あれは偶然じゃない。ハイポゼッションでボックス周辺でプレイするので、セットピースの機会をいくつもつくる。セットプレイも危険になる。
それに対処せねばならないが、そこはリーグでもアレをやるベストチームのひとつ。彼らがセットプレイでベストチームだということは忘れちゃいけない。彼らは試練を与えつづける。彼らがピッチ中央からの攻撃、あるいはショッツを通して攻めてくるのでなければ、あとはセットプレイを通してになる。ベストチームにあらゆる面からテストされるのだから、シャープでいなければならない。
称賛されているのは、もちろんアーセナルのセットピースコーチ、ニコラス・ヨヴァー。シティから来たスペシャリスト。元シティのコンパニだって知らない仲じゃないだろう(※記録によるとヨヴァーがペップのアシスタントコーチになったのが2019年、コンパニは2019年にアンデルレクト移籍なので、クラブではちょうど入れ違いかも)。
ちなみに、ヨヴァーは先日のニューカッスル戦では、サイドラインからのトロサールへの指示で「まるでマネジャーのようにわめいていた」とギャリー・ネヴィルから批判されていて、そのことだけでもわれらが彼を熱烈支持する理由になっている。あとで、マンU相手にぶち込めばやつを黙らせられる。
今シーズンはとくに、アーセナルのセットピースルーティーンは毎試合の注目ポイントだろう。試合のなかでさえ変化をつけるし、いつもなにか変わったことをやろうとしているように観える。
彼には、今後も、アーセナルのセットピースをどんどん進化させてほしいと願ってやまない。
ジンチェンコのバウンスバック。弱点の守備でチームに貢献
アルテタからはもちろん、すでに各所で指摘されているが、今回のジンチェンコのパフォーマンスで出色だったのは、守備である。
Oleksandr Zinchenko for Arsenal vs. Burnley:
◉ Most touches (116)
◉ Most passes in final third (45)
◉ Most final third entries (17)
◉ Most duels won (14)
◉ Most aerial duels won (7)
◉ Most tackles (5)Wow. 👏 pic.twitter.com/xyN6qee3Ij
— Squawka (@Squawka) November 11, 2023
彼のタッチの多さやファイナルサードへのパスなんかは、あのポジションとロールでプレイする彼にとっては、とくに珍しいものではないが、今回は陸上と空中のデュエルがどちらも最多勝利で、最多タックルもある。試合中、何度か素晴らしいボール奪取をやったし、ここは、彼の全体的なプレイ傾向からするとけっこう珍しいところだっただろう。
ジンチェンコといえば、LB/CMとしては守備の軽さが弱点というのは以前から云われていたことで、そこがストロングポイントであるライスが来てからは、そのギャップがとくに目立つようになっていたと思う。それと、最近の彼の個人としてのフォームの顕著な落ち込みもあった。アルテタが重要な試合でトミヤスをスタートさせ始めたのは、そことも無縁じゃないはず。
だから、今回の力強い守備パフォーマンスは非常によかった。彼本人にもよかったと思う。まさにバウンスバック。
もちろん、守備貢献があっても、彼らしいスキルフルなプレイもまったく失ってしなかった。それもこの試合で何度か目を見張るようなプレイがあった。
そのひとつは、やはりあのゴール。試合を決定づけたカンフーキック。パット・モリタも草葉の陰で喜んでる。
GIFさがしちゃったよ pic.twitter.com/Zonjh3X76h
— The AFC-Chenko 🇺🇦 (@NewArsenalShirt) November 12, 2023
彼がフォームを取り戻してくれるのは、いまのチームにとってはかなりありがたい。そして今後も継続してもらう必要がある。